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8gatsu no loss time
桃子先生作品初読みです。
短編集。
どのお話もキラキラまっすぐキャラたちの青春という感じでした。若いからこそぐるぐるしたりぶつかったりもする。
くるくるまんまるお目目にほっぺを赤らめる表情がどのキャラにも何度も見られてちょいと恥ずかしくなった大人ですみません。どのキャラも目が同じに見えてしまったのは私だけでしょうか。やたら目が合うし。
かと思ったら怯えた顔が怖くて…あと思いっきり泣いたり感情豊かだな〜と読ませて頂きました。
文字量多く日常会話が豊富でした。
どのお話もとっても良かったです!
みんな同じ町で繋がってるのかな?
特に萌えて泣けたのが「落ち葉あふれて」「冬来たりなば」です。
「落ち葉あふれて」
後から後からわかってくる高三郎の気持ち。見事でした。甥っ子が高三郎の代弁者であり、恭の救済者であり。やりたいこと手帳、落語にも同じようなお話があるのかな?
その後東京で二人がお互い大切な人になって。
紫苑が恭にリードされまくり高三郎に嫉妬するとこ!
でも恭には別の思惑があって。小さいコマの小さいフキダシなんですが笑えました。
「冬来たりなば」
仲良しのシュウとこーちゃん。
10年前にこの町を一緒に出よう!って約束はシュウはもう忘れてるのかな…?という始まりで。
母子家庭を町の人達に噂され、こーちゃんは体が弱く、シュウは絶対東京の国立の医大に行って…の理由のくだりは泣けました。
ずっとお互い鏡越しに見てたんですね。それが分かった時も感動しました!
初読みの作家さんでしたが絵も優しくてお話もとっても良かったです。
お初の作者さんでした。
表題作は2本目に収録されています。
それぞれ春夏秋冬をテーマにした短編集で、ちょっと切なくて胸の奥がチクッとするようなお話たちですが、読後はじんわり温かくなるハッピーエンドです。
各お話の後におまけがあって、その後を垣間見られるのもありがたい。
どのお話も良作で甲乙つけがたいのですが、秋のお話「落ち葉あふれて」と「枯れ木に蕾」が1番好きかな〜?
亡き元カレの甥っ子との年の差ラブ。
それぞれ受け目線と攻め目線のお話になっています。
元カレの面影を甥っ子の紫苑に重ねてしまって悲しみが溢れ出すのとか、元カレは恋人に思いを残しながら亡くなってしまったとか、切な過ぎる。
そんな元恋人2人の心残りをなくしてあげようとする紫苑が健気で良い。
遺された2人の、恋の予感から恋になっていくまでがこれまたキュンで良かった。
Hの時は恭がリードして、そのスムーズさに複雑な気持ちを抱えちゃう紫苑の心境含め、大好きなシチュエーションでした。
枯葉を落とした木には新緑が芽吹いて、春にはどんな花を咲かせるんだろう。
この4組のお話は同じ地域でのオムニバスになっていて、表紙裏のMAPがめっちゃ可愛いのでお見逃しなく。
桃子すいか先生の「保健室の先生と〜」がとても好きで買いました!
同じ地域?町?で過ごす4CPのオムニバスです。先生がカバー裏のあとがきにも書かれていますが、大切に描かれたんだろうな、というのがにじみ出ている作品でした。持っている雰囲気は「雨だれの頃」に近いかもしれない。
ストーリーとキャラクターにもう一歩説得力が欲しかったのですが、おそらくどの作品も1冊にすればもっと深く描けるのだと思います。短いながらもここまでグッとくる作品が描けるのはすごい。
4CP収録されるなら、一つぐらい実らない恋があっても良かったなと思うのが、自分のダメなところです。永遠の別れ故に実ってない恋もひとつありますが。
あるいは、もっと全力でポジってるような話があれば良かった。4CPどれも悲劇を前面に押し出し過ぎている感があり。
こうやって一冊にまとまってしまうと少々顔の描き訳が曖昧なところも惜しい。
萌2寄りの萌
自分の好みと少し違うだけで、人にはオススメしたい一冊です。
※電子書籍ひかり 局部描写ほぼなし
カバー下有り、カバー裏無し
限定おまけ漫画1枚
一冊丸々一つの話だと思っていたので、読み始めたら短編集で少し残念だなぁと思ってしまいました。短編って、もう少し先も読みたいと感じたり、もっと掘り下げて描いてほしいと思ってしまうからなんですが、こちらの本は4編の繋がりのない話が、描き下ろしで繋がってました。
こうような描き下ろしって嬉しくなります。
病院での入院中の出会い。
友だちに告白して1ヶ月間だけの田舎2人暮らし。
亡くなった叔父の恋人と甥っ子が、叔父がしたかった事を2人で辿る。
幼馴染みと一緒の医大に行くために頑張る受験生。
それぞれ全く違う設定ですが、どの話も切なくて最後にはほんわかする内容。季節が4つとも違い、その季節の良さが凄く出ていて、特に表題作の夏らしさがとても良かったです。
表紙に惹かれ購入したので、私は初読みの作家さんだったのですが、懐かしさのある絵で、身体つきは受の子でも男子らしい骨格で現実味があって好きです。エッチはサラッとですが逆にがっつりなのも読んてでみたいなぁと思いました。
爽やかさやほんわかさを求めるには、神な作品です。
◆8月のロスタイム(表題作)
大学の夏休みの1ヶ月限定で付き合う2人ということで、途中までは儚さや切なさを感じる作品でした。誰かと付き合う時は毎回誠実に接しているけれど、この子はないなと思ったらすぐ振って見切りをつけるのが早い蓮。ずっと蓮に恋していた翔馬は一番近くでその姿を見てきたので、自分が傷付かないよう1ヶ月だけでいいから、と恋人になってもらいます。セックスはするけどキスはしない、恋人ごっこ。ラジオ体操のスタンプカードで、目に見えて残りの日数が減っていくのがなんとも切ないです。夏休み終盤独特の寂しさと物語の展開が上手く絡んでいましたね。最終的には蓮が、自分の気持ちに正直に生きることを決断しハピエンになります。この1ヶ月が2人にとって思い出ではなくきっかけになったのが本当に嬉しかったです。
◆落ち葉あふれて / 枯れ木に蕾
サラリーマンの恭が亡くなった高三郎の墓参りをしていると、偶然彼の甥・紫苑と出会います。好き合っていたのにほとんど何も言わず病死してしまった高三郎に、恭はまだまだ心残りがあります。そんな彼に紫苑は叔父の手帳に書いてあった、恭とやりたかったことリストを一緒にやろうと提案。高三郎が好きだった食べ物や場所を2人で巡ります。でもある日、恭は手帳が真っ白なことに気付く。実は叔父が生前に恭としたいと漏らしていたことを叶えてあげたいという、紫苑の思い付きだったんです。それを知って、ようやく高三郎への心残りを昇華できた恭。新たな恋を始めた2人がとても素敵でした。
◆冬来たりなば
一番好きな作品です。大学受験の及ぼす影響がかなりリアルに描かれていました。国公立組と私立組の間の溝って結構深いですけど、そういうところまで描かれたBLって少ないんじゃないかと思います。田舎の高校では優秀な成績でも、全国規模だとやはり上には上がいて、ストレートで医学部に合格できないところとかも現実的ですよね。受験のせいで一旦はぎこちなくなった2人だけど、合否発表を機に自分達の本音を晒け出し前向きな関係になれたシーンがとても印象に残りました。特に最後のカーブミラーのオチは秀逸で、めちゃくちゃ萌えましたね。是非読んでみて欲しいです。
春・夏・秋・冬、それぞれの季節をテーマにした短編集。
どれも同じ田舎町での日常を切り取ったほのぼのストーリーなのですが、まるで推理小説を読んだ時のように、ラストではっと驚かされる構成になっていてびっくりしました。
驚きと同時にやってくる感動がすごいです。
たしかに心温まるほのぼのストーリーなのですが、それぞれの悩みや生き方、たくさんの想いが込められているとても深くて優しい作品ばかりでした。
◆隣りの美人草
サッカーの部活中怪我をして入院している瑞樹の隣のベッドの隣に急患のように夜中入院してきた美人なお兄さん・深山。
すぐ仲良くなる2人でしたが、お兄さんはあまり自分の話はしたがらず、体もガリガリに痩せていて…。
ふたりのやり取りがとても微笑ましいです。
おにいさんがひなげしをくれたシーン。思わず泣いてしまいました。
ネタバレなしで最後まで読んで欲しい作品です。
◆8月のロスタイム
夏休みの一か月間だけ、恋人(仮)として田舎の親戚の空家で過ごすことになった大学生4年生の蓮と翔馬。毎日ラジオ体操に通いスタンプを貰い、花火をして、田舎の夏を満喫しますが、やがて夏休みも終わりに近づき…。
蓮の抱えてきたモノ、翔馬がずっと隠し続けてきた蓮への想い。
ラストで2人はどうなってしまうのか。
これもやはり泣けました。
あー、そっかー。だから蓮は女遊びばかりしてたのかぁ。
川に落とした大切なラジオ体操のカード、戻ってきて良かったね、翔馬。
◆落ち葉あふれて
◆枯れ木に蕾
5年前に親友であり恋人でもあった高三郎が他界してから、時が止まってしまったサラリーマン・恭。一年ぶりに訪れた墓参り先で高三郎の甥である高校生・紫苑に出会います。
叔父が遺した手帳に、恭とやりたかったことが描いてあるから、良かったら俺が叶えてあげたいという紫苑と一緒に、名所を巡り美味しいものを食べ歩きますが…。
手帳のネタバレで号泣しました。
あのイラストと泣き笑いする恭を見てさらに号泣。
この本で一番好きな作品です。
一年後、大学生になり、恭と暮らし始めた紫苑のお話も読めて、ああ、良かった、恭さんの時は紫苑くんのお蔭で再び動き始めたんだなぁと嬉しくなりました。
◆冬来たりなば
10年も前に「一緒にこの町を出よう」と約束しあった幼馴染同士のこーちゃん・とシュウ。体の弱いシュウは東京の私立に推薦で進むことが決まっていますが、こーちゃんは母子家庭なので国公立の医大に受かるため猛勉強中。
最後はやはりほろっときましたが、この2人ならきっと大丈夫。
そう感じさせてくれるラストでした。
どれもこの作家さんの温かい絵がぴったりくる優しくて、少し切ない、素晴らしいお話ばかりでした。
文句なしの神評価です。
どのお話もきっちりすいか先生の世界って感じで、思う存分堪能できました。
「冬来りなば」、月刊誌で読み逃してたのですがコミックで読めて本当によかった!かわいくてキュンキュンしました。
「落ち葉あふれて」は再読だったけど改めて切なくなりました… ハッピーな後日談が見られてよかったです。
すっごく良かった。
気になる作家さんではあるものの、つい見送っていた桃子すいかさんですが、この本を読み終えて既刊も買ってみよう!と思ったほどです。
ピュアでほのぼのしつつも、どこかセンチメンタルなところがあってそこが良かった。
そして登場する4カプ・春夏秋冬に絡めてお話が綴られるんだけど、ちゃんとそれぞれ季節の香りや湿度というか空気の違いが感じられるんです。
これって結構すごいことだと思う。
【隣の美人草】
靭帯損傷して入院する羽目になったサッカー少年と、隣のベッドのキレイなおにいさんとのお話。
うっかり抱きしめてしまったおにいさんの体が骨と皮ばかりで「ガリガリじゃん」「ちゃんとご飯食べなきゃだめっすよ。」という少年の何気ない一言に、思わずぎゃーー!!となったわ。
考えなしで言えちゃうのもある意味、若さなんでしょうね。
余命まもないフラグかと思いきや、ホッ。
ナガミヒナゲシと花菖蒲が登場するので春というよりも初夏に近いかも。
屋上を吹き抜ける風が気持ちよさそうです、
【8月のロスタイム】
親友にうっかり告白してしまい、夏休み期間中だけ恋人となった二人。
田舎の夏の雰囲気がこれでもか!と詰め込まれていて、読んでるだけでつい麦茶が欲しくなってしまう。
二人で毎朝参加したラジオ体操のスタンプカードを宝物にするつもりだったというくだりで貰い泣きしました。
切なさ爆発した末の雨と汗と涙にまみれながらのアオカン、素敵です。
冬だったら風邪確定というか鳥肌立てながらのアホな二人になってしまうけど、夏だからそれすらも風物詩(?)
【落ち葉あふれて】
これは思わず泣いたわ……。
あの手帳の絵にもっていかれました。
そして!
地味メガネっぽい恭の意外なエロさときたら!
どんだけ仕込まれたのかなぁ?と悶々としちゃう紫苑の気持ち、わかります。
【冬来りなば】
「一緒にこの町を出よう」とかつて約束しあった幼な馴染み同士のお話。
ほわほわと吐く白い息が、まるであたたかな愛を撒き散らしているかのように見えるシュウ母の存在がとても良かった。
母強し。
それぞれのカプに描き下ろしが一つずつおまけという形でついているのですが、最後のおまけ(5)は全員が登場する総集編。
みんな幸せそうで良かった。
しかし狭そうな田舎町にゲイカプ4組とは、素敵。
萌萌よりの神で。
連作短編集。春夏秋冬。とある街のそれぞれの季節を舞台に描かれた、4つの優しい物語。
●隣りの美人草
高校のサッカー部で靭帯損傷してしまった瑞樹と、隣のベッドに入院してきたキレイなおにいさんのお話。
短いながら、ドキッとさせられる展開もあり、読後は春の日差しのようにほんのり温かい。
ピュアラブっていいなぁ〜。おまけでの2人が可愛い♡
くすりと笑えます。
●8月のロスタイム
表題作。お試しで読んで先が気になって。
友達の蓮のことが好きな翔馬は、お酒の勢いで告白してしまう。すると蓮から「付き合ってみる?」という思いがけない返事が。
あとで傷つかないための予防線として、一か月だけの期間限定で付き合うことを提案する翔馬。
親戚所有の田舎の空き家で夏休みの一か月を恋人として過ごすことになった2人ですが…
埋まっていくラジオ体操のスタンプ。
恋人として過ごした日々のあかしであり、恋人と過ごす期間の終わりを意味するカウントダウンでもある、このアイテムの使い方がうまいんです!
田舎ののんびりした雰囲気も伝わってきます。
2人が抱えるそれぞれの葛藤が描かれた、優しい物語でした。
ただこの2人、身長も体格も顔の雰囲気も髪型も、そっくり。ハッキリ違うのは髪色。
黒髪とトーン髪なんですが、たまに両者トーンになるときがあって、そうなると見分けがつきにくい。
これどっちのセリフ?と考えながら読むとテンポが落ちるため、そこだけが少し残念でした。
●落ち葉あふれて
●枯れ木に蕾
亡くなった旧友・高三郎の墓参りをする恭。
2人の間にあったわだかまりを解くため、「叔父さんが恭さんとしたかったことを俺と一緒にやろう」と、叔父である高三郎の生前の思いを恭に伝えていく甥の紫苑。
恭と高三郎の間にあったものとは何だったのか。
その様子を描いた《落ち葉あふれて》。
そして、そこから数年後の恭と紫苑を描く《枯れ木に蕾》。
先の展開が気になるストーリー運びがとてもお上手。
長年の想いに向き合い、真実を知り、消化していく。
恭のこれからの人生にとって大切な大切な、高三郎の故郷での日々だったと思います。
たくさんの歳月をかけて、再び大切な恋に出会えた恭と、可愛い紫苑の2人には、今度こそ幸せになって欲しい。
●冬来たりなば
幼馴染のコウジとシュウは受験生。
お金持ちですでに私立大への推薦入学を決めているコウジと、母子家庭で国立大の医学部を目指すシュウ。
昔、一緒に東京に出ようと約束していた2人ですが…
あーっ!ここでもホント、フリと小道具が効いてます。
うまいよ〜!思わず胸がじーんと…
桃子すいか先生、伏線の回収の仕方がすんごくうまい作家さんだと思います。
短いお話の中に、幼馴染の友情、恋、将来のこと、親子愛など、温かさが詰まっていますよ♪
気になったお話をいくつかかいつまんで紹介するつもりが、全編じっくり読まされてしまった!
書かされてしまったぁ〜!
きゅん〜っと、優しくピュアな一冊です。
最後のおまけで、全カップルが登場し、あまあまなその後を見せてくれるのがまた幸せなのでした♡
田舎町を舞台にした4つのカップルのお話。
それぞれのお話は、春から順番に夏、秋、冬と季節が設定されています。
登場キャラに特につながりがないので、各作品は全く別々のお話ですが、おまけの描き下ろしで、実は舞台が同じで場所で、各作品のキャラクターがちょっとすれ違ったりしています。
各作品のあらすじについては、他の方が詳しく書いてはるので省略。
全体にエロはほとんど無いに等しいけど、ないわけじゃないけど、あってもあんまり生々しくない。
じれったいキュンラブのストーリーと、アナログっぽい絵柄の可愛さが実にマッチしていて、バランスのいい良作でした。
楽しみにしていた桃子すいかさんの4冊目。
春夏秋冬をテーマに、連作形式で描かれた4組のお話が入っています。
ひとつだけ雑誌で読んでいたものがあって思わず泣いてしまったとても心に残るお話だったのですが、こんな素敵な形で纏まったんだ〜〜!って嬉しくなりました。
繊細だけど強さと生命力を感じる桃子すいかさんの作風に、「季節」というキーワードはしっくりきすぎるくらいしっくりきます。
タイトルと表紙をひとつの作品に寄せちゃったのはどうしてなのかな。
4つでひとつの連作短編集なのに、他の作品が同時収録作みたいな位置付けになっちゃって勿体無いなって思いました。
「隣りの美人草」・・・春
試合中に足を怪我をしてしまったサッカー少年と、美人だけどガリガリのお兄さんのお話。
病室から始まる恋っていいですね。カーテン1枚の距離感と、元気な人に励まされるのとまたちょっと違うお互いにかけあう言葉で救われていく感じ。
抜かれても抜かれても次の春には必ずまた咲く強い雑草のようになろう、と笑顔を取り戻す2人に生命力の再起を感じるお話でした。
「8月のロスタイム」・・・夏
4年間片思いしてきた親友に大学生活最後の夏休みをひと月だけ“恋人”として過ごしてもらうお話。
田舎の一軒家で一緒に寝起きして、一緒に出掛けて、恋人のようにエッチなこともして・・・ラジオ体操のスタンプカードが1マスずつ埋まっていって、カウントダウンするように減っていく“ロスタイム”。
夏が終わっていくセンチメンタルが最高潮に達した2人が、夏の夕立ちの中でびしょ濡れになりながら初めての挿入ありエッチをする姿が不覚にもすっごい萌えました…!やってることはただのアオカンなのに、なんでしょうかこの雨が降っているだけで全てが洗い流されるように爽やかさが広がるのは。夏+雨の演出効果すごい・・・!
そうそう、今はもうロスタイムって言わないんですよね。いつからか知らないけれど、今はAdditional Timeって言いますよね。“本来ないはずの時間”じゃなくて、“空費された分を追加した時間”といった意味合い。
最後のモノローグにグッときました。
「落ち葉あふれて」「枯れ木に蕾」・・・秋
親友を亡くした主人公と、死んだ親友の甥っ子のお話。
甥の〔紫苑〕が叔父の形見としてもらった手帳には叔父の〔高三郎〕がやり残したことが書かれていたと言う。それは親友の〔恭〕としたかったこと。それを叔父のかわりに自分と一緒にやってくれないかと恭に言う。
紫苑は叔父の恋人が恭だということを知っていて、叔父が恋人に対する後悔を残したまま死んでいったことも知っていた。紫苑は叔父の心残りを昇華させてあげたかった。
その紫苑の行動が恋人が死んでしまったことを悲しみとして昇華できないままでいる恭の心の葉っぱも落としていく。
木が秋に葉を全部落とすのは冬を乗り越えるため。木は次の春のために弱い葉を捨てるのです。
冬を乗り越えた枯れ木には蕾がつくのが自然の理、ということで後半は2人のお話へと突入していきますが、パッとはくっつかずにじっくりゆっくり。
全2話ですがしっかり読めた印象のストーリーでした。
恭さんが地味な見た目に反して意外とエロく、叔父さんにどんなふうに仕込まれたのかと悶々とする紫苑くんが可愛かったです。
「冬来たりなば」・・・冬
噂話が唯一の娯楽のような何もない田舎から一緒に出ていくことを子供の頃に約束した高校生たちのお話。
私立に行ける〔こーちゃん〕は早々に推薦で大学が決まるのだけど、国公立しか選択肢のない〔シュウ〕は猛勉強の日々。しかも志望は医学部。シュウがいくら田舎の学校で成績トップの秀才だろうとその道はやはり険しくて・・・
受験ってほんと世知辛いね。。
思い描いた通りにはいかなかった2人だけど、高校生男子のピュアな可愛さがきゅーーーんとくるラストを運んできてくれます♡
頑張れ若者!
この4つのお話は実は同じ田舎町が舞台。
最後に全員がクロスオーバーする描き下ろしが収録されています。
人生の時間がある時ほんの少しだけ止まってしまっても、季節が巡ってゆくのは絶対に止まらない。
そんな自然のたくましさの中で人は生きているんだから、人だってやっぱりたくましい。
「あなたがいる次の季節」って表現が、あぁすごく作者らしいなぁとじんわりしました。
ぐわーーーっとくるというよりも、穏やかにあたたかいものが広がっていくのを噛みしめるように読める作品集でした。
雑誌で読んで泣いちゃったのは秋のお話「落ち葉あふれて」。続きがあったのがすごく嬉しかったです。
【電子】ひかりTVブック版:修正-、カバー下○、裏表紙×、電子限定描き下ろし(1p)付き