王と王子の甘くないα婚

ou to ouji no amakunai alphakon

王と王子の甘くないα婚
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神48
  • 萌×245
  • 萌11
  • 中立5
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
17
得点
458
評価数
115
平均
4.1 / 5
神率
41.7%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
三廼 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344848788

あらすじ

大学生の若公士貴は容姿端麗、頭脳明晰、家はお金持ちで「王子」とあだ名されるのも納得のα。だから家族から感じる疎外感なんて勝手なひがみでしかなく、この先も幸福な毎日がずっと続いていく。そう思うしかない日々に出会ったのが同じ大学の卒業生、伊王野だった。現在32才、自ら興した会社で20代でビリオネアとなった有名な経営者でαだった。同じαのはずなのに、自分と伊王野ではあまりに違う。まだ何者でもない自分というコンプレックスを刺激される士貴だったが、ある日酔った勢いで一夜の過ちをおかしてしまう。αなのに士貴は伊王野に抱かれたのだ。そして「婚約しないか」と突然言われて戸惑うがーー。

表題作王と王子の甘くないα婚

伊王野神門,32歳,起業家
若公士貴,21歳,アルファの大学生

同時収録作品王と王子の甘くないα婚

(仮)若公士貴,α,大学生
(仮)ミヤ,Ω,士貴の友人

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数17

いやいや、甘いアルファ婚

いやぁ、ヤバいですねぇー。
読み出したら止まりませんっ
注意して読んで下さいませね。
オメガバースは作者様の酌量で、変幻自在!

今回はアルファ‪‪✕‬アルファです。
攻めであるアルファは肉体美も然ることながら、恵まれない環境から頭と才能一つで這い上がり、今や世界でも注目される人になっている。
受けであるアルファ。彼も美しい容姿に才能を持ち、しかも有名な大企業の息子として生まれた。
しかし双子の妹(オメガ)に、愛情も何もかも奪われ、ただ生きて行くだけ(勿論目立つし注目の的だけど)と言う辛い人生を生きて来た。

そんな時に出逢ってしまうんですよね。
受けの大学祭でどうしても招待したい!な友人からの頼みで、如才ないメールを送り。
本来なら知らない人達から溢れるばかりのメールが届き、全て見もせずに処理される筈が、何故か攻めから返信が来る。(ここが既に燃える)
そしていよいよ二人の物語のスタート!
最初は??
そっそんなんで良いの?
な二人の始まりですが、それもこれも天才な攻めの綿密な計画があったのですねー、ムフフ。
こんなん好きや~~~໒꒰ྀི∩˃ ᵕ ˂∩꒱ྀི১♡

小中先生お得意のラストにちゃんと攻めの心情がたっぷりと書かれていて、満足満足⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾
妹はいつかギャフンとやられて欲しい!なんちゃって。

電子限定のおまけ、これがまた良いわ~~~。
攻め視点なのが余計にはなまる100点//
本と悩んで居られる方が居られたら電子をオススメしちゃうよ!

小中先生、今回もめっちゃ良かったです。
黒髪攻めサイコー♡♡
茶髪受けサイコー♡♡
はぁ、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします♡ᐡ ̳ᴗ ̫ ᴗ ̳ᐡ♡

1

好みの問題で盛り下がっちゃったかも…

私小中先生の作品では、「新婚さんはスパダリ同士!」が大好きなんです。バリバリ攻めさん同士!という2人なのに、お互いどうしようもなく惹かれ合ってーみたいなのが好きで。
今作についても、それ期待したんですよー。オメガバースの設定を踏襲しつつもアルファ同士の2人、という。
で、その期待通りにアルファ同士の2人が婚約、という流れの中惹かれ合ってくーという展開に滅茶苦茶萌えながら読んだんですが…うん、個人的な好みの問題で、その着地点かーと盛り下がってしまいました…。

予想はついてたんですよ、アルファ同士の妊娠についてもわざわざ丁寧に説明があったから。だから、その展開になって、ああーとなったのは、単純に好みの問題です。好きな人は好きだと思うので…。
私自身の好みとして、BLでも男女ものでも、結婚前、それも両想いだと判明する前に妊娠って、何だかなあなんですよ。いや、現実世界のデキ婚を否定してるんでなくて。
フィクションなのに、急に現実的になるというか(リアリティ追求という部分ではいいと思うけど)、何か…「責任」っていうのが途端に大きく印象としてやってくるというか。それまでどれだけ両片想いな感じを甘酸っぱく描いてたって、2人の駆け引きをじりじりと描いてたって、もう子供出来てしまったら、観念するしかないみたいな空気感になってしまう気がするんですよ、個人的に。後からどれだけあの時にはもう好きだったとかいってたって、後付けでしょー?みたいな空気感というか。

なので今作はそこが本当~~に惜しい、個人的に。フィクションとして物語が紡がれる時、設定に過不足があってはいけないと思うのですが、今作においては、オメガバースの世界観の中、オメガやアルファの妊娠について、あまり他では見ない独自設定があり。詳しく書かれてた以上、それが掛かってくるとは思ってましたが、いやあ、この2人においては、必要だったのかな?と疑問点。
受けさんは、世間的には優性だというアルファに生まれながらも、家庭内での愛に恵まれなかった。その中で出会った、自分より優れたアルファに婚約を持ちかけられてーという話なのですが。
この話の肝としては、受けさんが、自分は愛情に飢えていたということを自覚し、アルファでありながらも、抱かれることで愛される幸せを知る、ということなのかなあと個人的には思いました。
なので、妊娠するという部分は、必要性は高くないんじゃ?と思ったんですよね。寧ろ、形から入りながらも愛を育んでく様を見たかったし、自分達は子供を成せなくても家族になれるし幸せになれるみたいな流れにもしてほしかった。だから、アクシデントで発情してしまった結果妊娠してしまって、でもこれは迷惑だからと受けさんが離れることを決意する…って、何か急に凄い安っぽいメロドラマになった感があるんですよね…。
普通にアルファ×オメガな話でも、その展開は、ああいつものパターンね、という感じだし、今作のようにアルファ×アルファなのにその展開は、えーせっかくのアルファ同士なのにこんなありきたりな流れ!?みたいな…。
つまりは、個人的に、せっかくのアルファ同士だとか、不憫な受けさんが愛される幸せを知るというあらすじだとかを、全部無理矢理妊娠しちゃった!という…それが「責任」という印象にもかかるんですが、荒技で終わらせられた感があって、物語最初で感じたワクワク感を奪われてしまった気分です。うーん、個人的好みの見解だとは解ってますが。

受けさんの人となりや心情描写は流石小中先生。攻めさんが興奮して先走りびしょびしょなのとか描いてるのも大好きです。
そんな萌えもあったけど、やっぱり今回については、設定と流れが個人的には好みじゃなかった…という結論です。

1

なんの疑問なく読んでましたが

初作家さんですが、前々からよく見かけるお名前で周囲にファンもいるため、
はじめて読む作家さんとはいえある程度信頼感がありました。
そして実際に読んで、さすが人気先生であり、やはりとても読みやすくて、そして主人公の心情描写がとても上手という印象がありました。
物語もおもしろく、そしてα×αという珍しい設定もとてもよかったです。
この話は通常のオメガバ設定とまたちょっと違っており、αでもラット中に中出しされたら妊娠可能という設定です。
つまりこの作品の世界では、α同士が付き合うことは決して珍しくはないと認識しました。
はじまりは契約婚約、気持ちが徐々に攻めに傾けていく受け、二人はどういう形で結ばれるか、続きがとにかく気になってどんどん読んでました。
とても面白くて読みやすくて読後の満足感が高かったです。
しかし同時に、読み終わった瞬間、「これα同士でやる必要あったかな?」という疑問もたしかに浮かべました。
以下はネタバレ感想なのでご注意ください。
男のαでも妊娠可能という設定で、受けの元セフレΩがヒートになって受けに助けを求め、そのΩの家に行ったら当たってラット状態になった受けと攻め。避難して自宅に帰った攻め受けはラット状態のままセックスをする。
妊娠したかどうかハラハラしている中、受け家族との会食で攻めが初めての受けのお姉さんΩに会って、そこも突然ヒートが始まったお姉さん。
運命の番かもということで家族たちは攻めとお姉さんが結婚すればいいという話になり、
攻めに捨てられるのが怖くなった受けは妊娠したまま逃げることに。
(もちろんそのあとすぐ攻めが探してきて無事に和解してハピエン)
オメガバでよくある、妊娠したΩが攻めから逃げて一人で子を産むというテンプレがあると思いますが、まさかこの作品でこのテンプレが出てくると思わなかったです。
受けもαで、攻めと出会うまでΩと遊んできたが、家族との関係は悪く、他のオメガバ作品に出てくるαより自己肯定感が低くて、攻めのことが好きになってから女々しいというか、ネガティブ思考が続いてます。(αらしくないαという一言で片づけていいのか)
妊娠できるαという設定がとても好きだし、α×α目当てで購入した作品だが、
読み終わって落ち着くと「わざわざ受けをα設定にしなくても…」と思いました。

3

αの妊娠や胸くそ家族が受け付けなかった

伊王野神門の心がいまいち見えづらかったのと最後は胸くそ家庭問題と妊娠について悩まされたことで、話に入り込めなかった。というか、楽しい気分で物語を享受できない。

だが、個人個人のバッググラウンドの書き込みは常軌を逸してる。天才。
20代前半で大学生の受、若公士貴の心の揺れ動きなんか、まるで本当に一人の青年を観察して書き上げられたのではないかと思わされる。
20代前半独特の大人になりきれていない子どもな部分。衝動や勢いで動いてみたり、家庭にまだ抗えず押さえつけられているのにそこにはきちんと自我があり、なんとか抜け出そうとしてもがく様、自分より大分年上の神門に嫉妬と憧憬、そこから繋がる今まで感じていなかった愛情を受けての傾倒は仕方がなさだったり…。

小中大豆先生の作品を読むのは3作目だが、とにかく人物の背景からくるコンプレックスや葛藤の描き方が特段にうまい。
だが、そのコンプレックスや葛藤がうますぎる故に私には幾分か昏い気持ちにさせられてしまう。

この作品において、恋愛模様については、気持ちの揺れ方が些か雑なようにも感じられる。
神門という人物の人たらしぶりを描き込むため、愛のない関係の相手に対しても紳士的に好意的に愛情を持って接する描写があるが、実際最終的に今気持ちに気づいたと書かれ、今までの親愛描写はなんだったんだという気にさせられた。
士貴に関しても憧憬と初めて与えられた安心できる場所から愛を感じてしまうところがチョロすぎるなと思ったが、この辺りは人間そんなもんだなとも感じさせられる。
そして、このあとその愛情が暴走して一つ事件を引き起こすのは面白い。

とっ散らかった感想になってしまったが、私の好みには合わなかっただけで、ストーリー自体は文句の付け所もない。
オメガバースの機能もα同士の物語にどこまで作用するかと思ったが、αなのに抱かれる方に回るプライドやラット状態について描いている部分できちんと働いている。

4

妊娠描写がなかなかリアル

感想がまとまらないので箇条書きにて。

【要注意な点】
・受けの母親と双子の姉が胸糞なので、出張る女性が苦手な人は避けたほうがいいと思う。奴らに天罰がくだりますよーに!
・α同士だけど、αでも妊娠可能なので、受けが妊娠検査薬でどうこうとか、つわりがどうこうみたいなのを読むと、私はBL読んでるんだろか?と思ってしまう自分がいた。
あと妊娠出産は地雷ではないけど、妊娠中にセックスしちゃうのは苦手。
お腹張らないのかしらとつい心配になっちゃうし、「身体に障るだろ」とかもう何読んでるんだろ?って気持ちになります……。

【攻めへの印象】
パッとしないまま終わってしまいました……。
好きでもない相手に、いきなり婚約を言い出して、何なんだろ?この人という印象が最後まで拭えなかった。
甘い言葉を吐いてても気持ちが読めないというか、嘘くさいなぁと思ってたら、やっぱりなぁって。
その後も特に好感度もあがることなく低空飛行のまま終わってしまった。
攻め視点があったら、胡散臭さが少しはマシになったと思う。

【納得いかないところ】
元セフレのΩがヒートを起こしちゃって、αである受けが助けに行くんだけど、あんな貰い事故みたいな状態になったにも関わらず、なんで自宅に帰るのかしら……。
帰っても自宅には抑制剤が一本しかないんだから病院に駆け込むとかすればいいのに……。

α同士って新しいかもと思ったけれど、よく考えてみれば一周回っていわゆる単なる「男同士」と同じところに落ち着いただけでは?と思いながら手に取ったこちらの一冊。

対等であるはずの男同士に、オメガバースという世界観が導入されてαとΩという格差を前に苦しむΩをたくさん読んできました。
この作品は同じα同士なので格差はないはずだけど、圧倒的なα感、αの中のαといった攻めを見て、劣等感を刺激されてしまう受けの姿は特に目新しいものではなく、従来のBLでもたまにあるやつだなと。

この作品では「運命の番」という伝家の宝刀が、ちょっと違った形で使われているのが、そうきたか!!って感じでしたが、あの女は虚弱そうで実はかなり逞しいからなかなかしぶとく生き続けそう。

ここが萌えた〜!って箇所がなかったので中立で。
すみません。

9

タイトルなし

作家買いです。

イラストも綺麗でかっこいいのに、勿体無い感。
展開がありきたりな感じで、先が読めてしまいました。
先が読めててもそこが面白い、と言う楽しみ方もあるのですが、これに関しては楽しめず…

受けも攻めもさっぱりしてる性格で、
個人的には印象に残らない作品でした。
(受けが酔ったくだりでもう少し萌えを感じることができればよかったのですが… 先生すみません!)

4

失敗した…地雷だった

てっきりアルファxアルファは妊娠とかないと思ってた…事前にレビュー確認すべきだった…

妊娠を除いていくつの気になる所もある。
まずは受の家庭環境の設定についてすごく疑問感じる。頭のいいそこそこできてる受を置いて、ろくに学校も行ってない姉さんを家業継がせる受の親族は、到底グループ企業の経営者務める人間だと思えない。アルファの大変さ語りたいだろうけどこれ方向性が違うし不合理だ。
オメガ友人がヒットになって受まで助け求めてきた所にも疑問。電話する体力もあれば普通救急車呼ぶべきじゃないか…アルファ呼んでもどうにもならないでしょう…
友人のフェロモンに当たられた攻と受の行動は本当に不可解だ。こんな時は病院に行くんでしょう病院に!タクシーで家に帰るんじゃねーよ…それで妊娠した羽目になった。
受のオメガ姉は攻の運命の番。姉のキャラも気味悪い。女性をあえて悪役として立てられるのは感心しない。

11

運命よりも大事なもの。

作家買いさせてもらってる小中先生、やはり私の萌えツボを押しましくりです。
オメガの発情によってのみアルファは発情する。
オメガもアルファも発情していたら妊娠可能、という世界のオメガバースのお話。


受け様は大学生のアルファ士貴。
名門出身で、何事もそつなくこなすまさにエリート王子。
でも、家族はオメガである双子の姉至上主義で、省みられることもない寂しい存在。

大学祭をきっかけに経営者で成功を納めている伊王野と知り合し、親しくなる。
この王者の風格を持つ伊王野が、今回の攻め様。

ある日、酔っぱらって伊王野にお持ち帰りされたあげく、抱かれた士貴。

翌朝、動揺する中で、利害関係が一致してるから、とりあえず婚約しよう、と契約婚約を持ちかけられる。
伊王野の言葉や態度に一喜一憂する士貴が、いじらしくて不憫。

士貴は、優しく気遣ってくれる伊王野をどんどん好きになっていくのだけど、伊王野の気持ちはわかない。
愛を育んでいければいつか、なんて、慎まし過ぎるわ〜。

オメガの友人のヒートにあてられ、発情した状態で抱き合った2人。
体調を心配する伊王野に対して笑顔で対応するのに、伊王野に隠れて妊娠を気にしている士貴の姿に、どこまで気を使う子なんだ、とたまらない気持ちになる。

さらに、家族との会食で姉が爆弾宣言をし、士貴の気持ちを全く省みない家族に唖然(;゚Д゚)
伊王野がオメガの姉を振る様を想像しまくって溜飲を下げましたよ(#`皿´)

そして、士貴にいなくなられて、動揺し焦燥したであろう伊王野を思うと、萌えマックス(≧▽≦)
探しまくるがいい、と思ってやりました。

「運命?知るか」という伊王野のセリフがグッとくるσ(≧ω≦*)

オメガバースといえば『運命の番』というロマン、大好きですけど、そんなものより好きだという自分の気持ちだろ!という想いに萌えさせてもらいました(*´∀`)




9

αとαでも妊娠する世界(条件付き)

オメガバースの世界は自由ですね
今回のオメガバースに関してはα同士の恋と言う為かオメガの存在価値及びその作用があまりに不穏すぎてこれはほぼほぼ敵な設定だよなと思い
作中に出てくる2人のオメガどちらがどの弾を撃ってくるのか2人の恋物語の行方と同時にヒヤヒヤしながら読んでおりました

ネタバレありです




孤独を抱えながらも必死に生きていく士貴の愛されないことに慣れすぎているが故に自分が愛されていることに全く気がつかない悲しさがとても愛しかったです
神門が士貴を可愛いと思ってるのは確かだろうが
どういう風に思っているのか
物語の流れ的にはベタ惚れなんだろうと思いながらも所々の不穏な行動に絶対的な確信が持てない中
まず一発目のオメガからの銃弾がやって2人の関係のを変える一発が
二発目のオメガ弾が2人の関係の土台をひっくり返すくらいの勢いで

なーんーでーすーがー‼︎‼︎
その弾の種類と言うよりはその射手と状況があまりに醜くて醜くて全身の血液が一瞬にして沸騰する位頭にきました
他の方もおっしゃっていますが久しぶりになぶり殺したくなるキャラクターでした

そして怒涛のラスト40p
この展開は二次もので何回も読んだ展開ですがやはり切なくて切なくて
大団円を迎えられてよかったです

面白かった!

10

オリジナルバースルールで面白かった

電子版。
小中大豆先生の今作は、α同士で番い、子が生まれるオリジナルバース設定。
財閥の長男だけど惣領候補はΩの姉、愛情欠乏の家庭で育った、αの士貴。

・伊王野神門 32才。母子家庭で育ち、起業。20代でビリオネアとなった王様α。
・若公士貴  21才。財閥の長男。双子の姉に過保護の家族、親に愛されない孤独な王子。

大学のイベントを終えた夜、士貴は、神門に酔わされ、α同士で抱かれて掘られ、求婚される。
家族に愛されず育った士貴は、神門から結婚の申し込みを受けても、「愛がない」と感じて喜べない。
同居を始めたある日、士貴の知人Ωの発情で、ラットを起こした士貴と神門、そして士貴は妊娠する。
妊娠を神門に伏せ、士貴は家族に神門を紹介する席を設ける。
その会食の席で、二卵性双生児のΩの姉が突然発情。
そして、「神門は、自分の運命の番で士貴より自分と結婚するべきだ」と言い出し、一族を振り回す。

姉の「運命の番」発言と家族の様子に絶望した士貴は、自分が欲しかったものは何かを認識する。
そして、子を守るため、独りで生んで育てようと、家族と縁を切り、家出をする。
でも世間知らずで育った士貴は、すぐ壁にぶち当たり、一人暮らしの地盤を造れず途方に暮れる。
つわりもひどくなっていく。
・・・といった展開で、後半一気に伏線が回収されて、士貴と神門は幸せ夫婦に落着。

付属のSSには、二人の間に生まれた息子が初めて覚えた言葉「パパ」が、誰のことなのかがテーマ。
双愛の二人が幸せそうな様子が書かれています。
読後爽やか、心が温まる作品。

8

毎回レビューに書いてますが

小中大豆先生の作品は必ず購入してます。
そして、毎回レビューに書いてますがとても引き出しの多い作家様でどのお話も違っててどれもが面白くて大好きです。

今回のお話もタイトルからして、α同士の恋のお話で前途多難な事が窺い知れました。
α同士の恋人達に襲い掛かって来る、Ωと言う敵がどんな罠を仕掛けてくるかとドキドキしながら読みました。

でもね、最初に波乱を持ち込んだΩは神門と士貴に対して2人にとても大事な絆を贈る事になるんです。

そして、いつ出張って来るかと待ち構えていたラスボス的なΩは、士貴の初めから薄い家族との縁を切るトリガーとなります。読んでて「コイツを悲惨な目に遭わせてやりたい!」と久しぶりに思うほど、胸糞悪いキャラでした。www

初めはとても気になる存在からどうしても手に入れたくなり、しまいには「運命の赤い糸」に導かれるまま恋に落ちて、そこには年齢だとか経験だとかは役に立たなくて、必死に士貴に愛をこう神門がとても素敵でした。

そして恵まれたように見えて、心に孤独を抱えながら必死に愛情と居場所を求める士貴がイジらしくて可愛いのです。

もろ私の性癖を突いて来る作品でした。


それから細かい事を言ってしまいますが、とても気になったので…。

11ページの12行目ですが「受精不能な精子」は「受精可能な精子」の間違いだと思うのです。読んでて意味が分からなくて何度か読み返してしまいました。
あと215ページの4行目の「ラッシュ用の抑制剤」は「ラット用の抑制剤」だと思います。

10

”運命の番”よりも大切なもの

2021年刊、タイトルにある『王と王子』にピピっときた。
挿絵も好きなレーターさんが受け持っているし、久々に新刊に目が向いた。

既に自分好みの年上攻め・年の差、見栄えのいいカップルって事で満足度が満たされつつあったので、オメガバース設定は無くても良かったかもねって考えだったが、読み進めるにつれて浅はかだったと気がついた。
むしろこの話はオメガバースの概念が作中に上手く溶け込んでいるからこそ面白い。
攻め受けがアルファ同士って組み合わせもいいものだね、他にもアルファ同士のカップルものを読んでみたくなった。

受け・士貴が顔、頭の良さ、家柄に恵まれながらも自惚れるどころか周りに気を遣う性格は、従来のアルファ像(自信に溢れ周囲に羨望される)とくい違っていて気になった。
士貴の双子の姉がオメガで病弱なのが不憫だからって理由から彼女中心に回るのが当然で、同じ家の子なのに蔑ろにされるって家庭事情は痛ましい。

そんな士貴の転機は大学祭講演の交渉がきっかけとなった神門(みかど)との出逢いだった。
神門のほうが士貴にベタ惚れなのがまる分かりで、交際と同時に婚約、同棲へと持っていくせっかちさも微笑ましく見える。
地位も風格も申し分のないアルファである神門に尽くされて戸惑う士貴だったが、次第に彼に惹かれる気持ちがしっかりしたものになっていく。
そんな一方で、自身の事よりも常に神門の多忙さを気に掛ける優しさも光っている。

しかしまぁ、士貴の姉や家族が彼の幸せを踏みにじる行為に出るとはね…
(あれは不意討ちのトラブルではなく、姉が故意に仕掛けたものだと勘ぐってしまう)
肝心の神門が思惑に嵌らず士貴を救い切った山場には心底グッときた。
自分はこのシーンが大好きで、何度も読み返してしまう。

確かにオメガバース上ではアルファとオメガの結び付きこそが最強だし、オメガの発情期に左右されやすい危うさもある。
それでも『運命の番よりも大切なもの』として、この後に続く神門の真の告白こそ強くて尊いものだった。

16

作為的な提案がもたらす恋の顛末

今回は自身で起業した経営者と大企業創業家の御曹司のお話です。 

受様が大学祭で攻様に講演会依頼をした事をきっかけに
攻様の伴侶となるまで。

この世界にはアルファ、ベータ、オメガという
バース性があります。

アルファは種の頂点に立つ優秀な性とされ
ベータは全てにおいて平均的、普遍的な性であり

オメがは男女ともに華奢でひ弱で年に何度も発情期があり
フェロモンをまき散らすためバース性による
ヒエラルキーの底辺とされます。

しかし頂点であるアルファは
オメガ・フェロモンの強い影響力に抗えず
あっさり発情するという事態がまま起こります。

しかも
アルファとオメガの生殖には発情が必要ですが
発情期がないアルファはオメガ・フェロモンなくして
生殖ができないのです。

受様は大企業の創業家に
双子の弟のアルファとして生まれ

容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、
名門私大に現役合格し、3年の今にして卒業後は
父親の関連会社に就職も決まっています。

誰もが受様を憂いもなく
幸せな人生を送っていると思っていますが
受様の家族は病弱に生まれたオメガの姉が最優先で
受様は家族に愛さいない存在でした。

そんな受様の人生が変わるのは
友人が今年の大学祭の卒業生講演会に攻様を呼びたい
と相談を持ち掛けてきたことがきっかけでした。

攻様は数年前に20代でビリオネアとして
アメリカ経済誌の富豪番付にランクインした人物で
仲間と共に事業を次々と展開し、
瞬く間に億万長者になった人物です。

受様は攻様がどんな人物かは知っていましたが
面識も接点も有りません。

友人は自身でもメールや電話をしたけれど
全く本人にコンタクトが取れずダメもとでもいいからと
受様に頼んできたのです。

受様は自分のメールでも変わらないと思いつつも
押し切られてメールをすることになるのですが
なんと攻様本人から返信が来た上にやりとりが続き、
講演会の依頼も正式に受けてくれることとなるのです。

攻様は受様が出会った人たちの誰とも似ておらず
大胆でありながら理知的で紳士的で
たちまち攻様にも了されてしまいます。

受様は多忙な攻様とは講演会が終われば交流も終わり
ほんの一時の関係だろうと思っていたのですが

講演会が終わった後の打ち上げに
攻様のボディーガードとして参加したつもりが
酔っぱらった挙句に攻様にお持ち帰りされて
美味しく頂かれてしまうのですよ!!

攻様は酔った受様が「家に帰りたくない」と泣き、
色々と話をきくうちに甘えてきて
イイ感じになったというのです Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

受様は攻様が自分同様、ハンターな事は判っていましたが
アルファである自分が捕食される側になるなど
想像もしていなかったのです。

その上攻様は「婚約しないか」と言い出して!?

母子家庭で苦労しながら自身の才覚で起業した攻様と
大企業の御曹司ながら家族に顧みられなかった受様の
アルファ同士のオメガバースになります♪

本作は一般的なオメガバースのように
アルファ×オメガではないので
運命のつがいという設定ではありません。

他人には羨ましい限りな立場であっても
本人が幸せだと思っているとは限りません。

アルファ一族にアルファとして生まれながらも
双子の姉がオメガであったことから
誰にも顧みられないという設定がとても目新しく、

受様がアルファではありますが
シンデレラストーリーぽい感じもあって
萌ツボを刺激されつつ読み進めました。

自分の立場を当たり前とせず
変えたいと思いながらも抗えなかった受様が
酸いも甘いも齧ってきた攻様に
健気で可愛らしく見えてしまうのは
もう仕方がないと思えたのは納得しかなく、

理想的なアルファである攻様と出会う事で
求められる姿と虐げられている実態との乖離を埋め
攻様とともに新しい一歩を踏み出す展開に

受様のコンプレックスだった姉の存在が
巧みに絡まって進んで行くのも秀逸で
受様が攻様の伴侶となる大団円まで
とっても楽しく読ませて頂きました♪

三廼さんのイラストもお話の雰囲気に合っていて
とっても良かったです (^-^)v

8

アルファ

先生買い。今まで読んだ小説の中で、もっとも繊細なアルファな気がするお話でした。面白く読めましたが、めっちゃ萌えたかと言われると?なので萌にしました。王道オメガバ話ではないので、変化球がお好きな方によいかも。

大企業の創業家に生まれ、アルファだけあって何でも卒なくこなしている士貴。人脈を期待され、大学祭実行委員会のメンバーとなっています。受けてもらえるわけがないと思っていた講演を、今を時めくビリオネアの伊王野(いおの)に引き受けてもらえ、なんとなく交流が続き・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受け家族(両親、双子の姉(Ω))、受けのセフレ(Ω)、受けの大学友達ぐらい? 受けの家族がかなりキテました。

++攻め受けについて

攻めも受けもアルファなんですよね。それに加えて終盤、もう一回「え?アルファなんでしょ?」と驚く箇所が。そして受けはアルファですが、圧倒的なアルファ感がないです。家族に大切にされてこなかったからなのかな。双子の姉(Ω)が病弱で、周囲から凄く大切に扱われていて、受けはほったらかし。アルファだから何でも出来て当然、褒めることなんて一回も無かったんだろうなあ。自己肯定が全く出来てない方でした。アルファも育て方を間違えるとこうなるのか、という心地です。

攻めはアルファらしい肉食獣寄りアルファ。腹黒感満点という訳ではないですが、まあ大人な雰囲気です。受けのことが気になって側に置いておきたくて、という様子から始まって、最後はぴっとも離さないぞという様子でした。

攻めにも受けにも今一つ♡なポイントを見いだせなかったでした。最後しゃきーんと目覚めた受けの行動は良かったのですが、ちょびっとで終わってしまったし。お話はどうなるどうなるとずんずん読んでしまうもので良かったのですが、恋話面でなんとなく盛り上がらなかったお話でした。姉含め受け家族のクソ加減にむかついたからかも。

9

α×αの恋の面白さ

あらすじ:王子なα士貴が王様なα伊王野と一夜の過ち!? 初めて抱かれてしまった士貴だったが伊王野から突然「婚約しよう」と言われ……。
軽やかに始まったと思いきやシリアスでした。周りから見れば恵まれたαの士貴だけど家族の態度は酷い、けど周囲の期待を受けて完璧なαでいるのはしんどいなぁと思った。そんな士貴がより強いαの伊王野に戸惑いながらも惹かれていくのは必然かと。だけど、この伊王野は士貴に甘いけど本心が見えない。そんな中であれやこれやが起こり、士貴の選択は当然だと思ったし、結果的に上手くいって安堵しました。あれやこれやの部分はめちゃくちゃ切ないし、あの人達に憤りを感じた。だからこそ伊王野の行動に拍手士貴には幸せになってほしい
伏線から展開が想像できたけど、それでも涙したのは小中先生の巧さだなぁと思った✨

12

すごかった!目が離せない!

すごかった!何回山場があるんだってくらい、一山越えて安心したらさらに山場がまたまた山場が。

上手い!設定をいかしてますね!まさかそう来るか!

これはネタバレを読まない方が楽しめるのではないでしょうか。とっても良いお話です。

お互い素直になりなよー、と何度思ったか。
士貴が恋愛初心者で初めての恋で、不安になってばっかりで。開き直ったと思ったらまた相手を信じないで突っ走って。

まあセフレのともだちと交流してきて、今までずっと攻めで、アルファで、体格も良くて、大企業の御曹司で。
それが恋する乙女になっちゃって。

家族に恵まれず、人に迷惑をかけないことばかり気にしてきたからなあ。

神門も士貴に気があるんだろうなあと思ってましたが、まさかの申し出?提案?で。うーん、大人の知恵なのかな。臆病だったのかな?コンプレックス?

アルファとアルファ。まさか自分がそんな対象になるとは!思ってもいなかった受けが可愛くなっちゃうんだもんな。

最後の山場は泣けて泣けて。

恋する切なさ、優しく尊重される嬉しさ、愛される喜び、揃ってますよ!

電子書籍のオマケもとっても良いお話でした。

最初は神門が軽い気持ちだったってのが引っかかりますが。
でも神門も良かったね!

9

アルファ×アルファの恋のお話。

作家買い。
小中さんはコミカルなものからドシリアスなものまで書かれますが、どの作品にも共通しているのは緻密で繊細に描かれる登場人物たちの心情とストーリー展開のお上手さ。その手腕でグイグイと作品の持つ世界観に引きずりこまれてしまう。

今作品は小中作品としてルチルではお初となるオメガバースもの。
しかも、アルファ×アルファというCP。その設定だけでおかわり3回いけるなーと思いつつ読み始めました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公は大企業の御曹司で大学生の士貴。
実家は金持ち、アルファで、見目麗しく優秀な彼は王子とあだ名がついている。性別問わず、セックスを伴う友人も多い。

けれど彼はその「入れ物」を裏切る根深いコンプレックスを抱える青年でもある。

そんな彼は、大学の文化祭の手伝いをしていてとある有名な人物と繋がりができる。20代で起業し大成功を収めた若きビリオネア・伊王野。アルファらしい才能あふれる彼に傾倒していく自分を自覚する士貴だったが、ある日酔った勢いで伊王野に抱かれてしまい―?

というお話。

金銭的な苦労もなく、アルファらしい才能に恵まれており友人も多い。
けれど士貴は実家が苦手で家に帰りたくない。
そのため友人宅を転々とする日々を送っていて、その中には身体の関係もある友人たちもいる。

んー。
ボンボンらしい我儘?反抗期?

と思いつつ読み進めました。

そんな彼のお相手は、こちらも優秀なアルファである伊王野。
若きビリオネア、と言われてはいるものの、彼自身はオメガの母を持ち苦労した経歴もある。自身の能力一つで世界にのし上がっていった、そんな男性。
だからこそ、士貴が伊王野に心酔していく、その過程に無理がない。

が、そこで収まらないのが小中作品か。

伊王野の能力と人の心にするっと入り込む人心掌握術、そういったものに憧れを抱く士貴の、その根っこが、少しずつ見えてくる。士貴の、家庭環境が。

士貴には双子の姉がいますが、彼女の存在が今作品のキモかと思われます。
あまり書いてしまうと壮大なネタバレになってしまうので控えますが、彼女の動かし方が素晴らしくお上手です。

士貴のネガティブさ。
彼の家庭環境。
そして、伊王野との恋。
そのすべてに、彼女が関わっている。

こういう展開の仕方がさすが小中先生といった感じ。素晴らしいです。

オメガバものって、作家さまやその作品によって若干世界観が異なりますが、今作品はオメガは虐げられる存在ではありません。むしろ、オメガのフェロモンにアルファは抗えず、自分の子を産んでもらう存在として描かれています。だからこそ、アルファ×アルファという伊王野と士貴の恋に、暗雲が立ち込めていく。

伊王野と、お酒の上での失敗、と言ってしまって良いのかな。身体の関係を持った後、伊王野から結婚を前提に、婚約をしようと提案されます。

伊王野を愛してしまった士貴と、そんな士貴の家柄から彼に求婚する伊王野。そして、そこに士貴の複雑な家庭環境が絡んでいく。視点は士貴で、だからこそ読者も士貴に感情移入してしまって、もう士貴が健気で可哀想で、読んでいてちょっと気持ちがとんでもないことになりました。

今作品は攻め・受け共にアルファというCPである、というのが大きな軸になっています。士貴もアルファなので、序盤、彼とオメガとの絡みの描写があります。詳細な描写はなくうっすらと関係があったなと分かる程度のものですが、受けさんが他の人物を抱く攻めだったという展開なので苦手な方は注意された方が良いかもです。

士貴の、アルファでありながら受け入れる側になる葛藤と、それを受け入れてでも伊王野に抱かれたいという深い想い、そして士貴のバックボーン(良家の子息であるという点)を望んだ伊王野との駆け引き。

二人の恋愛という軸だけではなく、士貴の葛藤や人として成長していく過程、伊王野に向けるひたむきな想いもきちんと盛り込まれていて、めちゃめちゃ萌える作品でした。

士貴の友人の、ミヤや渋谷といった登場人物たちも非常に魅力的で、彼らのスピンオフが読んでみたいなと思いました。

三廼さんの挿絵も良かった…!
綺麗で、二人のイメージがぴったり合ってる感じ。

ストーリー良し、キャラ良し、バックボーン良し、さらに挿絵良し。
文句のつけようのない、そんな神作品でした。

13

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