薫りの継承 下

kaori no keisho

薫りの継承 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神295
  • 萌×230
  • 萌19
  • 中立15
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
43
得点
1667
評価数
368
平均
4.6 / 5
神率
80.2%
著者
中村明日美子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
シリーズ
薫りの継承
発売日
価格
¥629(税抜)  
ISBN
9784799726365

あらすじ

禁断の愛、衝撃の終幕。
義理の兄と弟。禁忌の秘め事。
愛の終着点にあるのは、破滅か救済か。

兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。
あれから何度も何度も交わっている。
兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めてゆく。
夏の盛り、竹蔵は兄夫婦と別荘で休暇を楽しむことになった。
義理の兄である忍との関係を、露ほども疑っていない義姉から女性を紹介される。竹蔵は彼女に対してすげない態度を取ってしまい、そして……。
その晩の出来事は、兄弟の運命を大きく変えてゆくのだった。

義理の兄弟の禁断の愛と確執を描いた衝撃作、遂に完結。

姑息な言い訳を用意して、何度も何度も交わる。
我々は卑怯だ。
そして、孤独だ。

表題作薫りの継承 下

平良木竹蔵、レストラン経営者
平良木忍、会社経営者

レビュー投稿数43

最後までうつくしい

上巻のときから思ってたんだ、このまま2人が生きて一緒にいられるわけないと
どうにか妻にバレて関係が破綻するか、弟に妻ができて秘密のまま関係が続くのか…
そう思っていたけど、バレたけど逃避行しちゃったのね
そうかー、逃避行ね、最高かよ…って思ったのもつかの間、やっぱりお兄さん亡くなってたね…
亡くなる間際のうつくしい笑顔、妻に宛てた手紙の、弟を愛していたという告白が、つらいけれど綺麗な終わり方だったと思った
甥っ子が継承していた暗転は、今後どういう展開になるのか、結局父とおなじ道を行くのですね…という気持ちになった

1

メリバの最高峰

メリバ作品をそんなには読んでないですが、なかなかこの作品程のインパクトを残せるものは無いんじゃないかなと思います。
絶望感と高揚感とが同時に湧き上がるような感情を味わっています。

やはり片方が居なくなるというエンディングは個人的には残念なのですが、この2人の場合少しの間だけでも自分の立場と気持ちに折り合いをつけてお互いに愛を確かめ合えた、そこに救いがあったなと思います。

眼帯の浮浪者風の男、あれって上巻で少年期の竹蔵にイタズラした男ですよね?
どういう事なのか、何か深い意味があるのかまだ読み解けてないので再読が必要かなと思ってます。

父親と叔父の関係をくまなく理解していた要がその性癖をしっかりと継承しているのがタイトルに繋がってるんですよね。
この辺りの物語はまだ終わらないという感じ、仄暗さにゾクゾクが収まりません。

1

明日美子先生だから

かつて通しで読んだはずなのに、なんだか展開を忘れているところがありました。上のレビューで「よくある話」と言っちゃってますが、ラストがまた「よくあるラスト」で…こうするしか話は落ちないけれど、それは逃げだよなとも思うし、これぞ様式美でもある。これで竹蔵が女だったら自分は歯牙にも掛けないであろう作品なのに色々とぐだぐだ思えるのは明日美子先生の本だからです。展開を忘れていたのは自分好みじゃないからなんでしょう。どこまでいっても2人は幸せに暮らしましたとさ…が好き。

0

美しい時間は儚くて。咲き匂う花は朽ち果てる。

歪みながらも、それなりに幸せだったのだと思う。
誰にも言えず、秘密裏に。激しく情交を交わし合う竹蔵と忍。
決して互いの生活にそれを持ち込まない様に。壊れ物を扱う様に。ひっそりと熱く。
ところが、幸せな時は短くて。突然終わりを迎える。
下巻は呆気ない程、短く感じられて。少々拍子抜けしてしまった。
彼等の幸せは小さな綻びから壊れて行く。義姉の全くの善意から、(彼女はこの時、実に呑気だ。)独身の竹蔵に育ちの良さそうなお嬢さんを紹介する。
彼女の好意的な誘いを感じた竹蔵は、意地悪くも兄との情交を見せつける。読み終えて仕舞えば、これが破滅へのトリガーだったのだ。
竹蔵は実に余計な事をした。自分の嫉妬と執着の為に、大切なものを自ら壊したのだ。
はるかさんは勿論、先輩である茉利子さんへ告げる。これはおぞましい事なのだと。
茉利子さんは夫である忍に愛されることが無くなっていて。焦燥していたのだと思う。
ずっとモブとして顔を描かれることの無かった彼女が、歪んだ表情で、事実を突き付ける場面は哀しい。可哀想に。彼女はただ、苦しめられただけだ。

話は急に畳み掛けるので。彼等の苦しみや苦い余韻はあまり感じられなくて。
少し唐突な終わりの様な気もしました。
ただ。何処かへ逃避行していた、竹蔵と忍が、2人だけでいられれば幸せだった筈なのに。
忍は多分。その罪の重さに生きていられなくなったのだと思う。
竹蔵が最期に見た、忍のやつれた美しい笑顔が寂しくて。優しくて。涙。
いつも律して、冷たくとりすました様な顔をしていた、忍の柔らかな笑顔。
それは無残にも消えてしまう。

描き下ろし「暗転」は、タイトル通り。暗転したかの様に数年後。
利発そうだが、歪な性癖に目覚めた要はいつかの父親の様に、目隠しをして男に犯されるプレイを楽しんでいる。こうして「薫り」は「継承」されて行くのだと、作者は言いたいのかもしれないが。これは蛇足なんじゃないかとも思う。
要がいくら欲しても、父と同じ様な快楽と愉悦を得られるわけが無い。
竹蔵と忍は、最初からずっと。惹かれ合うしか無い兄弟で、恋人だったのだから。

それにしても、第10話の緊迫感は凄まじい。セリフの無い、ただ暗闇で交わされる、延々と続く情交シーン。息が苦しくなってしまった。

最後の方で出て来た、ホームレスの男は、まさか。学生の頃、旅行に出かけた先で、竹蔵を襲おうとしていた眼帯の男か。彼は何者だったんだろう。

0

芸術レベルかと

久しぶりに再読。
明日美子先生はやっぱり同級生が一番好きですが
こちらは絵とストーリーがめちゃくちゃあってるなあと。近親相姦のメリバほんとに
先生の絵が芸術レベルにお耽美爆発してる。
目隠ししてのセックスが
エロいけどきれいすぎてエロいのかしら?とも思ってしまいます。
それはそれは美しいのでそれだけでも神かなと思いますし。
改めて読むと上巻は大人にいたずら?されるし
兄弟親子三人丼ぶりしたり結構気持ち悪いなと思いました。
ですがラストわかっていてもやっぱりひきこまれるし
下巻の兄のターンがいい。
兄さんが妻に誘われてたのに
逆に弟のレストランに行ってしまったところ。
初めて読んだ時は最後思ったとおりだったけど
兄さんが死ぬとこ妻に書いた手紙のとこで涙腺崩壊しました。自死しかないのねやっぱり。
ひとつ気にくわないのはずっと口元くらいしか出てこなかった妻ですが
DNA鑑定を叩きつけるとこで
お顔全部描いてしまったとこ。
あのシーンあの表情お顔見たくないなと思いました。
なんか絵の画風?もデフォルメされちゃっててふつうじゃないし。
書き下ろしも改めて読むと不穏な感じすぎてあんまり好きじゃないです。甥っ子は重要な登場人物ですが突っ込みどころ満載すぎます。

1

なかなか不思議な倫理観をしてるなあと

男同士の時点で、いけないっちゃいけないし、世間体が悪いと言えば悪いでしょう
更に義兄弟、騙しうち、アブノーマルなプレイ、そもそも不倫とかなりの業が積み重なってるのに今更そこに血の繋がり、本物の兄弟だという要素を追加したところで、それは死ぬほどのことでしょうか

0

こうなっちゃったか…

帯に書かれてた、[禁断の愛、衝撃の終幕。]
正にその通りだった。

なんも予想せず読み進めてたんで、突然の展開に驚かされた。
胸が苦しいしポッカリ感があるって事は、
竹蔵に同調してるからなのか。
あー、私は結局BLにおいてハッピーエンドが好きなんだなー。
お話が面白ければ酷い話でもいいって思ってたけど
しんどいな。
死ぬ系は、ダメかも。
しかし要くん、この先拗れた性癖
どうなっちゃうんだろ。
叔父さんとお父さんの戯れは、愛があったんだよ。
愛する人見つかってくれたらいいな。

1

忍の妻にも共感する

 最後まで誰も多くを語らず終焉を迎えましたね。忍の妻が自分を省みない夫や息子に耐えきれず行動を起こすことで、物語はあらぬ方向へ動き出します。結末だけを考えるとそれは悪い方向だったのかもしれないけれど、私は必ずしもそうではなかったのではないかと感じました。最後に2人の兄弟は、確かにお互いをしっかり認識して愛し合うことができた。妻があのまま何も知らないふりをして耐え続けていれば、この蜜月は2人に一生訪れなかったかもしれません。

 実は彼らが義兄弟ではなかったという事実には驚きました。竹蔵が出会った当初から忍を愛さずにはいられなかったのはここにも理由があったのかな。得体の知れない畏怖の気持ちから、そんな竹蔵の存在を必死に締め出してきた忍。意識の深いところで薄々本当の兄弟だと勘付いていたから、自然と彼は竹蔵を恐れたのかもしれません。本来なら普通の兄弟として幼い頃から遊んだりできていたかもしれないのに、ちょっとした歯車の狂いで優劣関係ができ、冷たく接するしか思い付かなかった忍を想うと、やりきれない気持ちになります。しかし、それももう限界だったんでしょうね。最後の最後に竹蔵に見せてくれた忍の屈託ない笑顔が目に焼き付いています。きっと彼はこの時幸せだった、そう願いたいです。

 自分が焚きつけたせいとはいえ、幼い頃から竹蔵と忍の背徳感に塗れた情事を見てきた要もまた、歪んだ性癖を得てしまうところも、最後まで救いようがなく面白かったです。普段は下に見ている叔父に抱かれる父に欲情していたのか、傲慢に振る舞う父をベッドでは組み敷く叔父に欲情していたのか、無意識の内に父に自分を重ねて爛れた快楽を貪っていたのか。これも私にははっきりとは分かりませんでした。でも、この兄弟の情事は、間違いなく要の今後の人生に暗い影を落とした。彼には2人のように切っても切れない関係のような相手はいない。つまり、この先一生満足を得られない可能性もありますよね。どこまでも罪深い大人達。そんなどうしようもない2人を、私は嫌いにはなれないのです。

1

心を揺さぶられるメリバ

ラストを見て理解しました。
薫りの継承ってそういう意味か……。

その薫りは要にも継がれるんだと思うと胸が痛いです。

これは竹蔵と忍にとっても要にとってもメリバ…ですね。
忍は血のつながりと自分の想いに耐えきれなかったのかな。どちらにしろつらい。
死ぬ直前のハネムーンが忍にとって人生で一番幸せな時間だったら良いです。
最期に見せた顔がほんと美しく、幸せそうな顔で、それが拍車をかけてつらいです。
自殺なのかな…。

モブに顔があるのに忍の奥さんに顔が描かれてない手法がとても気になりました。
かなり面白いです。たぶん「哀れな気分だわ」のシーンで印象に残したかったからだと思うのですが。

中身は耽美でエロくて良かったです。最後は目隠ししなくてとても幸せそうでしたね。
隻眼の男についてもっと知りたいのですが謎のままで終わった方が面白くて良いですね。

2

衝撃のラスト!継承された薫り

仄暗い義兄弟の関係が何度も続き、途中から兄側からの描写もあり、上巻で何を考えているかわからない兄の気持ちも見えて、下巻は深い話しになっていきます。

2人は始めから惹かれあっていた。
しかし義兄弟という関係や、家を継いでいく兄、それらのしがらみが2人を長い時間、複雑な身体だけの関係にしてしまいました。
やっと結ばれた2人。
しかし短かすぎるハネムーン。
お兄さんは亡くなる寸前までハネムーンで幸せだったと信じたい切ない結末でした。
本当にあの結末は心臓を鷲掴みにされるような切なさです。
「愛してしまった」という手紙。
あれは自殺ではないと思いたいです。

途中、お兄さんの前に上巻で弟にイタズラした碧眼の男が現れ「こうなるきがしてたんだよう」と言います。
あの時すでにお兄さんは本当の血の繋がった兄弟という事実に耐えられず狂ってしまっていたのでしょうか。
弟に比べれば兄の方が失うものが多すぎます。碧眼の男は兄の見た幻覚なのかなと思いました。

成長した息子は父親と同じ行為をして、薫りが継承されました。
息子は父親の気持ちが知りたいのかなと思いました。

それと、中村明日美子先生の絵は色気があり芸術的です。
目隠しでの兄弟のセックスの描写はとてもエロかった。
お兄さんの色気が凄まじい。

4

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