凪子の話

nagiko no hanashi

凪子の話
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神112
  • 萌×225
  • 萌10
  • 中立9
  • しゅみじゃない22

--

レビュー数
25
得点
699
評価数
178
平均
4.1 / 5
神率
62.9%
著者
後藤 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
価格
¥760(税抜)  
ISBN
9784813031383

あらすじ

真面目で品行方正な海原和也。
派手で少し軽いところのある山治浩平。
幼なじみで親友のふたりは、高校でも目立つ存在だった。
和也と初めて会った瞬間、凪子は彼に恋をしていた。
だから、彼の幼なじみの浩平が
和也に恋していることに気づいてしまう。
そして、和也を好きだからこそ、
彼の心が誰を想っているのか気づいてしまう。
交差する想いの行方は……

表題作凪子の話

レビュー投稿数25

怖い面もある

女子中心なのはタイトルで示されていたので、凪子視点なのはBLへの伏線だと思って読みました。

凪子がやさしく健気でいい子だけど、自分のエゴを貫いて、罪悪感から「ごめんね」と言い、和也の思うようにしてほしいと書き残す。
私はこういうのがいちばん怖いんよな〜とずっと思ってしまいまして。ひねくれているからかもだけど。
一見善人で常識人だけど自己中で周りを傷つける。
凪子が偽善者に見える時があって。あの笑顔に隠された本音が見え隠れするから。それをわざとああいう笑顔に描かれているんだろうなと。
や、本音を隠すのは悪いことではなく普通なんだけども。

回想の場面が長く、コマ外が黒いのが不気味で。
3人とも笑ってはいるけど目の奥が笑っていないのも怖くて。
残酷な話よな。これも人間よなと思いました。

かわいい絵柄で無垢な笑顔が並び(逆に怖い)祖母の狡猾さとか、善人に無自覚に潜む陰湿さを描かれるのがお上手だなと感じます。

最後の最後にやっとBLぼくなって、これが見たかったんだけど、それまでが長いのは、作家さんはタイトル通り凪子の話を描きたかったからだろうと。
凪子がいなかったら逆にくっつかなかったかも…てことでもあるんかね。

ラスト、浩平が
「俺ばっかりお前をこんな風に一人占めして 凪子ちゃんに怒られないかな」
「どうなんだろう」←
「やっぱ凪子ちゃん怒ってんのかなぁ…」
「そうかもな(笑)」←
和也、そこは否定するとこではー?!とツッコミました。ボケで言うてはるの? からかってるの?

0

大切で美しい

ひとり対ひとりの恋愛のお話ではなく
その結末に辿り着くまでの長い道程を
3人それぞれの目線で描かれているというのが斬新だなと思いました。

浩平、和也、凪子、誰の目線になっても切なく苦しい部分があり、それぞれに葛藤もあって
想いが強くなるほどにその切なさも増すので読んでいて辛いところはたくさんありました。
でもそれだけではなく、辛さと同じくらいの幸せを彼らは確かに感じていたんでしょう。
好きな相手と両想いになることがゴールならば、もっと脆い関係だったかもしれない。
そうならなかった彼らの絆を感じられるお話だったなと思いました。

0

良かった

面白かったです。

賛否両論ありますが凪子が死ななかったら、この男子二人は確実にくっつかなかったと思います。凪子が死んだ上で二人に一緒になって欲しいと背中を押したので、やっとこさ腹を括れたのかなと。
凪子が死を理由に結婚を迫るって所で、個人的には凪子は自分の罪を十分理解して苦しんでいるように見えたし、なによりやはり死期を分かっている者にしかわからない苦しみがあると思いました。
あと凪子に対しての気持ちは恋じゃなかった、と作中で言い切ってるのも良かった。ここでちょっとでも凪子に恋心があった….となればあまり受け入れられなかったかもしれないけど、そこはブレずにBLしてくれてて安心しました。

ただ1つ気になったのが作画です。絵柄も大変素敵で折角画力も申し分ないのに勿体無いな、と思ったのがキャラの省略顔が多かった所。ほぼほぼ1ページに1コマ、多い時は2コマ、主要キャラがモブ顔、というかのっぺりした顔に目がチョンチョンな描き方になってしまったので重要なシーンでも感情移入しづらくなってしまいました。作者様のクセなのかもしれませんね。
全体的にはまるで1つの映画を見たような気分で、とても心に残る作品となりました。かずやとこうへいくん、幸せになってや!

1

秋穂ちゃんも可愛い

評判がよくて、かつ実写化するということで気になってたこの作品。BLに女性が絡むのも嫌いではないけど、結果凪子に想いを寄せられなかったのでハマれず。
凪子が悪い人間ではないのはわかるが、自分が死ぬことが分かっていて、今付き合ってるわけでもない男に結婚してほしいと言える根性が、どんなシチュエーションであれ私の好みではなく。これはもう仕方ないことです。自分の人生があと2年で終わるからと、人生を既に誓い合った仲でもない男の人生を奪う形にさせるのは酷いと、少なくとも私は思う。その男が優しいから拒まないと知っているならより一層。

一方でBL部分を取り出した時の和也と浩平の関係性や幼少時代のエピソードはとっても好きでした。祖母や崖の怪我のくだりなど。幸せになってほしい。

中立〜萌

3

少女漫画とBLの良いところを取った感じ

今の気分が「泣けるBL・エロなし」だったので、その観点からちるちるのレビューを探して見つけました。随所随所に泣ける要素があって私が期待していた話でした。
ただ、男性同士の絡みが萌かというと微妙かなと思い、神にはしていません。BLというより青春ものだったような気がします。でも、すごく良い話なので「女が出てきた時点で地雷」「BLは男同士の絆の話じゃないと無理」という方でなければ一読していただきたいです。少女漫画のような、BLのような・・新しいジャンルに出会った気持ちになると思います。

以下ネタバレになりますが、BLとしてはハッピーエンドです。
凪子は最後までモブ女ポジションを貫き、個人的には彼女が望んだハッピーエンドでもあったのかなと思います。私も女キャラは基本地雷ですが、凪子の人間臭さやずる賢さ、罪悪感には共感できました。結果的には捨て身のキューピットだったと思います。
ちょっとしたことが恋のきっかけとなり、学生時代の思い出が積もり積もって愛情に変わる場面が丁寧に描かれていて良かったです。疲れた時に読み返したくなる話だと思いました。

2

3人が出会えて良かった

 表紙とタイトルからとても気になっていた作品でした。唯一女性である凪子がどういう風に絡んでくるのかなぁと楽しみにしていましたが、苦しさや悲しみが色濃くて、胸にずっしりと残る読後感でした。誰が悪いわけでもなく、誰が鈍感なわけでもない、不毛で息苦しい三角関係。それでも、この3人が出会ったことは、出会わなかった場合よりもずっと3人それぞれの人生を豊かにしてくれたことは間違いないだろう、と私は確信を持っています。

 近しい関係になればなるほど、打ち明けるのが難しくなっていく想い。凪子や浩平ばかり苦しんでいるようにも見えますが、早い段階で諦めたらしい和也も、彼らより幼い頃に気持ちを封印しようとしたのはとてもしんどいことだったんじゃないかなぁと思います。一番傍にいる存在を諦める、絶望。2人に想われた和也は、けっして2人より幸せだったわけじゃないと思います。かといって、浩平も和也も同情や薄っぺらい気持ちで凪子と共にいたわけではなく、2人とも心底凪子の存在を愛していたのはこの作品における救いでもありました。苦しいばかりじゃない、3人で築いた思い出は本物で、幸せな青春だった。浩平と和也のその後をもっと見たいなと欲が出ましたが、この終わり方も余韻の残る悪くない締めだったと思います。

0

買うべき!

ほんとによかったです!
3人のお互いが大好きだって感じが伝わってきてよかった

0

優しくて切ない

BL的には中立かと迷ったけど、お話の構成や凪子を始め3人の想いは神評価。朝っぱらから読んで涙腺も思考も大変なことになりました。

幼なじみで親友の2人と素朴な女の子(凪子)、三者三様、今の関係を壊したくない、相手の幸せを思って伝えられず切なくて苦しくて苦しいっ!!BL的萌は少ないけど、胸いっぱい。

冷静に考えると凪子はずるいような….あの状況じゃ絶対断れないでしょ。けど、これまで壊したくなかった関係や航平の気持ちを考えると勇気のいる事だし、凪子の行動がなければ2人の気持ちも動かなかっただろうし、でも…ってグルグル。和也→凪子の愛はなんだったんでしょう。loveなのかlikeなのか…滋味深い愛?ふとした時に泣いてしまうほど大切に思ってた気持ちとそれでも航平が好きという気持ち。なかなか理解するの難しい。

pixivにたくさん小話あって、和也と航平の寄り添う気持ちやイチャイチャにはトキメキ、3人の友情には癒されました!ただ、凪子の友達が葬儀の後に「凪子は和也に愛されてたんだね」って話すシーンはちょっとモヤモヤ。和也から凪子への愛はLOVEではないのにそう思われてるのが。(と勝手に私が思いたいだけなんですが)
噛み締めれば噛み締めるほど胸がぎゅーーーとなる作品でした。

2

再読してまた泣いた

個人的にはBL漫画で女の子が絡んでくるお話は嫌いじゃないです。
どうしても女の子が出てくるのは嫌だという方にはオススメできない内容です。
所々に女の子が出てくる話はよくありますが、こちらはがっつり凪子目線で前半が語られますので。
死ネタやバドエン(こちらはハピエン寄りのメリバ?)はあまり好きではないのですが、たまに泣けるBLを読みたい気分になる時もあって、選んだ作品でした。

幼なじみの和也と浩平に、高校から友達になった3人の隠れた三角関係。
同じ人を好きだから、その視線に気づいてしまうって事ありますよね。
大人になっても付かず離れずでやってきた3人でしたが、凪子が不治の病に侵されていることを知り…というお話です。

初めて読んだ時はもちろん、再読する度泣きます。
3人のどの目線になってもせつなく、辛い気分になります。
最終的に和也と浩平は想いを伝えあってハピエンなので救いはありますよ。

1

考えすぎて、ただただつらい

しんどいです。
読み終わってから、読んだことを後悔した作品は「苦いのテーマ」以来。

6才からずっと一緒だった浩平と和也。
高校で2人と知り合った凪子。
3人の想いがそれぞれの視点で描かれたのち、現在へと話が繋がっていきます。

誰も想いを告げない、告げて終わりが来るよりもただ一緒にいることを願う。
その均衡が崩れる出来事があって、物語が動いていくわけですが…。

男子2人に女子1人という構図は「モアザンワーズ」を彷彿とさせるような。
それ以外でも以前にこういう設定の作品を読んだことがあったのですが、タイトルは忘れてしまいました。
命の期限を切られた側が一歩踏み出す場合、その願いを叶えないという選択肢はもう用意されていないに等しいんですよね。
それで誰を不幸にしようとも、ただ最期の時間はしあわせでありたい。
そう願って行動に出たはずの凪子が、病床で友人2人それぞれに「ごめんね」というのがつらすぎて。
でも凪子の決断がなければきっとその後もなかったはずで、結局凪子ありきなんだけれども、どうしても蟠ってしまう。

うーん、つらい。

作品を読んだ後に「どういう選択をしていればベストだったのか?」といつまでも考え続けてしまうのは、本当にしんどいです。
どのキャラクターの気持ちも分かる。
みんな臆病で、踏み出せなかった。
踏み出したひとが違ったら、全く別の未来があったはずで、浩平と和也のどちらかが踏み出していたとしても凪子を支え続けたとは思うけど、踏み出さなかったんだろうなとも思うし、凪子が踏み出さなかったら、やっぱり何も変わらなかったんだろうと思うし、ここまでいろいろ考えさせられるとは、しみじみプロットの妙だと思うのです。

萌え、という杓子で測れる読後感ではなかったので「中立」を選んでしまいましたが、BLという括りではなく、良質の小説を読んだ後のような気持ちになりました。
ただ、3人それぞれに感情移入しすぎてつらい。
感情移入過多な方は心の準備を十分にしてから、入り込みすぎないようにお読みください。

7

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