よるにきんのあめのふる

yoru ni kin no ame no furu

よるにきんのあめのふる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×210
  • 萌11
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
4
得点
195
評価数
48
平均
4.1 / 5
神率
50%
著者
大森小鳩 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
価格
¥689(税抜)  
ISBN
9784834264081

あらすじ

サラリーマンの翠は学生時代からの親友・夏目に10年間も想いを寄せている。
しかし、夏目が婚約を決めたことにより、翠の心はかき乱されていく。
そんな中、夏目が婚約破棄されてしまい傷心の姿に、翠は衝動的に口づけしてしまい――。
もどかしいふたりの恋の行方を描く表題作のほか、二編を収録した切なくも愛おしい作品集。

表題作よるにきんのあめのふる

夏目・サラリーマン・大学時代からの親友
翠・サラリーマン・10年近く片思いし続けている

同時収録作品スキあり

同時収録作品またねの言葉も残さずに

攻め受けなし:高木・やりたい盛りの高校生
攻め受け無し:谷口・口が女性器になる病気にかかった

その他の収録作品

  • あとがき&カバーの没イラスト

レビュー投稿数4

切なさが心に沁みて、泣いた。

三つのお話が収録されていました。
私は表題作【よるにきんのあめふる】でじわーっと泣いて、三つ目の【またねの言葉も残さずに】でおいおい泣きました。
どれもノンケに恋したお話で、そういう作品を今までも沢山読んできたけどそれらの中でも切なさが群を抜いてました。

【よるにきんのあめふる】
しっとりとした秋の気配と切なさに満ちた作品。
翠(受け)は大学時代からの友人・夏目(攻め)に10年間片思いし続けているのだけど、夏目は婚活アプリであっさり婚約成立します。

翠が、夏目への思いにいっぱいになりながらも徹底して気持ちを隠し続けている様子が本当に切ない。
特に二人で銀杏並木を歩いて帰るシーンが切なすぎます。
ある答えを何度教えても忘れてしまう夏目に対して「ちゃんと覚えて次は自分の子どもに教えてやれ」と言う翠と、翠が既婚者に片思い中だという事を偶然知った夏目が「本気で好きならありだと思う」と応援する残酷さ…その夏目の背中をじっと見つめる翠。

夏目は女性側の問題で婚約破棄になり、夏目のあるセリフで気持ちが弾けて思わずキスをしまった翠。ようやく夏目は翠の片思いの相手が自分である事に気付くんです。
夏目は女を見る目はないけど、腹のくくれる男前でそこが良かったです。

たまらずに泣いてしまったところは、「ああ…一回くらい『好き』って口に出したかった」と婚約を知った夜の回想シーンの後に「俺は…もう夜中にお前の寝顔に呟いたりしなくていいんだな…」と言ってからようやく「夏目 好きだよ」と面と向かって口に出せたところ。
ここがもう、良かったねぇ…と泣けて泣けて…。
それまで切なさ100%だっただけに、溢れまくっていた「好き」を口に出して言える幸せを実感できたし、その後のセックスが多幸感に満ちてていいんです。

銀杏が好きという夏目のために、銀杏があるアパートに翠は10年間住み続けていたんだけど、ひらひらと雨のように舞い落ちる銀杏の葉っぱが払おうとしても払おうとしても払いきれない夏目への想いを表しているかのように感じます。

【スキあり】
シェアメイト同士のお話。
鈴江に一目惚れしたけど、鈴江は「ホモネタ嫌い」と言うので椎野は絶賛片思い中…だけど鈴江のベッドでオナニーしてるところを本人に見られてしまい家を出た椎野。

鈴江の汗を吸える枕に、ハンカチに、服に、箸に、口に出入りできる空気やホコリにすら嫉妬している椎野。下手するとヤンデレに転びそうな病みというか、かなりの執着です。
鈴江は「大雑把で律儀」という性格なだけあって、椎野からの好意を無下に出来ず律儀に応えつつ、コッチ側に飛び込んでくるというところが男前というか…。
これからはうまく椎野を操縦してください、頑張って!という感じでしょうか。

【またねの言葉も残さずに】
これは読む人を選ぶかもしれません。でも私はポロポロおいおい泣きました。
何がなんでもハッピーエンドでないと嫌!という人は避けたほうがいいです。
そしてゲイの高校生が、口が女性器ソックリになるという奇病にかかるので、ここでうわぁ…と思う人もいると思います。口は常にマスクで覆われているし描写はないので視覚的なダメージはないけど、イメージだけでNGって人もいるでしょう。

谷口は朝起きたら口が女性器そっくりの形になっていた。友人の高木は女の子とやりたい盛りの高校生で、高木に口を見せフェラに誘います。
そこから毎日フェラをする日々なのだけど、夏の終わりに挨拶もなく唐突に谷口は引っ越し、それ以来会わなくなった二人ですが、久しぶりにかけた電話で高木は残酷な真実を知るのです。
「治る病気」という谷口の説明が嘘だったことを…。

谷口が遺していたものが切ない。切なすぎるよ…
「バカやったなぁって高校時代の思い出に」なんて言って平然とフェラをして、何でもないように振舞っていた谷口。
それが嘘だった、そしてキスに関しても嘘だったと知った高木の後悔。
「つむじを見せ どんな気持ちで…」という高木のモノローグがこれまた涙腺を刺激しちまう…。
ハンカチ必須です。

12

何ともやるせない恋

「恋と粗相」に引き続き、購入しました。
中編と2つの短編が収録されています。
三者三様、ノンケに切ない恋をする3人の話でした。
ただ3つ目が強烈すぎて、表題作と2つ目の印象がすっかり消えてしまいました。
2つを何度読み返しても最初に感じた「何か」を全く思い出せません。
3つ目の威力が本当にすごいです。

【よるにきんのあめのふる】萌
大学の同窓生の話です。
好きなひとは銀杏好きの友人。だから銀杏の木が庭に群立するこのアパートから引っ越せずに10年。そして今、婚活に成功した友人は結婚する…。という切ない始まりです。
10年言えずに、10年妄想の中でだけ抱かれ続けた相手。結婚してしまったら本当に手が届かなくなってしまうという焦りと、伝えられるわけがないという葛藤で悶々としているときに、友人の婚約が破棄になる出来事が起こるのですが、その後の展開が…。簡単に言ってしまうと覚悟を決めたノンケは強く、片思いを拗らせ続けたゲイは弱いということです。
あと銀杏は本当に臭い。潰れた銀杏の実がついたズボンで布団に入るなんてもってのほかだぞ!と友人に説教したくなります。そして実を取った種を紙の封筒に入れて電子レンジにかける方法、一度も成功したことがないのですが、何かコツがあるのでしょうか。関係ない話になってしまってすみません。

【スキあり】萌
シェアメイトに恋してしまった、ちょっと病んだ青年の話です。
シェアメイトの周りのもの、有機物であろうが無機物であろうが関係なくすべてに嫉妬する。枕やシーツにまで嫉妬してシェアメイトベッドで自慰をしているところを見られてしまって…、という話でした。
好き過ぎて近くにいるとどんどん自分がおかしくなるから離れたい。「お前を知る前に戻りたい」という台詞がこころに重く響いてきます。
こちらも表題作同様、シェアメイトが男前な発想の持ち主なのでしあわせになれそう、かな?
こわいけど、見方を変えれば可愛らしい話でした。

【またねの言葉も残さずに】神
一番おすすめです。
リアルに想像してはいけない設定ですが、ある日突然口が女性器になってしまった高校生と友人の話でした。その病気を利用して女性にしか興味のない友人の役に立つことをするわけですが、友人目線なのでいろいろ勝手に予想して、自分も相手の役に立とうと余計なお節介を焼くのです。相手のことを思ってしたことが相手を傷付けることに気付かない年齢なんですよね。
短い話ですが、泣けます。読み終わったあとに病気の子の気持ちや、友人のこれからのことを考えてしまう。本を閉じたあともしばらく考えて、また涙が出てしまう。
伝えられなかった気持ち、気付くのが遅くて言えなかった「ごめん」という言葉はこれからどうやって消化したらいいんだろう。つらい。でも読んでほしい作品です。
ラスト4ページは鳥肌が立つ秀逸さです。

8

じんわり切ない、そして最後は泣いた

どこで知ったのか忘れたのですが、読みたいリストに入っていたこちらをようやく読みました。
3つのお話が収録されている短編集です。

表題作は少し長くて、3話構成となってます。
イチョウの木のそばに住む翠が、夜中に銀杏を拾っていた男、夏目と出会って片思い10年間。この度夏目が結婚する事になり…なお話です。
10年親友として、言えない気持ちを夏目の寝顔に向って呟いたり、時にはエロい妄想で自分を慰めてきた翠。
夏目が婚約者と別れ、はずみでキスしていまい…と展開していきます。

気持ちが伝わり、親友の違う一面に惹かれて夏目も翠を受け入れて付き合うようになりますが、いざとなると及び腰になる翠なのでした。
幻滅されるかもとか、夏目は流されているだけなのかもとかもだもだしてしまうのはゲイ受けあるあるなのかな?
「俺 腹くくってるよ」と言ってくれたり、翠の事を悪く言う同窓生にビシッと物申してくれたり、夏目はただの流されやすい男ではなくて、素敵でした!

2つ目は、ルームシェアしている鈴江の持ち物までに嫉妬してしまう椎野のお話。
鈴江の部屋でシーツを嗅ぎながらオナニーしてるのを見られてしまい、慰謝料を置いて部屋を出て行ってしまう。
出て行った椎野を探しにきたり、椎野の新居に鍋をしに来たりする鈴江のスキをついて…。だけど流されるんじゃなくて、ゆっくり椎野を知っていきたいという懐の広い、真っ当な攻めが好ましかったです。

3つ目のお話は色々びっくりなお話でした。
悲しいお話は得意じゃないのですが、あまりに唐突すぎて落ち込む暇が無かったのが本音。
だってね、始まり方がエロコメファンタジーかな?って感じなもので、完全に油断しきってて…。

「好きなやつとキスしたことあるよ」の嘘の意味。
高木が書いた「極上」のマスク。

読み返すと初めから泣けます。
どんな気持ちで谷口が居たのか考えれば考えるほど泣けてくる。そういう物語でした。

1

中編と短編2つ

絵が、絵津鼓さんとか里つばめさんに似て、さらっとした線。

表題作は、10年ノンケに片思いの黒髪メガネくんの恋。
相手は同級生の夏目で、ほだされて女性とつきあってきた、ちょっと流されやすい性格?それがいよいよ婚約する。しかし、相手の女性はあてつけに婚約しただけで、結局刺されて翠のところにくる。
10年隠してきたが、思わずキスしてしまい、本人にばれる。そっから、夏目も悩むが、見たこともない翠の恥じらった表情をかわいいと思い、やっぱり流されて?つきあうことに。
タイトルは、夏目がぎんなん好きなために、ぎんなんのある借家に住み続けた翠の執念を映している。

短編は、同居人を好きになって、身の回りのシーツとかに嫉妬する、やっぱり黒髪メガネくんの話。これも相手がほだされるストーリー。ちょっと「愛し」とかに似てるかな?

もう1つの短編は、連載時に読んでましたが印象に残る作品。これが一番インパクトが強いかな。
口が女性の○○になってしまう奇病。せつない思いをひた隠しにして同級生に奉仕する日々。でも東京に越して会わないうちにー

短編が面白い作家さんはなかなかいないので、今後に期待。

2

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