IN THE APARTMENT

in the apartment

IN THE APARTMENT
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神166
  • 萌×276
  • 萌53
  • 中立24
  • しゅみじゃない17

--

レビュー数
38
得点
1317
評価数
336
平均
4 / 5
神率
49.4%
著者
絵津鼓 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
シリーズ
IN THE APARTMENT
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784813030515

あらすじ

「好きっていうより いとしい」
ある日の朝、小学生のときの同級生・杉本と妹尾は再会した。
偶然同じアパートに住んでいたふたりの間に生まれる交流。
大人になった妹尾はつかみどころがなくて、まるで猫みたい。
そんな妹尾を杉本はなぜだか放っておけなくて…

表題作IN THE APARTMENT

美容師4年目
杉本と偶然再会 小学生の時の同級生

その他の収録作品

  • カバー下表紙1【表】:二人のその後
  • カバー下表紙4【裏】:あとがき

レビュー投稿数38

雰囲気系かなぁこれは

アパートのゴミ出しで再開した、杉本と妹尾の物語。
個人的に、関西弁ならではの世界観があると感じました。
特に、独特なノリ。
杉本は、おかんキャラで、少し神経質。
妹尾は、とってもマイペースで、甘えた。
そうかと思えば、関西弁でないとたぶん表現できない、
独特な恐怖を感じさせる発言を唐突にしたりと、
カラフルなイメージを持つ明るいキャラです。
とにかくかわいい。なんか和むわ。でも、なにか不自然さも感じる明るさなんです。
二人は、ボケと突っ込みの漫才コンビをイメージさせる雰囲気の会話をします。

私は完全にはまりました。
まず、アパートのゴミ出しという、ありふれたシチュエーション。
二人の再開が、ここというのにまず拍手。
個人的に、”再開”という言葉は、
結構プラスのいいイメージがあるんですが、そこにゴミ出しwww
いいわこのギャップ。
関西弁好きです。しかも、今回は笑える。
コマ割りも、時間の流れの雰囲気がわかりやすく、読みやすいと思いました。
会話のテンポとうまく混ざり合っていて、とっても楽しめました。

ストーリーの方ですが、
この二人、それぞれに、過去の問題を抱えています。
が、つらい話もなぜか笑いに変えたり、
軽い感じにしてしまうのが、関西独特のノリの凄いところ。
結構暗い話よそれ と心で突っ込んでおりました。

つらい過去から逃げてきた妹尾。
その過去を、思い出さないようにするために、
明るいキャラを演じてきたのかなぁと思いました。
でも、杉本の応援もあり、一件落着後、彼の雰囲気が、落ち着いた感じがしました。
本来の妹尾が戻ってきたのかなぁと思いました。
杉本は、-思考に偏りがちだと思うんですが、
妹尾の謎のノリで、少し元気が出た所もあると思います。
妹尾ほど深い展開はありませんが、
ページが進むほど、前向きに進んでいる感じがしました。
最後まで読み、今までの、二人の面白いのやり取りには、
意味があったんだと感じました。
互いが支えあっている感じがして、いいカップルでした。

妹尾 黒髪受け 神になりました。



12

良かった!

私が読んで個人的に感じたことなので
違うなと思われる方もいらっしゃると思いますが
これが私の感想です!

読んだ後の感想が「BL漫画にしてしまうのは勿体ない」でした。
BLというのは読む人が限られてしまいますが
この作品はもっと色んな人に読んでもらっても良いようなお話です。

キャラクター達は本当にかわいいです!!
会話にもテンポがあって妹尾くんの性格が本当かわいい(笑)
でもいつもまったりな彼らにもお互いに悩みがあります。
家族関係、仕事関係、過去の友人関係
それぞれとても重い話なのですが
なんというか、リアルだなと感じました。

妹尾くんのはびっくりするけど理由がわりと現実的で
「そんときはもう必死で」という妹尾くんの言葉がすごくリアルに感じます。
どうしようもない状態って冷静に考えたらあり得ないことでも、これしかない!ってなってしまう、思い込んでしまう、それが大きな間違いだって終わってから気づく
そういう事ってありますよね。

逃げても逃げられない現状であるのに逃げてしまう
その問題の大きさは違ってもこういう状況や感情は誰にでもあるんじゃないかと思いました。

彼らの悩みがリアルというより、彼らの感情と行動がとてもリアル。
人間の弱いところが出てます。

わりと自分と歳も近いので少し杉本くんの家族や仕事の話は少し考えさせられました。


甘々なBLが読みたい方にはあまりお薦めできません。
「好きっていうより いとおしい」ですから(*´`*)笑
お互いがお互いを必要としていてじゃれあっているに近いなと私は思います(*^^*)
そしてもしかすると好き嫌いというより苦手が分かれるかなと…

皆さん書かれていますが内容のわりには印象的に暗くありません!
妹尾くんのボケと杉本くんのつっこみはすっごくおもしろいので(笑)
シリアスな空気かと思ったら妹尾くんがボケたりします(笑)
元気でかわいくて憎めない妹尾くんいとおしい!

11

"すき"と"いとしい"のちがい

淡々としたシーン運びと静かでシンプルな画面処理で、なんだか薄荷の匂いがしそうな世界だな、というのが第一印象でした。

読み始めてみると、登場人物たちがネイティブの関西弁でまずちょっぴり驚きがあります。
気兼ねのない男同士のカジュアルなやりとりにもくすっとしたりしつつ更に読み進めていくと、攻めの抱えている物も受けの抱えている物も、第一印象からは想像もつかないくらいずっしりとリアルな人生のしがらみでまた驚きました。
この筆致・導入で、なんて重いテーマを扱うのだろうと思いつつ、特に何かが浮いているというわけではなく、自然に物語に入り込んで読み進めることができました。

生きていくために、選んだ職業。だからどんなに真面目に努力をしてきていても、自分の中の情熱の欠如みたいなものへのコンプレックスを拭うことができない。
攻めのバックボーンも、カジュアルな導入からは想像がつかないくらい緻密でリアルだと思いました。
受けの抱えるしがらみも言わずもがなで…
妙に飄々として見える受けの根底にあるものが、自分の人生に対する諦観だと知った時の切なさはとても胸にきました。

こんな二人が出会って、惹かれていく。
自分の中だけにとどめて、うずくまってじっと耐えていたものが、一緒に過ごすうちにお互いにだけそっと漏れでてしまって綻んでいって、お互いを救いたいと思うようになる…というのが、
攻めと受けの出会いに、お互いを救えるのはお互いしかいない…という相互補助的な必然性があるというか…
とにかく萌えという一言では言い表せないのですが、二人が出会ったこと、深く互いを知り、繋がれたことへの感動がありました。

一つ一つの言葉選びもとてもよかったです。
「すきっていうより、いとしい」
攻めの台詞からは、身体も性も容姿もその他の何もかも飛び越えて、ただひとりの人間として君のことを好ましく想っている、という真摯な気持ちが伝わってきてぐっときました。

なんだかぜんぜんうまくこの読後感を説明できた気がしないのですが、
ただの雰囲気漫画ではない、確かな重みのある一冊だったと思います。読めてよかったです。

6

生きた人間を描いてる!

恋愛なんて、読み進むうちにそっちのけになってしまう。

二人の関係はたしかに重要なエッセンスではあるけれども、彼らが抱える問題のリアルさ、それに向き合う感情の流れ、一つ一つ逃さず、拾い集めて描きこまれていると感じます。

男性同士の恋愛模様の楽しみだけのBL作品からは一線を劃す、人間の弱さ、強さ、汚さ、健気さ、愛おしさが詰め込まれた名作です。

5

お互いを思う気持ち

2人は偶然同じアパートのゴミ捨て場で再会します。それからご飯を一緒に食べたり、TVを見たり、杉本は美容師(修行中)なので妹尾にシャンプーをしてあげたりとまったりとほのぼのと毎日が過ぎていきます。

でも2人には現在もそれぞれ消化できていない過去があります。
仕事と家族の事で悩む杉本。ややこしい三角関係?の恋愛から逃げてしまった妹尾。

暗い話になりそうなんですがなぜか暗く感じない。これが関西のノリかなと思います。

2人が再会して少しずつお互いに前に進んでいく。大きい派手さはないですが、コマ割りもわかりやすくて、2人も可愛くてほのぼのしてて、会話のテンポもよく関西弁。
とても癒されました☆

3

今年の私の新人賞候補

最初は軽いラブストーリーか、ラブには至らない日常が延々と続くような話かなと思ってたら、しっかり心情を描いた人間ドラマでびっくりしました。
登場人物もみな魅力的。一見普通なようでいて、どこかが欠けているような二人だから、
弱さもが見え隠れしているところがすごくよかった。
ノンスタイルのボケのような関西弁のやりとりも面白いし、意外にも重い荷を背負ってる二人が、それぞれ過去に向き合って前へ進む姿にじんわりとした感動が。
なんとなくTATSUKIさんの『八月の杜』を思い出して再読してしまいました。

3

考えさせられるテーマ

BLだとか恋愛だとかというのとは別に
人間として生きる上での、人それぞれが抱えるいろいろな問題・・・
みたいなものが、テーマとしてあるようなストーリーでした。

小学校のころの友達、妹尾と偶然同じアパートに住み再会した杉本。
そんなに気が合うわけでもなく、どちらかと言ったら
杉本とはまるで性格が違う妹尾に振り回されながらも
なぜか気になって久しぶりに会った二人が最初は他人行儀にしていて、
やっぱり気になりながらも
踏み込みたくても踏み込めない何かがそこにある感じが
近づいたり離れたりする二人の距離から感じ取れました。

ふわふわとしていて、そんなことを、ちっとも感じさせないほど軽く見える。
すごくグッと来たのは、まだ最初の方で、重い悩みが何なのかはわからないときに
杉本にシャンプーしてもらってる妹尾が涙を浮かべて、何かを想っているところ。
その感じた何かは後になって、妹尾自身が杉本に明かしています。

杉本は杉本で、家族や仕事の悩みを抱えながら
それでも、精一杯自分なりに生きて行こうと考えてる真面目な学生。
誰でも、自分を正当化して自分の良いように理由をつけて生きて行こうとするけど
杉本も最初は、自分のしてきたことを正当化し嫌なことから逃げて来たけど
妹尾と再会し彼の抱えて来た悩みをきっかけに、自分も前に進もうと決意し
今まで目を背けてきたことに、正面から向き合う覚悟を持てたのかな。
妹尾もそんな杉本に少しづつでも心を開き、その過去について話すまでになるのは
もうお互いに、心を許しているようにしか見えなくて。
そんな杉本が妹尾の背中を押し、忘れたくても忘れられずに
諦めたくても記憶から消せないでいる、その悩みの主とけじめをつけようと動く妹尾。
妹尾もまた、杉本がいたから今の状況から抜け出すことができ・・・

最初会った時に、いくら小学校での同級生とはいえ
何も感じない相手にそこまでしないだろう・・・というくらい
杉本は妹尾が気になり、ほっとけない時点で
悩みもまるごと、引き受ける覚悟ができてた杉本って
自分では気づかないかもしれないけど、かなり妹尾のこと好きなんだなぁと思いました。

ストーリの内容な、少し暗めの重い感じもありますが
その想いテーマを、二人のやり取りと、ギャグで感じさせなくなってました。





2

BLの枠に収まりきらない

他の方も書かれていますが、あまりBLを読んだ、という感覚になりませんでした。
結構ぶ厚い1冊で、日常描写をメインに、杉本(攻)と妹尾(受)がそれぞれ抱える問題を絡め、恋愛・エロ描写は少々、といったところです。しかし、読み終わってみて、何かとても満たされた気持ちになりました。

小学校ぶりに同じアパートの住人同士として再会した杉本と妹尾の2人が繰り広げる、関西弁での日常のゆるいかけ合いは、読んでいても心地よく笑えてきます。そんな2人は、辛い現実から逃げてしまったという負い目をそれぞれ抱えていますが、2人で過ごす時間の中、それぞれの問題に向き合っていくようになります。

作中の台詞(これだけならネタバレにならないかな...?)で、
「誰かを許せんことで 自分も許せんようになる」という言葉にハッとしました。

恋なのか、友情なのか、傷の舐め合いなのか、いずれにしても、お互いの存在を力に変えて現実に立ち向かうことができる。そこには確かに愛の存在を感じました。

また、エロ描写は少々、と描きましたが、逆にこのくらいあからさまじゃない方が個人的には好みです。妹尾の案外可愛げのあるところが見れます。

2

ふたりの未来に幸あれ

絵や作品全体のいい意味のユルさ、可愛さが大好きです。
そしてそんなユルい感じの作品でありながら、背景は結構シリアス。

大恋愛というわけではない。
けれど、二人は大人になって、小学生の頃には考えられなかったような色んな過去を抱えて、そうして再会して。
そうして始まる恋というか愛というかがあっても良い。
少なくとも二人は、互いに相手がいてくれたから、今を乗り越えられた。
そういうお互いに支えあっていく関係が、なんというか夫婦のそれに近いなって感じました。
「好きっていうよりいとしい」って言葉そのまんまだと思います。

最初は妹尾かわいいな〜すぎもんしっかりもんやなぁ〜ってほのぼのした気持ちで読んでいたのに、読み終える頃には妹尾〜〜すぎもん〜〜良かったねぇ〜〜〜って涙を拭かずにはいられないような作品でした。
二人の未来に幸あれ!

2

カラッと重い

可愛い絵なのに、何かがグサッと刺さる作品。
生い立ち、自分を育ててくれた人の老い、仕事など、主人公の杉本が抱えるものも重いのに、同じアパートで再会した妹尾は、過去のややこしい三角関係で、わだかまりが残ったまま。
こんなに暗い内容なのに、そう感じさせないカラッとした描き方は、絵津鼓先生の良さだなぁと改めて感じました。
BLっぽくないけれど、ちゃんとBLしています。
妹尾のぐうたらさにイライラしていた杉本が、だんだんほっとけなくなっていく様や、杉本に懐いていく妹尾が、どちらも愛おしい!
で、いきなりえっち?!事後に後悔する杉本が良い!ほぼ2ページを後悔に使ってます(笑)
でも、致したからといって、付き合うわけでもなく今までと変わらない。
もう、気になって気になってページをめくる手が止まらなくなります。

最後には2人とも胸のわだかまりが消えて、新たに進み出すのも読後感が良く、暗い内容でもすっきり読めました。
早く『続』を読みたいです。

2

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