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「いつものやつ、……する?」 昼夜働く幼馴染×明るくお人よしな大学生
seishun end roll 113
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
本編の終わり方が、まるで映画を観ているような哀愁漂う切なさ。
波真田先生の作品は、自分には合うもの・合わないものがハッキリしてますが
何故か決まって作家買いしてしまう…。
で、今回もあらすじなしで購入。
まず手に取って帯に惹かれ。
読み始めてすぐに世界観に惹き込まれ。
気が付けばあっという間の時間で。
また1冊、好きな作品が増えました(^^)
物語の舞台は”団地”。
そこでずっと一緒に育った同級生で幼馴染の夏喜と忍。
夏喜はそのまま大学進学。
忍は父が亡くなり体の弱い母と弟の学費を稼ぐために毎日働くように。
お互い進む道は別れても、2人だけの秘密を共有しながら
たまに会ってはお互いだけしか知らない表情を見せ合い…。
と、一見団地という狭い空間で育った2人の青春物語なんですが
紐解いてみれば
忍はずっとずっと昔から夏喜が好きで夏喜だけの世界で構築されていて
夏喜も自覚ないだけで忍中心に世界が回っていて。
2人ともお互いに依存し合ってる関係なんだな…と。
それで2人が納得しているようなので、読み手としても不快感や困惑もなく
サラッと読めた純愛ものでした。
本当にどこにでもありそうな日常の一コマを
うまく書かれた1冊だな…と、今回も脱帽です (●´ω`●)
幼馴染物です。
小さい時からずっと一緒に過ごしすぎたので、相手に対しての自分の気持ちに気づいていないお人好しな大学生と、最初からずっと好きでいた働き者の幼馴染。
そんな二人が、子どもの興味本位の触りっこから、なし崩し的にセックスするようになって、そして、ほんとの恋人になるまでを描いたお話。
この二人って、二人一緒にいるのが家族から見ても当然すぎちゃって、特にカミングアウトとかもなくそのうち平然と二人暮らし初めて、三十代とかになっても、家族から結婚話が出るでもなくずっと一緒に居そうでいいよね。
なんかこう、波真田先生の作品って、ずっとずっと添い遂げちゃう感じが好き。
読んでまず感じたのは「普段エロを描かない先生の描くエロの破壊力」です。
波真田かもめ先生の作品はエロ少なめのピュアな印象が強く、あまり手に取ったことはなかったのですが、この作品は表紙がとても好みだったので思い切ってチャレンジしてみました。
物語の世界観は決して壊さず美しいまま残す。
その中に描かれるエロが「エロに特化する作者さま」のエロより何故かとてもエロく感じてしまう。
ここまでエロをしっかり描かれる先生ではないと思っていたので本当に驚きました。
郊外にある古い団地で育った幼馴染の2人の物語。
家庭の事情で昼も夜も働く忍と、大学に進学した主人公・夏喜。
人に頼まれるとつい断れずキャパオーバーしてしまう夏喜は、大声で自分の不甲斐なさを叫ぶことでストレスを発散しています。
それを誰にも見られないよう見守ってくれていたのが忍。
そして2人の間には秘密がもうひとつ。
夏喜が忍を手でイかせてあげること。
『大人っぽかった忍の表情がゆがんで震えて赤く染まる』
『上ずった声と汗ばむ体』
『オレだけが知ってる 忍の表情』
もうこのあたりから、忍の視線や、声を押し殺すため腕を口に押し当てる仕草などエロさ全開。
きっかけは中1の冬。エロ本を拾って見ていたら、もじもじし始めた忍に自慰の仕方を教えてあげたこと。
『昨日あれしてみた?何見てした?』とニヤニヤする夏喜に対し、『夏喜の事考えながら』と応える忍。
この時点で忍は夏喜ひとすじなのですが、夏喜は忍を気にかけつつも自分の感情に気づかない。
ある夜、街で年上の女性から何かをプレゼントされている忍を見かけた夏喜。実は忍は居酒屋ではなく、ソープでボーイのアルバイトをしていました。
いつの間にか大人の顔になっていた忍と自分を比較し、恥ずかしいと感じる夏喜。
先程店の女性から冗談で渡されたコンドームとローションを見て「オレで使ってみる?」と口にした夏喜の手を掴み、押し倒す忍(ここの流れ、本当に堪りません)。
完全にオスの表情で、シャツを脱ぐ仕草、夏喜を見つめる目、なんかもう、いちいちエロい。
それからはひたすらセックスに溺れる2人。
ただ快楽に流されていただけの夏喜は、ある日忍にはっきりと「好きだ」と告白されたことにより、混乱し、忍を拒絶してしまい…。
ベースにあるのはあくまで淡々とした団地での日常。
夏喜と忍の子供時代と現在を交互に描き、揺れ動く気持ちをとても丁寧に描写しています。
そこに、思春期から18歳という多感な時期の男子の「性に対する興味や好奇心」、「エロ」を織り交ぜることによって、より深みや複雑さが加わり、魅力的な作品になっているように感じました。
そしてまさかのキャラ萌え。
黙っていればクールなイケメンなのに、実は天然ドジっ子。しっかりしてそうなのに頼りない。一途に夏喜を想うワンコな忍に激しく萌えました。
物語の途中に夏喜が映画を見終えて『オレの人生のエンドロールはどんなんだろ』と言うシーンがあるのですが、きっとこの青春時代を振り返った時、一番上には夏喜と忍の名前が載るのだろう、そしてようやく思いが通じ合った2人の物語はまだまだ続くのだろうなと感じさせる、どこか愛おしくて、もどかしくて、でもとても優しい作品でした。
波真田先生の作品の中でもHが多かった。もともと夏喜は忍のを触ってイかせてたので、男同士には抵抗が無かっただろうから、セックスするまでが早かった。気持ち良さから行為に嵌る夏喜。でも、周りの友達は変化してるのに自分だけ変わって無いのではと思い、2人の関係に疑問を持ち始め。もうこんな関係を止めようと言う夏喜。自分からセックスしようと誘っておいて、それは無いよ!忍に以前から好きだったと告白され、気持ちがついて行かないからムリとか。えー今さら?って思った。忍が可哀想。
結局、忍の存在の大切さに気づくのだけど。忍のお母さんが倒れたのをきっかけにお互いの気持ちを再確認出来て良かった。
ラブラブな幼なじみの二人のお話。
……と書いてしまえばそれまでなお話なのですが、
それだけの普通のお話をここまで読ませてしまうのが、
波真田マジックなのですよ!
ストーリー的には淡々としているようですが、
実に目まぐるしく主人公の夏喜の気持ちが動いていく。
相対して忍の気持ちは一貫していて全くブレがない。
気持ちが付いて行かないままに身体を重ねる夏喜に、
最初は女の子の感覚からすると違和感を感じるのですが、
リアルな男の子ってこんなものなのかなとも思ってしまう。
浜真田さんにはそう思わされてしまう!
あぁ、浜真田マジック‼︎
特に大事件が起こる訳でも、激しい葛藤がある訳でもなく、
大学生の男の子が幼なじみを思い、想うお話。
実に自然でちょっとありそうなんだけど、どうだろう?
先の方々も書かれているように、
浜真田さんにしてはえっち度高め。
夏喜も忍も気持ちよさそうで幸せそうv
二人の日常はこれからもここで続いていくのだろうかと、
思いを馳せつつ、評価は「萌×2」で!
絵が綺麗です。表紙も素敵ですね、真っ青な空と舞台の団地の廊下でしょうか?
幼なじみ物です。いいですなー。
若干受けが攻めにほだされた感もあるけど、もうそんなの関係ないくらいラブラブですね。
お話の途中で団地を出て行っちゃうんじゃないかと心配しましたが、仲良く残ってて安心しました。
受けが子供の頃は男前で攻めを守ってたけど成長したら攻めが身長が伸びてモテ出して。嫉妬する受けでしたがもしかしたらそれはすでに恋心があったのかな?
途中までは一途攻めに中途半端にエッチして受けはちゃんと気持ちを受け止めてくれるのか心配でした。結局大丈夫でしたね。
進学せず家族の為に働く設定は罪悪感を感じてしまうのです。
自分も家計の状況を無視して進学して、妹は出来なくて。私のお給料で妹の学費を払うから行かせてあげてと親に頼んだけどダメで。もう20年前のことなのに未だに兄弟の為に自分は働いて兄弟に好きなことをやらせてあげるお話は胸を刺されます。
逞しくなった攻めが廊下を通る足音を待つ受け。いいですね。
お互いの青春エンドロールは団地の皆さんと僕ら。青春っていいな。
受けが何でも引き受けてこなせなくなって友人関係が壊れるかもと心配したけどそれもなくて良かった。
波真田先生の「スモークブルー〜」が好きで、他も読んでみようと購入。
幼馴染の間にしかない自他境界がないような親密さから性的関係になる二人。そんな二人が一度離れ再会してお互いを意識し始める。リアルにありそうな話を丁寧に描写するところ。そして、いや仲良いからってないだろというBL的エロスであり萌えどころ。その二つの要素のバランスが上手くついつい引き込まれました。一途な忍と、自分の気持ちに鈍く忍に尽くすが自覚がないため振り回してしまう夏喜は前述の「スモークブルー〜」とも近い関係性です。先生はこういうすれ違いが得意なのだなと感じました。そこ好きでした。お互い想ってるところが良いし、忍のミディアムヘアの黒髪のエロスにもグッときました。続きも気になるところです。
波真田先生作品好きでして未読分を何冊か続けて読もうと思います。まずその1冊目。
幼なじみBLはたくさんあれど、波真田先生らしく舞台(今回は団地)がしっかりしていて、そこに暮らす人々という視点の中、メイン2人の恋愛が描かれる。時間経過が季節で表現されるのも好きです。
夏喜視点で進みますが、忍がかわいいったらない。
大人っぽいんだけど、子どもの頃は内気で素直で。その性格は今も変わっていないのが随所でわかる。
まっすぐに夏喜をずっと好きだったんだろうな。
でもエロいことに慣れている?し、18歳ならいろいろあると言ってたしモテるしそれなりに何かはあったんですかね。
忍の気持ちを想像しながら読むとおもしろいですね。
忍サイドでも読んでみたかったです。
夏喜のいろんな言動に忍がどう感じていたのか。
思った通りのことを口にするシンプル思考かもだけど、夏喜にドキドキしたり初めての時は内心どんなだったのかなど気になります。
続編あるのうれしいです。楽しみに読みます。
波真田かもめさんの作品は どれも(キュン)とくる物語が多いです。それは多分この方が(日常)をかなり意識されているからではないのかと…この作品を読んで思いました。
あらすじにあるように
舞台は東京郊外のベッドタウンにある古い団地という…実はとてもとても小さな[世界]。
そこが人生の全てだった夏喜と忍。
だが歳を重ねる毎に二人の足は世界を拡げて行き、今まで何もかも知っていたはずの幼馴染はお互い知らないところが出てきて…
世間一般の(普通)を地で行く大学生の夏喜に対して忍は父の死をきっかけに父親代わりとして高校卒業と同時に昼夜を問わず働き始める。
大学デビューをしくじり又高校までの(自分)を繰り返している事に気づいた夏喜は久しぶりに昔 忍とよく遊んだ公園の土管の中へと入り…以前のように大声で叫ぼうとした時
「誰かいるの?」と覗き込んだのは忍だった。
懐かしい顔に驚きながらも嬉しい夏喜に
「いつものやつ、……する?」と聞く。
【いつものやつ…】
それは夏喜が(昔は土管の中で)大声で心に溜まった言葉を吐き出すこと。
そして…もうひとつ…。
…夏喜が忍に(手で)ヌいてやる事。
最中、大人びた忍の表情が歪んで震えて…赤く染まる。上擦った声と汗ばむ身体…それは夏喜にとって特別なモノだった。
きっかけは中一の冬の終わり。
夏喜がゴミの中からくすねて来たエロ本だった。
自分もそれでヌいたから忍もそうだと思い翌日「どんなページでした?」とワクワクしながら問い詰める夏喜に、忍は
「夏喜のこと…考えながら…」と告げる。
それ以降…高校に入っても忍は同じ事を告げた。
謝る忍に いつも愚痴を聞いてもらってるから…と土管の中で初めて自らの手でヌいてやった。
…と、元々 夏喜一筋だった事を思い知らされる事となる訳だが、攻の忍の一途な想いは見ていてとても切なく、どんどんイイ男になっていく一方で、夏喜は同じ18になっても翻弄され続ける自分に腹ただしくて「もうやめる!」と拒絶したり、でも常に頭の中は拒絶した筈の忍の事で…
ハピエンで終わる予測ができるだけに 二人の距離がどんな形で縮まるのかが気になって仕方がない作品だった。
もしかしたらこれからも二人はこの古い団地の中で新しい世界を作っていくのかもしれないと…
ずっと先を…思わせるエンディングだ。
エロも本格的だが、物語の流れを楽しんで欲しい作品。
それこそ波真田作品の真骨頂なのかな…
幼なじみの忍と夏喜。団地に住むふたりの優しくて温かくて、たくさんの思い出にあふれたお話でした。
幼いころから忍は夏喜が好きで、不器用ながらもまっすぐにそれを伝えていたけど
なかなか夏喜は気付くことが出来ず…
そのすれ違いにもどかしさもありましたが
大学でいっぱいいっぱいになっても、忍の存在に救われていた時点で
もう同じ気持ちだったんじゃないかなと思いました。
波真田先生の作品はなんでこんなにもほっこりするのだろうか…!
ふたりの恋のお話だけが描かれているわけではないところがすごく良かったです。