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好きになってごめん
baka de gusu wa daikirai
湖水きよ先生のコミック、初読です。
超ネガティブなタイトルにびっくりしましたが、面白かったです。
「馬鹿で愚図は大嫌い」
幼なじみで兄の親友、蒼大(攻)が大好きな春(受)は、高校生になっても蒼大の真似ばかりしている。追えば追うほど離れていく蒼大を想い続ける春だが、大学に進学して久しぶりに会った蒼大から「鬱陶しい」と言われてしまう。
チビッコ時代から始まる幼馴染同士の刷り込み系ぐだぐだ恋愛。
傲慢ヘタレ攻×ワンコ受。蒼大が面倒見の良いお兄ちゃん→苛めっ子→卑屈ヘタレ攻と見事な進化(退化?)を遂げます。まともな攻が落ちぶれる様を見るのはどうしてこうも心踊るのでしょう。
登場人物達のズレてる会話が可笑しかったです。
「こう見えて純愛」
強面イケメンのきーちゃんはふられてばかりの陸をいつも慰めてくれる。
臆病なゲイに顔の怖い彼氏ができる話。最後のきーちゃんのセリフが胸きゅんでした。
「嘘も百回、恋は一回」
蒼大は、自分に合わせようと嘘をつく春が可愛くて仕方ない。
イチャイチャえっち。春のお兄ちゃん、夏喜が最後にちょっと再登場。出来の良いイケメン弟を持つ夏喜がおバカに振る舞いながら、何を考えていたのか気になります。「馬鹿で愚図は大嫌い」は、実は夏喜の言葉。そんなセリフが出てくるくらいだから、ゆるいおバカキャラと見せかけて相当な激情家?と疑ってます。ノンケっぽいけど、夏喜メインのスピンオフ希望!
兄の親友、蒼大のあとをついていた春。
蒼大の真似をして高校、陸上部に入った。
しかし、いつも蒼大の真似をしていた春の方が陸上での成績も上回っていた。
後に蒼大は東京の大学へ、春はスカウトされモデルに。
音沙汰のなかった蒼大から会わないかと、誘われた。
そこで春に言い放ったのは、嫌いだった、という言葉だった。
自分より年下が真似をして付いて回るのは、可愛いものです。
親友の弟、なんてね余計に。
しかし、自分の方が先にしていたものを可愛がっていた子に
追い抜かれてしまうとや嫉妬に似た複雑な思いが生まれてしまいますよね。
このあたりの描写はリアルで、蒼大の気持ちが伝わります。
しかし、好きという気持ちは偉大です。
時として嫉妬や、それ以上の感情にも勝るのです。
もう一作、収録されていたこちらも、とてもよかったです。
やさしいのに顔が怖めで損しちゃう居酒屋の店主と
どうも男運が良くない子とのお話。
顔は怖いのに、でもめちゃやさしい人が好きです。
実はこの一冊、帯のデザインが面白かったりします。
視点を変えてみると帯とカバーの組み合わせからも
なんとなく内容を類推できる様な気がするので不思議です。
敢えてこの配色にしたのか、それとも何となくか。
作品自体が言い知れぬオーラを纏っているので
そう思い込まされているだけなのかも知れませんが。
表題作も併録作も、起点と着地点を結ぶ線の
ブレを感じる事はないでしょう。
そう言う点では割合に安心して読めるかと。
ただ登場人物の気持ちに入り込み辛いと
少なからず難航するでしょう。
夜光花さん『バグ』の挿絵など
硬派な絵柄でおなじみ、湖水きよさんの
二冊目のオリジナルコミックです。
表紙に一目惚れしての購入でしたが
話自体も、ほのぼの且つ緊張感ある独特な雰囲気に
なかなか惹きつけられるものがありました!
表紙の受け・春は
幼い頃から兄の親友・蒼大(攻め)のことが好き。
容姿にも才能にも恵まれた春。
蒼大を追って入った高校の陸上部では
蒼大より注目され、
その後、スカウトされ何となく入った芸能界では
若手俳優として一躍人気者に…。
ハイスペックで常にモテモテなのに
子どもの頃遊んでくれた「蒼ちゃん」一筋。
クールで無愛想なのに
蒼大に対してだけは健気で泣き虫という
ギャップが可愛いです。
蒼大は、どこにでもいそうなごく普通の大学生。
昔からつきまとわれてウザかったと春を突き放すも、
春が自分の友人(男)といい感じになるとイライラして邪魔するような身勝手さも。
しかし、蒼大の気持ちも分かる気がします。
自分になついている弟分が
自分よりイケメンで何事にも優れていたら
嬉しい反面、コンプレックスや
いつか捨てられそうな不安に駆られ
つい冷たく当たってしまうものなのかも。
悪人ではないけど、そんな弱さや狡さもある、
本当に普通の年相応の若者という感じでした。
タイトルの「馬鹿で愚図は大嫌い」とは、春の好意になかなか応えてやらない蒼大を指した台詞。
でも春はそんな蒼大をどうしようもなく好きで
そこが本作品の萌えどころかと思います。
蒼大のどこがそんなにいいの?と疑問が湧くと同時に男の趣味だけがちょっと残念な春に
不憫萌えにも似た愛しさを感じました。
くっついた後の二人は何だかんだラブラブで
蒼大が何でも自分に合わせようとする春に
ちゃんと自分の愛情を伝えるところが良かったです。
同時収録作は、
強面だけど優しい居酒屋店主と
男運の悪いゲイの常連客のほのぼのコメディ。
(CPとしてはこっちの方が好みでした!)
優しくてねっとりキスが上手い喜一さんと陸の
Hシーンまで見てみたかった!
喜一さんの殺し屋みたいに怖い顔、
湖水さん絵の本領発揮という感じでした☆
「馬鹿で愚図は大嫌い」
インパクトのあるタイトルに惹かれて手に取りました。
・意固地でちょっとコミュ障ぎみの春(受け)がずーっっと兄の親友であるを蒼大を好きでいるお話。
登場人物のどちらも豊かに感情を示すわかりやすいタイプではないので、とっつきにくく感じるかもしれません。
全体通して甘々で癒されるという作品では決してなくて、途中まで登場人物の気持ちを推し量りながら&疑問を持ちつつ読み進めて、最後と描き下ろしでようやくキタ!って感じのストーリー。
特に蒼大。一回目読んだときは、正直なんでこんな男がいいんだろう?と思いました。
途中まで蒼大の考えが見えにくくて感情移入しにくい人物だったけど、彼が臆病である事と、その理由がわかったらストンと腑におちました。
自分のやる事なす事、真似をしていたくせに、何でも自分を上回った挙句トントン拍子に芸能人にまでなってしまった春は一緒にいるとコンプレックスを刺激される。正直男としておもしろくないのも事実だけど、認めるのもなんだか悔しい。
そんなすごい春が何で自分のことが好きなのか理解できない。
でも春にとっての好きは、○○がかっこいいから好き、とか○○がやさしいから好き、のようなそんな安易なものではなく、理屈抜きで無条件に好きで、ひよこの刷り込みに近い強固なレベルだからこそどうやってもどうやっても諦められないんです。
春と岩田くん(当て馬でいい人・彼に幸あれ)がデートで結構楽しんでいて、こういうのもいいかな・・・と思い始めているところに登場した蒼大に、春が泣きながら言うんです。
「蒼ちゃんなんか大嫌い」
この時のシーンが表紙の泣き顔と同じです。
タイトルの「馬鹿で愚図は大嫌い」は、こんなに蒼大を好きな春を好きにならない、こんなにこんなに蒼大のことを愛する春に気付きもしない蒼大の事を指していった言葉です。
馬鹿で愚図でしかも臆病な蒼大は大嫌いなんだけど、どうしようもないくらい大好きで大好きで大好きで。
一方の蒼大は、そんな春の本当の気持ちまでは解らず、どうせ手に入らないものを欲しがっているだけで手に入れたら飽きてしまうんだろうと思って、怖くて逃げてしまった臆病男。
ほんとは春のことが鬱陶しかったと言って傷つけたあと、キスしたのも、「俺の事が好きなんだろ?」と言ってから一度もこちらを振り返らずに駅に向かった時、春のほうから「そうだよ!好きだよ!」と追いかけて欲しかったんじゃないかなぁって思うんです。
なんでこんな行動したのか最初理解できなかったんだけど、ヘタレ故の試し行動だったんじゃないかなぁって。
その後、蒼大の部屋へ向かう途中、最初は力強く春の手を掴んで引いていたのに手を離しちゃって、春がついてくるか彼自身に選択を任したのもヘタレだなぁって思いました。
ただ蒼大、どんだけ春のことが好きなんだか?
蒼大>><<<<<<<<<<春 に感じたのも事実。
でも描き下ろしの「嘘も百回、恋は一回」では 春の愛がだだ漏れ状態で蒼大に伝わって蒼大も春のことを同じくらい好きな様子が見てとれて嬉しかったです。
蒼大もヘタレから脱却して、自分が黒のものを白と言って春もそれに従うような事はいけない、といった内容を諭すいい男になってました。
その他
・「一回ヤッたくらいで彼氏面・・・してもいいよ!」「するよ!」のやりとり 良かったです。
話を読んでいるだけなら、この頑なに真っ直ぐな子がナゼこんなヘタレ野郎にそこまで!となりそうなところを。あぁー…。何故だかスペックの高い人に手放しで好かれる微妙な居たたまれなさが分かるだけにツライ。このなかなかに動かしにくい2人を何とかまとめただけでも功労賞かもしれません。が、メインの2人と兄がしっかり出来上がっていただけに、背景がもっと詰まってたらもっと嬉しかったなぁと思います。仕事部分とか、兄との共同生活部分とか。何だかシンパシーを感を感じる自由な兄の生態ももっと見たかったです。
表紙とタイトルにかなりのインパクトを感じつつ手に取った本書。
馬鹿で愚図は大嫌いって、
どっかのドーラおばさんを思い出したじゃないか。
とにかく受けの性格が「意固地」!でした。
自分の気持ちを言葉にしない、
というかできない、ちょっとしたコミュ障。
でも受けが意固地な性格になってしまったのには訳がありました。
「意地を張ってすねてたら振り向いてくれるかな?」
好きな人に対してそう思って行動しているうちに
そうなってしまった、そんな感じの印象でした。
第一次反抗期をこじらせたまま育ってしまったような。
好きなのに好きって言えず、
じっと相手が自分に手を差し伸べてくれるまで待つ。
自分の気持ちを言葉にすることもなく、
ただ相手がこちらに振り向いてくれるまでと、
ずっと後を追いかけていたけれど…
攻めは受けが自分の後を追いかけてくることをうっとおしく感じていたようですが、
それが「好き」という気持ちからだということを確かなものと感じれるようになった時、
受けの事が逆に愛おしくなってきたようでした。
やっぱり「なぜそんなことをするのか」っていう理由が分かると、
ガラっと印象が変わって見えてきますよね~。
ツンデレ・クールというよりは意固地・コミュ障という印象の受けさんでしたが、
その核にあるものは、小さいころに形成されたものだったという部分には納得でした。
こういう意固地な子も扱いが分かると可愛いもんです。
初見の作家さん。表紙の絵が若干苦手でしたが中身は綺麗な絵でした。随所に素敵な台詞がありタイトルの意味も良いです。
元からの怖がりか、本人は意固地と言いますが、お兄ちゃんも言う所謂、コミュ障な主人公です。思い込みが激しい。才能に恵まれ兄ちゃん蒼くんがいたから、蒼くん以外に深く悩んだり考える事がなかったのでしょうか?蒼くんが中心の世界です。そこまで好きなのは何故…子ども心から続くゆえ?他の誰にも変われない程の存在なのでしょうね。
蒼くんは年齢相応の人です。進路や才能や劣等感に悩み自信がない状態です。ゲイではないと思いますが、恋愛よりも自分の事に精一杯で、春の気持ちは何となくわかっていながら、春に当たってしまう。
しかし、岩田に揺さぶられて、春の深刻な気持ちや[好き]ってどういう事かに直面する。自分が春を好きな気持ちを見つめ直し言葉や行動をして成長しました。
春は、最後まで性格ゆえ周囲を見えてない状態ですが、素直に言葉に出せて少しずつ成長、恋人世話役:蒼ちゃんが面倒みてくれますね安心。可愛い恋人同士、とってもお似合いです。
表紙が苦手で避けていたのですが、前に読んだコミックスの絵は好きだったので購入。
中は綺麗でした。インパクトはあるけど、もう少し抑え気味でも良かったような。
話はちょっとわかりづらかったです。
いや話は明快なのですが、キャラの表情から読み取れないので入り込めない感じでした。春ちゃんが常に不機嫌顔すぎて、もう少し柔らかくてもいいんじゃなかろうか。
メイン二人より、兄のなっちゃんが可愛いなあ。
そして、表題作よりももう一つの怖い顔のきーちゃんの話の方が好みです。
二人とも可愛い。
もう少し素直でわかりやすい子が主人公の話が読みたいですなあ。
春が健気で一途で不器用で素直になれなくてでも蒼大を好きで好きで仕方ないのが切ない。
高校卒業後数年ぶりに連絡が来て会おうと誘われ行ってみたら…。
蒼大の春を嫌う気持ちもわかる。追いかけてきて鬱陶しくて真似ばっかりしてきて、挙げ句に高飛びで自分より高く飛ばれて。もうヤル気なくすのも仕方ないですよね。でも年上なんだからあのまま終わりにしていたら、いやでも話が終わってしまうしなあ。
春を呼び出して大学の友人達に自慢して見世物にして最後はトドメにどれだけ嫌いだったか話す。
何年たっても収まらないほど嫌いだったのかな?
それともそれは好きの裏返し?
蒼大の友達が春を落としにかかるとほっとけない蒼大。デート場所まで駆けつけて手を引いて連れ出して、そして手を離す。
ここで春は蒼大を追いかけるか帰るか選ぶんですがついてっちゃうんですよね。
そして抱かれて。いきなり?ええ?ですよ。
そしてどんな春でも好きだみたいなこと言って。なんだろ、あの時の春をえぐった言葉を言った同じ口でよく言えるなというか。
難しい。二十歳と二十二歳の話なのに。いや、これまでの十数年があるからもつれて拗れてややこしくなったのかな?
攻めに好感を持たせるような最後の短編でも攻めの事を好きになれませんでした。
でも優しい蒼大は確かに存在したんだろうな。
あとお兄ちゃんがちゃんと大人になってましたね。なんで東京にいるの?大学?ちょっと疑問でした。