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スイッチが入った瞬間に 理解する衝動がある。
sleeping bug
「3番線のカンパネルラ」で、衝撃を受けて惚れ込んだ、京山あつき先生。
次に購入したのが、こちらの作品でした。
時間がある時に、じっくり読みたい1冊。
久しぶりに読み返しました。
京山あつき先生の作品は、コミックなのに小説を読んでいるかの様になるのは、全体のストーリーと、セリス回し、決して綺麗とは言えないけど、癖になる絵柄のせいかもしれないね。
タイトルの「スリーピング・バグ」ってのからして、興味がそそられた。
主人公達の職業、エンジニアならではの、「バグ」を愛や恋愛、人生の例えとして表現している所が素晴らしくマッチしていた。
とても良い作品ですね。
ネタバレ無しでオススメしたい。
バグのその先にあったものは、素晴らしいものでした。
京山先生の空気感好きです!!!
大人のなかなか踏み込みきれない感じやバグと
恋愛を兼ねたモノローグがとっても良い。
『陰にひそんでるバグはそっとしておくほうがいい』とか
ステキだなって思います。。
194ページなんだけど、ページ数以上の読みごたえを感じる。
くっついてからの気持ちの擦り合わせ方も会話のセンスがよく、焦れったさが心地よい。
『体が溶けて、ひとつになってしまいたい』を気持ちの面で丁寧に描いてくれてるのが良かったです!
作者さんの作品を読むのは3作目くらいでしたが、本作は作者さん"らしさ"が炸裂していたように思います。
静かに始まり、その熱量がジワりジワりと上がってくるのが良かったです。
本郷に恋愛のような、そうでないような感情を抱いている潤野が手に入らないだろう本郷をあるきっかけで手に入れられてしまいます。
そこからお話が動き出すという展開。
ずっと側にいて欲しいけど、セックスしたいんじゃない潤野と、一緒にずっといるならするでしょうよっていう本郷。
交わらない気持ちがもどかしい。
何故潤野はしたい気持ちにならないのかと疑問でしたが、案外簡単な事でしたね。
確かに本郷の気持ちってそれまでハッキリ分かってなかったかも。
一つになりたいと思いだしてからの潤野の渇望が凄くて、動作し始めた情熱がフル活動なのが良かったです。
いきなり入るのもまぁ良いのですが、ゆっくり開発パターンもいいですね。
萌えという点ではやや控えめな感じの作品かなと、評価は萌にしました。
人間の頭のなかは開けてみることが出来ないし、どんなメカニズムでその行動をとるのか明確にわからない。その部分をプログラマー目線で描かれた奥深い作品でした。
殺伐とした職場の雰囲気や良い感じのオタクっぽさ、それ故の仕事への熱意などなど、臨場感がすごかったです。
潤野の恋愛プログラムはバグがあったわけではなく、動き出すにはある条件を満たす必要があった、ということなんでしょうね。
本郷に対してベタベタしていくところが今までのクールさからのギャップで可愛くて萌えました。
おもしろい!
恋愛がわからない潤野(バグと解釈)でも本郷のことが好きで一緒にいたい。
でも体の関係はいらない。
本郷は一緒にいるならセありき、なければ1人でいるのがいい。
恋愛、体の関係、一緒にいるにはどうしたらいいか…等がじっくり描かれていた。
正直、途中ちょっとめんどくさかった部分もあったけどw
終盤、潤野が本郷に好きと言われプログラムが動作し始め、くっつきたい、心の底から合体したいとなる変化がいい。
それがまたすぐにではなく、何日もかけて慣らすのもいいw
そして合体し、めでたしではなく「合体したらますます淋しくなった」の後の2人の会話、ラストもよかった。
2人がセについて現実的に会話するのもおもしろい。
本郷が「潤野のtnkもtmも…若くて可愛らしくて…」と言うの笑ったww
「それをオッサンのanlへどうぞとは…」と続くんだけどw
「ヘブンリー〜」でもあった「くっつきたい」の描写が超好み。
くっつくまでの過程も型にはまらず、それぞれ考えて自分たちなりの関係をみつけるのがいい。
◾︎本郷(先輩)×潤野 エンジニア
恋愛感に関するお話でした。ボーイズ"ラブ"作品はどれもラブなんだから恋愛感のお話だろってのもそうなんですけど、もう一歩踏み込んで恋愛を解釈するお話です。
自分の感覚と近しいところもあり、全くとなるところもあり、とても面白い。
そこに関心の薄かった潤野が、ひとつになることを切望し、本郷に丁寧に丁寧にしてもらった後は、毎日のように求めるという展開が好きです。中に入りたい、内臓をくっつけたい。
潤野は恋愛に限らず、仕事についても本郷から新しい価値観を得ているので、500万は安いお買い物だ。人生の伴侶でありたいと思えたなら素晴らしい。
バグだの仕様だの言う彼らが、とても彼ららしくていいです。同じチーム内でしか使えない共通言語でつながっている。
ネコミミさんもいいキャラ。
この作品独特の雰囲気がすごく好きです。きっと、キャラクターの台詞回しなどから溢れている魅力なのでしょうね。
受けの潤野くんですが、本郷さんの言葉を借りるならちくびもちんこも若くて可愛い20代の男の子です。SE男子、萌えます。
話の序盤では、好き=セックスの本郷さんと考え方の違いからいろいろ悩む彼ですが後半は合体したい合体したい合体したい...と攻めにせがんでいる姿がとても可愛く愛らしかったです。
攻めの本郷さんは潤野くんにとって憧れの先輩...でも借金を抱えて音信不通になってしまいます。その後、俺にできることならなんでもするよ的なメールを潤野くんが送り、ドローンを預かってくれという話になります。そこからなんやかんやでいっしょに住み始めるのですが...好き=セックス問題に直面。でも潤野くんにもっとくっつきたい欲が芽生え解決。
食えない大人という印象のキャラクターでしたが、借金背負って受けの家に転がり込んで...ちょっとダメンズですよね。
でも本郷さんと再会してからの潤野くんはとっても楽しそうなので、それでいいんだろうなと思うのでした。
やっと読みました^^;
とてもよかった!すごく好きです‼︎
最初、二人の恋愛プログラムはぶっ壊れてる?と思いましたが、
実は壊れてるんじゃなくて作動してないだけ。
後半一気に〝ひとつになりたい〟という甘美なテーマに突入していきます。
上司の本郷が気になっている潤野ですが、借金を抱えた本郷を500万で買うところから同居生活スタートです。
一緒に住むならセックスしないと気が済まない本郷と、
気持ちの方を重視する潤野。
潤野はプラトニックを望む男なんだなぁ〜と思っていたのですが、実は恋愛プログラムが作動していなかっただけ。
潤野が望んでいたのは、愛あるセックスなんだと思う。
恋愛プロブラムを作動させる呪文は「好き」の一言。
潤野って、自分を恋愛欠陥品みたいに思ってるけど、本当はすごく一途で強い執着心の持ち主だと思います。
一度好きになったらその人と離れたくないし、離したくない。
一日中くっついていたような恋愛脳の人なんじゃないかな?
前半と後半のギャップが凄かった!
そして、本郷……
本郷は、恋愛=セックスなんだろうな。
そういう仕様なんだと思う。
でも、そこに愛がないかっていうと、それも違う気がする。
なんとも理解し難いけど魅力的な男でした。
二人でじっくり準備して、やっと体を繋げて……
でも、それでも不安で……っていうのを、これから時間をかけて混ざり合って行こうっていう結論に結びつける。
ここがすごく好き。
パートナーなんて、一朝一夕で出来上がるものじゃない。
生涯かけて一緒に関係を築き上げていくんだっていうラストが、
甘くて愛しくて本当に良かったです^^
前半のサッパリした関係から、後半のべったりくっつきっぱなしの関係への変化が自然で素晴らしかった。
大きな男二人がべったべったにくっついている様子が可愛くて、
ニヤニヤが止まりませんでした。
すごく良かったです!
京山あつき先生は初読みなんですが、好き~!ってなりました。
途中まで、これいつくっつくの?と思ってましたが、本郷さんの「好き」の言葉を聞いてからの展開が、気持ちが溢れるの止められない感じでとても良かったです。
恋愛がなんだかよく分からないという潤野の気持ちには、すごく共感を覚えました。BL漫画という恋愛作品のレビューをこんなに書いてきて今更言いづらいですが、私も未だに自分の恋愛スイッチを見つけられないでいます。心から好きになった人と結婚して幸せな家庭を築きたいというありふれた理想は常に持っているけれど、じゃあ今から恋しましょうと言われたら、正直面倒だし興味ないなって思ってしまう。理想はあるのに、現状はあまりにも淡々とした日々の連続で。潤野の場合は、先輩である本郷に漠然とした好意を持ってはいるんですが、それが彼の中で恋や性欲に直結しないのでかなり時間をかけて2人の関係は進んでいきます。
中盤で弱っている本郷を一旦手中に捕らえてしまうことで、彼を失うかもしれないという恐怖を感じるようになる潤野。そして、潤野のずっと一緒にいたいという気持ちと、本郷の一緒にいるなら体の関係もという気持ちは少しすれ違っている。ちょっとしたイレギュラーと互いの本音を晒したことにより、今までのふわっとした本郷への想いが急激に濃くなって潤野の心を占めていきます。本人の中ではきっと、恋だかなんだか定まらないうちに、自分の感情が突っ走っている感じだったのかなぁと。心に頭が追いついてない、みたいな。それこそまさに恋と呼べるものなんじゃないでしょうか。そうやって自分の恋愛スイッチを見つけられた彼が、羨ましいなぁと思いました。2人の気持ちの変化の理由が若干分かりにくい部分もありましたが、あまりない切り口の作品だったので新鮮でした。
カンパネルラが良かったので
久しぶりに読み返してみました。
うーむ…
2度目を読んでもやはり第一印象とは
変わらなかったかな。
私恋愛に限らず物事を「しない」事に
もっともらしい理由をつけてぐるぐるしてるキャラがあまり好きではないのかも?
うーん、でもうじうじぐるぐるしてるキャラ嫌いではないので、作者さん限定かもしれません。
カンパネルラやすのーふれーくすのような
揺れまくっているけど恋にエロに貪欲な
主人公が好きなので。
今作は少し私にはわかりにくかったデス…。
自分の気持ちをIT用語?に例えていた
のも今一ピンと来なかったかな。
主人公のそういった思考の全てに
「恋愛すれば変わるよー」って
バッサリ言ってしまいたくなるというか。
結局最後セックスセックス…ってなっていたし、
上司の恋愛観やえっそんな簡単に男でもいいの?
って違和感も消えなかったし。
残念ながら今作とは相性が今ひとつでした。
読解不足な点もあるとは思いますが
自分の感覚です、すみません。
このあらすじの文が本当、ドンピシャ。
好きがセックスに繋がらなかった受けが、骨の髄までとろけて合体したいとまでなっていく過程がじっくり丁寧にに描かれております。
作者の描く人物像だったり、仕事や日常の風景、会話やり取りの一つ一つがリアルで、とても話が自然に入ってくる。
徐々に甘々になってく感じがもーたまらなく良い!
個人的に帰り道にくっつきながらスキスキ言い合ってるシーンがすごい好き。
表紙から、もっと淡々とした内容を想像してただけに、予想以上の萌でした。
作者さんの作品大好きなのでちょっと甘めかもしれませんが、とってもよいです!
プログラマーの若手潤野と、その上司本郷。
飄々として何にも執着してなさそうで、純粋だけど現実的な若者、潤野。そんな潤野は、仕事ができて気さくな上司、本郷を慕っている。
本郷さんは恋愛に興味がなくて、何人もつきあうけど適当にしてきた身。ドローンが趣味で、ひとりが一番いいとうそぶく。なんか、こういう人ってかっこいいんですよね。ほんとに。
二人は仲良しで、残業を手伝ったり、ラインをやりとりしたりと、会話が自然な感じで空気感がとてもよいです。
潤野の方は恋愛だと意識してないけど、本郷が職場を変えて事業に失敗したときに、本郷を見つけ出し、自分の貯金をはたいて本郷を”買う”という。一緒に暮らすようになった二人。だんだん自分の気持ちに気づく潤野。繋がりたいという欲求が自然にわき起こる。
一方、本郷も、いつもそばにいて自然な存在、好きな人として潤野を受け入れる。たぶん、潤野より早い段階で意識していたんじゃ亡いかな?
ゆっくり、でも着実な二人の世界がとても素敵でした。
前作「ヘブンリーホームシック」に引き続き、「好き」と「セックス」についてじっくりとことん考えるお話です。(あとがきによると、前作に登場する「体がとけて ひとつになってしまいたい…」というセリフが今作の元になっているそう。)
さらっとして見えて、実は腰を据えてめちゃくちゃつきつめてます。
本郷は「好き」の先には当たり前に「セックス」がある人。
潤野は「好き」と「セックス」が直接的には繋がらない人。(性欲がないわけではない)
“直接的には”とあえて書く理由は、それがこの作品で読める一番大事な部分だから。
人間はパートナーが欲しくなるようにプログラミングされてる
それが動作しないのはバグなんじゃないか
合コンだなんだと騒ぐ同僚達を傍目に、どういうのが恋愛の「好き」かピンとこない潤野は自分はバグってるんだ…と考え始める。
その一方で、本郷と「ずっと一緒にいたい」と思ってる。
はたから見れば、別に潤野はバグってなんかなくってちゃんと動作してるよね?って感じなんだけど、潤野の「ずっと一緒にいたい」の先にはセックスがない。
その感覚が理解できない本郷は、その「好き」は「憧れ」なんじゃないの?と言う。
有り体に言うなら、潤野くんは恋愛偏差値がめちゃくちゃ低いのです。
「好き」と「セックス」の間に相手からの『好き』って言葉がないと両者が繋がらない。
プログラミング的に言うなら、プログラムを走らすにはステートメントが必要だったというわけ。
あらすじ的になんていうかもっとアロマンティックのお話を読めるのかなと思って読んだのですけど、意外とあっさり分かりやすい着地でした。
ここは正直ちょっと拍子抜け。
恋愛プログラムが走り出した後は、湧いて湧いて止まらない「お互いの内臓と内臓をくっつけあってひとつになりたい」という欲求。
時間をかけてゆっくり合体を目指す2人が良かったです。
それが満たされたら次は「もっとひとつになりたい」という欲求。
どうしたらもっとひとつになれるのかな?と考える。
ラストは「なるほどね」と思いました。
作品としては間違いなく良質・良作だと思いますが、そのわりに萌一つなのは、自分の理想の恋愛≠ひとつになりたい、なんだろうなと。
京山さんが例えに出している「コーヒーにミルクを注ぎ続けると、コーヒーはどこまでコーヒーの意識を保っていられるか?」が分かりやすいけど、私にとってはミルクを少し足してブラックとは違うコーヒーの美味しさを引き出せるのが理想なので。
【電子】シーモア版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし
草食系男子・極み!みたいなうるのくんが、ひたすら感情をプログラムとして解明しようとしていくのが面白い!
恋愛感情はデフォ、自分はバグでシステムエラーが起きてるというところから、最終的には立派なリア充に!!オメデトウ!
本郷さんも大概バグってますが、ふたりとも着地点が一緒になってよかったです。
大学時代のインターンから、就職、会社の買収、起業待ち、本郷さんとの空白の期間、絵柄と同様、すごく淡々と時間が流れているようで、ふたりの言葉遣いや距離感から親密になっていってる過程がうかがえるのも素敵です。
好き、一緒にいたい、という気持ちを理解する上でところどころで出てくる童話的ハッピーエバーアフターの絡め方も「なるほど!」と唸ってしまう秀逸さ。
お姫さまはプロポーズされたから王子様と一緒に生きていくと決めたんだといううるのくん。
対する本郷さんはキスありきで、それを踏まえてのプロポーズだから決め手になるんでしょう、という見解の違いをさらに理解するために、本郷さん視点の話も読んでみたいです。
あっさりしているようで、実はすごく深い。
感情という曖昧なものを、プログラムとして理論的に解き明かすみたいなストーリーは何度か読んだことがあるけれど、ここまできれいに成功している作品には初めて出会えました。
この人は人を好きになったりするのかな?と謎な人いますよね。
今まで人を好きにならなかった潤野くんが、職場の本郷さんを気になり始めます。恋愛って何だろうって疑問形の潤野くん、、そんな潤野くんに合わせて寄り添う本郷さんは大人です!ゆっくりゆっくり時間をかけて。
個人的には、本郷さんが潤野くんをどれくらい好きなのかもっと知りたかったかな。潤野くんをとても大切にしているところから伝わってはくるのですが…いい人過ぎて、もっとドロドロした内面の部分も書かれていたら神でした。
じっくりゆっくり読みたい一冊です。
ヒトの本能って? 恋愛って? 性欲って? そんな根源的なことをさら〜っと、淡々と描いた作品でした。
割と感情薄めのポケーッとした主人公が、気になる先輩への思いが「恋愛」であることを自覚して、人が「恋愛」をしたら、なぜくっつきたくなるのか、「性欲」ってなんなのか? そういうことをひとつひとつ噛んで含めるように、自分の気持の変遷をプログラミングに例えつつ言語化・体験していきます。
つながりたい・混ざりたいは…、ベターハーフを求めるアンドロギュノスの寓話などでも語られるヒトの根源的な欲求。恋愛感情が「子孫を残すため」だけのものだとしたら、「異性間以外にも恋愛感情は生まれる」ことは説明ができなくなりますが、こう考えると説明できるわけで。
時間をあけて、もう一度読み返してみよう、と思える作品でした。
ああっ!
これよ!
こんなお話しが好きなの!
こうやって、ゆっくり、ゆっくりと、恋とは、恋愛とは何かを探っていくようなお話。
「一緒にいたい」からの、その先へ進むための手掛かりを探して、ずっと探し続けて、ようやく見つけだす。
見つけてみれば単純な言葉だけど、その言葉一つで回路がきれいにつながって、次々と扉が開いていく。
更に、いざセックスとなってからも、すこしづつ慣らして(開発して)行く期間をちゃんと心の揺れと一緒に描いていく展開も好き。
この、あっさりさっぱりした絵柄も、登場するキャラクターたちにすごくあっていて好き。
白背景にシルバーの文字っていう、ほぼ無彩色のカバーデザインも、内容にとっても似合っていて好き。
読んで、密かに感動を覚えています。
こんな性欲の描き方があるんだ。
いや、この描き方で、性欲が「性欲」に見えなくなった。
くっつきたい、くっつけたい。
セックスってそんなに大事?って言ったその本人が。
『体が離れてることが苦痛で…』となる。
この「恋」という名のプログラム発動が凄い。
いや、恋の衝動をプログラムの発動という言葉で説明する、という発想が面白いですね。
恋愛行動に興味を抱かず、バグだ、と言われてた潤野だけど、スイッチが入ったそのあとはまるで必然、筋書き・プログラム通りのようにいつも一緒にいたい、触りあいたい、合体したいとなり、その先、もっと満たされて混ざり合いたい、となる。
エロとは一味違う、身体そのもので感じ合う快感。それを0と1の世界の言葉で語る。こういう切り口が出てきたことが面白い…
どこか感情的な機能が固まっている そのような印象がある不器用さん二人の
優しいお話です。舞台は小さめな印象のIT会社。
エッチシーンがつがつ とかでもないし、激しい何かがあるわけでもないけど
くっついていたい、つながりたい と思うまでの気持ちを
とても丁寧にあぶりだしていて、じわわーんときました。
いつまでも味が出そうな本です。
構成は、onBLUEに掲載された8話を加筆修正したもの
+あとがき1p+おまけ1p。
登場人物は以下のような方々。
潤野:19歳インターンシップで行った小さい会社に就職。本郷に懐く。
恋愛興味なし、夢なしな人間。5年後、会社が買収されたが、
そのまま会社に残る。優秀なプログラマーさんの模様。
本郷:最初24歳。潤野を受け入れた会社の社員。イケメン。ドローン好き。
潤野を目にかけていた。恋愛は長続きしていない。
プログラムを触ってないと自分が成り立たない感じがするらしい。
途中で転職していたが、転職先の借入金の共同名義になって
連絡が取れなくなる。
先輩:いつも猫耳を装着(要は変人)。
魔法使い寸前らしく、彼女がほしくてしょうがない状態。
眼鏡やせ型、イケメン本郷を目の敵にしてる(笑)
その他女子1名が解説役みたいな役どころで、
最初の会社代表が本郷の借金関係で 出てきます。
借入金の共同名義人になるなよ、ありえねーだろ と思ったり
いや ゲイそのものに対しての抵抗はなかったんかい と思ったりしますが
徐々に寄り添っていく二人の想いがとても素敵で、きゅうきゅう胸が
締め付けられて、本当に良かったです。
ヘブンリーホームシックがお好きだった方には、
間違いなくオススメできます。。。
大好きなセリフを一つ。このシーン、絵も素敵でした。
「お互いの内臓と内臓をくっつけあって ひとつになりたいんだ」
それと猫耳先輩が思いっきり笑わせてくれました。面白いキャラです。
大学生の潤野くんはインターンシップに入ったプログラミング会社で先輩社員の本郷さんに「ちゃんとした恋愛を面倒くさがって手っ取り早くヤろうとするからこういう問題が出る(潤野くんはちゃんとした恋愛をやりなさいね的な意味と私は受け取った)」と言われ、『ちゃんとした恋愛…してんのかな…大人だもんな…』と思うエピソードから始まります。
で、「ちゃんとした恋愛」ってなんなんだ?というのを潤野くんが探していく、潤野くんが探していることに気づいた本郷さんもそれを考えていく、という話ではないかと思います。
本郷さんに思慕の様な想いを抱いている潤野くんは本郷さんと同じ会社で働き続けますが、本郷さんは友人に誘われ別会社へ。経営の失敗で多額の借金を負ってしまいます。500万円(多分潤野くんが出せる上限額なのでしょう)を貸すという提案を本郷さんに断られた潤野くんは言っちゃうんです。「オレ本郷さんを買う500万で」「ヨシ売った」
ここから一気に「お約束展開」にならないところが面白い所だと思うんです。
好きという気持ちがあっても、別に本郷さんと体をつなげたいと思っているわけではない潤野くんに本郷さんは「ただ一緒に住むとか…オレはムリ」と言われてしまいます。
恋愛感情を持っているのならば体の関係があるのは当然のことで、そのスイッチが入らないのはバグなんじゃないかと同僚に言われ「『気持ちだけ』はちがう?」と本郷さんに問いかける潤野くん。
これはせつない。私基準で今年最大のせつなさだった。
すれ違っていることを感じつつ、カラダと気持ちについて真摯に話し続ける二人は、互いに対してとても誠実で胸が熱くなります。この真摯な態度から「魔法の呪文(これはネタバレやめときます)」が導き出されるくだりはとても感動的!それが解れば、総てが解るというあの感じが見事に伝わってきて、年甲斐もなく恋愛が人生の重要課題であった頃を思い出してしまいました。
今、恋愛が人生の重要課題である方も、もうそれは過去のことだわと宣っている方も、恋について考えるタイプの方であれば、多分面白く読むことが出来る一冊だと思います。
「好き」と言う気持ちと真面目に向き合う二人の姿がしみじみと胸に染みます。スローテンポで、それでもしっかりと構成されている世界観が、京山さんらしい一冊。華やかな絵とキャラクターの魅力でドキドキハラハラさせるBLではないので、渋好みの方でないと難しいと言うか、ツボにはまらない方は全くピンと来ないのだろうなぁと思いつつ、いきなりギュン!とバロメーターが上がらないので、これから何年先でも読み続けられ、飽きが来ない、貴重な一冊かと思います。
今作は、身体の結びつきと恋愛感情について、答えを求めて悩む二人の姿がメインに描かれ、IT業界の無機質で機械的な世界と、人間としての感情が対比として浮かび上がり、テーマとテンポと、よく合っていたと思います。
恋愛経験が乏しい潤野くん(受け)が、攻めと寝てから「もっとひとつになりたい」と焦る姿がとてもいじらしかったです。じりじりとしたもどかしさが伝わって来る、ある意味王道のラブストーリーでした。あと、表紙のデザインがシックでオシャレでした!