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kei yaku -abunai aibo-
『ケイ×ヤク』のドラマ化、おめでとうございます。楽しみです。
ドラマの初回放映日と同日発売になった『ケイ×ヤク』の7巻目。
公安の一狼と、ヤクザの獅郎。
全く接点のない二人がバディを組み、20年前の爆破事件に起因する国を巻き込んでの陰謀に挑む―。
というお話の今シリーズ。
6巻でB国の諜報部員・Jの腹心の部下であるニナを確保し、そして爆破事件を隠ぺいした人物たちとの接触を図ったところまでが描かれていて、7巻はその続きから。
山田のもとにいる、20年前の事件の加害者と被害者(と、私は思う)の二人の救出に、命を懸けて一狼と獅郎は突入し…。
20年前の事件の真相、黒幕、そういったものが解明されていきます。ストーリーとしてはシリアスなお話なんですね。暴力シーンや流血、殺人といった惨事が描かれていますので、そういったお話が苦手な方には若干不向きな作品かもしれません。
が、そのシリアスさを補うのが、一狼×獅郎の二人の掛け合い。
獅郎は自分の目的のために複数の男たちに抱かれるというシーンはあり(獅郎とモブの絡みの描写はありません)、それ故にBL作品として区分されている向きもありますが、肝心の一狼との身体の接触という部分はかなり少ないです。少ないというか、既刊7冊通しても軽いキスシーンがちょびっとあるだけ。
けれどこの二人に、身体の接触は不要とさえ思えます。心の奥底から、きちんとつながっているから。信頼という名の、決して切れることのない絆が。
もう、この二人の心情に萌える…!
一狼と獅郎は、莉音という女性を介して繋がった二人。
一狼には20年前の事件解明という目的もあり、大切な幼馴染で淡い恋心を抱いている千夏もいる。
守りたい大切な人が、それぞれ彼らにはいて、けれどその存在とは別に、二人はお互いを守り共に居たいという願いもある。
一狼と獅郎の恋のベクトル、も気になりつつ、それだけではなくって事件解明、B国諜報部員のJとの対決、国家を巻き込んだ陰謀との攻防。萌えがたぎるそれらのバックボーン一つ一つが面白いのに加え、それら因子が複雑に絡みストーリーに奥行きを与えているのも良き。バディー物がお好きな方にはもちろん、BL作品と言えば速攻ベッドイン、みたいな展開があまり好きではない方に激しくお勧めしたい作品です。反対に言うと、BL作品なら絡みがないとね、という方には不向きかと思います。
一狼の上司の警視監でもある田口さん。
獅郎の姉であり一狼の先輩の莉音。
その二人を含めた、たった四人で挑む闘い。
山田、そしてJとの対決も気になるし、指定暴力団・峰上組の若頭という立場にいる獅郎のその後も気になるし、田口さんのミステリアスさとカッコよさにも悶絶するし、一狼と千夏ちゃんとの関係も気になるし。
続きが早く読みたい!今巻も非常にいいところで終わっていて、お約束と分かりつつモダモダしてしまいました。
シリアスベースで進む今シリーズですが、所々で挟まれる「番外編」の小話が大好き。可愛いの。田口さんのお茶目さに萌えが滾りました。