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setagaya synchronicity
感想が難しいけど自分が何者であるか悩む時に読みたい本だなぁ。若い頃は特にあるんじゃないだろうか。「ふつう」ってなんだって改めて問いかける物語だった。深町くんは色々経験して何かを飲み込んで生きてきた感じがするなぁ。
高史があの時あの行動に出てくれて少し胸がスカッとしました。その後の2人の会話が良かったな…。
すごく繊細で難しい問題だなと思いました。
好きになるのは女の子だけど、欲情するのは男って相当生きづらい。
実際にそういう方がいらっしゃるのかは分からないけど、自分自身の心と身体の乖離に苦しむ姿は想像に容易いです。
女性を好きになっても子どもは持てないわけですし、キスやセックスをしないままでも良いよ、という女性がいれば良いんでしょうけど、性欲解消は男性としか……ってなると、その辺りの理解をしてくれる人はそういません。
思春期でそんな思いを抱えるのは大変だったろうなぁ……と思いつつ、でも樋村には理解を示してくれた彼女もいたし、話を真剣に聞いてくれた深町もいる。そんな2人と出会ったことは幸運だったと思います。
結局、深町に対しては欲情以上の想いも抱くようになったけど、自覚のキッカケが深町の美麗な女装姿だったのは、ちょっと複雑……。恋の始まりはやっぱ女性の見た目なんだなぁって。
でもその一方で、潜在的には既に深町に惹かれていて、女装姿はただの自覚のキッカケって考えることもできるんですよね。
いろんな見方や考え方ができるぶん解釈の広がりは様々ですが、でも樋村がバイト先で深町を見かけたときから恋は始まっていたような気がするし、私はそのときから2人の運命が始まっていたと思いたいです^ ^
出会いがあれば別れもある。。。
グチャグチャな感情に戸惑い、涙する樋村の感情の描きや繊細な心理描写は胸にグッとくるものがありました。
切ない思いと、嬉しい思いでいっぱいになった物語でした。
思ったより、評価低くて驚きました。
メトロとかと比べると、インパクトが弱くて
人間関係が微妙だからかなぁ
好みなのは同性ということは
このコはゲイってことなのかな?
と思いながら読み進んでいったら
欲情するのは同性、恋愛感情は異性
だという。
とりあえず、腐女子なんでそこもすんなり
了解しますやね。
でも、深町くんと出会って
怪しいほど偶然が重なって
最初からオープンにしてる深町君
そして、深町君も想いながらも叶わない同性のことを好きで、と
遠くから好みのフォルムとしてしか
見ていなかった深町君の
色々なことを知るたびに、
人としてのかたちを成してきて
やっと、性欲だけだったところに
好きの気持ちが追いついたんですよね。
ただそれだけのことなんだ。って。
あぁ頭のかたいやつ、っていうけど
思い込みってほんと厄介なんだなぁ
別れを言った時の彼女も多分嘘をついてたけど、
でも、性癖に理解あるところを示していても
最後までそれを治すものとしか見ていなかった彼女。
深町君の想い人も病気としか認められなかった
うぅー思い出してもめちゃめちゃ辛い…
同調しなくちゃと頑張っていた高史とか
独りになることで身を守ってた深町君とか
そんな優しくないことばかりで
それでも、このどうにもならない自分の性も含めて
この自分はアリでいいでしょ、と
あぁ予想もつかなかった奇跡のゴール❤︎
私は、先生の作品で一番好きだなぁ
とっても良かったです❤︎
ご都合主義ともとれる作中の偶然を逆手にとったタイトルかなと思ったんですが。
これ、2人の心情的なことでもあるんですね。
2人とも人とは違う、他者に理解されないセクシャリティに悩んでいて孤独を感じている。
高史は舞さんと付き合っているけど、ほんとに好きなようには見えなかったんですよね。ごめんなさい私がBL脳なだけかもしれないけど。終盤では好きだったと泣いてたけど。でもすぐさま深町が好きなんだと言ってるしw
高史と深町は早々に体の関係になるけど、気持ちはそれぞれ他の人にあって。
深町が好き的なことを言った時に初めてしっかりキスや絡みが描かれていたのがぐっときました。
ラストの、深町のセリフがよかった。
本作はここが言いたかったことですね。
どんなセクシャリティでも…無理に決めなくていい、変わらなくていい、誰にも責められることじゃない、堂々としていろ…いい言葉だ。
セクシャリティに限らず、いろんな悩みを抱えた人にも響きそうです。
深町が普段ぶっきらぼうなのも好きで。
なのにエロの時、表情がすごくエロいのが本郷先生らしいなと。
しかし、前フリが長いわね〜と思っちゃったんですが、1巻完結ものってこういうペースが多いんでしたっけw(最近シリーズものを続けて読んだものでわからなくなってる)
メトロが好きでこちらの作品も読んだのですが、いまいち共感しきれず、やっていることは浮気では?となってしまいました………
本郷先生の心理描写が好きなのですが、この作品はいまいち刺さりませんでした
まず、攻めには肉体関係がないとはいえ、彼女がいます。しかし男にしか欲情しないため彼女がいるにも関わらずキス等を受けとしています
本番はたしかしていませんでしたが、普通に浮気だし、女に欲情できない事を言い訳にしているようで自分には合いませんでした
きちんと彼女と別れてけじめをつけてからであれば違ったのかなと思います。
【樋村は同棲していた彼女が転勤することになり、大学の寮に入ることにした。同室の深町はゲイという噂。樋村も実は『恋をするのは女性』だけど『欲情するのは男性』という不思議な性的嗜好があり…】
樋村のような性的嗜好の方が実際にいるという話をどこかで見たことがあり、興味が湧いて読んでみました。このお話の中ではそこまで葛藤が見えるわけではなかったのですが、いろんな場面で罪悪感や違和感を感じて傷つくこともあっただろうなと少し切なくなりました。
樋村のセクシャリティもあり、何だか不思議な雰囲気でお話が進んでいきました。切ないような、優しいような、悲しいような、楽しいような…。ふわふわしてて、それが作風なのかなと思いました。
お互いに好きな人がいて、その気持ちを裏切っているということがテーマだった気もしますが、それぞれ相手と肉体的な関係があるわけではないし、裏切るというほど深刻ではなかったです。浮気が地雷でもほとんど気にせず読めると思います。
高史が恋をするのは女の子で性的対象は男の子だって思い込んでるけれど、最初まだ若くて色んなことが曖昧だったんだろうなって思った
性的欲求を抱くことを恋だと捉えている人が多いってだけなんだろうとも
自分もやっぱり普段はそれを恋って言ってると思うし
そして可愛いから好きで、可愛いから欲情しないっての、言葉にしてみると解る気もする
性別関係なく認められたかったり大切にしたかったりする相手がいるのも何も不思議ではないのだけれど、でも違うのかな、本当に恋心を抱いてそれでいて性的には拒絶してしまうってことがあるのかな
深町のことが好きだときちんと理解できたのはやっぱり舞に感じた気持ちも恋だったってことなのか…知らないことを型にはめて見たがるところがあるのだと気付かされた
高史のことをすでに好きな深町がありのままを肯定してくれたところで高史が深町を好きな気持ちを伝えるって、とても良かった
舞も高史のこと可愛かったんだろうけれど、彼氏がいる状態でいたかったのと情とってとこなんだろうなとも見えるし、きっといい思い出になると思う
偶然が重なってって…重なりすぎる場合それは多分無意識かなんとなくか相手の選択を意識して自分も選んだ結果なのでは??
主人公高史がとっても可愛かったです。
いつも一生懸命でバイトに明け暮れ、表情豊かで。
好きになるのは女の人、欲情するのは男の人。
女の子と付き合ってもキスもエッチもできなくて、彼女達を傷つけてきたと自分を責めて。
そしてバイト先で気になる存在だった深町と偶然寮の同室になって。
深町もバイトに明け暮れどこか突き抜けた感じで。
でもきっといつも会う男の人に恋をしている。
そんな深町を知るにつれ好きになってく高史。
高史の葛藤を受け止めて認めてくれて。
最後にタンカをきる高史が良かったです。
そんなもん病院で治すようなことじゃないし、好きな気持ちを病気だなんて…。
数年後を読んで良かったなあとホコホコしました。
二人の偶然がすごい重なって運命みたいですね。
「メトロ」で作者さんにハマり、過去作も読んでみました。
「恋をするのは女性、欲情するのは男性」という性質を持つ高史と、同じ大学で数ヶ月寮の同室で生活するようになった深町の物語。
性的マイノリティについては同性愛者、両性愛者、無性愛者くらいしか知らないのですが、世の中には高史のような人も少なくないのですね(作者さんインタビュー内の担当さん談)。とても興味深く、難しい題材だと思いました。
高史がバイト先のカフェで深町を見かけて「タイプだった」という描写から始まるのですが、ということは恋愛対象は女性だけではなくて男性もなのでは?と疑問が浮かびました。
性的な興味と、恋心は分けて考えるべきなのか否か。
様々な疑問があふれ、何度も読み返している現在もなお分からないままです。
確かな事は高史が深町と不思議なシンクロニティをおこしながら触れ合う中で、恋愛感情と性的欲求が一致したという事だけ。
このお話においてはそれで十分だという気もします。
最後の深町にそのままでいい、でも変わっても堂々としていいって言ってもらえて号泣するシーンが良かったです。
終わり方もふわっとしていて、BLとしてはやや甘さが足りないかも知れませんが私はとても好きな作品で、読み返してはじんわり心が温かくなっています。
不思議な設定でした。
〝恋をするのは女の子、欲情するのは男の子〟
うーん、なんかそこまで男女を分けて考えるってどういう事なんだろう?
共感するのが難しかったけど、それでも面白いと思いました。
結局、本当に好きになるのに性別は関係ないってことなのかな。
それとも、これは運命?
舞は貴史の事が好きだったけど、身を引いたのかなと思います。
そう考えると、貴史のしていたことは最低ですね。
ここも共感できなかった要因かもしれません。
多分、深町と貴史はずっと両片想いだったんだと思う。
色んな人がいていいし、それを認め合える関係も素敵でした。
これからのふたりをじっくり見てみたいような気がしたので、ラストは少し物足りなかったかな。
貴史(表紙の子)が恋をするのは女性、でも欲情するのは男性、という体質。そんな男の子とゲイである深町のお話です。
最初は貴史が優柔不断というか、ただ体質に甘えてるだけのように感じてしまいました。付き合っている女性の舞ちゃんがいい子なだけに。
でも、やっぱ自分ではどうしようもない体質に悩んでいて、それはきっと他人に理解することは難しいことなんだと思います。
最後の場面、深町が貴史を受け入れるときの言葉は、そのままでいいよ。と包み込まれるような優しさで愛を感じました。
◾︎高史(表紙)×巳晴 大学3年生
いや〜よかった
開いた途端に好きだとわかる作品てありますよね?それでした。目次のイラストも好きだったんですけど、高史の巳晴を見てる描写が完全に好き。
「シンクロニシティ」…共時性ってタイトルの通り、偶然に関係性が深まることが連続で繰り返されます。正直、創作物の偶然の連続って苦手どころか嫌いなのですが、この作品に限っては好きになっちゃったからもう仕方ない。
まず早々に彼女の舞さんがいることに驚く。商業BL漫画でこういう風に彼女を描く作品て珍しい!彼女との別れをきっちりドラマチックに描く…あのスノードームには嗚呼…とため息を漏らさずにはいられなかった。高史のシンクロニシティは、お茶漬けどうのと言ってた通り別に巳晴に限った話ではないようですが、舞さんとの間にもそんな瞬間があったのでしょうか。彼と彼女がそんな想いを重ねた末に付き合って、同棲もしてたと思うと、苦しいよ…
そもそも本郷地下先生て商業BL漫画を意識していないというか、実際非BLでも描かれてますし、「ふくふくハイツ」もニアBLな印象です。
遊園地で、普段so coolな巳晴が見せた"はしゃぎ"が可愛くてたまらない。
そんなにエッチな直接的描写はないのに「どうしたい?」「どうしてほしい?」のド雄な高史にクラクラくる…そうね、女性に対してその気持ちが湧かないだけで、彼は雄なんだよな…
女性とか雄とか書いといてなんですけど、そういった性別とは別のところにある尺度というか価値観というか、性別の良さとそれを考えない良さとを両方描いている作品です。でも別に性別を否定してるわけでもない、ん〜良い作品だ。
大学のお金持ちなお友達、一条くんがセクシーで気になります。
好きになるのは女性、欲情するのは男性…そんな自分に悩む貴史(攻)と、友人"貴史"に片思いをする深町(受)の、切なくて温かいお話でした(^^)偶然ですが、メインの攻めの子と、受けの子が片思いをしている相手は、同じ"貴史"です。
心と体は、繋がっている…と思いますが、でも実際の所はそうとは限らないんじゃないかって思っている私にとって、興味深い内容でした。
舞という恋人がいながら、性的な魅力を感じているのは深町…深町の存在は舞は知りませんが、そんなちぐはぐのような貴史を見ても、舞は貴史に歩み寄ってくれていました。いつかは自分を求めてくれると信じていたであろう舞の気持ちを思うと、切なくて涙が出そうになりました。舞の立場、貴史の立場、それぞれの視点で読めるのも素敵ですよね。読んでいて私が貴史に違和感を感じなかったのは、"好き"が一種類じゃないと思ったからです。舞に感じる好きと、深町を想う好きは違うと思います。"好き"を一色単に考える必要はないと思います。好意と欲情は、違ってもいいと思います。
最終的に、深町が好きだから、深町に欲情するんだと気がつく貴史。"男が好き"なことを病気扱いする、深町が思いを寄せていたもう1人の"貴史"に対し、ブチ切れます。"人を好きになる気持ちを 病気か何かだと思っているのか!?"そう怒鳴って疑問をぶつける貴史に、スカッとしました(^^)
考えさせられる内容でした。心と体は繋がっているとは限らない。でも、貴史の行動は、"欲情するから好きになった"わけではなく、"好きだから欲情して深町を求めた"と私は感じました(^^)きっかけはバイト先の喫茶店で見かけたことかもしれませんが、一緒にいる中で深町を好きになり、深町を求めたんだと思います。心が先でも体が先でも、そこに"気持ち"があれば、私はどちらも素敵だと思います(^^)
※ネタバレ含みます。
万人に好かれなくてもいい、わかってもらえなくてもいい。
だけどもし、好きな人に好きだと言ってもらえたら。
わかってほしいと願った人がわかってくれたら。
いろんな人の気持ちになって読みました。
表紙の彼・高史の。彼の恋人・舞さんの。高史の手をとる深町の。
いくつものバイトをかけ持つ、大学生の主人公。恋心を抱く相手は昔から女性、だけど性欲は男性にしか向かないという悩みを抱えている。同居中の恋人は社会人で、彼の悩みを知っています。ある日、彼女の転勤により自分の住まいを探すことになるが、運良く友人から大学寮の部屋を借してもらえることに。しかしそこでルームメイトになった相手がなんと、バイト先のカフェでたまに見る「気になっていた」男で…。自分と同じ苦学生…。このふたりが、その後もなぜか行く先々で出会ってしまう。
ところで何回ページ開いたかなぁと思うその一つが、女装の回。あの深町がこの女装してると思うとなんだかたまらなくなります。肉食っぽくて。コーデが好みなのも相まって、ベスト「カッコかわいい女装」になりました。私の中で、ですけどね。
昨年出逢った、タカラモノのような作品です。
カバーデザイン:円と球
ジャケット、タイトルロゴ、帯のバランスに見惚れた忘れられない装丁。帯からあふれてくる言葉を感じ取った瞬間、読み終えてまた表紙に戻ったとき、私の涙もあふれました。
たった一つのYESをくれるのが
世界に君一人だけ
わかってくれる人は
好きになった人だった
某所で試し読みをして、このストーリーの結末まで見たくて購入しました。
・・・が。
う~ん、とても不思議な設定です。恋愛対象は女性なのに性的対象が男性という性癖が非常に興味深く感じたのですが、実際にストーリーを拝見していると、恋愛対象として描かれている女性とは、友情というか姉弟っぽさを感じてしまいました。大きな設定であるはずの性癖が私の中ではいまひとつしっくりきませんでした。
この作品はとても意欲作だと思います。
シンクロニシティというワード通り、ともすれば「運命」とはき違えそうなほどの偶然が頻繁に起こります。
このシンクロニシティと、互いの性癖がテーマだと思います。
樋村と深町が互いに折り合いがつかないまま続けている恋愛、その受容と肯定、その昇華。いろいろな要素をギュッと詰め込んだまま進行するせいか、ストーリーに集中できなくなってしまいました。
物語の中のふたりはわかり合い、支え合う関係になり、かなりややこしいストーリーにも拘らずしっかりまとめ上げていたと思いますが、正直なところ、これだけの内容を詰め込むには短すぎたのではないでしょうか。
せめて上下巻くらいのボリュームがあれば、それぞれのエピソードをじっくり掘り下げて描けたでしょうし、その分物語に深みが増したと思います。こればかりは事情があるかと思いますので仕方ないでしょうが・・・きちんと物語の隅々まで描かれてはいるけれど、さらっと表面をなでて終わってしまったような気がして残念に感じます。
あらすじにある「恋をするのは女の子なのに、男にしか欲情できない」という不思議な体質とあり、どういう事なんだろう?と思いましたけど、そのままでした。
「女性に恋愛感情を抱くけど性的興奮はしない」「男性に性的興奮するけど恋愛感情は抱かない」高史。
昔から女の子に恋をして付き合うけどセックスが出来なくて何人もの子を傷つけてきた彼。今、付き合っている彼女・舞はそれを知ったうえでいいよと言ってくれてキスやセックス抜きでお付き合い中。
一方、バイト先の喫茶店に来るめちゃくちゃタイプの常連客・深町と偶然、寮の同室となりドキドキする高史。おまけに深町にはゲイだという噂があり…。
ある日、パンツ一丁で寝ている深町の姿に興奮した高史とそれに気づいた深町はそのまま流れで寝てしまいます。
あんなに彼女のことが大好きなのに俺の体は俺の心を裏切る…みたいな矛盾に対する葛藤や苦しみを読んでみたくてこの作品を手に取ったのですが、この作品の言いたいことはそこではなかったのです…。
そのせいか彼女・舞に対する恋愛感情が私には殆ど伝わってこないというか、深町と寝てしまったという事は、浮気しちゃったという事なんだけど、深町と寝た翌日に彼女に会ってもほとんど罪悪感を感じてる様子もないし、遠恋中だけど遠くにいる彼女に会いたいよ〜とか、久しぶりに会えて嬉しい♪みたいなテンションの高さはないし、デートして彼女の喜ぶことを考えたりしているんだけどどこか淡々と無理して付き合っているように感じてしまうせいか、高史のいう「恋愛感情」ってどういうのかな…と戸惑ってしまいました。まぁ悲しいかな彼女はあくまで当て馬的存在であって、彼女のことが大好きすぎると深町との話が発展しないので仕方ないのかもしれないです。。。。
そして深町のことは「めちゃくちゃタイプ」と冒頭で高史が言ってるんだけど、ただやりたいだけという意味合いだけではなく視線の追い求め方、ドキドキ感、そして寝ちゃった後でもいつもと変わらぬ深町に戸惑う様子などはBLに登場するよくある恋する男子って感じなので、「男性に性的興奮するけど恋愛感情は抱かない」という性癖をあまり感じさせるものでもなかったような…。
この作品の言いたいことはそこではなかったのです…と言ったように、そういう性癖に対する本人の葛藤などを求めてこの作品を読むとちょっと中途半端な気がしますが、普通ではないと悩むかもしれないけれど、それでもいいんだよという気持ちを後押ししてくれるような作品でして、それが幼馴染にずっと長年片思いをしてきた深町が「好き」という気持ちを幼馴染に病気のように捉えられてしまった際に激昂した高史の男前さとか、自分のセクシャリティが曖昧で「普通」になりたいと願う高史だったけど、自分を無理に変えようとせず、ありのままの自分を少しずつ受け入れていけるようにしよう…と提案する深町などのエピソードなどに絡めて描いてありました。
私は「恋をするのは女の子なのに、男にしか欲情できない」というところに興味を惹かれて読み始めてしまった&着目点を置きすぎてしまったため、ちょっと自分の期待していたものとは違いましたが、実際にこういう人もいるということが知れて良かったです。
レーベル買いですが、近年で一番泣いたのが同レーベル「転じて恋と生き」で、二番目に泣いたのがこちらです。レーベルと相性が良すぎる。
「恋をするのは女の子なのに、性的興奮を覚えるのは男だけ」という、なんとも難儀な性癖の持ち主である高史(たかふみ)。
高史には、その体質を理解してくれている彼女・舞が居る。
そんなある日、高史がバイト先で気になっていた男・深町と寮と同室になり、体の関係を持ってしまう。
深町は深町で片想いの相手・貴文(たかふみ)がおり「セックスしただけ」「利害の一致」と高史を一蹴するが…。
なんといっても必然性のある「シンクロニシティ」を高史と深町の二人が引き起こすのが、運命的でロマンチックですごーく良かったです。
ともすればかなりLGBTQに寄ったお話になりそうなところを、このファンタジックな設定がちゃんとBLにしてくれてるのが嬉しかった〜。
そんなシンクロニシティを重ねる中で、二人が徐々に惹かれあっていく姿が、劇的でなく、ゆっくり静かに語られていくのが素敵です。
語りすぎず、語らなすぎず、ものすごくいい塩梅でした。
考える余地を残して欲しい時って少なからずあるので。
個人的に、深町が高史とセックスをする時に、「たかふみ」と言うのが切なくてとても良いな…と。
合法で、ノンケの片想い相手の名前を口にすることが出来るんだもんなあ。(いや合法もなにもないんだけど)
本人の意識的にはそれがあったんだろうと勝手に思っています。
なので、最後に描かれる、お互いの気持ちを発露させてしまうセックスの際、「これが最後」って気持ちで「たかふみ」と口にしたんじゃないかなあとか…
二回言ってるから、そこには高史も含まれてるんじゃないかなあとか…色々、こう、色々想像させられました。
こんなに切なくなるセックスシーンなかなか無い…。
それを踏まえての、貴文が深町に言った「男が好きなのは治らないのか?」「病院とか行った方が」という言葉、
これはヘテロセクシャルの人間が「自分の性指向が正しいから、良かれと思って」言ってることで、悪気が無い分、
それがどれだけ…どれだけの人間を傷つけてると思ったんだよ…!!!と読みながらマジ切れしそうなところでの、高史の(こちらの気持ちを代弁してくれる)激昂でまず号泣。
そこから、深町が高史に贈った言葉で更に追い討ちのように号泣……。
この物語で最も言いたかったこと、大事なことって、間違いなく「どんな自分でもいいんだよ」ってことなんだと思います。
誰よりも自分で自分を責め続けていた高史にとって、「そのままでいい」「でも、変わったっていいんだ」という、深町からの言葉が、どれだけ救いになったかと思うと…もう…思い出し泣きしそうなレベルなんですが…。
この言葉、きっと高史だけでなく、たくさんの人の心に届いていくんだろうなと思います。
私もなんだか思い当たることがありすぎて、だからこそ救われました。
色々と悩み多き人生でも、捨てたもんじゃないなと、心から思える。そんな作品です。
全部読み終わってからカバーと帯を見ると、また泣ける。
あ〜〜……よかったね……高史………。
高史と深町、舞や貴文、物語に登場した全ての人々の幸せを祈っています。
☆
すでに語り過ぎているのですが、追記です。
私はこの作品がBLとして発表されたからこそ、知ることができ、手に取ることが出来ました。
本郷先生が、BLとしてこの作品を描いてくださったことにただただ感謝です。
自分がBLを好きでよかった、そして先生がBLを好きでいてくださって、本当によかった、と思ったのでした!