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"僕"はだれだ?
i itou san
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『イトウさん』がツボ過ぎて、続編である2巻の発売を心待ちにしていました。タイトルは『I』ですが、サブタイトルに『イトウさん 2 』とあるように、1巻を読んでいないと話は分からないと思います。1巻が未読の方は1巻から読むことをお勧めします。
『イトウさん 2 』ではありますが、1巻の続編というストーリーだけではなく、殺し屋の「I」の誕生、そしてIと恭介の出会い、そして1巻のその後の彼ら、といったとっても濃い内容の1冊でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
コードネーム「I」と呼ばれる殺し屋が、とある国の大統領を暗殺したところからストーリーは始まります。
組織の「ボス」によって、殺し屋として誕生した「I」。
何の感情も必要とせず、ただターゲットを殺し、そして秘密を守るためなら自らの命を捨てること。
ボスに教えられたのはそれだけだった「I」。
家族もおらず、守り、助けてくれる人のいない「I」に、愛する気持ちを否定し、そして性技を教え込むボス。そんなボスの命令を忠実に守る「I」は、ある日5歳の少年と出会い―。
『イトウさん』で、イトウさんがなぜあそこまでキョウスケに執着するのか謎でしたが、その秘密も明らかになっています。
愛など必要ないと言われ続けたI が、それでもなお欲したものはやっぱり愛で。
ボスからの命令に背き、キョウスケのために殺しを行うイトウさんの、キョウスケへの愛情が切ないです。
『イトウさん』はキョウスケ視点で展開することが多かったですが、『I』では『イトウさん』で明らかにならなかったイトウさん視点での描写が描かれていて、そこからイトウさんの気持ちが見えてくる。
後半は1巻のその後の彼らのお話。
記憶をなくした恭介と、そんな恭介に寄り添うイトウさん。
何もかもなくしたキョウスケだけれど、イトウさんへの想いだけはなくしきれていないシーンに胸が詰まる。
恭介を大切にし、愛情を与え続けるイトウさんの優しさと、その優しさに包まれ、少しずつ距離を縮めていいく二人に思わず安堵しました。
終盤に先生(伊藤さん)×高校生(恭介)の話が。
おお?パラレルか?
と思ったのですが。
ああ、なるほど、そういうオチか。という。
イトウさんが殺し屋で、キョウスケが男娼だった、という過去は消せないけれど、「これから」を描いていこうとする二人に幸あれ、と願わずにいられません。
『イトウさん』は全編シリアスムードに包まれていましたが、『I』はどちらかというと甘い展開。
痛い話はちょっと…、という腐姐さんにはお勧めですが、反対に言うと『イトウさん』のようなダークなストーリーを求めている方にはちょっと物足りないかな、という内容かも。
でも、『イトウさん』、そして『I』の2冊読むことで完結するストーリーかな、と思います。
子どもが性的な対象として扱われる、というシーンが割と出てきますし、I が女性と致しているシーンがちょろっとですがありますので、地雷の方はご注意を。
イトウさん、相変わらず服のチョイスが微妙。
なのが、シリアスムードなこの作品においていいクッションになってました。
ボスも、Iのことを愛してたんだよね。
ちょっとしたしぐさや目線で、そういう所が読み取れる。
ちょい胸糞なオヤジではあるのですが、彼の不器用さにちょっと泣けた。
イトウさんは殺し屋なのでこういう感想を持つのはもしかしたら不謹慎なのかもしれないのですが、イトウさんが銃を構えるシーンとかホルスターを身に着けているシーンとか、めっちゃカッコよくて萌えた…。
孤独で愛情を知らなかった二人の男たちが、唯一の存在を見つけて愛情を手に入れる。
めっちゃツボで、読んでて萌え禿げるかと思いました…。
文句なく、神評価です。
イトウさんの過去と、キョウスケとのその後がまとめられた今作。
過去話はどうだろうと思ってたんですが、この過去があってこそ、キョウスケとの出会いが感慨深いものになりました。
殺し屋として育てられ、人間らしい感情など不要とされ生きてきた『I』。
ただと殺すだけの日々の中で知りたかった愛というもの。
そんな中出会った幼い少年が、Iの人生を変えるキッカケに…。
前作で、何故イトウさんがキョウスケに固執したのか分かりづらかったんですが、今作で納得です。
イトウさんのあの表情の訳も。
愛を知らなかったイトウさんがキョウスケによって知っていく過程がとてもよく分かり良かったです。
キョウスケとのその後も、前作から気になってたから読めて嬉しかった!
キョウスケを優しく温かく包み込むイトウさん。
キツく大変な過去を、キョウスケがこれからも思い出さないという保証は無いけど、イトウさんへの気持ちを大切にどうかずっと幸せに…と願う終わり方でした。
前作がお好きな方は今作もきっとお好きだと思います。
変に蛇足にならず、『イトウさん』という物語が2冊で完璧ではないかと。
殺しがあるため物騒なんですが、素敵な愛のお話でした。
こちらの作品は「イトウさん」の第二弾ですが
イトウさん視点での「I イトウさん2」です。
イトウさん誕生からさかのぼる過去編
ですが、一巻を読まないとお話は追えないです
そして、紙本は品切れで電子書籍では手に入るそうです
ここは、紙本を増刷してもらいたいと切に願います!
一巻は黒に生える赤のポピーの絵
二巻は現実にはない青い薔薇の絵
二冊並んで絵になります❤
過去編でキョウスケくんとつながったのは
クロネコ。あと、変な柄のネクタイ。
イトウさんが愛について理解したいと思ったのは
ボスが自分を見る目でした。
そこから、一巻目につながり
記憶を失ったキョウスケくんとイトウさんが
結ばれる場面に涙、涙でした。
次はパラレルワールドで、高校生のキョウスケ君が教師のイトウさんといちゃいちゃ
そして現実に戻ってキョウスケくん「一生のお願い、指輪受け取って」
「それでずっと一生俺のそばにいて欲しい」
イトウさんの答えは
「誓うよ、君のそばにいる。最期の一日まで」
「幸せすぎて怖いよ」
こちらの作品に出会えて私も幸せでした!!
好き同士が寄り添う姿、当たり前によくある描写ですが、彼らのそれは特別でした。
過去から現在までの流れを見たあとでのあの海辺のシーン、圧巻としか言いようがない…。
お願いだから、だれも二人を分かつことなく、どうか幸せでいてくれ、そう願います。
イトウさんの奇抜なセンス、それも伏線きっちり解消してくれて言うこと無し!
大満足の続編でした。
ラブラブな様子をもっともっと見たいんだけど、
これでこの世界の彼らはエンドでも良いかなって。
パラレル設定のお話が最高すぎたので、
また別の形で、違った形の彼らを見てみたい欲が生まれました。
あと、性技に長けた設定とってもいい!!!!!!
最高でした!!!!!!!笑
余韻漂い、うっすら希望が持てる終わり方ではあったけど、辛い事ばかりだった恭介が確実に幸せになれるところを見届けたかったのでこの二巻が出て良かったなと思います。
一巻の伏線も回収されてるし、これは是非二巻セットで読んでほしいです。
二巻はイトウさん視点で殺し屋「I」として誕生し,ボスと共にどうやって成長したかという記憶も描かれています。
ボスが自分を見つめるときに、時折瞳に宿る光。その光の正体が「愛」と呼ばれるものである事を、とある一家の光景を見て知るのです。
一切の感情を持たないようボスに育てられた殺し屋「I」なのに、そして愛なんて存在しないと言うボスなのに、ボスの無自覚の愛によってその存在を知るというところが皮肉めいてて良かったなぁ。
だから、一巻で見せていたイトウさんに対するボスの執着に納得です。ボスは最後の最後までそれが愛であることを認めていないかもしれないし、自覚すらしていないかもしれないけど、間違いなく愛だったというところがちょい萌え。
そして感情もないサイボーグのような殺し屋「I」の行動原理が「ボスによる命令」だったのに、恭介と出会いイトウさんという感情を伴った一人の人間になり、ボスの命令に背き「愛」によって行動する。この過程が何より良かった〜。
一巻よりもキツいシーンが多いように感じました。恭介が5歳の頃のモブオヤジに舐められてぶっかけられているシーン、子猫のシーン、幸せそうな家族が殺害されるシーンなどなど…。
うわぁ…と衝撃を受けたのですがストーリーとして必須なので省けないし、このシーンがあるから評価が下がるというものでもなかったです。
パラレルワールドというタイトルの作品は高校教師であるイトウ先生×男子高校生キョウスケという設定のお話でして、別の世界で二人が平和に出会ってたら…という内容なのがなんか良かった。この平和な世界と本編のハードさの対比がなんだか切ない。
どんな世界で出会ってても必ず君のことを愛するよっていうところもツボだったし、ここでも「キモいネクタイの柄が気になった」とあの目ん玉ネクタイがキーになってて笑えました。
二人で見つめる穏やかな海、恭介からの指輪…泣ける。ひっそりと幸せにこのまま過ごして欲しいです。
一巻は萌萌だったけど、二巻は神!
多くのレビュアーさんが、この続編と併せて読む事をお勧めされていて。その事に納得が行く。
前半は、前作の為のプロローグにあたり、「イトウさん」の成り立ちの説明になっている。
「イトウさん」はやはり、マッドサイエンティストであるボスに、幼ない頃に拐われ、脳をいじられ、殺人兵器として育てられた。名前を付ける事は、余計な感情を生むと思われ、この頃彼は「I」というコードネームを与えられる。
I=アイ。これは後に「愛」そのものによって変わってしまう、「I=私」とも掛けられていて、アイロニカルに感じられる作りになっている。
ボスは、自身で作り上げた「I」を最高傑作だと信じ、彼なりに慈しんでいたのだと思う。
冷酷非情な彼なりに、「I」を愛していた。その瞳に漂う光を敏感な「I」は確かに感じ取っていた、という描写がある。ただ、「I」は、愛とは何か、を知らずに育った。
感情を動かす事なく、完璧に仕事を仕上げる。一人前になった頃、「I」は、一度「殺されるべき」悪い大人に性暴力を受けていた子供を助けた。何故、助ける気になったのか、当時の「I」には分からない。
初めて湧いて出た憐憫という感情。そして、その子供こそが後に出逢うキョウスケくんである。
二度目にキョウスケくんと出逢った頃、「I」は、それがあの子供だと認識している。これは 運命だったのだ、というのが何ともロマンティックで。出来過ぎかもしれないけれど、それはどうしても心を震わせる。
後は前作と同じ。事件の裏側を「I」視点を持って語られて行く。ボスの破滅への序章。
後半は、前作の数年後。記憶を失くしたキョウスケくんをそっと見守る「イトウさん」は少し歳をとっていて。キョウスケくんは、自分でも分からないけれど、「イトウさん」に好意を持っている事に気付く。辛い記憶は封印されたままだけど、キョウスケくんはまた、「イトウさん」に恋をする。
きっと、何度でも。何度でも。
なので、「Parallel World」と題された、別の世界の物語には、ホッとさせられる。
キョウスケくんは、貧しいかもしれないけど、少なくとも5歳の子供を性玩具として売る様な毒親の元ではなくて、フツーの家庭に育ち、母親に愛されて、フツーの高校生をやっている。そして、大人の「イトウ先生」に恋をしている。「イトウ先生」も、生徒に手を出すなんて、色々アウトだが、心からキョウスケくんを愛していて。それは幸せな両想いなのだ。この世界は優しくて、ずっと続いて欲しいな、って、心から願う。
そして。この世界でも、どの世界でも。2人は必ず恋をする。
描き下ろしの「Never Gone」は、それに呼応する様な、後日談。
温かくて優しくて。
本編を読み直すのには勇気がいるけども。巻末の2つのエピソードなら。何度も読み返していたい。
1巻だけ読んで合わずにやめてしまった人がどれだけいたかと思うと悔やんでも悔やみきれません。
2巻目は間違いなく「神」です。最高に切なくて愛おしくて心が洗われるような素敵な1冊でした。
もちろん1巻あっての2巻なので、できればレビューも1・2合わせてという形で表記させてほしいくらいです。
1巻の、どことなくファンタジックな展開。映画のような世界観。悪く言えば中二病の夢物語。
内容が濃いようでなんだか薄い話(正直初読了後の感想です)があの形で完結して、ハッピーエンドなのかもしれないけれどどこか消化不良を感じていいたところに!こちらで続刊の存在を知って、あの彼らのその後が知れるとなるといなや秒でポチっていました。
間違いなく2巻読了後、もう一度1巻を読み直したくなる作品です。何度でも読み直しそうです。
Iでありイトウさんとキョウスケのその後。また、出逢いの真実。彼らが彼らとその未来を取り戻すまで。
全部詰まっていて本当に素晴らしかった。
なぜイトウさんがあんなことをしたのか、あんなことをいったのか、なぜキョウスケが。
の謎が全て解けますので。是非1巻でモヤモヤしたあとに2巻で浄化されてください。
あと私は地味にボスの存在が大好きです。
イトウさんの生まれた経緯、恭介の過去が明らかとなる2巻。イトウさんとボスとの関係については、ボスからイトウさんへの矢印には愛も性的興味も含まれていて十分BLとしての要素はあったものの、個人的にはあまり引き込まれず。ただ、イトウさんが恭介に会うまでどんな日々をどんな感情で送ってきたのか、それを理解するには非常に重要な回想だったので、単純にストーリーとして面白かったです。子猫を拾った時点から、イトウさんの自我は少しずつ成長していったのかな。
そして、幼い恭介とイトウさんとの初めての出会い。たった5歳の子供だった恭介が、怯えながらも必死に小児性愛者のなすがままになるシーンは、それなりの数の性的虐待シーンを見てきた私でもかなりの嫌悪感と痛ましさを覚えるほどインパクトがありました。5歳という年齢があまりにも低過ぎるということもあるし、恭介の澄んだ真ん丸の瞳が失われるのがとても怖くて。でも、この時恭介を救ったことが、イトウさんの心に深く刻まれる出来事になったんですね。
恭介はイトウさんのことを忘れてしまっていたけれど、男娼として再び出会いイトウさんに恋をした。対するイトウさんの方も、かつて恭介を救ったことと、彼にイトウという名前をもらったことで自我が決定的に確立され、恭介の存在が特別になった。イトウさん目線で読む2人の逢瀬は、1巻とはまた違った印象で、至極温かな愛に包まれた時間のように思えました。イトウさんが常に恭介に愛を持って接しているからこそ、そう感じられたんでしょうね。
結局、恭介はまた記憶を失ってしまうけれど、もう一度イトウさんに恋をする。イトウさんが恭介の前に現れる限り、彼はその魅力を感じずにはいられないのでしょう。惹かれ合うべくして惹かれ合う2人が、とてもロマンチックでした。自分の意思を殺してきた2人だからこそ、今度こそ穏やかに過ごせる時間を手に入れて欲しいと思いました。
番外編はOPERAで読んでしまったのですが、こうしてまとめて読めるとまたいいですね。
前作だけでも良かったですが、今回の話は過去とその後の話。
こういうのって大体続編はなかった方が良かったりする場合もあったりしますが、このお話は二巻で完結という感じです。
結局、ペーパーにあったというネクタイの謎は、子猫の目でいいんですか?
イトウさんの服のセンスの奇抜さがまたいい!(笑)
前作の最後でもこれで幸せになれるのかな?という感じではありましたが、ちゃんと結ばれて良かった!
1巻のレビューにイトウさんがボスに仕込まれたのかと思うと萌える…と書きましたが、まさしくその描写がこちらにありました。
本作は"I"ことイトウさんの過去から始まっています。
組織の殺し屋として、ただ任務を遂行するだけの為に生み出された存在の"I"でしたが、ボスは無自覚に愛を与えてたんじゃないかな、と思います。
ボスもまた愛を知らずに育ったから"I"への気持ちが愛だとは気づかなかったんではないでしょうか。
愛を知らない生活の中ででも、拾ったあの黒猫に似たキョウスケに会って自然と愛するようになっていた人間らしさがイトウさんには残ってたんですね。
こんな幸せが2人に訪れるラストで良かった…って思いました。
辛い過去からのハッピーエンドで心が満たされ、癒されました。
パラレルワールドの2人もなかなか良かった。
映画の中の殺し屋と娼婦(夫)がリアルなのかもしれないし、教師と生徒がリアルなのかもしれない…とか妄想できる楽しみがありました。