愛の夜明けを待て!【BLCD】

ai no yoake wo mate

愛の夜明けを待て!
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神38
  • 萌×24
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

209

レビュー数
5
得点
206
評価数
42
平均
4.9 / 5
神率
90.5%
著者
イラスト
媒体
CD
作品演出・監督
蜂谷幸
音楽
古谷友二
脚本
佐々美沙
原画・イラスト
街子マドカ
オリジナル媒体
小説
CD発売会社
フィフスアベニュー
シリーズ
愛の巣へ落ちろ!
収録時間
158 分
枚数
2 枚
ふろく
書き下ろしミニドラマCDメーカー:トークCD、コミコミスタジオ:書き下ろしSS小冊子、アニメイト:ジャケットイラストシール等
フリートーク
別ディスクであり
発売日
JANコード
4580166733784

あらすじ

「お前のこと、俺じゃ幸せにできないのが一番、つらい」
それぞれの『愛』の狭間で彷徨うハイクラス同士の擬人化チックファンタジー!!

幼少期から大学時代までを共に過ごした、
ハイクラスでキベリタテハの黄辺とオオムラサキの志波。志波とは、思春期以降、オオムラサキの寝取り寝取られのゲームにまきこまれセフレの関係だった黄辺であったが、志波の結婚を機に、距離を置いてきた。自分の志波への想いがかなうことはないと思い知ったからだ。
そして、社会人になって5年目。志波とはずいぶんと会っていなかったある日、黄辺のもとへ離婚した志波が突然あらわれ、家に転がり込んでくる。拒みたいのに、くすぶったままの志波への想いが邪魔をして……。

【CAST】
黄辺高也:土岐隼一
志波久史:新垣樽助
村崎大和:内田雄馬
志波史彰:鳥海浩輔
志波史仁:小西克幸

表題作 愛の夜明けを待て!

志波久史 → 新垣樽助

黄辺高也 → 土岐隼一

その他キャラ
村崎大和[内田雄馬]/ 志波史彰[鳥海浩輔]/ 志波史仁[小西克幸]

レビュー投稿数5

シリーズ最高傑作

愛の夜明けを待て


原作未読でドラマCDシリーズは拝聴しており、この独自の設定と世界観のファンです。
オメガバースのように一般化してもよかったのではと思えるほど、細かく丁寧な設定がたくさんあり、元の昆虫の性質が今の人間に受け継がれている内容も、とてもうまくミックスされていておもしろく感心します。

同じ世界で登場人物同士のつながりもあるシリーズなのですが、個人的には今作が最高傑作だと思います。

メインの登場人物が多く、家族や友人関係、それぞれ由来の虫から受けついだ性質故の強さが弱さ、いろいろな要素が複雑に配置されて物語が進みます。

メインの中の主人公は土岐隼一さん演じる黄辺高也。
幼馴染で友達で元セフレで、もう1人の幼馴染との奇妙な三角関係に巻き込まれ続けてきた過去があり、さらに他にも苦しい思いをした過去もあります。
そんな過去のつらい思いが少しは薄れてきた社会人5年目となったある日、突然、離婚した、持ち物ほとんど手放したから家においてくれと、押しかけてきた新垣樽助さん演じる志波久史。
志波久史は絵に描いたような傍若無人のおぼっちゃま、露悪的な言い方も多く、不器用なのだろうし、内に秘めた苦しみがあるのだろうことが伝わりつつも、なかなかに胸糞が悪くなるようなふるまいが続きます。

しかし、本人の言動、志波久史の兄(2人いるうちのまともなほう)から聞かされた話などから、久史が自ら命を絶つのではという危うさを感じ、元から抱いていた感情も相まって、久史との距離、関係をうまく制御できず、自分の気持ちも制御できず、苦しむ黄辺高也。

シリーズで最も先が読めず、苦しく、切ない展開でした。
お互いがお互いのことを心の底では密かに想っているのだけれど、現実や過去や人間関係から、好きだから一緒にいる、とはなれない2人なのが、伝わってきます。
クズとクズをずるずる受け入れてしまう依存しあう関係のようにも見えるし、お互いを大事にしているから距離の取り方がわからないようにも見えるし、とにかく2人の関係はすごく複雑です。

志波一家とのつながりを隠して働いてきた黄辺が、志波一族の会社に出向することになり、仕事でもかかわりを持つようになりますが、表の顔、仕事のときの関わり方が全く違うというのも、2人の間にあるもの、関係の複雑さを強く表しているように感じました。2人きりのときも決して崩さないビジネスライクな話しぶりは、公私をしっかり分けている、というより、深くて底が見えない谷があるようにも感じて、怖くも感じました。

久史の離婚した元妻や娘に対する言葉、辞めていく社員にかける言葉など、黄辺に対してかける言葉以外のあれやこれやから、久史の考えていること、感じていることがうっすらと伝わってきます。
本心がずっと見えない久史の言動から、ハッピーエンド以外の結末を常に予想してしまって、苦しく切なく聴取しました。

物語の筋立て、展開、もさることながら、綺麗で哲学的な言葉とすごく殺伐とした言葉が交互に入り乱れている台詞、言葉遣いが素晴らしい作品でもあります。

特典ドラマ、夜が明けてから
2年間行方不明になっていた久史が戻ってきて黄辺の部屋にまた転がり込み、一緒に住んだ短い期間のお話です。
黄辺の部屋に転がり込むのは2回目なのですが、まったく違う体温、様子で過ごす久史に、戸惑い続ける黄辺がかわいらしいです。服を買い足したり、食事を作ってくれたりするだけで、心底驚かれるのって、どんな人間だと思われていたのだと笑えました。
生まれ変わりのやり直し人生、または、リハビリ中、の期間だったのでしょう。
きちんと言葉にして伝えない久史も悪いけれど、改めて黄辺に向き合って誠実に接していこうとしているのに、優しくされ愛情がこもったキスや抱き方をされても、自分が愛されていることに気づかない黄辺はちょっと滑稽で、鈍感に感じました。
しかし、それだけ久史の愛を感じられない、信じられないような仕打ちを何年間も何度もされてきた、黄辺の傷の深さも感じて切なくもなりました。
2人の再度の同居は、2人の新たな出発、2人してのリハビリなのだろうと思います。
このエピソードにより、本編がさらに深く理解でき、また2人のハッピーエンドがさらに強く伝わりました。

キャストトーク
内容が濃すぎてページ数が多すぎて、余韻や含みの時間が必要だけど、時間内に収まらないからちょっと急ごう、というような難しい演出があった、という裏話がおもしろかったです。

0

愛とは?

他のムシシリーズ作品を差し控え、愛の夜明けを待て!がドラマCD化されたこと、奇跡なんじゃないかな。
愛し愛されることは普通のことって私は認識していたのだけれども、久史に感情移入すればするほど、愛とは??????となってしまった。
そんな久史を、樽さんがいい感じに演じてくださっていて、黃辺くんを土岐さんが健気に純真に表現してくださっていて、原作を読んだ時のやるせない感情が再熱してしまった。
ふたりの幸せの形が本人たち自身の形なんだと萌えを感じる。ムシシリーズにちょっとでも興味がある人には是非とも聞いてほしい。

8

愛とは何か、繊細に丁寧に紡がれた良作

人を愛することができない久史と、そんな久史にずっと尽くしてきて苦しんだ末に「久史を愛している自分のままでいたい」と全てを受け入れた黄辺のお話。セフレ関係にあった幼馴染の再会BLと言えましょうか。

感情の読めない浮世離れした攻めを新垣さん、厄介なタイプを好きになってしまった綺麗で情の深い受けを土岐さんが好演してくださいました。お二人ともCD前作「愛の本能に従え!」からのご出演で凄いハマり役!繊細な演技がまぁ映えます。

さて、BLだと大抵攻めと受けが好き好き言い合ってやるのが確定演出ですが、この作品はもっと根本的に愛とは何か考えさせられる変化球でした。原作も拝読しましたが私にはなかなか解釈が難しくて。
久史は他人に親切にはできるし、綺麗なものが好きという気持ちはある、でも血の繋がった我が子すら愛せない。ここを無理には変えられないのが肝だと思います。
そして黄辺が彼なりの答えに辿りついた時の、晴れやかでアガペーすら感じさせる台詞が良かった…!もしや失恋エンドかとヒヤヒヤしましたが、最終的には黄辺の粘り勝ちでしたね。

甘々な特典ミニドラマ「夜が明けてから」も一緒に聞くの推奨です!!同棲を再開し、尽くし系彼氏と化した久史におっかなびっくりの黄辺が終始かわいくて!こちらまで幸せな気持ちになれました。

以下、樋口先生の同時再生会を拝聴した際のメモを箇条書きにて失礼します。読み辛くてすみません…




・噛み合っていない会話、2人の温度差が声で表現されていて圧巻!
・久史との再開後の初絡み、無理矢理ですが久史の声が優しくて憎めない…
・「セッ×スってすごく汚い」と泣く子供久史かわいそかわいい
・史彰(志波次兄)×黄辺の寝取りはナレーション処理
・大和くんが「愛の本能」に引き続き登場。前作よりも成長してる〜!
・史仁(志波長兄)役小西さんの喋りが誠実で説得感↑↑ 話の通じる優しい人なので落ち着きます
・黄辺が大事な話をしてる途中で味噌汁飲んでる久史笑
・久史の宇宙人感、「こわい?」の言い方が絶妙!彼って悪意あるゲスな訳じゃなくて、本音しか喋らないしずっと黄辺のこと綺麗だと思ってるんですけどね…
・ショタ時代演じる女性声優さんの声が本当にかわいい!
・鳥海さんのヒール演技が凄くて、史彰(次兄)はクズだけど可哀想な部分もあるのが伝わります
・「お前のこと、俺じゃ幸せにできないのが一番つらい」黄辺渾身の演技切ない…
・「生まれつき他人を愛することがそもそもできないんだ…」と告白する久史の自然さすごい
・旅行先にて2回目の絡み、久史が誘う時の掠れ声色っぽい。黄辺のキスされるときの声かわいい。本当に気持ちよさそう
・先生曰く、この絡み前後で久史の声音が違うらしいです。黄辺のトーンが変わってないのもまた良いらしい
・史彰に怒る久史すてき。これはもう十分情があるのでは?
・ふっ切れた黄辺の台詞「愛の循環のなかに、久史もいるんだ」「でも、久史はそのままでいいと思う。考える必要なんてない」を言える強さ、心の綺麗さ、慈愛みに涙…。暖かい声が染み入る
・ラスト、久史万感の一言にまたぶわっと来ました

10

聞いたら誰かと語らずにはいられない

まず聞き終えて一言、いやぁ、長かった!!
そして、土岐さん本当に本当に、お疲れ様でした。
本編ほぼ、モノローグで8割は土岐さんのセリフと言っても過言ではない。

こちらの作品は単品でも楽しめますが、シリーズの前作「愛の本能に従え!」を聞いてからお聞きになると、二人の過去と彼らをとりまく脇キャラとの関係性や、虫特有の体質が理解しやすくなり、より一層作品を楽しめますよ。

ムシシリーズはだいたいがリレーのようにあて馬キャラだったキャラが次回作の攻めになってますが、1作目から聞いた者として毎回感じる感想が「攻めがクズ」。
そして最初に脇役として登場した際にはそのクズっぷりが発揮されていないんですよ。なので「え?こんな人だったの????」一見何気ないキャラクターでも掘り下げてみたらよくもこんなに毎回思いつくものだなと感心してしまうほどに、こじれにこじれまくってるんですよ!キャラが。
こちらとしては、シリーズ全部追ってきてるので、もう少々のこじれっぷりではビックリはしないぞ!と。どんな偏屈野郎なんだ!と思って聞いたらまぁー今回も大分あれな攻め様で。でもどうしてこうなってしまったのか。そこがきっちり丁寧に描かれており、最初はドン引きしながらも、最後はどんどん惹きこまれてしまうのが作品とおして、作者の罠にはまってるんだなと思います。

そして、難しい節足動物と結合した人間の特有の性質を理解しやすいように
丁寧なモノローグの語りとたっぷりの尺で作られており、シリーズを追うごとに完成度が高くなっていると思います。最初の頃、不評だった濡れ場の少なさ、その後の二人のEPの少なさも改善されていっており、濡れ場の尺がどんどん増えております。
そして濡れ場といえば、土岐さんも新垣さんも超絶色っぽかったです。お二人ともフェロモンが声から盛れ溢れていました。耳が溶けそうになりました。
いや溶けました。
作品のキーワードとなっている「綺麗な物」。なんだかいろいろと聞き終わった後も考察してしまい、奥が深い作品だなと思いました。解釈がひとそれぞれ変わりそうで、誰かとお酒飲みながら作品について語ってしまいたくなります。
ですので、繊細なこの作品を演じられたお二人のトークもぜひ聴くために
公式通販での購入がおすすめです。
トークCDついてきますよ。
長々と語っていましましたが最後に一言。
綺麗なものを追いかけてふわふわして、なんかあったらすぐにでも飛んでいってしまいそうなんて、本当に蝶そのものですね。

10

泣きました。

未読です。でも、このシリーズ、大好きです。基本CD派、聴いてから読んでます。

ちょっと、驚きの内容で、『えっ?』って思いながら聴いてました。もう、攻めが何言ってんのかわからない!!
 熱演しているお二人の嚙み合わなさに振り回されました。いや~~、ほんとすごいですね、ムシシリーズ。毎回打ちのめされます。
 後半は、もうね泣きました。ああ、これが愛なのか。感情がどんどん膨らんで、知らず知らずに涙が溢れ、感動の嵐。感謝しましたよ、熱演でした。
私のように、原作未読の方は、前作も一緒に聴くことをお勧めします。
更に感動します。聴けてよかった!!ありがとうございました!!

8

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