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kokoro wo hanbun nokoshitamamadeiru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
1巻を昨夜読み、こちらの2巻を明け方近くまで徹夜して読みました。
衛と真文の過去回想編です。
砂原先生の構成の巧みさに、ため息しか出てきません…。
ああ、回想編でのこのシーンがあの時のあの場面に繋がっているんだ、とか、
衛視点のあの出来事を、真文はこんな気持ちで捉えていたんだ、とか。
1巻では明かされなかった、真文の足の火傷跡の真相も明かされ、きっと何か重い重い事情があるのだろうと覚悟はしていた(つもりだった)のですが。
あまりにも衝撃的で、悲劇としか言いようのない真実に、胸をひと突きされたような痛みを感じました。
”記憶喪失もの”という一つのジャンルは、今までに色々な作品で描かれてきたジャンルで、私もそこそこ読んできたと自負していますが。
こんなにも胸を抉られ、「記憶を失う」ことが持つ意味、恐怖、不安、周囲への影響をリアルに感じたのは、今作が初めてです。
この物語の果てにただ甘いだけの結末が待っているとは思いませんが、どこかに救いがあることを信じて、最終巻も心して読みたいと思います。
「心を半分残したままでいる」2巻です。
2巻は静良井と中上の過去のお話から始まるのですが
まさか…まさか…!と序盤からとてもびっくりしました。
あらすじに書いているのでこちらに書きますが
まさか二人の本当の出会いが静良井が高校生、静良井と中上が中学生の頃からだなんて…!
とてもびっくりしたと共に、中上は静良井に忘れられたのは
1巻の1回だけじゃなかったんだなぁ…ってとても悲しい気持ちになりました。
2巻である程度の進展があると勝手に思っていたのですが
2巻はあくまで過去のお話だけで進展はしません。
なので、1巻の続きは!?!?!?!とジレジレした気持ちになってしまいました。
この過去を経て、現在が悲しい状況で、
3巻こそは中上も静良井も救われてほしいなぁ…って思いました。
タイトル通り、1巻では触れられなかった静良井がなくしていた、中上と出会った中上中学生、静良井高校生の頃から中上が大学生になり、静良井が玄関に置いていた非常用持ち出し袋を持って飛び出して行った夜までの回想が中上視点と静良井視点から書かれていました。
1巻で謎だった静良井の脚に残る火傷の痕の理由、静良井が非常用持ち出し袋を持って家を飛び出した理由、中上との出会いが解き明かされました。静良井の母親の最期まで…。
好きな相手、それも思いを通じ合わせた相手から「君は誰?」と言われる衝撃の大きさを身をもって体験したことは無いけど、それがどれだけ自分の身に大きくショックを与えるかは想像にかたくないです。それを覚悟していたとは言え、病院で幾度となく繰り返されるその衝撃的な再会は中上にとってもとても辛かったはず。そしてそれを7年後、繰り返すことになるのだから…。
2巻で回想を挟んでいるからきっと3巻は1巻の続きですよね…。本当はもっと時間をかけてこのシリーズを読む予定だったんです。なのに先が気になりすぎて結局一気に読んでしまいました。ちょっともったいない気もしますが、もうこうなったら3巻まで一気に読み進めたいと思います(ただの決意表明ですみません)。
攻め視点。(衛視点)
初っ端から前巻の伏線回収にゾワっとした。
前回の金色ってその事だったんだ、と納得。金髪はあながち間違いではなかった。
前の巻から思ってたけど、真文足滑らせて転びすぎだよ……読み進める度に、地面が濡れてる描写がないか、気を張ってしまう。
数年平和に過ごしてて、いつ発端の記憶喪失になるのかビクビクしてたら、濡れた地面でも階段でもなくて意表を突かれた……。
中学〜大学までの回想エピソード。微笑ましいはずなのに、一巻の出来事を思うと胸がぐっと苦しくなって、素直に癒されないのが悔しくて泣けてくる。
1読んですぐ2!の気持ちだったんですが、同梱発送待ってて少し間があき…落ち着いた気分で2に挑みました…。
こんなに青春のキラキラ描いているのに、こんなに泣けるってどうしてでしょう…!?って静良井の病気のしんどさもあるのですが、1を読んでいるからなんですよね~。構成の妙!!2から読んだら、きっとキュンキュンするぅ~とか単純に思った部分も多かったはずですが、2に描かれる多くの出来事が1につながっていて、、切なさを増幅させます。(金髪ってあんだだったんかい!という発見もあり…)
彼らのこの濃密な時間、思い出の一つ一つが、川底に落ちてる石ころみたいに、静良井の心の奥深くに沈殿していて、ときどき光があたるとキラキラ光って夢に現れたりしてたんだな~と思いました。思い出せない記憶も消滅しているわけではないということが、ささやかな救済のようにみえます。
忘れられることが回避できないのに、それでも約束を重ねずにはいられない2人が尊すぎます!!そして、そんな約束を愚直に守り続ける中上だからこそ、刹那的であるはずの10代の恋愛が、人生を左右するようなイベントになり得たと感動しました。ここに描かれている2人の4年が不慮の別離によって、中上の中で(おそらく静良井のなかでも)、そのまま色あせることなく冷凍保存されたのでしょう。数年後を知っている読者からみたら、なんとも儚げな彼らの青春の日々が美しく描かれていました。
あらすじに「恋の成就と、その後の長い別離の真相に迫る回想篇!!」とある通り、中上と静良井が恋人になるまでの過去が中上視点と静良井視点で書き分けられています。
2人がどうやって出会って、どうやって惹かれて行ったかが書かれていてとても切なかったです。
まだ若い彼等ではお互いに出来ることは限られていて、だからこそ久遠のしたズルは許せないと読むほどに怒りを覚えました。
いくら欲しいと思っても他人の恋人や人生を盗んじゃダメですよね。
過去にどんなに辛い目にあってもです。
視点と時代がだいぶさかのぼって
マスターの過去。
不愛想でクール。色でたとえれば黒。
そんなマスターとはうってかわっての金髪やさぐれ少年w
キラキラの金髪は現在と印象が真逆。
そんな彼の前に現れたのは、家の隣に引っ越してきたばかりの
わかかりし受。
自ら仲良くなろうと思ったわけではない。
ぐいぐいぐいぐい来られるうちに心を許し、
淡い恋心を抱くようになる。
男同士でなんて些細な事。
縮まった距離が嬉しかった。けれど、突然それはやってきて・・・
1巻の感想で
「記憶喪失から始まるのは珍しい」と書きましたが
スタート地点が違ってたんですね。
まさに策士!
Mの正体、なぜMなのか、そしてMがすり替わってしまった理由。
1巻で少々不可思議だった点と点がつながります。
たまたま記憶を失ったわけではない。
たびたび記憶を失うことを繰り返してきた受と
その受とどう付き合っていくのか。
なんかあれだよね、この子だから戻ってこれたのかなと思ってしまうな。
衛と真文に、こんなに眩しく、悲しい過去があったとは。
中学生の衛と高校生の真文。ご近所になった二人は、やがて互いにかけがえのない存在になっていきます。
「何度忘れられても絶対に傷つかないから、安心して。」
衛を強くし、真文を支えた約束が、二人の恋の始まりだったのでしょう。大人へと近づいていく二人がいつもキスした河原のキラキラとした光、衛の部屋で初めて体を重ねた朝の二人を包む陽の光が、眩しく鮮やかな印象を残します。
出会いからわずか4年後。真文を襲った記憶障害と母の事故死、そして真文が行方不明になる壮絶な描写に、本を持つ手が震えるようでした。
1巻で、喫茶店で初めて真文と知り合ったようにふるまう衛を思い出します。
そっけない態度は約束を守るためだったのだと、二人の過去を知って初めて分かりました。
喫茶店『カナリー』の周りから浮くような興味を引く外観、個性あるブレンドコーヒーも、昔、真文が語った夢そのものだったのですね。二人の過去を知って1巻を読み直すと、それまでと全く違う景色が見えてくるようでした。
真文がいつか戻ってくることを祈るように待っていた衛の想い、そして昔の約束を一途に頑固に守ろうとする衛の姿に、胸が締め付けられました。
衛の約束は、終わりがないのでしょう。
「傷つかない」と約束しても、真文が記憶を失うたびに衛の心は傷ついてしまいます。
それでも約束を守ろうとするのは、きっと記憶を失っても変わらない真文の心を信じているからなのだろうと思いました。
昔、記憶を失っても、衛の初恋を遠慮なくからかったり、とっておきの場所から遠くに見える海を喜んだ真文の中に、衛が変わらない真文を感じる場面が、とても心に響きます。記憶を失っても変わらない心は、タイトルに通じるエピソードでもあります。
一途で切ない衛の約束。終わりのなさに、衛の心が真文の母親のように壊れてしまわなければいいのですが。
真文視点の「夏の裏側」では、どんなときもきっと自分は衛に恋をする、という真文の密かな熱い想いが綴られています。
衛の約束と真文の想いは、どんな形で重なるのでしょう。ドキドキしながら、最終巻を読みたいと思います。
二巻は衛と真文の過去編です。
学生時代の二人、仲の良いお隣さんから恋人へと変化していく様子が衛視点で綴られていました。
私はこういうのに弱いんです。
決して泣かせようとしている文章ではないのだけど、ところどころたまらなく悲しくなってしまってハンカチ無しでは読み進められませんでした。
「なにがあっても、あんたが何度忘れても傷つかない、絶対。だから安心してろよ。」と誓う中上。
だから一巻で、あんなにも冷静に振舞っていたのか(涙)とか、金色の髪とか(涙)、二人で仲良く出かけた動物園とか(涙)、一巻で登場したエピソードが、ああここに繋がるのか!と判ってその都度、涙腺を刺激するんです。
とどめは一巻で衛がやっている喫茶店の佇まいやオリジナルコーヒーが、かつて語った真文の夢、そのものだったというのを知った時。
ちょ……愛が深すぎるんですけど。
一巻読んでる時点で、もしかしてそうかなぁ?と思ったけど、やっぱりそうだったかと。
もう涙腺ぶっ壊れたわ。
と思ったら、さらに涙腺崩壊爆弾が投下されまして。
なんども繰り返される「君は誰?」と「はじめまして」の自己紹介が、もう苦しくて切なくてたまらない。
繊細な文章が本当に素晴らしくて、衛が思いを自覚するときの河原のシーンなど、本当に素敵でした。
衛にとって一生忘れられないものになるのだろうと思わせる隣にいる真文の美しさ。
傾いたおひさまの光の粒が睫毛の先にまで宿ったかのようなひととき。
きらきらと儚い光に包まれたかのような夕暮れ時の描写が切ないまでに美しく、心の琴線に触れた回想シーンでした。
二巻でこんだけ泣いてしまったのに、三巻で私はどうなるの?
もうタオル用意したほうがいいかなぁと不安になるくらい、心揺さぶられました。
二巻は記憶障害に纏わる深イイ話でした。ますます筆が乗った二巻。
衝撃の結末から一転。衛と真文の青春の甘酸っぱいエピソードを基に明かされる事実の数々。言葉の一つ一つに力があります。感性で紡がれる世界は美しい・・!
衛と真文のBL展開もとても瑞々しくてキュンとしました。描写が丁寧なので、衛像や真文像が頭に鮮やかに刻まれました。真文君に負けないくらい衛君萌えに激しく陥りましたww
徐々に読み進めると、なかなかに壮絶な人間ドラマが繰り広げられます。
記憶喪失では無く、記憶障害がテーマでした。真文の症状は思ったより深刻で、一過性のものでありませんでした。よくある記憶喪失ネタでなく、真剣に記憶障害と向き合った作品なので、涙と感動があります。自分の知る範囲での記憶をテーマとしたドラマや漫画、小説のどれとも違っていて新鮮な驚きがありました。一巻で示されたあの空白の期間にこんなエピソードがあったとは。衛の心情、真文の母の心情、真文の心情が交差して、涙無しでは読めなかったです。
この巻には衛視点の本編と真文視点の書き下ろしが収録されていましたが、一巻に比べて本編自体のボリュームは少ないながらも、内容が集約されていて、神がかっていました。
この小説を読んで考えさせられたのは、記憶障害で悩む当事者の真文視点の書き下ろしよりも、側で支える衛視点の本編の方が数倍もドラマがあった事です。献身的な愛情や時には残酷な優しさや色々な複雑な想いが渦巻いていて。人間は知らずのうちに周り人達のさりげない気遣いに支えられて生きているんだと気付かされました。世の常として、きっと失くして初めて気づくものですが。。。
また自分の記憶にある事は、相手にとっても記憶に残っていて、全く別の映り方であるかもしれないし、自分がとても大切にしている思い出でも、相手にとっては二度と記憶が取り出される事の無い、取るに足らない出来事かもしれない。この小説でも幾つかのエピソードが両視点で描かれていたり、どちらかの視点だけだったりとエピソードに対するそれぞれの思いの度合いの差も感じられて面白かったです。
一、二巻通して思い切ったシリーズ構成でした。AVGではよくある周回して楽しむ仕様でした。最近では「古書店街の橋姫」が印象に強いです。周回して色々な事が見えてきて、更に考察が楽しめる形式になっています。小説には珍しく仕掛けが巡らされた意欲作で、ここまで見る限り成功していると言えますね。次は三巻に進まないといけないのに、一巻に戻りたくなりますww あの時はこうだったのかと登場人物の心情を思うと、とても切なくなり涙が・・。
今巻も前巻と同じくとてもいい所で終わってしまい、「えーっ!ここで終わる??」と絶句しました。ここまで読んで、三巻を買わない人は恐らくいないと思います(笑)ので、作品戦略としては正解かも。良い意味で予想を裏切られた二巻でした。
表紙のイラストもとても素敵で飾りたいくらい。余計に本を開ける楽しみが増えました。表紙イラストも挿絵も小説の世界を堪能する大きな構成要素なので、毎回楽しみにしています。
1巻が「っでどうなっちゃうの?」というところで終わっておきながら、いきなりの過去編です。
という構成が海外ドラマを見ていての発想で、思わず続きを見せてよと言いたくなるという作者の経験からだそうですが、確かに…。
1巻でなんとなくそかもと思っていた通り、中上が中3でと静良井が高2の時に出会っていました。
それから大学までの二人の日々や友情以上の感情に揺れたりいつかまた忘れてしまうことへの恐怖や悲しみが綴られていました。
忘れる方も忘れられる方もどうにもできないことへの不安に押しつぶされそうになりながらその日その日を大切に懸命に生きる姿に感動しました。
母親が言う何度も「あなたは誰?」と言われる哀しみが苦しかったです。
1巻での中上と静良井の行動や会話の元となった出来事(静良井は忘れていても中上は覚えている)の場面では1巻の中上の切なさがここに来て一層よく分かりました。
中上と静良井の出会いから失踪するまで。
そして失踪直後に久遠と出会って…1巻の話につながっていくわけですね。
再度1巻を読みたくなりました。
続きが非常に気になる1巻の終わりからの過去編の2巻で、先生も後書きでおっしゃってましたけど、こんなに続きを待ってたのに~ってなります。でもでも、確かにここで必要なお話なんだなって納得。
真文が探していた恋人「M」が誰であったのか。
2巻でようやくそれがわかります。
大好きな攻め様視点で進むお話にです。
川面が反射する光のように、きらきらと眩しい思い出。
ぎこちなく距離を測りながら初めての恋にとまどいつつ恋人になるまでの2人の姿が、とてもきゅんきゅんでかわいくてあまずっぱいです。
できることなら、このまま閉じ込めておきたい青春の甘さ。まぶしさ。
衛が真文を見失ってから再会するまでの長い長い時間。
カフェのマスターになって、真文の好きなオリジナルブレンドコーヒーを作って、真文に見つけてもらうまで。
2人の別離が切なすぎです。
また、2巻を読んで1巻を読み直すと、真文は過去に言っていたことをそのまま口にしている所が多々あって、いくら過去を忘れても真文の本質、核、というものは変わらないんだな、と思わせてくれます。
だからこそ、自分を忘れて本人も気付かないで同じ事を聞かされて、真文さんは真文さんなんだって突きつけられる衛の心を思うと胸が痛いです。
書き下ろしは真文視点で、ここで初めて私はあら、真文も最初から同じ気持ちだったのか、と気付かされました。
受け様、攻め様視点、どっちにしても眩しい初恋の思い出。
ラストの゛僕は君に恋をする。……君は、僕の「M」だから。゛
この言葉が全てだなぁ、と涙腺刺激されながら2人を見守っていく気持ちになったのでした。
気になる前巻のラストから、今巻を読み始めると、まさかの過去編!
静良井が探り探りで日々を送る1巻。2巻は静良井と中上の学生時代のお話です。
真っ直ぐに想いあっていく2人が甘く、キュンとします。静良井の周囲に対する不安や戸惑い、そして家族の場面はやっぱり胸が痛くなりました。足首の火傷の理由も、この巻で判明しますが、やっぱり痛い…。しんどい場面が多いこの巻ですが、2人の場面に癒されました。
こんな風に過去を過ごしていたのに、初対面であるように振る舞った中上の気持ちを思うと切ないです。そして、この過去を読んだ事で、記憶を無くしても、何度でも中上に惹かれる静良井に、胸が熱くなりました。
この時代に綴った日記は何処にあるのか、1巻のラストのその後がどうなったのか、3巻に続きます。
砂原先生の頭の中は、いったいどうなっているのでしょう。
読み終えて思ったのは物語の続きへの期待と、創作の世界の無限の広がりです。
半分残したままの心はどこに、もう半分の心は何処にあるのか。
すごく続きが気になるシーンで終わった後の回想篇です。
過去は知りたいけれど、その過去もまた突発的な記憶障害で終わるであろうことがわかっているので、ひそやかな恋の甘さに浸りつつも何処か影に怯えてしまう気持ちがずっとありました。
記憶障害を起こした後に過去の記憶は戻らなかったけど、静良井が「M」は外国人かもしれないと思ったのは、髪を脱色していた中学生の中上を夢の中で微かに思い出していたのかもしれないなんて。
そして静良井の恋人「M」を中上が一緒に探してあげると言ったのは、中上にハンカチを貸してくれた女の子を一緒に探してくれた時に約束したから。
覚えている人も覚えていない人も、読者にとってはどちらも見ていてつらいです。
1巻の2人の関係が中上の「俺は傷つかないから」という言葉の上に成り立っていたことを知り、なんて心の強い人なのだろうと思いました。
コーヒーが好きではなかったのに喫茶店のマスターになった事、喫茶カナリーとオリジナルブレンドのコーヒーに、静良井への思いの深さを感じました。
あまり印象が良くなかった静良井をゆっくり静かに好きになっていく中上の様子や、目で追ってしまったり触りたいと思ったり、告白していないのに唐突にキスしてしまう場面はドキドキしました。
静良井の独特なメモの取り方は私には絶対にできないけど、私もきっと好きになりますね。
2歳の年の差からお互いに遠慮しながら、それでも少しずつ気持ちが近づいていく2人。
恋の成就はどれほど奇跡的な事だったのだろう。
いつの間にか呼び方が衛くんから衛に、真文から真文さんに落ち着く流れがいいです。
でも、また記憶障害が起きて事故にも遭ってしまう。
足に重度の火傷を負い、記憶を何度も無くし、やっと回復して自宅へ帰ってきたのにまた記憶障害。
中上が受けた衝撃はもう想像もつかないレベルです。
この時に久遠に発見されることがなければ、彼が日記に細工をしなければと思わずにいられません。
2巻は中上視点と静良井視点があり、重なる部分と重ならない部分があり、なかなか飲み込めませんでした。
しかも1巻のいろんな場面へも意識が飛ぶので、頭の中がぐちゃぐちゃになりました。
2巻と1巻の間の中上の生活はもう明かされることは無いのかも気になります。
レビュータイトルは今回も大いに悩みました。
エスプレッソコーヒーは飲んだことがないのですが、伝聞では「甘さは甘く、苦さは苦い」のですよね。
恋のきらめきと記憶を失うことの悲しみ。この2つの要素が互いを打ち消すことなく引き立てています。
2巻のあらすじを6月末に出版社HPで見て、以下のようにメモしてありました。
「中上との出会いが10年以上も前だった…。ああ、なんということ。」
その点、書き忘れてました。
先月に続く2巻。心待ちにしていたのですが、またもや「おっと・・・・」と衝撃でした。衝撃すぎてレビュー書きたいのに書きにくくて辛かった。ちゃんとあらすじに「回想篇」って書いてあるのを見ていない私。しょうがない、来月の3巻をまた首を長くして待ちます。「待て」されたので萌2で。
せつないお話が好きで、1か月我慢できる方にはオススメできます。
「ディアプラス掲載分のact3(170P)、真文視点の書き下ろし100P、先生のあとがき、二人の初めての朝のSS 7P」です。
(1)の終わりから一転してお話は中上の中2の夏。お隣に越していた方が挨拶に見えたと祖母から呼ばれて玄関に向かい・・・と始まります。
登場人物は、
中上の祖母、高校、大学の友達、静良井の母、叔母、大学の友達等。
静良井の学生らしいように見えて、底なしの不安が垣間見える学生時代の関係者たちです。静良井の母が哀しかった。
**************以下内容に触れる感想
1巻の続きだという思い込みをあっさり外され、驚愕の回想に、そして静良井の母の忍耐と哀しみと苦しみに涙した2巻でした。1巻でふとした拍子に違和感を感じていたとはいえ、2巻の内容(M)には胸が痛い。今1巻読み返したら号泣しそうです。
なぜ彼はMって書いたんだろう?自分の記憶の記録なのに、振り返るために残したはずなのに、なぜ?
名前を書いてしまうと淡い恋、大切な想いが分散してしまうような気がしたのかな。記憶を失われた方の痛みを彼は分からないから?
彼の想いはその時の彼しか知らないので、これからもその理由は誰にも分からないのか?と考え続けています。このような体質でない高校生、大学生なら、名前書かないというのは分かるなあと思うのですが、彼は自分が記憶を無くしやすい体質で、記憶のバックアップ用だということを、恋に堕ちたが故に忘れてしまっていたのでしょうか。
この部分について種明かしがもしあるなら、嬉しいんだけどなーと、3巻を楽しみにしています。
年単位じゃないんだし、先生書き終えてるって仰ってるし1か月ぐらいであれば余裕だという気がしてきた。サイン本企画や3冊での企画も実施しておられるので先生のツイッターを要チェックです!
全三巻の真ん中なので、構成としてはありよりのありなのですが、読者としては1巻の続きが読めると思っていたので、続きが気になりジレジレしてしまってます。
2巻は、前巻の続きではなく、過去編になります。
過去編なので、1巻で謎だった色々が紐解かれています。
そして、本編は攻視点、夏の裏側と朝の裏側は受視点で過去の二人の間の出来事が記されているので、その時々の感情が両視点で楽しめました。
甘いシーンもあるのですが、どうしても「記憶喪失」というキーワードが横たわっているので、衛が感じてたコーヒーの苦みを感じるような巻でした。
3巻が来月に出ますが、本当に待ち遠しいです。
そして、これは3巻出る時に再度1巻から読み直して3巻読もうと心に決めました!
『心を半分残したままでいる』の2巻。1巻がめっちゃ面白かったので2巻の発売を心待ちにしていました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
とにかく文章の構成力とか、展開の仕方がすごくお上手。
1巻だけでもググっと惹きつけられましたが、2巻を読むことで1巻の伏線を上手に回収している。1巻で違和感を感じたところが、2巻で解明されていきます。
2巻は二人の過去の回想。
そして、「M」の存在も明らかになります。
1巻を読み終えて、2巻を読むまでは単純に1巻の「その後」が書かれていると思ったのですが、2巻はまさかの回想編。
なのですが、この順番がすごく良い!
さすが砂原さん、としか言いようがない。
時系列のつなぎ方。
1巻の、ちょっとしたエピソードが、二人にとってどんな意味を成すものなのかを読ませる展開。
そして言葉のチョイス。
どれをとっても圧倒され、そこそこ厚みのある作品なのですが一気に読んでしまう。というか、途中で止められない。
1巻は静良井視点で描かれていますが、2巻は衛視点。
二人の複雑な家庭環境。
彼らが歩んできた歴史。
大切に育ててきた恋心。
まだ若い衛が、真文を一途に愛し、そして何度でも「はじめまして」と声を掛けようと決意した。彼の想いに涙が止まらなかった。
この作品は真文の記憶喪失と、彼の恋人の「M」を探すという展開だけに非ず。
どんなに自分を忘れても、ずっとずっと愛し続ける。
そんな壮大な愛のお話でした。
衛が営む、喫茶「カナリー」。
そして、カナリア。
衛が大切にしてきたものの意味が、2巻を読むと理解できる。
次巻で完結のようですが、これらをどううまくまとめて行ってくれるのか、今から楽しみで仕方ないです。
「ここで過去回想かい!?」
と読み始めた瞬間に思ったのですが、案の定、あとがきで砂原さんが同じ事を書いていらっしゃいまして笑ってしまいました。
またしても見事に、作者の思惑にはまってしまった訳で。
本当に読者をのめり込ませるのがお上手だな、と思います。
冒頭に大きなネタバレ(過去回想であること)をやってしまった訳ですが、この巻で前巻にちりばめられていた多くの謎が解ける作りになっているものですから、あらすじの詳しい紹介は止めておきます。
とりあえず、それほど大げさではない感じで情報提供を。
・『M』が誰なのか、この巻ではっきりします。
・中上がどういう幼少時代を送り、それが彼の人格形成にどういう影響を与えているのかが解ります。
・静良井の火傷の痕が出来た理由が解ります。
・カナリーの存在理由が推測できます。
味も素っ気もない文章でごめんなさい。
でも、私なんかが紹介するより実際に読んだ方が良いと思うのですよ。
1巻で提示された謎が解けていく様は、まるで深い霧が少しずつ薄れて、周りにある風景の輪郭が徐々に明確になっていくようなので。
そのこと自体に、計り知れない読書の喜びを与えてもらいました。
さて、この巻を読み終えても私には『人を形作るものは何か』という謎が残ったままになっています。
記憶を失ってしまうということは、その前と後では違う人生を生きるということなのでしょうか?
ものの見方、感じ方、そして好きになる人は同じなのか、違うのか。
1巻目から私はすごくこのことが気になっていました。
この巻でも、若干のほのめかしはありますが、砂原さんが一体どういう風に着地をさせてくれるのか、来月が大変楽しみです。
最後に、この本には「記憶はないけれどきっと今まで自分はこれをやった事がない」と静良井が気づくシーンがあります。ここに甚く感銘いたしました。
人間は頭だけで生きている訳じゃない。
恋は理屈でする訳じゃない。
そうだよなぁ。
「心を半分残したままでいる」第2巻です。
ある意味、ここから全然読めますが、1巻から読まれる事を強くおすすめしたい!!
何故なら1巻から順番に読み進める事で、構成の妙が際立つ作品だからです。
元々、ストーリーテラーとして定評を得ている作家さんだと思いますが、今作ではホント神懸かってると感じます。
張り巡らされた伏線に、読者に向けて巧妙に仕掛けられた罠。
今回、衛と真文の過去が語られます。
ここで、1巻で仕掛けられた伏線や巧妙な罠がたくさん明かされてと言った所。
普通にこの作品だけ読めば、二人が心を通わせて行く甘酸っぱい初恋ものなんですよ。後半につれ、グイグイ切なさは増すものの。
それが、読者側は二人を待つ未来をもう知っている・・・。
何気ない一つ一つのエピソードだったり、ちょっとした「セリフ」。
そんな一つ一つが、切なくて切なくて仕方ないのです。
「あっ、これは!!」と未来のエピソードとリンクして。
なんかもう、涙を堪えながら1ページ1ページ読み進める感じでしょうか・・・。
内容です。
家庭環境から髪を脱色し、世の中を斜めに見ていた中学生の衛。
そこに隣人として引っ越して来た、上品な母子・静良井。
人懐っこい静良井にしつこく話し掛けられ、徐々に心を許して行く衛。
しかし二人が恋人として付き合うようになっていたある日、静良井はまたもや記憶を無くしー・・・とストーリーは語られます。
で、2章に分かれていて、前半がこの衛視点。
後半が同内容を正文視点で語られます。
前巻では謎のままだった『M』の正体が明かされ、カナリーのオーナー・中上の微妙に不可解だった言動が今回で腑に落ちと、先に書いたように構成の妙に唸らされる今作。
そして、今回初めて明かされる中上の真実ー。
実は前作での、中上の反応が不思議で仕方ない部分があった私にとっては、なんともスッキリ胸に落ちると共に、悲しくて仕方ない巻ではありました。
だって、どれ程深く相手を思っていても、まだ高校生や大学生の青年にとっては重すぎる現実だから。
記憶を無くしてしまう静良井自身も切ないですが、無くすたびに恋人に他人と認識されてしまう衛の孤独は如何ばかりかと。
ここで、1巻での中上の「慣れている」と「恋人は死んだ」と言うセリフが胸に迫るリアルさを持って心に落ちる・・・( ノω-、)
哀しい。哀しくて仕方ない。
ところで、砂原先生は新書館の「エロ番長」と言う二つ名がございます。
今回、二人の初エッチが両視点で読めるんですね~。
静良井は事後の感想のみですけど。
で、静良井は儚げな美人なんですよ。中身はともかく。
そんな綺麗な年上受けに煽られまくる高校生・衛!!
いやもう、静良井の何気ない言動一つで、欲情を滾らせまくっている衛にはニヤニヤしちゃいました。
幸せそのものの二人を見ていると、切なくて仕方なくもなるんですけどね。
で、今回も「ここで!?」と言うラスト。
ここから1巻の二人にどう繋がるのか。
そして、1巻の衝撃のラスト-。静良井はどうなったのか・・・。
来月発売の完結巻をジリジリ待とうと思います。