カメレオンはてのひらに恋をする。 1

chameleon ha te no hira ni koi wo suru

カメレオンはてのひらに恋をする。 1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神452
  • 萌×279
  • 萌25
  • 中立9
  • しゅみじゃない7

115

レビュー数
69
得点
2660
評価数
572
平均
4.7 / 5
神率
79%
著者
厘てく 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
スクウェア・エニックス
レーベル
ガンガン BLiss
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784757587519

あらすじ

「こんなに”目”で聴こえたの初めて。」難聴の大学生×売れない俳優--これは”伝えたい者同士”が手話で心を通わせていく、優しくて温かい恋の物語。
「何年も聴きたかった言葉を、出会ったばかりのお前から聴くなんて」俳優の藤永(大学3年)は演技が大好きだが、オーディションに落ち続けて自信を失っていた。そんなときに先天性難聴のケイト(大学1年)に出会い、手話でお礼を言われる。藤永は手話に初めて触れるものの、これまで「伝えたい」という気持ちを人一倍持って演技し続けてきたため、手の動きを一目見ただけで読み取ることができた。そして、手話を身振り手振りでやってみることになるが、ケイトは藤永の感情表現を見て、その才能に驚かされる---伝えたいもどかしさを持つ二人が出会い、心を通わせるハートフルラブストーリー第1巻!

表題作カメレオンはてのひらに恋をする。 1

前島蛍都(ケイト)、大学1回生、先天性重度感音難聴者、19歳
蒼井藤永、大学3回生、俳優、21歳

その他の収録作品

  • [SIDEケイト]もう友達に戻れない(描き下ろし)
  • カバー下(キャラクター紹介)

レビュー投稿数69

砂糖

評判が大変良いのは知っていながら、ここまできたら2巻が出るまで待とうと思っていたら、存外早く2巻が出てありがたいです。

珍しいカットの表紙だと思いつつ本編を読んでいると、なるほどここですかと嬉しくなる。こういう遊びは大好きです。作家さんと編集さんどちらの案なのかな。

正直言って厘てく先生の既刊は今一歩はまらなかったけど、世間的な評判を見ても遂にきたんですね…という気持ち。嬉しい。

砂糖のコマのケイトくんが可愛くて大好き。ちっちゃくなるコマとリアルなコマのバランスが良いです。絵が上手い。手話描くの大変そうだもんなぁ。作画の面でもそうでない面でも。

0

優しい世界

耳が聞こえず手話と読唇術で会話をする蛍都と劇団で俳優をしている藤永のお話です。

過去回想で聴覚障害に無理解な人が出てくる以外は聴覚障害に理解がある人しか出てこない優しい世界なので安心して読めました。
人に伝えることを諦めない蛍都と藤永が惹かれ合っていくところが素敵で、恋人になった二人のこれからが気になります。

しかし、周りに人がいる中で藤永が桃太郎や大雨を全身で表現したり歩道橋の手すりでバク転?したりするシーンは共感性羞恥が凄かったです。
良いシーンではありましたが、あの場にいた人達からは何をしているんだろう?と不思議に思われる行動だと思うので居た堪れなさを感じました。

キスまでなので修正はありません。

2

さまざまな要素がくすぶる1巻

ろう者と聴者との恋物語は他作家さんの作品でいくつかありますが、こちらは聴者が役者さんであり、身体表現の能力が極めて高い、という特徴があります。
ただし、その類い希な才能が現時点ではまったく他に認められて居らず、オーディションを受けても落ちまくり罵倒され、所属している劇団の公演でも同じような端役ばかりが割り当てられて自信を失っているという状況です。
そんな中、ろう者のケイトは彼の才能に感銘を受けます。手話=言葉ではなく、視覚で情景や感情が伝わること。それがどれほど魅力的かということ。
世の中の誰も認めてくれない中で、ケイトだけが彼に光を当てるようにそう告げる。
第1話、第2話、というお話の序盤で既に、これは唯一無二だなと思いました。
ケイトが藤永に惹かれるのは必然ですし、自分にとって最大の魅力を目の当たりにすれば、もう離したくないでしょうし。
藤永の方も手話を覚えて、万全ではないけれどコミュニケーションが取りやすくなり、ケイトとの距離が縮まっていきます。
本書でリアルだなと思うのが、「あみない? あ、カミナリか」というモノローグや、ひらがなが斜めになったりひっくり返ったりしていることで音が通常と異なっているだろうことなどから、手話を使っても使わなくても、スムーズにコミュニケーションを取れていないことが分かること。
勿論今後、この差は小さくなっていくでしょうし、二人の努力も重要なポイントとなると思います。
その一方で、一筋縄ではいかない困難さも孕んでいることが想像できます。藤永の表現力も、誰かの目にとまれば、今とは全然違う世界に羽ばたけるはず。
まだ1巻で、恋愛面もこれからです。それでも二人をとりまく状況や不安、眠っているだけで何かが起こりそうなこと等がものすごく丁寧に描かれているので、今後の展開に大きく期待が持てます。続きが楽しみです。

0

「前島蛍都です」に感動

2巻が出たので久しぶりに再読。
聴覚障がいのある主人公を取り扱ったBL作品は有名どころだと「ひだまりが聴こえる」や「世界でいちばん遠い恋」等ありますが、いずれも作者様が障がいというテーマに真摯に向き合って描かれているのが感じられる良作で、こちらの「カメ恋」もまさにその仲間入りに相応しい作品だと思いました。
仲間入りといっても、相手役が「伝えたい」思いの強い舞台俳優という他2作とはまた違った切り口で、厘てく先生のオリジナリティも感じられて良いですね。
取り扱っている題材のせいもあるのか、所々モノローグが説明っぽいなーと感じる部分が少し気になりました。
一番好きなシーンはケイトが自分の名前をサインネームで伝えるところ。あそこは感極まりました!
可愛いのでどうしてもケイト寄りになってしまい「ケイト頑張れ〜」と応援してしまいます。

0

手のひらから溢れるは、魔法の言葉と素直な想い

ハンディキャップを題材にするストーリーは、健常者との恋のお話が多く、2人の置かれた環境や立場、思考といった違いを前面に出しながら、でもそんな違いや生きてきたバックボーンを理解し共有して、想いが通い合っていく。……っていう流れの作品が多いと思ってるんですけど、この作品は、健常者である藤永側の抱える問題にも同じように焦点を当てていて、難聴であるケイトに歩み寄るだけのストーリーに終始していないところが、それまでのハンディキャップモチーフの作品と違う部分ですごく興味を引かれました。

聴覚障害のあるケイトにどうしても注目が集まりますが、ケイトとの読心術や手話でのコミュニケーションを通して、それまで壁にぶつかっていた藤永の演技の方向性が見つかっていく…という意味で、藤永の生き様の方にも同じだけ目が離せません。
ケイトと"話す"には、耳だけが必要ではなく、何をどう伝えるかという身体全体から溢れる気持ちが一番大事。それは藤永の好きな演じる力・表現する力・伝える力が最も発揮される部分で、手話の知識が全くなくとも、藤永がそれを難なくやってのけたところは非常に見事でした。

藤永の演技はオーディションで酷評されまくってましたが、演出家たちですら彼の才能を見出せないとは非常に残念……。誰かに評価されてナンボの世界だと思いますが、評価されずとも彼の演技への想いは変わりがなく、自分自身で活路を見出していくたくましさは、本当に演技が好きなんだなと強く伝わってきました。
もちろんそこに辿り着いたのはケイトとの関わりが大きく働いていたの間違いなくて、あの"ナマステ"がここまでの運命の出会いになろうとは、あの冒頭シーンからは想像できませんでしたよね^ ^


彼らの、手のひらで通じ合っていくコミュニケーションがすごく美しくて、静止画の絵なんだけど躍動感があって、指先の一本一本に意思が宿っているように見える画力が素晴らしかったです。ハンディキャップのことをメインに話が偏りそうなのに、ちゃんと2人のBLの部分にも進展と見せ場をしっかり作ってるところにも好感度が持てました。

ケイトと藤永との出会いから想いが重なっていく過程が非常に自然体で、絵やストーリーの繊細さが眩しいお話でした。まだ1巻なのにこの読み応えはすごいです!
巻末に2巻の予告が少し掲載されていましたが、すぐにでも読みたくて仕方ありません。2人の恋愛の動きを筆頭に、彼らを取り巻く環境変化にも注目しながら見届けていきたいと思います^ ^

0

伝えたい心が溢れてくる

凄く素敵なお話に出会ってしまいました。
演技力はあるのになかなか才能を開花出来ない俳優フジナガと、産まれた時から聴力のないケイト。
演技力があり過ぎる為に他の俳優とのバランス取れないなどと言われ、なかなか役者として伸び悩んでいるフジナガの存在がとても良かった。
聴力に障害を持った人を扱った作品はたくさんありますが、手話を覚えたりや筆談でコミュニケーションを取ることで人間関係が進んで行くようなパターンが多かったと思います。
しかし、フジナガは手話も覚えますがケイトはフジナガの“伝えようとする演技力”に気づいて、それを褒めてくれます。それは、ずっとフジナガが役者として歩んできた人生の中で1番欲しかった言葉だったというのが、とても心に響きました。役者として、伝えたいのに伝わらない苦しさ、そしてそれはケイト自身も手話でコミュニケーションをとる人生の中で、何度も苦しんできた気持ちと同じ苦しみでした。二人が同じ苦しみを理解し合えたのが、ずっとうるうるしながら読んでいました。
ケイトのセリフの文字がところどころに左右に傾いた文字になっているのも、聞こえない人が頑張って発音している雰囲気が出ていて、それが、本当に一生懸命声を出して伝えようとしている気持ちが出ていて、素敵な表現方法だと思いました。
手話が全く分からない人なんですが、それでも手話で直球に気持ちを伝え合う場面は感動の涙でした。特にフジナガがケイトの手話の名前(特別な固有名詞の表現)をここぞという場面で使用したのは心の中で拍手喝采でした。このお話は手話はコミュニケーションの手段の1つではあるけれど、それ以外にも、心を伝え合うためには、色々な方向から表現しようという心を出していかないと、理解し合えないって事をとてもかんじました。
一巻はまだゆっくりなラブ展開でしたが、それでも、役者の道を見出したフジナガと、心を真っ直ぐに伝えてくるケイト。続きが早くよみたいです。

0

目で聴き知る物語

初作家様です

聾×聴の大学生同士の物語といえば実写化にもなった某有名作品が思い浮ぶのですが、あちらと違いこちらの作品はBLとしての機能もきちんと果たされていて、あぁこのふたつの要素はひとつの作品で成り立つものだったんだなと感心しました。二人が交流していく中で惹かれ合う過程もとても自然に感じられて、これはきっと作者の丁寧な描き方があってこそなんだろうなと思いました。二人の関係が進みそうな二巻とても楽しみです。
(もちろん某有名作品も素晴らしいと思っております語弊があったら申し訳ない)

読めば読むほど引き込まれていく、
そんな魅力溢れる作品でした。

2024/04/07 読了

余談。ケイトが「おれどうみても日本人」と言っていましたが私にはどうしても外国人にしか見えなくて困惑しました(笑) 金髪イケメン外国人じゃなかったのかー!

2

伝えたい気持ちが紙面(画面)から溢れている

厘先生作品初読みです。
感動しました。
藤永が伝えたい気持ちが強い人で。
ケイトが伝わらない辛さを知っている人で。
その2人のわかり合いたい気持ちが強く惹かれ合っていくのがとてもよかった。
紙面(電子なので画面)から先生の伝えたいという気持ち、パワーがめちゃくちゃ伝わってきました。

私は普段は目や顔のアップが続くのは苦手で引きの絵が多い方が好きなのですが、本作では目の表現がすばらしいです。目は口ほどに物を言う…を表現されていると感じました。
2人とも目がきれいで絵になるのがいい。画力の使い方がすばらしい。ど素人が生意気にすみません。
もちろん手の動きも美しくよかったです。

藤永は映像のお芝居としては大仰で、演出家のダメ出しを聞いても自分のやり方を曲げないんですよね。
自分の演技が活かせる場所(舞台)で生きようと望む。
ケイトに対して伝えたい気持ちだけでなく、ケイト
が伝えたいことも理解しようと努力を惜しまない。
ケイトが思うように一般的には伝わりにくいと根負けしてあきらめてしまうことが多い。
でも藤永はそうじゃない。
藤永は伝える才能があり、わかろうとする気持ちも強い。
ケイトにとってそれがうれしいのがとてもよくわかる。わかり合える喜び。
藤永も自分の伝えたい気持ちや演技を才能だと褒められて涙を流すほどうれしい。
欲していたものを与え合える人同士の出会い。

そりゃ行き違いもある。
聴者同士でもわかり合うことの難しさは普遍的なテーマですし。
ろう者と聴者ゆえの難しさもある。
だからこその伝えたい、わかりたい、わかり合える気持ちが伝わって、行き違いもすぐに解消できて感動的でした。

恋愛感情が芽生えて、探るような会話から、キスをして。
キスの意味を確認する中で言葉の行き違いがあったかなとお互い思うところも上手いな〜と思いました。
気持ちを告げ合うところ、ハグするところ、相手にキュンとするところ…どのシーンもすばらしい。萌えでした。
ケイトが本名を明かすシーンも感動〜。ケイトの笑顔がめちゃくちゃいい。

ケイトのセリフでうまく言えない音の活字が斜めになるのもいい。手間がかかるでしょうに。そこも伝えたい気持ちが表れていると感じます。
対してケイトの心の声はとてもしっかりしていて、ギャップもあっていいですね。
ケイトの過去の辛い体験が深刻になりすぎない描き方なのも好きです。

読後すぐの感動のままに書いたのでいつも以上に支離滅裂です。
胸いっぱいです。
2巻楽しみすぎます。ありがとうございます!!

3

評判通り素晴らしかったです

以前ずっとレビューランキングに上がっていて、これは読まねばと購入後、しばらく積んでいました。アワードノミネートをきっかけにようやく読みました。

積んでいたのは、多分光系作品だろうなと思ってしりごみしていました。光系ちょっと苦手なので。
でも読んで良かったです。評判通り素晴らしい作品ですね。

耳が聞こえないケイトと、大学生で俳優の藤永の出会いと恋を描いた作品。

偶然出会った二人が、手話を通して交流を深めていき、やがて恋に落ちる…なんだかドラマみたい!全体を通して、キラキラして爽やかな作品だな〜と感じました。

普段手話に触れることはないので、こういった作品で手話のことを知ることができるのはありがたいなと思いましたし、この作品がすごく人気作であるのも、なんとなく嬉しいことだなと思います。

人物は特にケイトが好きです。長身イケメンで年下くん。健気なワンコでかわいいっ。

好きなシーンは、停電した電車の中のキスが、とてもロマンチックに描かれていて素敵だな〜と思いました。

あとケイトの家の前で、「あなたのことがだいすきな前島蛍都です」って伝えるシーンも、ケイトのドキドキが伝わってきて、キューンとしました。

ちょっとだけ気持ちの行き違いがあったけど、すぐに解決。ラストはこれまたドラマチックな感じでしたね!(ごめんなさい、こういうちょっとオーバーな描写は少し苦手です)
 
想像していた通り、これぞ光のBL!という感じで、ずっと二人がキラッキラしています。そしてゆっくり進んでいく正統派な恋という感じで眩しいです。
正直言うと、ここまでキラキラした作品は苦手な部類に入ります(夜明け系が好みなので)。
とはいえ素敵な作品だし、ここまで高評価なのも納得です!

1巻は両想いになったところで終わりました。ふれあいは軽いキス止まりです。予告によると2巻は二人の関係がもう少し進みそうかな?

4

色んな事を教えられる作品

人と人の繋がりって何だ?壁って何だ?障がいって何だ?色んな事を考えさせられる作品です。音を伴った言葉がある方が便利だけど、その言葉があるがゆえに起きる行き違いもあり、音のある言葉がないことは伝えるのに苦労するけど、だからこそわかろうとお互いに努力する。壁があったとして、そこをどう進んでいくのかは、人それぞれで正解も間違いもない。自分が今関わっている人たちに、自分はどう向き合えてるかな?誠実であるかな?読みながら、そして読後にもここまで考えさせられるお話し、漫画ではなかなか無いのでは。何回読んでも感動します。

2

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