元同僚、現居候。変化するのは仕事と住処だけではなくて。

スモークブルーの雨のち晴れ 3

smoke blue no ame nochi hare

スモークブルーの雨のち晴れ 3
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神163
  • 萌×221
  • 萌4
  • 中立3
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
21
得点
914
評価数
194
平均
4.7 / 5
神率
84%
著者
波真田かもめ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルールコミックス
シリーズ
スモークブルーの雨のち晴れ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784046825469

あらすじ

塾講師のバイトの傍ら翻訳の学校にも通い始めた吾妻朔太郎は、
元同僚の久慈静の家に居候をすることに。
そこで、久慈家が過ごした古くも美しい邸宅の
「終わり」の日を共に迎えることになり――。

元同僚ケンカップルの翻訳家BL☆
描きおろし漫画「東雲色の食卓」14P収録!

表題作スモークブルーの雨のち晴れ 3

久慈 静,医療翻訳家,39歳→40歳
吾妻 朔太郎,塾講師のアルバイト,39歳→40歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし「東雲色食卓」
  • 久慈父の翻訳小言
  • カバー下(登場人物紹介)

レビュー投稿数21

一つの区切り、その後が気になって…

全力ネタバレです↓

ついに久慈家の取り壊しに至る切ない巻です。三巻までの繊細な積み重ねが功を奏し、静にとって全てである家は読者にとってもまた離れがたく。最善の選択とわかっててもそれが近づくのがとっても悲しい…。最後の夜におんぶされたまま泣きじゃくる朔太郎の「あの家はお前によく似合ってた」が良かったです。静が今まで守ってきたものを肯定して、静に響いたと思う。二人の仲も徐々に近づきこの巻では気持ちの共有ができているので、静の心を受け止める場所に朔太郎が確かにいるとわかる瞬間でした。

そのせいか、再会した二人はもう盤石で。朔太郎らしいひねた「キスしてやろうか?」の甘え文句を静が口にするとは…。愛されてる自信あるな〜この静ちゃんはと嬉しくなり、同様にフラッと消えずに一途に静を待ってて空港まで迎えに行っちゃう朔太郎からも全力の愛を感じる。
単行本描き下ろし、帰った直後のイチャイチャは連載時に感じてた一抹の寂しさを吹き飛ばす贅沢なご褒美でした。
二人の次がどうなるのかわからないけど、言えてない朔太郎からの「俺も好き」の告白が聞けたら!もう大丈夫でしょ、と勝手に思ってます。朔太郎頑張って。楽しみにしてます。
ところで単行本の表紙、雨の青続きだったのが曇りに変わり、次の巻では晴れの青空色になるのかな?綺麗な色とレイアウトの表紙も毎度素敵です。

8

家を失う切なさあふれる3巻

こちら大好きな作品。この作品に流れる、しっとりとした空気感がとても好きです。

久慈の家で居候を始めた吾妻。
二人が和やかな友人同士のように過ごす様子にほっこりします。

物語は、久慈が家を兄に明け渡す(=取り壊す)方向に急速に進んでいきます。
もうすぐ家を失う、ということがお話の根底にあり、なんとなく物悲しい、切ない雰囲気が始終流れます。
中盤、家が大幅に片付けられた中、二人がお互いを慰めるようにソファで抱きしめ合う姿が、どうにも切なかった。

酔って階段から落ちた吾妻を、久慈が息を弾ませて駆けつける場面は、普段はクールな久慈の、吾妻への気持ちを感じられました。久慈に背負われて、吾妻が溢れる気持ちを話すシーンは、切なくて胸が締め付けられました。

吾妻は明らかに久慈に好意を持っているのを、その言動の端々から感じるのに、明確には進展しません。自覚がないというか。今後どうなっていくのか…。

それにしても、久慈の長髪は本当に色っぽいです。下ろしても結んでも、大変色気があり、かなりの萌えポイントです♡
またクールな久慈が、たまにニコッと笑うシーンがいくつかあって、それがたまらなく可愛いくて大変萌えました♡

それから本作は、普段は割と淡々と、でも楽しげに、気の置けない友人のような雰囲気の二人が、濡れ場になるとグッと色気を増す、そのギャップが好きです。3巻でも数回濡れ場がありますが、官能的で素敵でした。

3巻では二人がとうとう久慈の家を出て、それぞれ新しい生活を始めました。
とはいえ距離の近さは変わらずです。
40歳となり、今後二人がどうなっていくのか、見守っていきたい気持ちです。
続きも楽しみに待ちたいと思います。

電子(シーモア)購入  濡れ場は修正不要な描き方

★シーモア限定書き下ろし漫画12Pは、なかなかエッチで大変良きでした♡

5

美しい家。

居候、というかもはや同棲。というかもはや新婚さんじゃん!っていうぐらいナチュラルにさりげなくイチャコラしながら暮らしてる二人。
でも、終わりの日は着実に近づいている。
同居生活も、想いの詰まった美しい家も。

いやもう……久慈家にまつわる部分を中心に再構成して実写映画化したら、一般作として普通にヒットするんじゃなかろうか。
1巻での父と息子の話に続き、2巻から3巻で描かれた兄と弟の話も素晴らしかったです。

独りで父と家を守ってきた静に対して、実さんのやり方はあまりに非情だけど、半面、いつまでも過去から抜け出せない静を開放してくれたのも事実。かつて、レーズンを全部食べてくれたときのように。
あの家にとっても、次世代の恵乃ちゃんが幸せに暮らせる家に生まれ変わることが、いちばん綺麗な最期のはず。父に愛されなかった過去よりも、妻子を愛して生きる未来に目を向ける兄の背中から、静は何かを教えられたように見えました。
そして、恵乃ちゃんの黄色いスリッパ。古い家に繋がるものを、実さんは本当なら新居に入れたくはないだろうに。実さんもまた、無口で不器用な弟から何か感じるものがあったのかもしれない。
お互いに蟠りがありつつ、どこかこうやって細い絆で繋がっていくのがこの兄弟なんだろう、って気がしました。

単純に「お父さんと家を失って可哀想な静」だけじゃない、割り切れなくて複雑な人生のドラマを見せていただきました。

朔が家を出る前の夜に、一緒に酒を酌み交わしたりしないのも、また二人らしくていい。
上手に落ち込めない静に代わって、勝手に一人で酔っぱらって、勝手に一人で泣いちゃう朔。
静の形にならない想いを、ぜーんぶ言葉にして吐き出してくれちゃう朔。
最高のパートナーだよ……

朔のほうも、もう完全に落ちちゃってるでしょ?
会えない時間が愛育てちゃってるでしょ?
カードにキスとか、乙女かよ?
……と思いきや、
「確かめあった……何を?」
なのか、朔太郎?!
この二人のあいだの言語では、
「キスしてやろうか?」=「キスしてほしい」
「お前はほんとおれのこと好きだね」=「おれはほんとにお前が好き」
だろうに。
めんどくさい性格の静より、あけっぴろげな朔のほうが、意外と恋愛に関してはめんどくさいやつだったのか。

5

人生がつまってる。最高。

40台のわたしにささりまくる、本当に気持ちを動かされる物語です。寂しい、やるせない、情けないなんていう、なんとも表現しにくい感情がお話の中から伝わってきて、もうたまらない気持ちになります。だからこそ、誰かに寄り添ってもらえる安心感や言葉にはしない感謝の気持ちとか、小さな気持ちの動きが「うん、わかる。あたしもこういう経験したことある。」と深い共感につながります。良いことばかりじゃないけど、だからこそ気づけることもある。人生がつまったお話です。

4

共に歩む39→40歳

久慈×吾妻


39歳から40歳の2人が、
なんだかお互いに特別な存在という感じが、
この3巻でさらに強くなっていく。


2人がベッドの上での年越しの様子からスタートして、
吾妻が自然に「あけましておめでとうー」と言っているのに、
久慈がちゃんとした返事をしていない。
本当に2人のこの空気感がとってもいい!

寂しいから、
慰め合うから、
求めるから、
好きだからとか・・・理由はどうでもいい、
2人らしくて、
欲求や感情が重なり合って、
心地よいセックスが
ずっと見ても心踊る魅力がある!

吾妻が塾の講師バイトと翻訳の学校に頑張っている姿が素敵で、
やっぱり久慈との再会があって、
吾妻の人生は変わり始めるのだろうな。

あの穏やかな久慈家とのお別れ。
2人も心に穴が空くような感じがする。
吾妻が感じる悲しみと涙・・・、もうぐっときて、
久慈の内に秘めた痛みが重なり合って、
ちょっぴり切ない気持ちになる。

別れの寂しさの中にも、
家という繋がりがなくても、
環境や心の変化があっても、
お互いに欠かせない存在という「本心」は変わらない。

久慈が半年間海外にいても、
時差や距離を超えて2人が繋がっていることや、
吾妻が久慈が必ず自分のところに帰ってくることを信じることに感動する。

吾妻の40歳の誕生日に、
久慈がちょっぴり「愛情」表現をすることにキュンとする。

海外から帰ってきて、
久しぶりに吾妻に会った久慈が「キスしてやろうか?」と言うとか、
吾妻が「おかえり」とはすぐには言わず、
食べたりやったりした後に言うとか、

2人とも会うのに望む気持ちが詰まっていると思うけどな〜。

この2人がなんだ本当にたまらない!

40歳という大人の年齢で、
2人がどんな新たな一歩を踏み出すのか、
次はとっても楽しみです。

久慈が黙々としていても、
吾妻にはちゃんとわかっている。
言葉に頼らず、
関係性に拠らず、
2人らしい繊細な静かな熱情に心を奪われ、
環境と心の変化や、
少しの間の離れ離れの生活にも関わらず、
2人の間に確かに潜んでいる愛しさに
胸がキュンと締め付けられる3巻でした!

3

再会から二年。遂にその時が来てしまう。

いつの間にか40歳になった彼ら。現実の38→40歳は、たかだか二年なのに転げ落ちっぷりがエグいものですが、久慈と吾妻はあまり変わってないので、その点は安心です。

でもそうこうしている間に時は過ぎてしまい、とうとう久慈家明け渡しの日が来てしまいます。

当初からあの素敵なお家は取り壊しが確定されており、そこでの二人の生活は期限つきだったのですが、いよいよその時がくると切なさがつのりますね。

久慈と吾妻にとっては一つの終わりですが、久慈兄にとっては新しい暮らしの始まりです。沢山の友達を引き連れて楽しそうに片付けをする久慈兄と、側には吾妻が居るだけの久慈の対比がつらい。でも久慈の替わりに涙を流してくれる吾妻がいてくれて良かったです。

決して住みやすいとはいい難い久慈家でしたが、夏は暑すぎ・冬は寒すぎることが二人の思い出に彩りを与えたように思います。

思い出の詰まった家を喪い、それぞれの新居で暮らし始めた二人はどうなるのでしょうか。次巻も楽しみです。

3

BOY'S LIFE、もちろんLOVEも

 人生、ずうっとフルパワーで走ってきた二人が、それぞれの事情で違う方向に転換、ペースダウン。これまでの経験を活かしたり、ずっと気になっていたことが新しくやってみたいことに繋がったり。
 ゆったりしてるんだけど、これまでとは違う人生が進み、それに連れて二人の関係も。上昇志向だけが人生じゃないよねっていう今の時代にすごく合ってると感じました。大人な二人のちょっとした仕草がエロくてまたいいんです。
 煙草の、ゆらゆらしてはっきり方向性の定まらない、ゆったりした煙が象徴的でタイトルにも繋がってるのかなと思いました。

3

大人の恋愛❤️オススメです。

今回も素敵でした!
大人の二人の距離感が好きです。
あと、久慈さんのヘアスタイルも好きなんですよねー❤️

2

沁みます

相変わらずゆるやかな日常の中に徐々に変化が訪れる3巻でした。
愛だの恋だの大義名分がなくても十分特別な関係の久慈と吾妻。永遠に続いてほしい!と私も個人的に思っていた久慈邸での生活、吾妻のモラトリアムにも終わりが見えてくるのでした。

今回、久慈邸をめぐる人間模様がとてもよかったです。お手伝いの三上さん、アシモフを読んでた同級生、久慈兄、それぞれが持ち寄る、その家に対する想いがそのままドラマだな~としみじみしました。さらに、三上さんのこととか彼らの親たちのこととか、、なんとなく今までみたいに気楽じゃいられなくなるアラフォーという、年寄りではないけど若くもないというお年頃の事情には、どうしても共感とか実感とか…身につまされる描写が多かったです。

とはいえ、萌えももちろん健在。親密さや情が“さりげな~~く”交わされるふたりの会話。“察する”ことのできる大人同士のコミュニケーションの洗練に痺れます。そして、生活の一部のように衣食住とともにあるスケベw。もちろんエロいんだけれど、恋愛的というよりタバコや本と同じように、彼らにとって必要不可欠な習慣のように自然な営みなのです。

相手の大切にしているものを同じように大切に想うことのできるふたりが一緒に立ちあった古くて美しい邸宅の終焉。“家”に象徴される居場所は実は人によってつくられるものなんだな~という流れになって、別々に新生活を始めたふたりの新章につながるのが素晴らしいです。久慈邸を出て共同生活が解消されても、離れて終わりじゃない、まだまだ続く名前のない関係の行方にずっと寄り添いたい気持ちになりました。

2

心地よいリズム

いつ読んでも、何度読んでもこの空気感、リズムがとても心地よくて好きです。

2

この作品が収納されている本棚

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