愛を食べて生きている 下

ai o tabete ikiteiru

愛を食べて生きている 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神41
  • 萌×219
  • 萌8
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
13
得点
307
評価数
71
平均
4.4 / 5
神率
57.7%
著者
芽玖いろは 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784801980839

あらすじ

慣れない快感と羞恥、上司からの期待と圧力、
追いつかない気持ちにすれ違いながらもお互いへの理解を深め
プロジェクトを再開したイオリとカナメ。

改めてイオリのことが好きだと自覚し、
疑似ではなく正式なパートナーになりたいと
告白するカナメだが、イオリからは否定も肯定の返事もないまま
なぜかその後連絡が途絶えてしまう。

そんな状況のなか、研究所の所長から呼び出された
カナメはプロジェクトの全貌と所長の真意を聞かされ、
イオリの言葉の端々に感じていた違和感の原因を知ることに。
そして、イオリと連絡が取れなくなってしまったのは
"拒絶"されているからだと気付き――?


"性的な交渉"が根絶した世界で繰り広げられる、
セックスワーカー×遺伝子工学研究員の
"愛"を知ってゆく物語、上下巻同時発売。


リセが主役のアフターストーリー、
『斯くして、心音鳴り止まず。』も収録。

表題作愛を食べて生きている 下

イオリ,プロジェクト用受精卵クローン
スズキ カナメ,遺伝子工学研究員

同時収録作品斯くして、心音鳴り止まず。

マナ(150歳),不老不死の元研究員
リセ,体細胞クローン

その他の収録作品

  • 描き下ろし:extra
  • あとがきまんが㊦

レビュー投稿数13

見事な結末、スピンオフも尊すぎる

イオリの過去が明かされる下巻。衝撃的でした。
DNAというかオリジン?がどうであろうと人間だよ、こんな人間らしいのに、って悲しくなりましたが、ちゃんと救済があって、本当にお互い愛を食べて人間になったなあ、と温かい気持ちになれました。
愛されることよりも愛することが大事なんだなって素直に思えるような作品でした。暖かい。
そしてイオリの旧友のリセのスピンオフが短編なのに見事!この二人くっつくにはすごい壁がありすぎじゃない?って思うのに、見事な展開に唸りました。連載時には描かれなかったセックスがガッツリ加筆されていて嬉しかった。描かなくてもいいなって思えたけど、この二人のセックスが劇的にエモかった。
芽玖いろは先生の表現の幅に脱帽です。素晴らしかった。上下巻で読めて本当に嬉しかったです。

5

伏線の回収がやや甘いが。

「愛を食べて生きている」の下巻。

上巻はカナメに焦点が当たった感がありましたが、下巻では「イオリ」という人物に焦点を当てて描いています。

イオリの過去が胸糞です。
大人の、イオリが住まう施設の大人たちの価値観がすべての世界。
そこでイオリたち子どもは、まさに管理されている。
都合のいいように。まるでそれは、さながら動くおもちゃのように。本誌中では「家畜」という表現を使っていますが、言い得て妙。

上巻でも登場していたリセも描かれています。
子どものころから共に過ごしてきた彼ら。上巻でリセがカナメに怒るシーンがありますが、その理由が見えてくる。彼らは、お互いに助け合いながら親友として過ごしてきた過去が。

イオリやリセたちが、人間を信じない、信じられない理由も見えてきてめっちゃ切なくなりました。自分の都合で「人間」を生み出す人たちの、何と醜いことか。クソ神父にはガッツリ天罰が下ってほしかったですが、まあどこかでひどい目にあってると願いたい。

上巻で、イオリからたくさんの愛情をもらったカナメ。
今度は、カナメがイオリに。見返りを求めない、ただただ相手を求めるカナメの行動と愛情に胸が打たれました。

人にとって、一番大切なのは愛情なのだと。
どんな形であっても、誰が誰に向けるものであったとしても。

セックスを学ぼうとするセックスワーカー×研究者、というCPから始まった二人の物語は、最後の最後まで深い愛情で満ちていました。しいて言うならば、伏線の回収が若干甘かったかなあ、と。もう少し巻数を増やしてじっくり描いてくれたなら、あるいはもっと萌える作品になったのではと思いました。

カナメが育てている「木」が作中登場しますが、このエピソードも今作品のメッセージにはまっていて素敵だなと思いました。

後半はイオリの友人・リセのお話。
セックスワーカーとしての職を解かれたイオリたち。
が、彼らの今までの世界はあまりに狭かった。リセは、目的もないまま放浪することにするが、そこで一人の男と出会いー。

マナ、と名乗るその男とイオリには、とある因縁があって。

この二人のお話も切なかった…。
この二人のエピソードであともう1冊増やせるんじゃない?という、そんな思いに駆られました。すごく短いお話なのに、いや、だからか?
2人の間にとある人物の存在を介していろいろな感情が流れるさまがきちんと読み取れる。足りなかったものを埋めるかのように、相手を求める二人の姿に萌えしかない。

芽玖さんの絵柄って骨っぽいっていうのかな。
男の色香が満載で、しかもイケメンさんばかり。イオリの褐色の肌とか、めっちゃかっこよくて悶絶しました。

さらりと終わってしまった感があって評価でちょっぴり悩みましたが、やっぱり神評価しか付けられない。

人が生きていくうえで大切なもの。
それは「愛」。
様々な形の愛を、人は摂取しながら生きていくんだなあ、愛がなければ生きていくことができないんだなとしみじみ感じ入った良作でした。

3

やっぱり愛って尊いものだ

カナメの気持ちを受け取りながらも、なかなか前に進むことができずにいるイオリ。
どう見ても両想いなのになぜ?という思いが拭えなかったのですが、育ってきた環境と受けてきた教育が大きく関係していたのを知ってとても切なくなりました。

クローンと人間の恋愛という問題以外に、心の在り方も変える必要のあるふたりがパートナーになることは簡単なことではなかったけれど。
それでもカナメの温かな言葉たちがイオリを救って、ふたりが愛しあうところに辿り着いたのがすごく嬉しかったです。

生まれた理由はどうであれ、クローンだって感情を持っている以上人間と変わりはないのだから、イオリと一緒にいることで感じる「愛」を制限されることなく素直に表に出せる結末になってくれて本当に良かったなと思いました。
クローン仲間のリセのお話もとても感動的で、短編で終わらせるにはもったいないくらいでした。

イオリとカナメ、そしてリセも。
これまでは自由な暮らしの中で"縛られて"生きてきたようなところがありましたが、最後にはみんなそれぞれに生きる道を選択できるラストになっていたのが素敵でした。

3

愛とセックスの融合

イオリ×カナメ


下巻では、
重いシリアスな展開で
2人が大きな試練に直面したり、
心の葛藤に揺れ動いたりする。
感情的な緊張感が高まって、
胸が熱くなります。


イオリの出生と過去が解けてくると、
彼が愛情を抱えることができない
心には闇や苦しみが見えてくる。

愛を求め続けるカナメ。
他人の愛を受け入れられないイオリ。

2人のすれ違いや苦悩、
愛は本当に複雑でハラハラさせる。

愛する権利や感情の大切さ、
人間の本能の欲望が絡み合って、
2人がどんな困難を乗り越えてきたのか?

胸に迫る真実と結末は、
「愛」とは何かを考えさせられるし、
愛を求め続ける情熱がストレートにグッとくる!
その愛しさで最大の幸せを願わずにはいられないのだ。

上下巻を通じて、
遺伝子工学研究員とセックスワーカー、
全然ちがう役割を持つ2人。

愛に経験のないカナメの純粋さと、
愛に心を閉ざすイオリの孤独が交差して、
濃厚のセックスを交わし合い、
愛を知っていく過程が鮮烈で、
2人の感情の成長が心にグッときて、
エロさも絶妙に盛り込まれていて、
萌えポイントもたっぷりある!
愛と性の視点がガラッと変わって、
新たな感動が広がってくる!


同時収録『斯くして、心音鳴り止まず。』2話

マナ×リセ

イオリの幼馴染リセの切ないラブアフターストーリー。

リセの幸せを願いながら読むと、胸がキュンとなる。
彼が抱える運命や心の痛みに
つい泣いてしまいそうになって、
またもう一つの幸せで心が揺さぶられた。


やっぱり脳みそに刺激を与えるのは、
愛はただの感情だけではなくて、
心の必要な栄養素であって、
愛を知って、
『愛を食べて生きている』ことで、
心のエネルギーの充足感や、
幸福感を得ることができることです。


気になる点:

伝統的なセックスによる繁殖という目的だけど、
男同士で伝統的な繁殖が生物学的には不可能なので、
結局新しい技術で繁殖することになるではないか?
そこが疑問だよね・・・。
男同士のセックスと物語の目的が矛盾しているかもしれないです。

2

下巻のイオリは好きでした

上巻のレビューでは終盤までカナメを好きになれなかったと書いたのですが、下巻ではイオリの愛を食べて別人のように変わっていました。

下巻ではイオリやリセの辿った道が詳しく書いていて、とてもやるせ無く感じました。
神父のように彼等を搾取する者もいれば、創り出した自分たち人間を苦々しく思いカナメのような人物が現れるタイミングを待っていた所長のような存在が居たことに救いがあったと思いました。

だからこそイオリとカナメのその後をもっとじっくりと描いて欲しかったです。ちょっと駆け足に感じてしまいました。

それから施設から解放されたリセとリセのルーツ(本体)と恋人同士だった元研究員のマナとの『斯くして、心音鳴り止まず。』も凄く良かったです。
マナがリセをちゃんとルーツと別人として認識してたのと、リセがマナの行く末をルーツとは別の選択をする事を名言したことが嬉しかったです。

個人的にイオリとカナメのメッセのやり取りでカナメのメガネのスペア画像に吹いてしまいました。あのデザイン好きなのかなぁ。www

2

良かったです!

下巻は、上巻の続き+スピンオフでした。

イオリの過去が怖いですね…。洗脳されているのが何とも…神父様や大人達に利用される子供な感じで怖いです…。
そりゃ愛も信じられないですね…。

トントンと、とりあえず問題解決してハッピーエンドで良かったです。


同時収録作品のリセくんスピンオフ
「斯くして、心音鳴り止まず。」
こちらは2話のみなので、話がサクサクと進みます。
好きな設定と展開で良かったです。不老不死モノ。
えっちの潮吹きがエロかった…!

こちらもハッピーエンドで良かったです!







紙本購入
修正は白斜線沢山です。

2

声を大にして「良き!」と叫びたくなる尊いBL。

セッ〇スワーカーとしてこの世に誕生したクローン人間×そのクローンを秘密裏に作成している研究員の「愛」を知ってゆくお話の下巻。


もう、尊かった!!!!

題材や設定が重いので、途中切なくなるんだけど、最後2人が愛を知って幸せを自らの手で掴んだ結末には、涙しかなかった(ティッシュを箱持ちしながら)

下巻にスピンオフも入っているのですが、そちらのお話もまた幸せでいて欲しいと願い続けたくなるお話でした。

2023年も、上下巻は読みごたえあって良作多すぎ問題発生中…

タイトルの伏線回収の一部、受けのおばあちゃんのセリフ、重いけど温かくて、そうかあ…そうだよねえ…って思った。
攻めのこと、本当に愛してくれてありがとうね、受け!! ってお礼言いたくなった読了後でした。

ハッピーエバーアフターだよ!!!

0

いい話なんだと思うけど

いい話なんだと思う

この作者さんの表紙のイラストに惹かれていつも手が伸びてしまうんですよね。

他の方のレビューにもあったように、上下巻通して本編のストーリーに関しては設定の荒さが気になって正直「中立」かなって思ってたんですけど、本編の攻めのヴィジュアルがすごく刺さったのと、スピンオフがドラマチックで良かったので「萌2」にしました!

本編はほんと・・・うーん。

男同士で種の保存ってとこはBLなのでスルーするとして、取り上げて欲しいところがそこじゃないってなる。

上巻の勃起不全を隠すっていうくだりもいらなかったと思うし、下巻のクローンたちの育った教会の理念も謎だし、解放するために何をしたのかをもっと知りたかったし。一緒に生きるって決めてからが大変な部分だろうなと感じていたので、大事なところ割愛されたなってモヤモヤがすごいです。

本編の受けのカナメはあの髪型じゃなくて眼鏡ない時の方が圧倒的にいいな・・・。

4

愛こそ栄養

下巻。

冒頭はイオリの幼少時の思い出。
教会のような施設で、厳しく純潔を習う。
しかし、その実態は。的な。
リセはそんな裏表をもう諦め切っていて。
リセのようにはならないが、心に哀しみを抱えるイオリ。

一方イオリへの愛を自覚したカナメはグンッと強くなり、「愛」となると消極的になるイオリに絶えず声を届けます。
そして研究所にも自らかけあって、クローンたちの解放に尽力します。
そして、イオリとも正式に結婚!めでたい。

……はいいんだけど、やはり元々の旧式習得やら精子の提出やらのプロジェクトがなんだかよくわからない!

後半は、HSPを速攻辞めて放浪するリセの物語「斯くして、心音鳴り止まず」へ。
こちらはこちらで意外な展開でした。
勿論誰か愛する人に出会うんだろう、とは思ってたけど、お相手が。

ネタバレ注意↓↓↓


後半はヴァンパイアもののバリエーションというか。
つまりリセのお相手は、体細胞クローンのリセの「本体」の恋人だった人。
え?年齢がおかしいって?
そうなんです。彼は…
…という感じで、とってもドラマチック。
どうせコピーと諦めていたリセを、リセとして見てくれたマナ。
でも…描かれてはいないけど、この2人どうなんのかな。リセにその誓い、実行できるかな。
寿命の違いの切なさも盛り込まれて読み応え十分。

全体に設定に穴があるとは感じますが、絵柄はかっこよさが好み。リセの物語も合わせて総合「萌x2」で。

3

時が進んでいく

芽玖いろは先生初の上下巻。
新型ウイルスが流行した結果、すべてがリモート化され性的な接触もなくなり繁殖さえリモートになった世界。
多くのことがコントロールされて命や愛が気軽であるが故に軽く見られているようになっています。
もしかしたらそんな未来になってもおかしくないかも…と思えるのはコロナ禍ならではなのかもしれません。
そんな中、新式の繁殖方法=人工授精の弊害で寿命が短くなり赤ん坊が多く亡くなって、遺伝子工学研究院のカナメは旧式の繁殖方法=セックスを学ぶことに。
遺伝子的データをもとに家にやってきたパートナーはセックスワーカーのイオリ。しかも男でチャラ男。そんなふたりの物語です。

【下巻についてのお話です】
男と男でどうセックスをするのかと躊躇していたカナメもイオリと過ごしているうちに好きになり、研究のためではない愛し合うセックスをしました。
でもイオリは・・・

下巻ではイオリとリセの過去の話から始まります。まるでキリスト教の孤児院のような施設でふたりは暮らしていたようです。でもそこは善意の場所ではなく、大人の望む秩序を守らせ競わせる場所であり、大人の言葉に矛盾のある場所でした。ただ外から遮断された「デタラメな純血主義」を学ぶ施設でした。
そのため性欲と愛情の違いがわからず、仕事であるセックスの先にある愛がわかりません。カナメと研究を終えてパートナーになりたいと言われても否定も肯定もできませんでした。
自分たちは「人間」ではないから。

もちろんイオリは人間なんです。ちゃんと愛を知っているし、人に寄り添い思い遣れるんです。
クリスマスをカナメやカナメの同僚家族とイベントに行きます。穏やかなふたりの表情に読んでいるこちらもほっこりします。一緒にクリスマスイベントを過ごし、カナメはイオリの新たな一面を知ったり、自分の子ども時代の話をしたり、今の想いを伝えます。
「みんな人の愛を食べて人になる」というカナメの言葉はとてもよかったです。

その後、ふたりは身体を重ねます。愛を語り合いながら、今までにない幸せに満ちたセックスを。


下巻の後半にはスピンオフ、リセのその後のお話になります。
セックスワーカーの仕事から解放されて「人間」として暮らすことになったリセは、数年旅をしていました。
とある宿へ向かう途中で偶然、向かう予定だった宿の主マナに出会います。すぐリセがクローンであることを知り、自分は不老不死の元研究者だったと伝えてきます。
今までの価値観から抜け出せないと言うマナに親近感がわき、そばにいたいと感じます。でも近づいたらマナはリセを拒絶して離れて行ってしまいます。そしてマナの過去を見つけてしまったリセは、そのことにショックを受けます。

ずっと誰かのコピーだと思っていたリセとずっと寂しくひとりで生き続けなくてはいけないマナ。後半ではそんな寂しいふたりが愛し合い、セックスをします。ちょっとあっけないと感じますが、ふたりの設定を考えるとそれもありかな?とも思えます。
リセが愛を見つけて幸せになれたのでとてもよかったです。マナもリセもやっと進んでいけます。

3

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