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「今夜の久慈は、一番やらしくて一番気持ちいい」
smoke blue no ame nochi hare
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
久慈×吾妻
40代に入る生々しい男臭さが漂いて、
強烈な場面はないものの、
心に染み込むような描写で、
ありふれた日々の疲れや挑戦の中で、
2人が一緒にいる時間の小さな喜びや、
お互いへの感情の動きがじっくりと感じられる。
リアリズムに溢れる2人の関係と日常についつい引き込まれてしまう。
吾妻が翻訳の勉強、コンクールのチャレンジ、
そして塾の仕事もきちんとこなしている中、
年齢を重ねる彼の母親を見ると、年月の移ろいを強く感じる。その際に、
彼の心の重い負担が久慈と過ごすことで徐々に軽くなっていくのがちらりと見えてとても温かい。
久慈が亡き父の著書の文庫化のエッセイの執筆を依頼されて、
その作業を通じて、父親との関係と向き合うことになっていく姿が胸に響く。
2人の心情はそれぞれ違うけれど、
お互いに寄り添いながら、時が流れる中で、
自然に深まっていく関係が本当に素晴らしい。
久慈の初恋の話に少し心が沁みる。
その初恋に嫉妬のような感情が湧き上がる吾妻がちょっと可愛い。
胸に迫ったのは、
吾妻が久慈に抱く表に出ない恋する感情。
リアルで、少し疼くなるような
久慈を求める本心ーー
一緒にいることで癒されること。
久慈を感じる体ーー
久慈の体温や匂いを感じるたびに、溶け込んでいくような気持ち。
久慈を思う姿勢 ーー
久慈の誕生日に特別ではないが何かをしてあげたいという行動。
久慈の誕生日さえ知らなかった吾妻、
そんな2人の関係性、さすがに独特の味わいがある。
そして、
これから吾妻が誰かといても、
吾妻とずっと一緒にいるという久慈の道筋。
派手ではないけれど、
吾妻へのひそかな愛情が込められているのがたまらない。
さらに、
吾妻が「本心がただ漏れしたんだよ」と言った後、
感情が溢れ出す久慈の泣きそうな顔。
2人の想いが通じ合ったことがはっきりとわかった。
温泉宿に急に誘うとき、「朔太郎」と呼ぶ久慈。
信号待ちの時、自然に繋ぐ2人の手も愛しくて仕方ない。
半同棲生活、一緒にご飯を食べたり、タバコを吸ったり、
自然形なキス、エッチ・・・日常の一瞬一瞬で、
一緒にいるのが当たり前の2人の馴染み感、読んで心地いい。
日常に潜む愛情や垣間見える本音が丁寧に描かれて、
静かに支え合う2人の関係性にじんわりと心を奪われました。
日常がゆっくりと描かれるなかで
そこから滲み出るように内面の成長が
描かれていく、かもめ先生のこの名作は
今回クライマックスを迎えます。
前回の後半で、ようやく素直な気持ちを
伝えることができた朔ちゃん。
普段、言葉にすることもなく
空気を読み合うようにして
お互い居心地の良さを感じるようだったのが
一度、言葉にしてみると楽になったり
足元がしっかりしてくるような多幸感。
そして、そんな自分を愛おしく思う気持ちが溢れて
また相手のことを愛したい気持ちが鮮明になっていく、そんな朔ちゃんの姿が
ありのままといった感じで淡々と描かれていきます。
この恋愛モードが、とても大人のそれで素敵です。
また、偶然の成り行きにみせて、その先の辿り着く気持ちは恋の行く先にもなっているという
本当に見事なストーリーテラーぶりを
今回もいかんなく発揮されています。
そして、大人の恋愛ということで
身体で繋がる場面が、ガッツリなんですけど
またモノローグと共に本当にエモいです。
心も身体も繋がっていく2人の姿を
ぜひ堪能していただきたいです〜
取り敢えず、、、まずは一言残しておきたいと思います
………………。。。
って、、、『かーちゃんだったんかい…っ??!!』と…‼笑笑笑
出鼻を挫かれるというか”久慈らせられた”というか…?!(久慈らせる…完全なる造語ですがニュアンス的に久慈さんを匂わせる的な事ですかね?笑…お察し下さればこれ幸い)
脱線気味に始めてしまいましたが、いつも心待ちにしている大切で大好きなシリーズ作品です
或る意味新しい形の始まりになるこの5巻はすごくすごくドキドキしてページを捲りました
そんなドキドキをこんな形でいきなりクスっとさせられるなんてwwwイメージとしては完全に吉本新喜劇の全員でコケるあの感じでコケてからのツッコミ不可避でしたよ?朔ちゃんの「かーちゃんだった」発言は(笑)
たまらずレビュー冒頭でその気持ちを書いてしまった訳です、、、
そんな始まりで迎えたこの5巻
2人の時間と体が今まで以上に重なっていく瞬間を多く感じられました
決してひとつになることはできないけれど、それを分かっているからこそ手繰り寄せる2人だけの形と日常
変わらずに丁寧に切り取られた2人の時間に引き寄せられてしまいます
散りばめられたエピソードもちゃんと今までの積み重ねの上にあるお話しなのもこの世界に私を留めてくれていてずっと集中して読めます
展開を産む為のエピソードではなく、彼らの日常から生まれるエピソードだからこそずっと浸って読み耽る事が出来ます
ずっとこのまま出来るなら続いて欲しいシリーズです
手をしっかり繋いで信号が青になるのを待つ2人
足をぴょこぴょこ(という表現が最高に可愛かった♡)させて逸る気持ちを抑えられない久慈さんとそんな久慈さんを愛おしく思う朔ちゃん
このシーン、すごく好きでした
読者としてどんどん2人への愛情が増しています
とっても満足度の高かった5巻でした
待って待ってようやく届いたコミコミさん便!待ちきれなくて、電子で買ってしまおうか…と何度も思ったんですが、どうしても紙で味わって読みたくて我慢しました。
本当に本当に、我慢した甲斐があった……!!
シリーズ一とも言えるほど、甘い巻だったーー…!!(私には)
今巻の自分的最高に萌えたシーン(久慈)は。↓
1.ぜえはあ言いながら走って吾妻を追いかけ、「朔太郎!」と叫ぶ久慈。
2.温泉宿でのえち時、浴衣の袖からチラ見えする脇毛。
決して毛フェチではないはずなのに……!浴衣から見える脇毛に”男”を感じて萌えてしまいました。
そして、追いかけられ叫ばれた相手・朔太郎が放ったセリフがもうね。嘘偽りない正直な気持ちが照れもなくそのまま出ちゃってて。眩しかった…!
久慈の過去の淡い恋心、朔太郎が向き合う”老いていく母”という現実、そんな中で交わされる二人の静かだけれど深い愛、描かれている全てのことが愛おしく思える一冊でした。
久慈のお姉ちゃん視点の短いお話があるんですが、それがまた最高に沁みて、なんだか泣けました。弟思いの、いいお姉ちゃんだなあ…
二人が再会してから2年、41歳×40歳の日常と恋を、この5巻も堪能させていただきました。はあ…ほんと沁みる。。
吾妻は学習塾の正社員になり、久慈はお父さんの本の巻末に載せるエッセイを執筆中。なので、なかなか会えない二人です。
そんな彼らですが、多忙に引き裂かれてすれ違い仲違いなんて事にはならず。なにせ大人なので! つまらない邪推をしたりだとか、ワガママを言って相手を困らせたりなどは、しないでのです。なぜなら大人だから!
互いに聞き分けのいい日々を送りつつも、暇があれば会って、一緒にご飯を食べて、セックスしてと、仲睦まじいのです。ほっこり。しかし前から思ってたけど、彼らけっこう性豪だなって。忙しいと益々盛んのような。
多忙な日々の間に挟まる、ちょっとビターなエピソードたち。わたし的に最もジンとしたのは、久慈と三上さんの別れのお話。なんて切ないんだ……でもそれはそうだよね……という納得感のある話でした。
それこそ死ぬまで付き合える関係性は「家族のような」ではなく「家族」くらいしかないわけで。しかし家族という関係性の最後は決して幸せとは言えないものです。幻滅と気苦労と後悔を長く噛みしめた末に、死によって終止符を打たれるもの。しかも、山のような残務処理を残して。
久慈も吾妻も既に父親を亡くしているので、遺された家族の悲しんでる暇もない苦労などもよく解っていて、だからこそ互いに遠回しに、時には直球で、相手に思いをぶつけることはあっても、お互いの関係性を確かに繋ぐような決定的な告白はできない訳です。
言うなれば自らもだもだで停滞することを選んだ二人。彼らがずっと一緒にいたいという気持ちを控え目かつ小出しにアピールする姿がほほえましいのですが、今回はかなりでかいのが来ましたね。それを目撃した原さんの役得ぶりが羨ましいクライマックスでした。
家も仕事も悩みもそれぞれにある
毎日をしっかり地に足をつけて生きる2人が
お互いに必要不可欠な存在になって
それを遠回しで不器用ながらも相手に伝えられるようになって
自分の感情もコントロールできて周りへの配慮もできる大人だからこそ
たまに感情のままに走り出したり本音がダダ漏れたときの破壊力がすごい
ずっとずっとこの2人を見守っていきたい
お互いを慈しみ合うようにただ一緒に生きていってほしい
そんなふうに思わせてくれるこの作品に出会えたことに感謝
ただただアラフォーふたりの日常なのですが…それが毎度予想を遥かに超えて心に沁みる!エモい!大好きな作品です。5巻になってもまったく飽きのこない味わい、いっそじーさんになるまでふたりを見守っていたいくらいの気持ちにさせてくれました。そう、スケベにも日常にもお仕事にも偏らず、彼らの愛おしい生活で、この雰囲気はなんともいえずシック(Chic!)とふと思いました。
彼らの抱える大人の事情は、大人なら誰しも思い当たることだったりして、本当にどうしてくれよう!っていうくらいちょいちょい共感してしまうんですよね(久慈のプラスチックのフタ問題に一番共感した…)。仕事も生活も臨場感→隣人感が満載。とはいえ、ふたりの無理のない自然な距離感、時々チラ見えする溺愛、THE理想の大人の恋愛なんですよね。本質的な部分で、こうだったらいいなぁというリアリティあるユートピアがこの世界観な気がしました。
というわけで、BLイベントとしての温泉♪そして温泉でBLといえば期待を裏切らないアレ!浮かれるアラフォーが可愛くてもう転げ回ってしまいました。それにしても貫井さんがエロい!彼の纏う雰囲気がエロすぎて、周辺人物のわりには存在感がありまくりなのですが、別に当て馬ではないっていう控えめな演出がたまらん。周辺人物が個性的で存在感も十分あるのですが、彼らの事情が主役ふたりのラブストーリーの邪魔にならず、説得力や意義があるところも、この作品を素晴らしいと思う所以だったりします。もう、つづきが読みたい!
5巻、相変わらず日常は続くが同じ日はなく時間は進む。日々多忙で疲れが溜まる中二人の時は前より素直に癒し合えるようになった静と朔太郎。特に朔太郎が誕生日に他の男が訪ねてくるのに露骨に嫉妬を表して、静が破顔してしまうのがよかった。日々の繰り返しを我慢強くこなしたから後半の旅行のご褒美ボーナス感が高くてそこからはただただ気持ちいい。朔太郎からの「本音ダダ漏れ」と決定的なセリフも飛び出す。いつも家で朔太郎からの連絡を待ってる静が前にも朔太郎からの連絡でつっかけで家から飛び出してきたよう、今回は自分から連絡して朔太郎を迎えに必死に走ってくる。普段の静さに対して、あの「動」たる衝動の走りがこの作品の愛の象徴だよなと思う。
5巻にして初の吾妻ソロ表紙。
吾妻をフィーチャーした巻かなと思いましたが、それほどではなくこれまで通り2人の話でよかったです。といっても既刊から吾妻視点が多かったですしね。
特にドラマチックなことは起こらないけど、仕事や家族のことなど日常の中で2人の人生、関係性には常に小さなドラマがあり。
それが巻を追うごとに深度が増していくのがとてもいい。
5巻では両思い具合が濃くなって、阿吽の呼吸のキスの回数増えてません? とうれしくなりました。お互いめっちゃ好きなんだな〜と伝わってくる。
でも直接的な甘い言葉は言わない。そこがいい。
だからこそ、吾妻がおどけて久慈にくっついたり、嫉妬や「あいしてる」の真意は照れてみたり。
それに対してクールな久慈が涙ぐんだり。合鍵を渡したり。
説明的な描写ではなく、さりげなさからキャラの心情を想像してひゃー!となる創りがめちゃくちゃ好きです。
ただ2人の恋愛面だけでなく、仕事や家族や過去のことや誰にでも想像や共感できるエピソードに交えて2人の気持ちが絡まってくる描き方がいい。
日常面でわかる〜そういうことあるよねぇとなりながら、相手のことを思い切なくなったり会えてうれしくなったり。こういうのが見たいのよー!とほくほくします。
40歳は不惑と言うけど、めちゃくちゃ惑うよね〜とか。
おうどん美味しいよね〜とか。
家族はありがたいし心配だけどしんどいことも多いよね〜とか。
特に三上さんの気遣いとそれに寂しいけどホッとする久慈のエピソードがわかる〜!となりました。
久慈が古くて小さくてもいいから自分の家を持ちたいと話したこと、以前の実家への愛着からとてもしっくりきました。
あの実家は久慈という人を体現していて、吾妻を一時期住まわせた時に久慈が吾妻を受け入れたんだなと思いましたし。
それがいつか実現して縁側でタバコを吸いながらほっこりする2人が見られるのかな〜と楽しみです。
久慈父の著書へのレビューが辛辣だったのが笑ってしまいました。
離れ離れに暮らす2人。
それぞれ変化を迎え、多忙の日々を送っています。
そんなある日、久慈の家でご飯を食べていた朔太郎。
ふと会話の流れから久慈が誕生日であることを知り、慌てて下のコンビニでケーキを買ってきます。
そしてその後、編集者の貫田が誕生日ケーキを持って現れ、、、という始まりからのお話。
このお話のなにがいいって、アラフォーの生態を取り繕わず、こんな失敗もしたんだよ。
でもね、、、
と、ありのままの2人の生き様――ライフスタイルの変化を戸惑いながらも受け入れ、それでも2人の関係を持続させていくリアルさがとても良いのです。
今回も貫田との過去の恋だったり、朔太郎が正社員となった話だったり、姉の存在に助けられたり、将来は高齢の母と暮らすだろう想定があったり、、、
常に岐路に立たされている2人。
いつまで2人は離れ離れに暮らすのだろう。
もしや、ずっと離れたままで遠距離となってしまうのだろうか(朔太郎が将来的に母と同居するかもと匂わせたので)、とドキドキしていたら、
久慈が自分の家を持ちたいと告白しましたね。
またいずれは、同居の可能性が見られたということですね。
あと、合鍵エピソードや温泉へ行くまでのくだりがとても良かったです。
とくに派手なエピソードはないのですが、ひとつひとつのエピソードが心に染み入るこちらの作品。
まだまだ2人の雨のち晴れ模様を、スモークブルーの向こうから見届けたいと思います。