ほんとは好きだ

honto wa sukida

ほんとは好きだ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神159
  • 萌×245
  • 萌12
  • 中立8
  • しゅみじゃない12

--

レビュー数
27
得点
1019
評価数
236
平均
4.4 / 5
神率
67.4%
著者
ARUKU  

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784344831254

あらすじ

郊外の全寮制男子校。リア充・北条が恋したのは皆のつまはじき者・柾。人を寄せ付けない柾がふと見せた笑顔で北条の世界は一変し?

表題作ほんとは好きだ

北条崇臣,リア充の全寮制男子高校2年生
柾麻人,つまはじき者のクラスメイト,高校2年生

同時収録作品ほんとは好きだ

夏目征也,カトリック系高等学校の校長
藍沢,同学校の神父

その他の収録作品

  • たった一粒の砂糖の甘さ
  • 恋に落ちるときの重力加速度g
  • 番外編 二人だけの夏休み
  • 僕の恋人は赤い赤い薔薇
  • この世界のすべては君の宝物
  • 幸せになってはいけない運命
  • 番外編 Kについて
  • 君を失った僕の世界に冷たい雨が降る
  • ほんとは好きです(描き下ろし)
  • カバー下 : ほんとは好きです 新学期篇
  • カバー下 : 諦めない男

レビュー投稿数27

独特な世界観

ARUKU先生作品初読みです。この後5冊読みます。
絵も雰囲気も独特ですね。
表情の変化が少なくてカメラ目線が多い。
首の角度、動きのある絵が不思議な感じ。
会話ややりとりも独特なノリで。
懐かしい少女漫画、メロドラマな雰囲気ありつつ、たまにこれはギャグなのかしらと思うフシがあり独特な世界観を楽しむ作品なのねと思いました。
このお話の時代設定はいつ頃なんでしょうか。
現代なのはわかるんですが、昭和?平成?
お駄賃20円て…ちょっと現代だとは思えなくてw
着地点がどうなるのかな〜と読み進めましたが、正直なところ長く感じてしまいました。
北条があれだけ柾を好きだったのに守れなかった。
一生後悔するのはわかります。
それが再会して柾が北条を許してまた恋をするという終わり方? それでいいのか〜となりました。

0

王道BL?ラブロマンス?でもそれだけではない奥深い作品です。

何十年経っても変わらない愛。BLと少女漫画の夢が凝縮された作品です。ARUKU先生、素敵な作品ありがとうございました。

1

文章力が凄まじくて詩を読んでいるようでした。

かなり厳格なミッション系男子校の同級生同士+後半に判明するもう1カップルのお話です。

冒頭、主人公の柾くんが学校で誰かのラブレターを見つけるのですが、その愛にあふれた切ない告白文を読んだだけで泣いてしまいました。セリフの一つ一つがとても素敵言葉選びが秀逸で美しい純愛。涙なしにページがめくれません。

物語の後半では結構辛い展開があり2人は別れてしまうのですが、言葉では素敵な愛を語っていたのになぜ!?とヤキモキしました。

3

Kってそういう意味だったのか・・!

ARUKU先生の作品は泣けると「答えて姐さん Q&A」で書かれていたので、片っ端から購入して読んでいます。そして一番最初に読んだのがこの作品なのですが、泣けるというより驚きました。導入からラストまで流れるように進むので無駄がないのにボリュームがある。すごいですね・・。

内容としては全て持ってる北条に何も持っていない柾が見初められて、ある種シンデレラストーリー的に進むのですが、悪いやつが一定数いるのでそう簡単には行きません。二人の蜜月はすごく短く、障害も多くて、やっぱりそうなったか~という結末を迎えます。展開は切ないのですが、この辺の伏線の回収は綺麗でしたね。私はKの真実にびっくりでしたけど(笑)。その発想はなかったです。

ただ、欲を言えば夏目校長の話をもっと掘り下げて欲しかったのと、再会後の北条と柾にもっと救いが欲しかったなと。というのも、再会後の北条と柾はもう友達以上になれないような気がしました。柾にとって北条はあの手紙を書いた時点で過去の人になっていますし、後悔と罪悪感に悩まされてきた北条と違って、柾はある意味できることを全てやってから去っていますからね。結局その後も生き方は変わらず、自分を大事にできないまま成長したんだと思います。しかも年齢も重ねているわけで、今の柾がかつての北条に感じたときめきを再び感じるとは思えなかったです。

1

ふぁぁっ!?

レビュータイトルが全く思いつかず、読み終わったときに最初に頭に浮かんだ言葉にしてみました。
この気持ち、既に読んだ方はきっと分かってくれると思います。

山奥にある寄宿制のカトリック系名門私立男子高校。
16歳だった北条は、モデルで大学生の彼女がいて、母親は下着ブランド会社の社長、寮の自治会補佐を任され、クラスの中心的存在として、何不自由ない生活を送っていた。
そんな北条の視線の先にいつもいたのは、誰にも馴染もうとしない柾で…。

冒頭の切ない述懐から始まる、高校時代の回想という構成。
「あの頃の僕は…」で始まる、昔懐かしい野島伸司脚本のドラマのようです。
1ページ目に綴られたモノローグが既につらすぎて、どこで襲ってくるか分からないつらい出来事に耐える準備をしながら読み進めることになります。
この作業が思っている以上につらい。
北条に芽生えた気持ちが膨らんで、柾との時間に心躍れば躍るほど、孤高の存在だった柾の過去が紐解かれて、孤独と一緒に育ってきたような子が心を開いていけばいくほど、2人の時間が楽しければ楽しいほど、つらい!
だって1ページ目に「この恋は叶わなかった」とネタバレされてる状態で、のほほんと「北条イケメン、柾可愛い」なんて読めませんよね。

寸分の隙なく設定を作り込んでいるARUKUさんの作品らしく、柾の生い立ちや置かれた状況、そこから柾が辿り着いた諦観のような心情も、やるせない。
人の醜い部分を前面に出すARUKUさん特有の手法は、クラスメイトの須藤のやっかみから生じた悪意として、柾に常につきまとう。
悪意をぶつけられ続けたら、この世に生を受けて、一番最初に愛情をもらうべき相手からもらえなかった柾が、「自分は愛されない、嫌われて然るべき存在」と心を閉ざすのも仕方ない…。
だからこそ北条から向けられた好意が、絶対守りたい宝物になって…、おっと、涙が。
ジェットコースターの垂直落下のような展開に、涙腺が限界突破します。

北条と柾の恋とリンクするかのような、30年前のラブレター。
差出人が予想と逆でした。
こちらの謎解きも途中までわくわくしていたのですが、こっちは結局本人たちの手で解決するので、「あれ?」という感じ。

そして迎えるラスト。
卒業後の北条を追う展開に、冒頭1ページ目から推測したような悲愴感しかない悲劇エンドではないなと思いつつも…、ここで「ふぁぁっ!?」の出番です。
この「ふぁぁっ!?」のおかげで、読み終わったあとにつらい気持ちを引きずらずに済む効果があります。
悲劇エンドを予感して、ずっと緊張したまま読み進めていたわたしのハラハラは一体…、とも思うけど、「何だかんだと人間は強いものです」と気付かされて、すっきり読み終えられたから、これはこれで。

「ふぁぁっ!?」の正体を知りたい方はぜひ読んでみてください。
本を閉じる瞬間は爽快な気分になっているので、怖がらずに。

2

長年に及ぶ純愛×2

 ARUKU先生らしい学園ものだな、というのが第一印象。攻めは人気者の生徒で、受けはクラスでも孤立している幸薄な生徒。ただし、柾はいじめられたりしてもおどおどするようなことはなく、毅然とした態度を崩さないところがとても良かったです。北条のアタックにも最初から落ちるわけではなく、むしろ反発していたくらいで、自分の出自にコンプレックスを持ちながらも、彼がここまで強い心を保って生きてこれたのは育ててくれた神父のおかげかな、なんて思いました。

 徐々に北条に絆されていく柾は、可愛らしい表情を見せることも増えてきて。彼にベタ惚れの北条が、自分の一方的な追いかけっぷりにも頓着せず、柾に正面から好意をぶつけ続けるところにも好感が持てました。最後の展開はちょっと痛ましかったけれど、北条への気持ちを強く持って、北条からの気持ちも信じていた柾は、体に痛みはあっても心はさほど痛くなかったんじゃないかな。柾は北条の境遇を考えて、自分の方から縋ったりはしないけれど、何年か経って会いに行ってみて、それでも北条が好きと言ってくれるなら受け入れよう、そんな気持ちでいたのかなと思います。夏目と藍沢の恋愛にも、メインで読みたいくらい惹かれました。長年の時を経て、藍沢を攫った夏目の純愛っぷりが素敵でした。

0

江田くんに惚れる

◾︎北条×柾(まさき)麻人
ARUKU先生の作品の登場人物はひたすら自分と会話しがち。今作も北条の思考をだだもらしにし続けてくださるから、大変わかりやすいです。
「苦いと甘いの間を引きずり回されて…僕の心は君の奴隷だ」ってすごい文句。

彼女に好意は持っているけど恋ではない、彼…柾への想いは瑞々しい恋…ひしひし伝わってキュンとします。この少々とっつきにくい絵で手にとられていないとしたら勿体ないのよね。以前よりかなり見やすいけど。

初キスのあとの柾はこれでもかと可愛いし、読んでる間は甘いはずなのに、冒頭の描写と、何よりこれはARUKU先生の本だというのがあり、いつ地獄に突き落とされるのかと怯えながら読み進めることになります。北条の背負うものが10年で足りるのかという気もしますが、彼は赦されたのでしょう。一昔前の先生なら死んで再会とか全然あり得たな〜
柾のピアスやらタトゥーやらはだいぶイメージと違って残念で、そこに納得できる理由があるなら描いて欲しい気持ち。

江田くんがいい奴です。彼にこそ惚れる。柾に江田くんという友人がいてよかった。

3

こんな話、本当に大好き。

実は読む前は絵が好みじゃなかったんで迷いました、なんだか顔が長いって言うか集中できないなって思ったけど、読み始めては

これは神だ。。。しか言えない。。
もう絵なんてどうでもいいページの数が減るのが悲しい
文章の一つ一つがすごいドキドキしちゃいました。
読んでる途中でも攻め思いが心臓が痛いぐらい伝わって、本当に幸せでした。なんでこれを今読んだのか後悔しながら、こんな精神的に強く繋がっている二人の物語が読みたかったとやっと見つけたと幸せでした。

次はネタバレです





そして二人が離れてからの攻めの想いが切なくて散々泣きました。人生でだった1人を愛して、その人がいなくても誰も愛せず1人で生きていきながら、その人を待つとか一番大好きなパタンですが説得力がないならダメな設定でもあります、でもこの作品は展開がすごく伝わってて素晴らしいと思いました。
あるく先生の作品は初めてですが、今から他の作品も全部読むつもりです。受けのことが大好きすぎる攻めとかツンデレの受けが本当によかったです☺

5

私も好きだ

ずっと息をひそめるように読んでました。
カトリックの全寮制の高校のお話はいくつかありそうですがこちらは一方が自治会補佐の人気者、一方は辛い孤独な過去を持ちクラスのつまはじき者。

人気者の北条の恋心、届くのか?しかもあの厳しい環境で。ハラハラしてました。
北条の優しさが柾を、柾の可愛さが北条をどんどん近づけ。

やがて柾も恋に落ち両想いになれ至福の時間。
なのに!カトリックの全寮制という制約が最悪の形で二人を引き裂きます。

柾が見つけた昔のラブレターの方はまとまりそうだったのに。でも何十年もかけて柾の手を渡って本来の想い人に届いて良かったですね。

北条と柾は涙の別れから10年。
北条が柾を探し回ったり一生の恋に生きていこうとしたり。あの時柾を庇わなかったことを背負って。誰も愛さず。母校に戻って。授業で習った異国の詩が効いてます。

そして新しい神父として柾が赴任してきて再会。最後の最後で!柾はまたつれない柾に戻っちゃって。どうなってるの?ピアスやタトゥーにそっけない態度。北条の事をどう思ってるの?
柾の気持ちがわからないままお話は終わります。

とても読みごたえのあるお話でした。
北条や柾が抱える複雑な気持ち。思春期の熱い恋。
北条を庇って去っていった柾。
柾から連絡とろうと思えば取れたはずだけどそうしなかった理由は?

もっと知りたい!その後も!そこをあえて書かない理由は?
校長と神父、Kと藍澤が再会でき校長がまだ好きなことには救われました。

とっても引きずられる青春と軽く言えないお話でした。

3

僕はこれが恋だと思い知る。詩的なモノローグで綴られる青春の一瞬の輝き。

ARUKU先生の作品は目を覆いたくなるような恐ろしさや、痛ましさ、胸が引き千切れそうな悲しみ、と言ったものが多く見られるので、心が少しでも弱っている時には読めないのですが、それらに比べれば、本作はうんと優しい物語だと思います。
その個性的な絵柄による、ガラス玉の様な瞳。本当に光が透けそうな髪や肌。恋する気持ちが見せている様な光輝くさま。透明感のある冷たい空気。
「僕の世界を甘く切なく変えてしまった。」
「君の笑顔が格別だってこと、僕は知ってる。」
「僕の心は君の奴隷だ。」
「僕は、これが恋だと思い知る。」
ポップスか?ポップスの歌詞なのか?と、思う様な甘い甘いモノローグで綴られる恋。詩的で、可愛らしいほど、北条と柾がきらきらと盛り上がっていればいるほど、そこにひたひたと潜む影を感じずにはいられない。
ARUKU先生の作品によく見られる、貧しくて不憫な生い立ちの柾。物語は柾がたまたま見つけた、封を開けられる事の無かった手紙を見つけるところから始まる。それはこの厳格なカトリックの全寮制の男子校で、禁忌とされたであろう、男子学生から男子学生へ宛てた、情熱的なラブレターだった。…この手紙の謎は終盤に明かされる。

二人だけの世界なら良かったのに。男子ばかりの狭いコミュニティの中で、規律を設けていないと学校の品位が保たれないという自治会長。迷い猫を見殺しにする教師。貧しい生い立ちだけれど、成績の優秀な柾を僻む須藤。この生徒のせいで物語は急展開していく。
愛しているから、守ろうとするもの。その気持ちが痛むほどに解っているのに動けなくなってしまう心。何もかもを悟った上で制裁を止めない会長。
とても哀しい別れ。

物語は夏目漱石の「こころ」の一節を急に挟む。そうなのだ、このいたたまれない感情は「こころ」のあの有名な K の自殺の章と似ているのだ。そして、それになぞらえた様に、現在この学園の校長になった「夏目」は、高校生だった当時、K とあだ名されていた。夏目校長もまた、遠い日、恋をしていたことを知る。

…それから10年。北条は大学を出て、教師となって母校へ戻ってきた。そして、神父として赴任して来た柾と再会する。と、いうところで物語は終わる。
再会を果たせて良かったとは思うのだけど、柾がどういう道を辿ったのか一切描かれていないのだ。あの可愛らしかった柾の耳にはピアスがビッシリ。タトゥーもビッシリ。神父というより、ゴス系のビジュアル系みたいなのだ。そして、北条にとても冷たい。ああ、北条の変わらない想いを受け入れてあげて欲しい。愛するが故に守ったんでしょう、赦して、愛してあげてほしい。と、切に願います。
とてもボリュームのある物語なのですが、恋の綺麗なところを丁寧に丁寧に綴られているだけに、急転直下の事件になだれ込んでからは、淡々と片付けられている様な気もしました。
夏目校長と藍沢神父の恋も、これから、というところで終わります。それがとても残念なのです。
北条の『死ぬときになって思い出すのは、この恋のことだと。』という気持ち。その懐かしい様な哀しい様な、どうしても寂しい気持ちになってしまう、この恋に。やっぱりとても涙が溢れました。
一生の間にそんな恋をする者が何人いるだろうかと。

5

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