nanao77
イエスノーシリーズのスピンオフである虹彩シリーズの番外編。
whoever you are(prologue)2p
なっちゃんと出会う前の竜起。
竜起からみた計と潮の関係が、竜起のような順風満帆な男から見ても魅力的なんだろうなと思わせられる一編。
whenever you are 10p
2人が出会った後の番組新年会の話。
新年会の裏方も仕事の1つな若手の竜起となっちゃんの働きぶりと共に地味にかっこいい国江田さんと設楽さんが読めます。
竜起は物語のトリックスター的な登場人物だと思うのですが、トリックスターの面目躍如といった活躍ぶり。
明るく楽しいけど軽薄なわけではない、まっすぐだけど愚直ではない、竜起の男ぶりが良いです。
Wherever you are 27p
野球のシーズン前沖縄キャンプロケの出張時の話。
なっちゃん目線で見る竜起が本当に良い男なんですよね。
フリーアナウンサーの女性とフラットに付き合うけど、でも変な噂を立てられたり、なっちゃんを不安にさせたりしないようにきっちり予防線をはる、しっかりとけじめを示す姿だったり、最初は感じ悪く敵対しているように思えた扱い辛い野球選手をまんまと落とす人たらしぶりだったり。
明るく楽しく適度にズルいけど、でも芯はしっかりしている、本当に太陽のような男です。
こういう男、意外と描写しにくい気がするのですが(海賊王設定くらいにしないと嘘くさくなっちゃうから)、このシリーズは竜起を生き生きと描いてるのがすごいなあといつも惚れ惚れしています。
そんな竜起に隠れがちですが、なっちゃんも地味にモテてますし、ディレクターとして着々と成長していてそこも魅力。
業界仕事の綺麗事ですまない面、ホモソーシャルな面もさらっと描かれていて、リアリティがありました。
私は物語にはストーリー性を求めるタイプで、さらにBLというジャンルでは、いかに良い男が描かれているかという所を重視します。
で、良い男を文字で表現するとなると、容姿や設定の描写、行動の描写、台詞が主になるのですが、容姿や設定は、素人でも盛るだけ盛ればとりあえずどうにかなるので、結局は言動をどう描くかに作家さんのセンスと力量がでる気がします。
一穂ミチさんという作家さんは、ストーリーで読ませるだけでなく、言動での良い男の表現がいつも魅力的で、なおかついろんなタイプの良い男を描いているので、読んでいて毎回楽しいです。
他の作品でも共通しているのですが、なっちゃん(受)は竜起(攻)の元気いっぱいな行動に振り回されつつも、竜起に「好き」と言うところが本当にかわいい。
既にくっついている二人ですから、「好き」は当たり前すぎて、新鮮さに欠けるはずなのに、なっちゃんが言うと告白しているみたいに胸がときめきます。
なっちゃんは愛されているとわかっていても、やきもちを妬いてしまう自分にモヤモヤして、竜起はお仕事に一生懸命すぎて女性に言い寄られているのに気づかないなっちゃんにやきもちを妬いてしまいます。
結局お互い大好きなんじゃんと突っ込まずにはいられない、バカップルな二人です。
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