鬼は笑うか

oni wa warauka

鬼は笑うか
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神132
  • 萌×238
  • 萌23
  • 中立11
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
22
得点
892
評価数
209
平均
4.3 / 5
神率
63.2%
著者
木村ヒデサト 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784864422437

あらすじ

平凡な中学生・星谷は、クラスで浮いた存在の柏瀬と男性体育教師の情事を目撃してしまう。それ以来彼が気にかかる星谷だが、ある日体育を見学していた柏瀬にふいに接近した折、「俺は今生理なんだ」とからかわれ―。世界の理不尽と大人の身勝手に翻弄されながらも懸命に寄り添う少年達の愛の形を描いた実力派・木村ヒデサト渾身の一作。

表題作鬼は笑うか

星谷光一,平凡な中学2年生~
柏瀬ゆたか,浮いた存在のクラスメイト,中学2年~

その他の収録作品

  • sequence
  • カバー下:漫画

レビュー投稿数22

素晴らしい作品だわ。

「マリアボーイ」で、衝撃を受けて大好きになった木村ヒデサト先生。
この物語・・・途中まで、痛くて苦しかったなぁ・・・。
最後、甘々なハッピーエンドが読めて良かったよ。

これ中学生2年生から、大学生までのお話なんだね。
2人の出会いから、14歳から20歳位?
おおよそ6~7年かぁ。

一般家庭で育った、普通の男の子な星谷。
異常な大人に囲まれた、柏瀬。
対極な2人が、交わって行く流れが素晴らしいと思いました

柏瀬のネグレクト・虐待・教諭からの性的暴力。ただ、1人で耐えるしかなかった日々に、
星谷が1つの希望になる。
幼いながら、一生懸命考えて〜2人でいる事の意味や理由を探していく様子に心打たれたな。

タイトルの「鬼は笑うか」の意味がわかりませんでした。ことわざからなんだね。
意味を調べたよ!
これで、ガッテンがいったよ!

素晴らしい作品でした。

0

救われた…(私が

文句なし神です


序盤〜終盤にかけジェットコースターみたいな展開が続いて(省略
最後の最後一緒にいる理由がなくなるからと一緒にいるための理由探しのために妊娠検査して、もちろん結果は陰性で…世界を変えたかったけれどそんなことできなくて、二人の関係性に未来なんてないと二人とも思っており、一緒にいる意味を探したいけれど見つからない。

で終わりです。え?え?
えーーーー!?すごいところでおわった
どうなってるんだ!!
と思っていたら、よかったーーーー!
鬼大爆笑 こちらも爆笑、そしてあんな終わりだったからどう転んでもおかしくなかったので、ラブラブな二人をみて泣きそうにもなった
二人はあれから一緒にいる意味を見つけることができたのか、と
最後の最後に救済された…
本当によかった。色々考えさせられるとても素晴らしい作品でした。

1

読んだら忘れられない作品

読んで吃驚。「生理」をテーマに描かれる作品の
世界観は初めて読んだ時、衝撃が走りました。

読んだ当時は、
とても申し訳ないことをしましたが
途中で読むのを辞めました。

言い訳をするならば、
柏瀬くんがおナプキンを見せるシーンで
個人的好みではないふたなりか女体化の類いかと
早とちりをして本を閉じてしまいました。
とくに当時は、血の描写は鼻血くらいが
許容範囲でハードルが高かった。

月日が経ち、読み返してみると
一度読んでいた感覚と180度変わった。

(初めて読んだ時、私の思考も感性も幼稚でした。
歳をとり、少しは成長したのかもしれない。)

まず、(当時)汲み取れなかった柏瀬くんの
心情と生い立ちを理解出来たこと。
………知る前に中断したので。

彼の胸が張り裂けるような生き方を
知ると知らないでは天と地ほどの差。

その後は吸い込まれるようにページを捲りました。

ヘビーなお話で読んでいて辛くもなりますが、
彼が早く幸せになるまで見届けなければ。
そんな使命感が芽生えました。

柏瀬くんが17歳になり、
ようやくハラハラが消えました。

はて、どう言う流れで星谷くんは
彼女を作ろうと思ったのか謎ですが
2人の関係が途切れてなくて一安心。

一安心と思った束の間、雲行きが怪しい。

一難去ってまた一難。

でも、人生なんてこんなものだ。

悩み、葛藤し、不安になる生き物。

根拠のない未来の話で不安になる2人を
鬼が、笑った。

深いお話。

「来年の事を言えば鬼が笑う」と言う
ことわざ、恥ずかしながら知りませんでした。

タイトルの伏線回収、私の知力では無理でした。
ちるちるのレビュー者様のおかげです。
心より感謝申し上げます。

日頃、己が考察なしに浅く読んでいるのが
身に染みました。

とても深いお話で私にとって
忘れられない作品になりました。
ありがとうございます。

0

2人一緒ならそれだけで幸せ

〖DMM電子書籍〗
修正 : 局部あんま出てこない
カバー折り返し : なし
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : なし
備考 : 前半は柏瀬を取り巻くものが意外と重くてしんどくて、後半は2人が微妙にかち合わなくてしんどくて、けどラストでお揃いのダサカワスリッパ履いてる2人を見たらあっさり安心してしまった。

〖紙媒体〗
未読

2

今を大事に生きたっていい

 淡々と描かれているけれど、いろんな要素の詰まった大作だと思いました。最初は学校で淫行に及ぶことにも抵抗のない、ちょっとビッチ感のある柏瀬に星谷が絆されていく話なのかなと思っていました。けれど、星谷はけっして早熟な生徒なんかではなかった。彼は体育教師に強姦されて抵抗もできず、自棄になっている生徒だったのです。それまであまりにも楽しそうに星谷をからかっていたから、まさかそんな経験をしていたとは夢にも思わず、急な物語の転換に驚かされました。

 父親、そして体育教師の山下に搾取され続けてきた柏瀬。幸運にも山下の魔の手からは逃れられますが、柏瀬も星谷も本人達が何か直接的に復讐を遂げたり、伸びて来る手を払いのけたりできたわけではありません。ただ星谷は柏瀬の傍にいてくれて、2人は嵐が去るのをじっと待っていた。子供というのはどこまでも無力な存在であることを突きつけられる。でも、相手の心に寄り添うことは、子供にだって十分できることなんですよね。

 柏瀬が父親や山下から解放されたのはただの偶然で、ラッキーなことでした。でも、運を味方につけるのも1つの手だし、星谷が傍にいてくれた柏瀬は今までよりずっと心強かったはず。そこから可哀想な同級生に手を差し伸べた生徒と、同情されて救われた生徒という関係を抜け出して、2人は自分の気持ちと向き合い、徐々に恋人へとシフトしていきます。星谷の幸せそうな家庭を目の当たりにして、憧れを抱く柏瀬の台詞が胸を抉りました。「星谷のお父さん、お母さんみたいな人と結婚したい」という彼の言葉は、性別など関係なく、温かくて優しい人間と穏やかで楽しい家庭を築きたいという素直な気持ちが溢れ出たものだったと思います。黙って彼に寄り添う星谷が印象的でした。将来への不安も抱えたまま本編が終わるところも現実的、でも最後に星谷の家族に温かく受け入れられている柏瀬に、本当に幸せな気持ちになりました。

0

来年の事を言えば鬼が笑う

表紙と中身の雰囲気が違う気がするので、表紙が理由で買ってない方はぜひ

木村ヒデサト先生のえぐみにじわじわと侵食されながらも確実にBL漫画的萌もある作品です。

強姦から始まるラブなBL漫画を何本も読んでおいて何言ってんだって話ではありますが、未成年への性犯罪者が出てくる作品には精神が疲れますね。
中学生ぐらいまでしか感じないような性への何かとか、高校生ぐらいまでしか感じないような性への何かとか、そんなのが絶妙に配置されてます。妊娠検査薬に男子高校生2人で尿をかけて、2人で笑って泣くシーンは純文学っぽかった。すごく好き。

すでに詳しく書かれてる方がいますが、ファミレスのコーヒーとソーダフロート、凄い演出ですね。コマ割りカット割りも含めて木村先生に痺れる。

2

反芻したい本

「生理」というテーマで描かれるBLに初めは全く予想することもできませんでしたが、途中からは何度も泣きながら読み進めていました。

大事なところは他の方が先に書かれていると思うので、私が気になったところだけ書きます。ネタバレ含みます。




ファミレスで柏瀬とお父さんが話す場面。
店員さんがソーダフロートを柏瀬に、ホットコーヒーをお父さんへと自然に置き、それを二人がまた自然に置き換えるところが印象的でした。
店員さんという第三者から見れば当然柏瀬は子供でお父さんは大人なわけですが、
体が大人になりきる前に心の方が先に成長してしまった息子と、
精神が成熟せずに大人として生きている父親という二人の関係がここで上手く描かれていました。
マリアボーイでもそうですが、木村ヒデサト先生は食を通しての描写の技術が高い作家さんだと思いました。


あとは柏瀬の両親は柏瀬と星谷の2人との対比に使われているのかなと思いました。
酷いことをしても何度も結婚できる親と、お互いに好きでも結婚できない二人。
生まれた子供を迷惑そうな眼差しで見る親と、どんなに望んでも子をなすことのできない二人。
それでも、結婚して子供が出来ても永遠を手に入れられなかった親と違って、柏瀬と星谷にはこの先何年経っても一緒に居て欲しいです。


発売の3年後ですが素敵な作品に出会えて良かったです。

6

電子書籍の場合は、カバー下の有無を事前に確認すべし!

以前から読もうかどうか迷いつつも、手にする事が出来なかったこちらの作品。

皆様のレビューを拝見して、「カバー下に大爆笑」というレビューがあったので
カバー下を見れば、何らか救いがあるんだなと思ってRenta!で購入しました。
電子書籍派なんで。
そしたら・・・はぁ〜。カバー下なかったです。
同じ値段出して、それはないよ・・・と思いましたが
Renta!のサイトにも「こちらの作品には紙書籍の特典ペーパー・カバー下画像は収録されておりません。」とありました・・・
確認不足なので自業自得ですね・・・・。皆様もお気をつけください。

さて、覚悟を決めて読んだこちら。

柏瀬が生理ナプキンをあてがわなくてはいけなかった頃について。
読む前から、虐待の結果の裂傷なんだろうなと、最悪の事態を覚悟して読み始めました。
でも事実はそれよりも酷かった。それが身を守る術だったとは・・・。
本当になにしやがるんだ、体育教師。去勢したうえで地獄に落ちやがれ。

あまりにも衝撃でうまく感想がまとまりませんが、
星谷のご両親のような人になりたいなと思いました。

過去のトラウマ・性的虐待を受けてた主人公ものは他作家さんの作品でも読んだ事はありますが、
これがダントツで重くてダメージ半端ないです。
自分の粘膜もゴリゴリ削られて痛い。
読み手を選ぶと思います。

私にとっては非常に重い読後感で、23歳となった彼らのページだけ読み返せば、過去の暗い出来事は全く見受けられないごく普通の仲良しカップル、という事が救いです。

それにしても、なぜ鬼が笑ったか、知りたかった・・・。
これを知れたら、もうちょっとダメージが軽くなったかなぁ・・・。

4

時間が経つほどに訴えてくるもの。

初めて作品に触れた時のインパクトも大事だけど、時間が経ってから思い出されるものの方が本当の意味でインパクトがあったといえるんじゃないかと思うことがあります。…年齢的なものもあるのかもしれません、が。

今年読んだコミックでよく思い返すのがこのお話。結末を力業で寄り切られたイメージが残っていたのですが、読み返すとこんなにも奥深くてヒリヒリする物語だったかしらと。

中二で出会った同級生、星谷と柏瀬のお話です。思春期の性、男と女、家族、妊娠。マジ語りするのがちょっと気恥ずかしい、デリケートなテーマが扱われています。親に恵まれなかった柏瀬が星谷に求めていたのは、家族の愛。自分が女だったら、星谷との間に子供が出来て、家族になれたのかな?なんて、真剣に思ってる。

思春期って性を意識せざるを得なくて、時に受け入れるのが難しかったり、好奇心から無茶をしたり。生まれ持ったもの、生まれてしまった境遇を引き受けて生きていくには、相当な自覚と覚悟が必要ですが、柏瀬がメチャクチャ辛くて苦しかった時期に、星谷と出会えたのは幸運です。

高校に進学してからも頻繁に柏瀬の家へ泊まりに来る星谷。星谷は単純に優しいから自分と一緒にいてくれるのだと思い至った柏瀬は、星谷からの自立を決意します。しかし、星谷は星谷で柏瀬とずっと一緒にいられる理由を探していて…。

セックスは新しい命の誕生に繋がっていくもの。男同士では叶わないことだけれど、だからといってそれが家族として共に生きるための必須条件というわけではない。

もちろん、作品にはBL的な萌えもありましたが、二人の姿から様々なことを考えさせられました。個人的に2016年の作品で、地味ながら最も衝撃を受けた作品かもしれません。

15

胸にズシンとくる重み。。

冒頭から受けの奇妙さが際立っていて、思春期特有の危うさに、萌えのドキドキではなくて、ホラー的な意味でドキドキしながら読んでいました。
受けの生理のくだりは、どんなトリックを使ったんだー?!と見当違いな事を考えてましたが、その答えを知ってガツンとやられました。。
なんて酷い大人達なんだと憤ります。。
ただ、高校生になってからは、受けがキャラ変したかのように雰囲気が変わってて、それはそれでこちらが本来の姿だったのかなーと思います。
妊娠検査のくだりも切ない。。
2人でこれからずっと一緒に居られる確証も形に残せるものも何もない。。男同士の哀愁のようなものを感じました。
萌え要素は正直あまり感じませんでしたが、作品としてのインパクトはありました。

2

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