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getsuei
表題作は古典的な泣ける話を題材にしていて泣ける、そしてその続きとなる「逃げ水」がびっくりするほどよかったです。人一人の人生を描ききっている感が半端ないです。こういう話をSHOOWA先生のこのおしゃれでどこか切ない余韻のある絵で描かれたらもうどうしていいかわからない。素晴らしいとしか言いようがありませんでした。
他の短編も狐につままれた気分になりつつも先生にしか描けない不思議な魅力のあるお話ばかりで満足の一冊でした。
切ない系BLです。
ストーリーはまあまあ面白いかな、神というほどでは…と思いました。表題作もオーソドックスな話ですよね。
SHOOWA先生の作品が初めてなら他作品から入った方が先生の良さがわかるかも。
短編集ですが逆が表題作の間に挟まれてたり、全体的にまとまりがない気がします。
受けが最後女中と結婚して子供を産んだエンディングが地雷で評価がこのようになってしまいました、すみません。。まあ時代的に仕方ないのでしょうけど。。
そういうのが地雷な方はご注意ください。
私はレビューをきちんと読み地雷避けしているのですが、良い評価では言及されていなかったのでちゃんと中立レビューを読めばのよかったなと後悔しております…こういうの地雷とする方が少ないんでしょうね。
別にBLだから必ず男とくっつけ!っていうわけでもないんですが。男と結ばれず結婚出産エンドって割とありきたりな様な気がしたのでそれはそれで…BLで違うことしようとしたのか知りませんが新鮮味に欠けてあまり評価できないです。
SHOOWA先生の作品何個か読んでいますがいつも線が雑なのが気になります。下書きみたいな感じで気になってしまいます。
私は絵柄などあまり気にしないタイプですが、線の雑さは絵柄と関係ないので厳し目に見てしまいます。
個人的には買って後悔した作品です。
SHOOWA先生の初めて購入しました。表題の「月影」傑作です。他の方のレビューにあったように涙なくして読めませんが、予想を良い意味で裏切られた最後でした。短い読みきりですがとてもよくまとめられていてテンポが良く絵も美しく話も儚く大満足でした。
「月影」の続き「逃げ水」も本当に良い話でした。2話とも最後がハッピーエンドで心が最後に救われました。清人が女中と結婚し普通の生活が送れたのも現実味が帯びてとても良かったと思いました。
表題作関連は、廓で育った異人の血を引く少年の一生。環境と時代に翻弄され、想い人がいるのに自分の力じゃどうにもできないのが切なくて苦しい。儚い雰囲気が堪らない。やっとやっと今度こそ夢を叶えて、幸せになれる!が、しかし!!戦争に引き裂かれ…
苦労しながらも好いた人にそれでも死ぬなと言われ歯を食いしばり、見受け前に一夜だけ想いが通じて…あああ、この想いだけで一生過ごすのか…あああ、愛!!と、ぐさぐさしてるところにぶっとびギャグ短編挟んで、後編「逃げ水」タイトルが蜃気楼?だからこんな結末も仕方ないのでしょうか…先生への想いも乗せた夢を志す中、学友に恋して想いが通じて、今度こそ良かったね…あぁぁ…からのラスト!!口元に笑みを携えてるので、良い人生だったのね、良かったね(涙)という気持ちと、何で結婚したんやーい!ずっと待ち続ける強い気持ちはなかったんか!
近くに親身になってくれる人がいたら心なびくよね。時代が時代だし。恥かかせられないしね!!いろんな愛の形にしみじみする気持ちとBL的にどないやねん!って、2つの気持ちが合わさって複雑~とても深いことは間違いないけども。笑ってるってことは真に好きな人とは添い遂げられなかったけど、一瞬でも想いが通じて、家族の温かさも知れて良かったってことなのかな。結婚生活も先生や友人への想いが見えたら、また違ったかも。最後の笑みも先生の言葉を守ったよという意味に捉えれば…腑に落ちるようで落ちない。正直すっきりしませんでした。
真逆のギャグで完全に1回気持ちが切れたのも、入り込めなかった要因かもしれません。ギャグのテンションに置いてけぼり(ファンの方申し訳ありません)
読んで良かった、すごい作品ですが、「月影」だけ読みたかったなと思ってしましました。
「作家SHOOWA初の麗人コミックス」だそうです。
薄幸/色キチ/すぐ脱ぐ/美尻/元ショタ・・ショタしかいないショタ集
月影(げつえい)(生き別れ/薄幸のショタ)
「当時の公娼は、18才以上の場合は届けが必要。清人は届けを出している設定です」とありました。
耽美作。
雪の降る日に廓の前に置き去りにされていた捨て子の清人。
清人の夢は、学校に通って医者になること。
でも14才から客をとらされてしまう、学校に行けない。
清人は16才で稼ぎ頭となる。
初恋の人・廓の担当医に想いを告げたその後日、雪が降る日に東京の上客に見受けされて廓を去る。
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「ホモ連戦隊 守るんジャー/罪隠し/ジュグリノ・ジュグノ」を挟んで巻末
「逃げ水」(元ショタ/死に別れと新しい出会い)
「逃げ水」は、その後の清人の物語。老いた清人が、病床で回想する。
養父と共に東京に赴く。学校に通う清人。
伊藤は娼館から清人を引き取り、15才と言わせて、学校に通わせてくれた。
戦争がはじまり、養父の伊藤が死亡する。
東京に来て8年。大学の学友;山口との恋。山口の出兵と死。
疎開先で医療活動をして、女中だった女性と結婚、
子供が生まれて 孫に看取られながら息を引き取る。
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清人の一生は、流転の来り返し。
廓で初恋の「先生」に言われた「生きるんや」の言葉が清人の生涯を支えていた。
波乱万丈の波を常に愛に包まれて乗越えてきた。清人の人生は、縁に恵まれ、愛に満ちた美しい生涯だと思う。
淡々とした描写なので、余計に強く情動を感じます。
読後の感動は深かった。夢に見そう。
廓でお世話になった初恋の医者との再会は、無いまま終わっています。
雪のように、溶けて消える恋だったんですね。
著者の心憎い配慮で、一期一会で後悔を残さない別れ方を清人は常に振舞っています。余韻が耽美的。
綺麗にまとめられた作品だとおもいました。
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月影:
1 月の形。月の姿。月。《季 秋》
2 月の光。月のあかり。月光。
3 月光に照らされて映る人や物の姿。「影」には、「光」「姿」の意味がある。
★ 日本語の古語には「光」という言葉はなく、光を 「かげ」 と表現した。
古語の「月影」とは、「月の光」のこと。
★「I love you」を夏目漱石が「月が綺麗ですね」と訳したのは有名。なので、「月影」と書いて「愛」を意味しているのかも。
逃げ水:(にげみず、英語: inferior mirage、road mirage)
風がなく晴れた暑い日に、道路などで、遠くに水があるように見える現象のこと。 ... 近づいてもその場所に水はなく、さらに遠くに見え、まるで水が逃げていくように見えることからこの名前がつけられた。
★清人が「幸せ」を求めては失う様子のことだと思う。
シリアスで悲恋な表題作が巻頭と巻末で、中身はフリーダムな先生ワールドな短編が挟まれた、ザ・SHOOWA先生?な1冊☺️
巻末の「逃げ水」で清人いい人に引き取られて、また恋ができてよかったね。
切なかったけど。
ラストも悲しかったけど、一生を振り返ることができてよかったね。
先生作品これで10冊読んだけど
最初、短編ごとに温度差どころじゃない世界観の違いに戸惑い、イベリコ豚は好きでハマり、最近読んだ「ニィーニの森」はスッと入るとこと入らないとこあり
私のかたい頭では理解できない不条理な世界というか、そういうものなのね、と流して読むようになってきた(良いのか悪いのか)
また、クスリの話が出てきた。
先生お好きですねw
◾︎月影 げつえい/逃げ水
ウンポポも描き、こんな話も描かれる、それがSHOOWA先生です。
「一度ぐらいちゃんと 好きな人としたいねん」こんなメロメロドラマなセリフですが、描き方がうまくて心揺さぶられずにはいられない。先生に妻子がいるというのもまた…
いくつかの作品を挟んでの「逃げ水」
清人は一度と言わず好きな人とすることができました。ただその全力の一瞬一瞬が彼を生かしたのだと思う。商業BL漫画で良くぞやってくださったという、これだけの話数で人生を描いた稀有な作品。
◾︎ホモ連戦隊守るんジャー
風呂引き広げて突然終わります。色々なんだったんだろう…
◾︎罪隠し
ヤクザものはこうであれというぐらい暗い。こうであれ。
表題作と『罪隠し』はシリアス色強め、『ホモ連戦隊守るんジャー』と『ジュグリノ・ジュグノ』はSHOOWA先生らしいコメディ色強めの作品となっています。萌えが多かったのは『ホモ連戦隊守るんジャー』なのですが、表題作が素晴らしいので、レビューはこちらに絞りました。
◆月影 / 逃げ水(表題作)
赤ん坊の頃遊廓前に捨てられ、遊女達に育てられた清人の物語です。彼は遊女達の診察に来る医者の先生を好きになりますが、年齢が上がると共に客も取らされます。身請けされる直前、清人は先生に客として来るように頼み、初めて好きな人に抱かれることを経験します。そして、先生には泣きながら書いた手紙を残し、清人は東京へ。やがて身請けしてくれた主人を亡くし、勉学に励み続ける彼は、学友の山田に惹かれ彼と想いが通じ合います。しかし、山田が徴兵されてしまい、彼を待ち続ける中でとうとう生きる意味を見失った清人。かつての先生の言葉や、自分を愛してくれた人達のことを思い出して、彼はなんとか生きる道を選ぶのです。
遊廓に拾われる、戦争が始まるという自分にはどうしようもない運命に翻弄されながら、それでも最期まで愛を忘れず必死に生き抜いた清人が本当に美しかったです。この作品の素晴らしい点は、清人が最初に惚れた先生にいつまでも操を立てるわけではなく、時が流れると共に新しい愛も受け入れるところだと思います。もちろん1人の人間だけを生涯愛し続けるのも素敵なことだけど、いろんな縁が増えていく中で、それらに目を向けないことが必ずしも賞賛されるべきことではない。先生の存在は清人の記憶に色濃く残っていますが、彼は新しい縁にもしっかり向き合ったのです。
先生を愛し、身請けしてくれた主人に愛され、山田と愛し合った清人。最終的に彼は、自分を気にかけてくれていた女中と結婚し、子供も持ちます。BLという一言にはとても収まりきらない彼の人生。この時代にはきっと、彼のようにその時々の運命の波に乗りながら生きた人が大勢いたんだろうなぁと思いました。清人が与えた、もしくはもらったどの愛も、一途でかけがえのないもの。清人の心の中で彼らは清人に愛され続けている。人によっては薄情にも感じるかもしれないけど、清人が彼らを忘れないこと、私はそれで十分なんじゃないかと思いました。こういう展開の作品は非常に珍しいと思うので、BLを嗜む多くの方に読んでもらいたいですね。
イベリコシリーズからSHOOWA先生とその作品に出会いました。
「SHOOWA先生といえば"ギャグBL"」という印象であった為、表題作とその続編『逃げ水』のような寂しいお話は、とても新鮮に感じられました。
戦前戦後の昭和を舞台にしている辺りも、この単行本に収録されているアメコミ風が基調の他作品とは一線を画しており、良いと感じました。
「作風を統一してほしい」との意見もありますが、「このギャップこそ表題作を引き立てているのでは??」と思います。
表題作のみの感想ですが、
最後の続編を読んで結局そうなっちゃうのか。
って思いました。あまりBL作品でない結末だったので
きれいな終わり方だったのかもしれませんが。
個人的にはバッドエンドとは言いませんが、
NLになるので気分は良くありません。せつないのが嫌いな分けではないのですが、
最後はちゃんと最初の相手と結ばれて欲しかったです。
最後の最後にNLになっちゃうのか・・・。と
BL漫画を読みたかったのでNLが苦手な私はつらかったです。
話は引き込まれるし良かったけど
読んだ後かなり モヤモヤしました。
この作品は人生の流れが美しく描かれていたので、
好きな人も多いと思いますがあくまで私の地雷で苦手でした。
「月影」SHOOWA 先生 読了
読み終えてちるちるでレビュー漁っていたら、「表題作神だけどほかは…」派と「表題作しんどすぎ、ほかのが楽しくて好き」派にきれいに分かれています。
ちなみにわたしは前者です。表題作本当にわたしの中でどタイプでした。こういう悲恋大好きでございます。
おすすめしてくれたフォロワーさんに「今度部活に持って読みます」って言ったら「やめたほうがいい」って言われましたが、
ご忠告ありがとうございました。まじで号泣しましたもん(笑)。
ストーリーの背景といい、絵柄と雰囲気のぴったりさといい、本当に文句なしの神です。
絵柄があらっぽいという方も見かけましたが、わたしは割と好きです。
というか、正直ストーリーさえよければ、絵柄がどうであろうあまり気にしないタイプです。特にこの作品の内容と雰囲気に、このスケッチっぽい(?)絵柄がすごくフィットしていると思います。
ただし、短編集は雰囲気の似たような作品に揃えたほうがいいのか、全く違う雰囲気の作品を集めたほうがいいのかは未だにわからない。
少なくとも、本作では2作目でかなり戸惑ってました。なんの話やろう…と何回か見直しながら、
「特に深い意味なし?」って思いながら読んでました。
尻フェチの話は、もはや完全に「やまなし おちなし 意味なし」の部類に入るんじゃないんですかね…もし何か深い意味を喩えているのなら、ご存知の方教えていただけると幸いです。
最後はまた表題作の続きになりますが、これは…BLではないような気がします(笑)。でもこういう終わり方割と好きですね。
どっちかというと、BLにするために無理やりくっつけるよりは、
いっそほかの道を探すほうが現実味があって良いと思います。
普通ならこのような終わり方書けない(書かない)と思うし、出版社も許してくれないと思いますが、本当に先生と出版社さんに感謝です。
評価に迷いましたが、やはり表題作以外はあまり趣味ではないので、敢えて中立にします。
友人からのオススメで手に取りました。
表題作、その続編は、確かによかったです。最後はジンとしました。いいおはなしだったとおもいます。でも、同時収録は・・・・・・・どうして、これをいっしょにいれるのか、編集部に疑問を持ちます。あまりにもバカバカしくて、最初から、このバカバカしいはなしを読むつもりで手に取っていれば覚悟もありますが、表題作の切なさの後に来ると・・・・・・・
それに絵には魅力があって個性的だと思いますが、マンガはコマ割りが下手だと思います。よみづらいです。それから、うまいけど荒い。雑。このマンガ家さんが、どうにも好きになれないのは、この荒さのせいだと、あらためて思い出しました。ストーリーテラーかも知れないが、このマンガの荒さが好みではなかったので、このコミックスにかんしては中立で。でも、これからも、よっぽど強く勧められないかぎり、手には取らないマンガ家さんだと思います。こんな構成のコミックスを平気で出せる当たり、好みとか萌えが違うんだと思うので。
ずううううっっと気になっていたんだけど、確実に読んだら「つらい」気分になるのが判っていたので避けていたこちら。
竹書房のキャンペーンで半額で購入できたのと、どうしても好奇心が優ってしまって どう「つらい」のか自分の目で見たくて読んでしまいました。
【月影】
・・・・ずうううぅぅぅぅん・・・。
はぁぁぁ・・・やっぱりつらいお話でした。
次から次へと、清人の意思ではどうにもならない男娼という立場ならではの辛い描写が襲ってくる。
清人がこれまたひたすらひたすら、いじらしい。
「先生」
「せんせ・・・」
「せんせっ・・・」
「せんせぇ・・・」
「せんせい」
いかん。これを入力しながらまた泣いてしまった。
【ホモ連戦隊守るんジャー】は前作で流した涙を吹っ飛ばす作品。
「いつかメス馬とやれるように体を鍛えているんだよ。」には大笑いしましたけど、全体にはついていけず・・・。
シリアス系ではないSHOOWAさんテイスト全開だと思うし、ギャグで覆った壮大なテーマが隠れていると思うんだけど、すみません、読み解こうとまでには至らず。
【罪隠し】
任侠モノシリアス系のお話。なかなか人物関係が掴めず、3回読んでようやく解りました・・・。
【ジュグリノ・ジュグノ】
運び屋二人組とそれを追う(美尻も追ってる)警部のお話で、警部が二人を見て萌え萌えしているのがアホすぎて笑えました。面白い。
【逃げ水】
そして表題作の続きがようやくここで。
17歳から、清人の今際の時まで描かれていました。
時代に翻弄され、二度愛を失った末に得たものが描かれていて、これはこれで良かったと思うのだけど、生涯のうちでもう一度、先生に会わせてあげたかったと個人的には思いました。
でも、会うといかにも漫画ストーリーになってしまうので、会わない方がよりリアルでベストだったのだと思います。
最後の一コマが橋桁に座って佇む幼い頃の後ろ姿で、これだけでも泣けました。
月影・逃げ水のみでしたら神ですが、本一冊で評価すると萌2です。
評価が高かったので読んでみましたが、暗すぎてあまり萌えませんでした。
清人が不幸すぎです。遊廓のお話なので思う人とは結ばれないし、好きじゃない人としなきゃならないのですが何回読んでもこの手の話には慣れません。少年の頃とか可愛くて、みんなの子供みたいにみていたのに、客をとらされる事になった日が悲しかったですね。この最初の「月影」と最後の「逃げ水」が同じ主人公なので、最終的にはハッピィエンド?と期待して読んでみましたが、またか!ってくらいの不幸が起こります。「イベリコ豚」のゆるーいテイストのほうが私的には好きでした。
この一冊に何個かの短編が入っているのですが、「月影」とのギャップがすごすぎて、かなり面喰らいました。
いろんなテイストを描ける作家さんですね。
SHOOWA先生の作品はこの一冊しか持っていません。5編の短編の色が違いすぎて、次はどれに手を出してよいのか決められず今に至ります。
・『月影』
『月影』はBLの廓ものとしてはよくある設定ですが、ストーリー運びがすごかった。こうなるんだろうなってわかっているのに泣けてしまう。清人が何度も口にする「先生」「せんせい」の呼びかけが、時にグサリと時にはチクリと切なくて、いつもはBLの「先生」という台詞には萌えまくりなのに、清人の「先生」にはただただ泣いてしまいました。
そして先生のモノローグ「全身が、痺れたのだ、指先まで」のところで、読んでいるこちらまで痺れてしまい、そこから物語の最後まで息を止めて惹き込まれた。
・『逃げ水』
「私の愛を語ろうか」から始まり、無邪気で幸せだった子供の清人の姿で終わる物語。清人の生涯を綴ったこのお話で『月影』が昇華しました。
『月影』『逃げ水』はモノローグが中心となった物語です。饒舌に語られるモノローグがやけに静かで、いつもは読みながら物語に合った音楽とか、自分の心の声が脳内に響くのですが、私の脳内もすっかり無音になりました。
「私はまた新しい愛を知る」、どんな困難にあってもこんな人生を歩むことが出来た清人に、人生って素晴らしいなぁと心から思えるのです。
・『罪隠し』
こちらは対照的にモノローグがまったく無い構成です。漫画家は絵と台詞で魅せてこそと言わんばかりの迫力です!これはすごい。正直なところSHOOWA先生の絵柄は好みではないのですが、こんな作品を読むとやはり他の作品も読んでみたいと思います。
・『ホモ連戦隊守るんジャー』と『ジュグリノ・ジュグノ』
表題作を読んだ後に『ホモ連戦隊守るんジャー』。あまりにテイストが違いすぎて戸惑い、まったく頭に入ってこないまま読み終わってしまい、しばらくしてから読み返したら面白かった。なぜ同時収録したのかと思います。『ホモ連戦隊守るんジャー』と『ジュグリノ・ジュグノ』は別に読んだ方が絶対に面白いです。普段SHOOWA先生を読みなれている方は違うのかな!?
振り幅の広い短編集。時間をおいて何度も読み返して『神』を付けます。さて、次はどのSHOOWA作品を読んでみようか・・・。
ウーーン 辛かったです。数日頭から離れませんでした。
SHOOWAさんの描かれるキャラクターの顔が好みです。
そしてイベリコよりこういうストーリー性のあるものの方が好みです。
表題と、『逃げ水』がメインストーリー
清人の自分の力ではどうにも出来ない一生がとっても切ないです。
そんな環境でも一時の恋をし、家族と孫まで出来るので、その時代の他の人たちに比べれば幸せな方なんじゃないかと思うのですが、
SHOOWAセンセイの間の取り方とストーリーの運びが清人を不幸に見せているお話です。時代物や戦争物は、その設定だけで5割増しで胸がぎゅーっとして泣けますね。
そして、最後の、清人の子供の頃のコマの破壊力がすごかった。。。
なんでこんなに胸に突き刺さるんだろう。。
辛い思い出を何も背負っていない、
この頃が人生で一番幸せだった時だったからじゃないのかな。。。
と思いました。
後ろ姿を選ぶところに、センスを感じます。目に焼き付いて離れません。
「ニィーニの森」もだけど、SHOOWAさんの作品は描かれているものがデカ過ぎるのですよ。
BL読むぞ!の姿勢で読むと上澄みだけすくって終わりになるので、もういっそ端からBLとは思わないで読む方が楽しめます。
BLの皮を被った人生哲学本ですね。
『ホモ連戦隊守るんジャー』で描かれているSHOOWAさんの考え方が目からウロコで感心しました。
「ニィーニの森」同様、キャラ達の会話がグサグサ刺さります。
極論で厭世的に生きる守衛のジョリーさんのような生き方もあれば、自分の正義を信じて疑わないブラックのような生き方もあるし、矛盾に気付いて自分の思う正しい道へ進もうとするブルーの生き方も間違ってはなくて。
確かになー成る程なーってなったところで、
「バラバラだと思っていた俺たちの心は一つだった」
最後にこのモノローグですから、これには思わず鳥肌が立ちました。
いやーSHOOWAさんすげーなと。
この方はおバカテイストな作品もホント侮れません。
集団社会の縮図のようなヒーロー5人のキャラ設定も面白いんですよね。
本来チームをまとめて率先して引っ張ってく役割のリーダー格(レッド)が「中間管理職」なんですよ。リーダーと言えば聞こえがいいのをわざわざ中間管理職とした上で、レッドがいかにも中間管理職って感じのキャラなところに「リーダー」に対するSHOOWAさん流の皮肉を感じます(笑)
イエローは客観的に見ると自己中で最低な奴に見えますけど、一番人間的なタイプですね。
表題作は、『月影』だけならただの切ない悲恋モノですが、そこで終わらず『逃げ水』を足されているところにSHOOWAさんらしさを感じます。
「人生は愛と死 / don't cry 愛死合おう」とメメント・モリの精神を歌う大好きな曲があるんですが、それが読んでる間ずっと頭の中で鳴ってました。
この作品に込められている「絶望しても生き抜け!」というメッセージは「ニィーニの森」とも繋がりますね。
「私の愛を語ろうか」と始まり、走馬灯のように見せられるギュッと凝縮された清人の一生に、生きるってこういうとなんだなと改めて実感しました。
最後の1ページにはこみあげるものがあります。
『罪隠し』は、この作品集の中では唯一ストレートにラブストーリーです。
しかしながら恐ろしく歪んでます。
昼ドラすら軽く超えるドロドロさ加減に思わず震え上がりました。
すげーなこの息子((((;≡д≡;i))))こえーよ!!!
これはもう何を書いてもネタバレにしかならないのでこの辺で。
読んでみるのが一番です。
この先この二人はどうなっちゃうんだろ…
『ジュグリノ・ジュグノ』は、違法物資を運ぶ運び屋と彼等を捕まえたい刑事の話。
ルパンととっつぁんみたい(笑)(因みに刑事の名前はA-キチ)
これはもうさくっと面白い感じで、ある意味平和な1編です。
BL的には、主人公(ジュグノ)×相棒(ピルシェ)に刑事(A-キチ)の横恋慕って図です。
トーンに落差のある色んなお話が入っていてアップダウンは激しいですが、それもまた良しではないでしょうか。
今年のBLアワードで最も辛い作品に選ばれていたので買いました。たしかに辛かったです。前半が終わって「あれ?そんなに辛くない…?」と思ったら後半で心が粉々になりました。直球のバッドエンドではないところがまた悲しさを引き立たせます…!でも、後味の良い作品だとも思います。清人は二度恋路を絶たれますが、最終的には色々な愛を知ることができ、家族にも恵まれます。本人が望んだ最良の結末ではないものの、一つ見方を変えればハッピーエンドにもなります。なので読んだあと、心が温まりました。辛いことには変わりないんですけどね…!じわじわくる辛さで読み終わった後一時間後に気づいたら泣いてました…。そんな悲しさです。
守るんジャーもぶっ飛んでましたが、月影の後に読むと心が救われます(笑)
まとめると、月影は切ない作品が読みたいときにオススメです!
BLアワードの結果通り、つらいです。
表題作と、表題作の主人公・清人のその後を描いた最終章は、つらすぎてモヤモヤがしばらく残ります。身体を売り、戦争に巻き込まれ、恋した人は2人とも、遠くに…。最後清人が笑っていたのがせめてもの救いかな。清人を大切に思う人が生涯通して沢山いたから笑って逝けたのだろうけど、哀しみはカバーできてるのかな。んんんん難しいし切ない。
二作目は月影の雰囲気ぶっ壊しの(笑)戦隊ギャグでした。最初読んだ時は月影のつらさを引きずり過ぎて内容が入ってこなかったけど、2度目に読んだら、ブラックとブルーの関係が気になって気になって……だって2人ともかっこいいんですもん……え、これで終わり??ってびっくりしましたwブラックとブルーがもっと見たい。゚(゚^ω^゚)゚。
うーん、「シュミじゃない」ですね。
こういう静かな空間の雰囲気を読むのが
私は苦手なようです。
こういう雰囲気が好きな人には、
たまらない作品なんでしょうね…。
SHOOWAさんの作品はすごーく幅がひろいので、
私も好きな作品と苦手な作品があります。
この作品は苦手な作品の部類ですね。
読み手によっては、多分?
切ない情感があるのだと思います。
うーん、でも私には心に響かなかったです。
SHOOWAさんの作品は、
やっぱり分かりやすい
「イベリコ豚」シリーズとかが好きですね。
清人の一生、過酷な状況の中で生まれ育ってきたけれど、それでもその過程で色んな形の愛を受けてきたんだな…拾われて、年上の男を好きになって男娼になって、戦時下に友人と恋をして、死別して、走馬灯のように今まで愛し愛された人との思い出がよみがえる場面で思わず涙。戦争ものは、涙腺が崩壊してしまいますね。最期、幸せそうに逝けてよかった…。
そしてかと思えばSHOOWAさんらしいギャグテイストな漫画も間に挿入されていて!ふり幅が凄まじい、さすがです。奇抜で独特な世界観を楽しませてもらいました。
実はSHOOWAさんの作品に多いあのノリ、ギャグ?といっていいのかわかりませんが、そんなにストライクじゃないんです。さーっと読み流してしまう感じ。嫌いじゃないですけどね。
でも、こちらの表題作の月影は本当に切なくて、大好きです。清人に感情移入してしまい、涙なしでは読めませんでした…。特に最後、清人が布団に突っ伏してなくシーンは…もう!!こうするしかなかったの?どうにか幸せになれないの?と切なくて切なくて、胸が痛いくらいでした。
でも、この続きの話が、短編集の最後にあるんです。憎い演出!!これがまた素敵。ありきたりですが、愛って、本当にいろいろだな、と。清人は不遇な環境に生まれたけど、愛すること、愛されることを知って、とても幸せだったな、としみじみしてしまいました。
こういう話も、SHOOWAさんの独特の絵だからこそ良くて、SHOOWAさんらしいですよね。
書店でジャケ初見、男娼ものかー、へぇー・・・え、SHOOWAさんの?という買い方だったんですが、いろいろ入ってオトクなSHOOWAさん本でした。
発売を知らずにいたなんぞ、不覚。
短編五話のうちの頭とケツは、表題作の前編&後編になっとります。
連投じゃなくて頭とケツに分けてあるってのが非常に効果的だと思いました。
後編最初の「私の愛を語ろうか」という言葉がとにかく忘れられないです。
この言葉が後編を単なるその後や回想じゃなく感じさせるし、前編も一瞬で包むというか刺し貫くというか、テーマが前にやって来るんです。
各キャラのことがよくわかるエピソードが描かれていて切なさアップ。
舞台でも見てみたくなる作品でした。
四話目の「ジュグリノ・ジュグノ」が西洋痛快冒険映画チックが楽しかったです。
「主演」二人の関係と正体とか、アクションとか、危機とか・・・。
あ、それと一番最後のコマとか(笑)。
イベリコ豚まつりのこの頃。
いやーこの方の才はすばらしいですなぁ。
頭の中のぞいてみたいくらい、SHOOWAさん解剖スペシャル本が欲しいくらいです。
余談ですが、ジャケの「月影」の文字の上に「THE MOONLIGHT」って小さく書かれていて、影だけどライトなんだーと思いました。
日本語だと「イク」けど英語は「come」みたいなもんかしらと思ってみたり。
カバーのもの悲しい雰囲気に惹かれて購入すると、きっと大体の方がダメージを受けます。
ふり幅の広い読み切り短編集であることを念頭に置き、その上で読み始めるのがベストです。なにしろ「切ない…」と思った直後にホモ連戦隊・守るんジャーがはじまりますもの。 ( Д ) ゚ ゚ となること必須です。
しかしこれもまたSHOOWA先生だからこそ成せる妙というのか…麗人編集さんの妙技なのか…月影・逃げ水の二作品が(恋苦しいという点において)非常に素敵でしたので、必然的に☆の数も増えております。
[月影]
花街に生きる者として、廓で育った者として、避けては通れなかっただろう世界が描かれています。絶対的な切なさは読者として覚悟し、それでもどこか救いを見出したくなる話です。
先生と清人の関係が、明るくならないだろうなんてことは重々分かっていました。それでも俺はお前と逃げる!なんてことないんです、だって所詮医者先生だもの。どうにもなりません。
どうにもならないことを清人も分かっているし、そうして清人を篤く受け入れてくれる人も現れて、こちらもホッとしました……したけれども昇華しきれない侘しさがありますね。先生はずぅっと清人を大切にしてきたのですもの。
庇護してやりたい感情から、愛が芽生えてもどうにもなりはしない。最後の逢瀬と交わりが美しくも儚く感じました。
[ホモ連戦隊・守るんジャー]
ツッコミどころしかない守るんジャー! 敵組織の名前までもがゲインズ!
いなくなったブルーの補てんはなんとオーディション! 子供が知ってる戦隊ヒーローからはほど遠し!(笑)
まともそうに見えるレッドまでもがややおかしく、むしろ守るんジャーはほぼ全員がブッ飛びキャラクター……BLとかもうそれよりもギャグ?ギャグ漫画?ネトラレ属性のあるイエローの心境をありありと語られポカーンとなりつつも、尻尾挿入というあたりに萌えるこの「くそぅっショーワ先生の術中だ!!」感。
あっちこっちの問題に話のなかで飛び飛びになるのですが、それでも違和感を覚えませんでした(いやついていけてないだけなのだろうか!)。続きがあるのでしょうか? ……ぜひ拝読したい!
[罪隠し]
あまりトーンが使われていない画面がこの殺伐としたストーリーにぴったりはまっています。私はヤクザものが好きで、ヤクザものなら救いようのない話が好きです。このお話もどちらかと言えばメリーバッドエンドの部類かと思います。
ショージの本当の狙いが恩田であったかは定かでないなと感じました。傷をなめ合うように持っていくラストでしたが、果たして本当にショージは恩田の気を引きたかったのかな?という疑問が残ります。なんでしょう、可哀想な者を見る目?というのかな。歪んだ雰囲気をショージから感じ取ります。
ヨソの組(たぶん)の若衆か誰かとまぐわっているところを見せつけたり、冒頭のようにイケナイものに手を出して恩田を煩わせたり、思春期らしい「構われたい」様子を出していても、なんだか心ここに在らずのような…難しいふたりだなと思いました。好きですこういう虚しい話。
[ジュグリノ・ジュグノ]
わけがわからないぜパート2! 世界観は西部劇でした。A-キチは州警察っぽいような。
根底に流れている設定はすごくすごく惹かれるのですが、上を彩る摩訶不思議なキャラクターたちにすべてモッていかれるのですよね。イロキチAーキチの存在が特にそう(笑)
ピルシェも狼男なのね!ですとか、ショタ・ジュグリノのスマグラーというお仕事ですとか、そもそもの二人の関係性ですとか! 恋人のようには見えないのだけれど……狼男兼淫魔とかそういうことでしょうか?
ジュグリノ・ジュグノ、今日も荒野を駆け抜けるぜ!
[逃げ水]
世が世なら、夷狄の子として遠ざけられていたのだろうなと思う傍らで、清人が持つ美しさゆえの哀しみある人生なのだとも感じる表題作・月影の続編。
養父に愛され、初恋の人を想い、そして新しい恋を覚えてすべてを喪いながら、それでもまた巡る愛に救われている。
清人の思う「しあわせ」は、彼にとって逃げ水のように遠ざかる……というニュアンスのタイトルなのかなと思いました。いずれは暑さも失せ、そうして水の元へたどり着く。最期の光の中、あまたを喪いながら命の灯を静かに消した清人の一生が綴られていました。
最後のコマに描かれた、まだ廓で先生に飴を買ってもらっていた頃、橋の欄干に腰掛ける清人の小さな背中がしごく愛おしく思えます。
SHOOWA先生いわく、この一冊はショタだらけ(笑)だそうですが、そのショタも色んなショタ祭りです。
麗人だからこその雰囲気なのかな。短編集ですが魅力的な一冊でした。
表紙の雰囲気からしてキタコレと思いつつ本をめくりましたが、
カオスなギャグとシリアスの入った短編集だったんですね~。
そういえば何作品か読んでる作品も収録されとりました。
しかしギャグとシリアスのふり幅がすごいです。
一冊にまとめると強烈カオスですね。
でもそれぞれの作品はそれなりに面白かったです。
実は雑誌で連載されていた時は意味がよくわからなくて読み飛ばした作品もあったんですが、改めて読んでみたら意外と好きかもと思えた作品もありました。
■【月影】
月影と最後の収録作品はつながっています。
【月影】の清人(受)のその後が【逃げ水】です。
廓に拾われた男の子、清人が、廓専属の医師に惚れてしまう話。
清人の好きで好きで仕方のない様子や、
清人を身請けしたいけれどそんなお金もなくてどうしようもできない先生の、二人の様子が切なかったです。
■【ホモ連戦隊 守るんジャー】
いやもうタイトルからしてついていけねーwww
サービスショット満載です。
ピンクはお色気担当です。
■【罪隠し】
ホモ連戦隊の次は893です。
終わりが中途半端に感じました。
あの恩田と坊ちゃんはその後どうなるの?と。
気になります。
■【ジュグリノジュグノ 】
異世界系のお話。
なんやよ~分りませんがなぜかニィーニの森っぽさを感じました。
美尻はいいよね!と。
■【逃げ水】
月影の清人のその後の話。
時代は戦時下のお話でした。
二度目の恋をし、二度目の別れを経験。
その後女中と結婚し、子供が生まれ…
走馬灯のように流れている清人の一生が描かれていました。
この話、月影で話を止めていたら綺麗にまとまった「純文学」のような話になっていただろうなと思います。
しかしその後の話が描かれたことで、今度は清人の「自伝」のようなイメージに変わりました。
ゆりかごから墓場まで、清人の波乱万丈の一生。
何があっても生きてりゃ、誰だって何かしらの波風ある人生送ってるもんだよなぁ~なんて思い返したりしました。
清人じいちゃんの思い出を傍らで聞く子供の気持ちで読み終わりました。
SHOOWAさんの突き抜けたギャグセンスは情けなくも理解できず読むのに時間がかかりました。(「ジュグリノ・ジュグノ」に至っては難解すぎて未だキチンと読めない。多分ずっと読めないので見切り発車レビューです。)
表紙と表題作だけなら神です。これだけで1冊見たかったなーと思いました。もしくは表題作のようなシンミリとした切ないお話だけとか・・・。
月影でウルッとさせられシンミリした読後感も嫌なものじゃなく、その後の2人を色々想像してたのですが、次にホモ連戦隊とか始まって別の意味で泣きましたよ・・・雰囲気ぶち壊しー!!!幅が広いのがSHOOWAさんの持ち味なんでしょうけどね。
そして月影のその後「逃げ水」は個人的に蛇足でしかなかったです。
月影が切なかった分、その後の妄想ぐらい夢見させておくれー!!(泣)
残念な部分ばかり書いてしまいましたが、表題作はホンット心臓がギュウってわしづかみされるほど印象に残る素敵な作品でした。切ないながら良いお話が読めたなーとシミジミ感じることができて良かったです。
様々なテイストの作品を描けるSHOOWAさんすごいなぁ…と思いましたが、一話一話もっとじっくり読みたかった!
「月影」は、一言で言えば本当に切ない。清人の先生を思う気持ち、先生の清人を思う気持ち。萌えました。
しみじみとした気分に浸っていたら、次の話は「ホモ連戦隊守るんジャー」笑
切ない話から一気にギャグで、テンションがついて行きませんでした…(SHOOWAさんのこういうアホな感じの話も大好きなのですが)
この本全体を通して言えることなのですが、作品のテンションの落差が激しかったです。
最後の「逃げ水」は、その後の清人の人生が描かれていますが、わたし的には清人の物語は「月影」で完結して欲しかったです…
しかしなんだかんだ言って作品に引き込まれてしまいました。まさにSHOOWAさんの才能が詰まった一冊だったのではないでしょうか。
なんというか、SHOOWAさんの世界観どっぷりという感じですな。
あんまり明るい感じのテイストじゃなかったな~という雑感。
もうすこし読み返せばもう少し感想がでてくるのかもしれませんが
このあと読むのはもう少し明るめの本にいたします。
さて、表題作「月影」にあたりまして
赤ん坊の姿で廓の前に捨てたれていた受。
女郎に拾われて育てられるわけだけれど、そのうち自らも~そして~
な反省をぐるっと描いたお話ですな。
結局のところ、最初の恋になんらかの動きがめぐりめぐってくるのかと
思えばの思わぬ展開。
戦争の時代をはさんでいるので時代的はいけもあの雰囲気には含まれてりるのかなという雑感でもありました。
また、客をとりはじめてから、売れっ子になるまでの
その部分がみたいのよ!!!と思わず嘆いた私は最低だとおもうのでした。
中盤、の戦隊もの。
なんだかよくわからんままにおわってしまったのだけれど
あれはあれでいいのだろうか・・w
とりあえずピンクがあんあんvなのはわかったw
ショタはかわいいからなんでもいいのだけれど
表題作『月影』はじんわり心にしみて、最後に鼻の奥がつーんとなり
じわっと涙したお話でした。
拾われていろいろな人に世話になりながら
辛いことも乗り越えて、目指していた医者となり
人生を全うした清人の生涯を描いた作品。
人の人生とは、人の数だけとよく言うが、まったくその通り。
人は一人ではまともに生きていけないということが
この作品からもよくわかる。
いつも誰かが寄り添って助けてくれて愛してくれて・・・
そして愛する人との別れを経験し、悲しみを乗り越えまた喜びを知る。
そうして、人は生きると教えてくれている心にしみる作品でした。
しかし、『ホモ連戦隊守るんジャー』『罪隠し』『ジュグリノ・ジュグノ』は
まったく種類の違う三作品で二部からなる月影にこの三作品がサンドされて
良い具合に1冊になってます。
こんなに雰囲気の違ったいろいろな作品を描かれているSHOOWAさん
今までの作品もそうですが、さすがというほかありません。
★月影
表題作。廓の前で拾われた時から運命が決まっていた美しい少年・清人と、清人に夢を与えつつずっと見守っていたが、助けてやることもできないでいる妻子持ちの医者の話。
お互いに恋をしているのに、状況を変えられないもどかしさ。
「一度くらいちゃんと、好きな人としたいねん・・・」と抱いてもらう清人の言葉が泣ける・・(;;)
清人が廓から去ってから
「清人-俺はもうずい分長い間 お前に恋をしていた-」という担当医のプロローグもせつない。
あの時二人がくっついていたら、どんなストーリーになったのだろうと思いました。
その後、清人は親切な養父のお陰で大学まで進学し、友人・山口と二度目の恋をするが、山口は戦死。最後は女性と結婚し子供もできるので、一応ハッピーエンドなんだと思う。
色々な愛の形がぎゅっと詰まった、じ~んと心に残る話でした。
全部表題作でもよかったと思う。
途中のギャグとか、いらなかったかも・・・と思い、神までは押せなかった。
個人的にBLはギャグよりもせつない系が好きで、表題作がせつないなら、全部同じテイストであってほしいというワガママですが(笑)
シリアス、シュール、コメディと色々詰まったカオスな一冊。
この多面性や混沌さが、SHOOWAさんの魅力か。
表題作は、しっとりした表紙の雰囲気そのまま。
遊郭で拾われた異人の血が混じった少年が、育った土地を離れるまで。
最後の『逃げ水』が、その続編となっており、彼の一生が描かれる。
悲しい運命に翻弄されながらも、前を向いて愛を求めて生きる清人。
間の取り方に味がある、静かで切ない雰囲気のある作品だが、
後編の続編はあまりに駆け足で、
あらすじという感じになってしまっているのが惜しい。
そして、これって、主人公が少女だったら
描き尽くされたような話……と思わなくもないが……。
表題作にせよ『罪隠し』にせよ、
(はたまた『ホモ連戦隊守るんジャー』にせよw
この続きが、読みたいと思ったのは私だけ?)
もっと長く書いてあったら読み応えはあったのかもしれないが、
その場合とこうして詰め合わせなのと、一冊としてのクオリティは
どちらが高かっただろうか?と考えると、案外難しい問題かもしれない。
逞しくも儚い郭の恋。
収録順が凄まじい(笑)
シリアス、ギャグ(シュール?)、シリアス、ギャグ?、シリアス、、笑って出たか泣いて出たか涙の種類がわからなくなるほど破天荒!!
【月影】表題作、トップに収録。
【逃げ水】表題作続編、ラストに収録。
遊女に拾われた捨て子の清人は年頃になり客をとらされることに。
それは拾われた場所が郭であった時点で決まっていた運命です。
それまで何も知らなかった清人の前に郭では学校に行けないこと(夢であった医師になれない)、生きるために売れるのは身体だけという現実が立ち塞がり、抗えない道を進むことになります。
幼い頃から自分を可愛がり励ましてくれる医師の『先生』に恋をしているけれど清人に選択肢はなく、金銭の介在しない恋愛は罪悪ですらある郭では先生もどうしてやることもできません。
そして『運命』を受け入れた清人に身請けの話がでます。
医者になる夢が叶う可能性が出たけれど、それは清人のかけがえのない、もうひとつの想いとの決別を意味します。
狭く救いのない世界でも手放さなかった先生への想い。
愛しい男に抱かれる一瞬の幸せ。
清人は何も告げず先生を送り出し、そのまま別れます。
後に経緯を知らされた先生が、いつも清人と一緒に話をしていた橋の上で清人からの手紙を手放します。
長い間、淡くまとわりついていた清人の残り香をそっと自由に放つように。
ほんの小さな何気ないコマですが喉がキュッとしまりそうになりました。
大学教授の伊藤に身請けされ東京へ出てからの清人が【逃げ水】で描かれています。
清人は大学の同級生:山口に恋をして束の間の幸せを得ますが、山口は徴兵にとられます。
約束されたような悲劇に清人は何度も生きることの意味を見失いますが、そのたびに先生、伊藤教授、山口、そして妻子から愛情をもらって生きることを選択します。
焦がれた相手と結ばれるハッピーエンドではありません。
それでも悲壮感だけが漂う話ではないです。
私は清人は先生以外に恋をすることはないと思っていました。
ずっと先生という『月の影』を追って生きるのだと。
医者になるということは先生と同じ道を歩むという意味があるのだと。
でも清人は山口という男に恋をして、過去や伊藤を喪った辛さが癒されていくんです。
生い立ち、戦争と様々な要素に翻弄されながらも人を想うこと、生きることを全うした清人が愛しくて、優しい気持ちになれました。
月影…清人を生かそうとした人たちの月明かりのような柔らかな哀しさと冴え冴えとした強さでした。
【ホモ連戦隊守るんジャー】
そんな切ない表題作を読んだあとにこの作品…ギャップにまいっちんぐ(笑)
世界の平和を守るため、悪(宇宙人=ゲイ)に立ち向かう美形揃い戦隊ヒーロー(ゲイ)のお話。
勢いギャグなのに、ところどころにシリアスな内容(ブルーの心情やブラックとの関係)絡ませてくるので自分の中でカテゴリ分けができませんでした~。
でも、これ不思議なことに続きが読みたいんですが(笑)
イエロー×ピンクのエッチがエロかったんですが最後のコマの体位に爆笑してしまいました…頭に血が上るだろう!!
【罪隠し】
この表紙、カラーで見たかった!!
何色に囚われていたんだろう…。
父親の舎弟:恩田にしがみつくヤクザの息子:ショージの感情を置き忘れたような瞳が気になります。
亡くなった父親も入院した母親も弱くクスリに逃げた挙げ句、息子には虚しさ以外に何も残らない、という話。
ショージと恩田の間に通う感情が現時点では廉憫以外に匂わないので残念。
これは1冊使うくらいの長さがほしい…けど重すぎて万民受けはしなさそう…私は好きなんだけどな~。
【ジュグリノ・ジュグノ】
最初、意味がわからなかったんですが読み返すほどに面白くなりました。
個性的というには謎が多いキャラクターたちなんですが、なんか面白い。
吸血鬼狩りとか世界観が掴めないんだけど、テンポの良さが私にはハマりました。
変態刑事がツボ(笑)
作り込まれた話ではない(気がするので)
奇抜な話が苦手な方にはオススメできません。
‐‐‐‐‐
印象的だった表題作。
郭の話だけれど、清人と先生が想いを遂げる濡れ場にはあまりページが割かれていません。
たった一度の、そのセックスに彼らのどれだけの想いが込められているかを感じさせられる敬意と静かな場面に切なくなりました。
※ジャケットで1冊まるまるシリアスを想像すると挟み込まれた短編にビックリしますからご注意ください(笑)
短編のオムニバス作品集です。
時代の運命に引き裂かれる廓に拾われた少年の話から始まり、数編の短編を挟んだ後に、廓の少年のその後の話により閉じられます。切ない話を集めたかと思いきや、SHOOWAさん特有のあっけらかんとしたギャグ話も入り込んできますので、飽きなく読むことができます。それぞれの話は余韻を残す形で終わり、それがストーリー全体を繋いでいるように思えます。
集録されている短編は時代ものから始まり、ファンタジー風の話も入り込んだりしてくるので、一見まとまりがあるように思えませんが、廓の少年の一生という一つの時間軸が存在することで、この物語全てが様々な“愛”というものによって繋がれているということがわかります。
廓の少年の物語も、時代の運命に振り回される少年の姿が切なく思えてきますが、様々な別れがあったことで、少年はその度に愛に出会い、多くの愛を重ねることができたのだということがわかります。ただ切ないだけではなく、暖かさを残していくのが読み応えを感じさせます。
冒頭のこの少年の話から戦隊ものの短編へと配置されているのが、この話全体が“愛”によって繋がれているということが際立っていて秀逸です。
SHOOWAさんのやや荒々しい線画のタッチや、ほとんど黒と白の濃淡で配色されたコマ、部分部分に用いられる特徴的な書き込みといった画法は、どこかノスタルジックな雰囲気があるので時代物を描くのに合っていると思いました。その画法は、ギャグ話に不思議なリアリティーを持たせてシュールな絵面に転化してしまうところにも活かされていて、作者特有の画法をストーリーに有用に用いたベストマッチな表現がなされていると思います。これからもっと様々な種類のストーリーを読んでみたいと思いました。
間に挟まれた短編が、少し助長的になってしまっていると感じたところがあったので評価は神ではありませんが、全体的によい作品だったと思います。切ない話が好きな方、普段とは少し変わった話が読みたい方にもお薦めできます。BLを読み始めたばかりの方もいいかもしれません。
新作を読むごとに凄い才能を感じさせる作家さんだと感慨深さを抱かせられます。
豊かな感性、きっと漫画の神様が作家さんについているのでしょうね。
時代物まで書いて、内容でがっちり惹きつけてくれました。
郭を舞台にした初めの作品は生きることの意味、実らぬ恋心に不条理と
様々な心情が心に響きます。
そんな心を打つ作品もあるかと思ったらホモ連戦隊もの?!笑えるシュールなエロが
あったと思えばダークな作品があったりと緩急つけた短編が色とりどりで
いくつ引き出しがあるのですかと問いたいくらいでした。
短編なのに読み応えを感じるあたりでかなり秀逸ですよね。
表題作がしっとりで、ギャグ、切ない、ギャグ、表題作の続きという短編の「闇鍋」本。
シリアスからシュールギャグまで振幅が大きいのはSHOOWAさんの芸風だから、それはそれで充分満足なんですが、、、
最後の「逃げ水」、
表題作のその後のお話なんですが、
実にしんみりとする、いいお話ではあるんですが、
どうせなら、もうちょっとじっくりと読ませて欲しかったかなぁ、と、
設定そのものが、死を目前にしての回想、走馬灯、人生ダイジェストだし、
雑誌掲載の読み切りとしては、必要かつ充分な長さと構成と完成度だし、
これ以上どうといわれても、どうとも言いようはないのですが、
それでも、やっぱり、最後をこのお話で締めくくるなら、もうちょっと読みたかった。
多分、「逃げ水」そのものはこれで充分なのに、その前の作品が「ジュグリノ~」だから、これならこっちをって、逆に惜しく感じるのかなぁ。
や・・・正しくは「昭和の日」、かな?(;・∀・)
◆あらすじ(「月影」「逃げ水」のみ)◆
時は大正、とある地方の歓楽街で、一人の女郎が捨て子を拾うところから、物語は始まります。
清人と名付けられ、遊郭で育てられたその子(表紙右)は、遊女たちの診察に訪れる医師(「先生」 表紙左)になつき、自らも医者になることを夢見ますが、学校に行くことは叶わず、年頃になると男娼として店に出されます。
やがて清人の先生に対する想いは恋に変わっていきますが、16歳になった清人は、学校に行かせてやるという男に身受けされ、東京へ行くことに―――
続編「逃げ水」では、太平洋戦争下東京で医学を学ぶ、清人のその後が描かれています。
◆レビュー◆
表題作・「逃げ水」は、商業誌としてはSHOOWAさん初の時代物。
時代ファンタジーに留めることなく、史実を織り込んだのは挑戦ですね。
個性溢れる作風が魅力のSHOOWAさんですが、今回はいつになく正統派のストーリー。
「パパ’s アサシン」のパパ(ダニエル)と龍之介を彷彿とさせる2人の、儚い恋の物語です。
とにかく二人の雰囲気が素敵。「先生」が来るたび駄菓子屋へ連れ出してもらい、飴玉をねだるという、ただそれだけの他愛ない関係を続ける2人が描かれていく中、親子のようだった2人の間に、次第に恋人同士のような甘さが芽生えていく空気が、たまりません。
別れの時が近いことを告げず、「一度だけ抱いてほしい」と先生にせがむ清人と、いけないと思いつつ乞われるままに清人を抱いてしまう「先生」…清人の純粋さ、そして妻子持ちの「先生」の大人の狡さ・弱さが、どちらも哀しい。
これはもう、泣かないわけがありません!
ただ、正直、SHOOWAさんにしてはちょっとありきたり?と感じる部分も。
「逃げ水」がなければ、そんな印象のまま終わっていたかもしれません。
「逃げ水」で清人と「先生」との再会を描かなかったのは、すごくSHOOWAさんらしいなという気がしています。
個人的には、そこに拍手を送りたい。
ある程度の年齢を超えてしまうと、いつまでも変わらぬ愛に少々気遅れを感じたりもするんですよね。永遠の愛は夢であり理想ですが、現実には人の気持ちは移ろうもので…
だからといって、過去に愛した人を忘れるわけじゃない。思い出として心にしまっておく想い方もまた、ひとつの愛のカタチじゃないかと。
そんな人の心の移ろいを描いたこの作品が、私にはとても心に響きます。
東京で新たな恋を知り、その恋人を戦争で失った清人は、戦後女性と結婚し、同性愛を貫けば知ることのなかった我が子への愛を知る――
愛の喪失と再生を繰り返しながら生きていく清人の一生と、戦争による喪失と再生を重ね合わせて描いた「逃げ水」を、少年の叶わぬ恋の続編としてつなげたところに、SHOOWA作品ならではの味わいが詰まっている気がします。
時代考証は、ぬぬぬ?な部分も…でも、この面白さなのでまるっとOKつかまつりです!
◆「罪隠し」が良かった件!◆
残り3作のうち2作はコメディ。今回はコメディも好きだったんですが、表題作を上回る勢いで好きだった「罪隠し」に残りのスペースを費やしたいと思います。
さて、「罪隠し」。
主人公のショージは中学生?高校生?
ヤクザの父親は自殺、母はシャブ中、組は崩壊…という壮絶な状況の中で、父親の側近(実は恋人)だった恩田を挑発するショージ。
「父親の愛人を欲しがる息子」というモチーフは大好物(≧▽≦)
これもまたありがちと言えばそうなんですが、オヤジが主食のイカレた肉食少年を描かせたら、SHOOWAさんは最高峰の一角なんじゃないかと。
どしゃぶりの雨の中ショージが傘を放り出す1コマがすごくイイ。恩田の愛に飢えたショージの渇きが無言のコマから伝わって来る!
これは続編が読みたいです。
年に一度のSHOOWAさんの日に願いをかけると叶う…というウワサはないですが、ここはひとつ今年からそういう特典を、切にお願いしたいところです。
私が今までに見聞きしてきた世界を遥かに超える質量の物語が詰まった、驚愕の1冊でした。とても全ては拾いきれず、それでもまだまだ広がっていきそうな世界観に、ワクワクが止まりません。
◆『月影』
廓の前に捨てられていた清人。姉様方に愛され、近所の子らに苛められ、おかみと旦那に商品として育てられ、先輩男娼や客に教えられ、『先生』に見守られ生きてきた17年間。後々まで清人の拠り所となる『先生』との特別な関係が優しく築かれていきます。
16歳で上客に買われ、東京へ行く事になった清人。『先生』に負けない医者になる。訣別を決意した清人のまだ幼い心が強く切なく美しいです。
◆『ホモ連戦隊 守るんジャー』
地球の平和を守るため、月1ぐらいで異星物組織『ゲインズ』と闘う5人の戦士の物語。月15ぐらい(推測)は介護や工事現場のバイトをしながら、恋愛やエロい事もしながら(個人差あり)、考え方は違えど心はひとつな5人の想いが熱いです。
苦労性な中間管理職のレッド、カレー大好きなイエロー、無口な一匹狼を気取りながら熱いブラック、ミステリアスだけどきっと単純なブルー、イエロー大好きなエロかわショタ・ピンク。それぞれのキャラが素敵すぎて4000字ぐらい語れそうです。
◆『罪隠し』
組長の息子・ショージと、組長に歪んだ感情を抱いていた若頭・恩田。組長の死後、硬派な変態×淫乱な変態の今後が楽しみな話でした。
◆『ジュグリノ・ジュグノ』
運び屋のジュグノとピルシェ。2人を追う腐男子なオッサン警部が不憫で愛おしい、西部劇と近未来が混ざった雰囲気のサイボーグ○○9みたいな物語でした。とにかく笑えて面白かったですが、ジュグノとピルシェの慣れ染めをシリアス調で読みたいなぁと思いました。
◆『逃げ水』
清人の17才~臨終のときまでの話。愛を受けて、愛し合って、愛を与えて。全ては幸せに繋がっていく物語なのだなぁと、『月影』の切なさを包み込むたくましさに少し救われたような気持ちになりました。
◆カバー下漫画
ブルーが受けじゃないなんて。という事は…ブラックが…。非常に萌えます。ブルブラな続編希望。
◆ペーパー
ジュグ&ピルのイラスト+コメント。月影の脇役ロン毛のスピンオフを書こうとしたけどBLにならなかったので急きょ「ジュグリノ・ジュグノ」ができたというお話。運命!
ご本人、闇鍋本とおっしゃってますが、いやいやいやいや。神以上の評価をつけたいくらいの傑作です。
どれもかなわぬ恋がテーマだったのではないのでしょうか。まさしくタイトル通り、決して手に入らない月影のように。
読み終えた後、無性にベートーベンが聴きたくなりました。
手に入らないからこそ焦がれる。そこに生まれる迷いや戸惑いや焦燥、揺れ動く葛藤が照れ隠しのようなぶっきらぼうな線で恥じらいながら、それでもあふれる思いは隠しようもなく。・・・ああ、自分の表現力のなさが口惜しい。伝わってくるものが多すぎるのです。まるで素晴らしいアートに触れた時のような。言葉にできない感性と自分自身を表現することができるSHOOWAさんは間違いなく漫画家を超えてアーティストだと思います。
画家が一つのモチーフを何度も何度も描くように、この本にもこれまでの作品にみられるようなモチーフがたくさん出てきます。心の内にある引っ掛かりを拾い出して磨き上げるように、いくつもの側面から「あなたは何?」と問いかけるように描き出されてゆくそれらは読む側の心までつかんで離してくれません。無意識に根を張ったそれらを通して、こちらまで自分の中の混沌に落ちていく気さえします。
落ちた先には、感動が広がるばかり。涙がいつまでもあふれてきて。
ちなみにこのような楽しみ方もできますが、コメディとしてもエロとしても楽しめます。視点を変えて二度三度と読み返しては新たな楽しみができるというのもすごいところ。
傑作です。
待ってました~!
切ないシリアスな作品と、SHOOWAさん特有のギャグ作品の
読み切りがミックスされた1冊となってます。
私はSHOOWAさんの切ない系の作品が好みなので、
「月影」「罪隠し」「逃げ水」には大満足です(笑)
「月影」の続きが「逃げ水」となっています。
田舎の郭の前で赤ん坊の時に捨てられた清人は14歳になり客を取らされ、
16歳で身請けされ東京へと渡る為、初恋の相手と離れることになる「月影」
東京へと連れてきてもらい医師になる為学問に勤しむ清人の2度目の恋。
しかし戦争という時代の波に翻弄される 「逃げ水」
この2作品は清人の一生を綴ったものとなっているんですが、まさに
愛がテーマですね。
山口の言うとおり清人は「本当に綺麗」だと思います。薄幸ながらも
健気で芯があるからでしょうか?
「罪隠し」ヤ○ザもののお話。ショージの小悪魔っぷり(小て感じじゃない
気もするがw)がスゴイ。恩田は屈強な外見と裏腹に繊細な性格してますね。
ショージが引っ張っていくんだろうな~と思わされる関係性でした。
私にとって満足な1冊となりました!
あと、カバー下のあとがきには吹いてしまいました(笑)
SHOOWAさんの作品は作家買いです。
表紙が色鮮やかなことの多いSHOOWAさんですが、今回は大人しめで手にとりやすいですね。
5編収録です。
表題作の『月影』は切ない!
廓のお話ですが、うひー、わたしヘタレなのでこういう悲恋は苦手なのです。
時々、SHOOWAさんはこの手の描かれますが、ジーンと心に染みますが悲しくなってしまうー。
『ホモ連戦隊〜』は、異星物組織なのに有限会社って!
このノリ大好きです。
精一杯の精だけ漢字って、妙にイヤラシイ…(笑
SHOOWAさんお得意のコメディ。
えっちもこのお話が担当してるって感じです。
『罪隠し』は丸ヤもの。
多分若頭であろう恩田と組長の息子。
ふたりの直接の体の関係はありませんが、心は求めあってるような。
こちらも切ない系です。
セリフが少なくて、小説で言うなら行間を読むような。
この感じ、大好きです。切ないけど…
『ジュグリノ・ジュグノ』はファンタジー世界の運び屋のお話。
警部が攻めだと思っていたので、SHOOWAさんのこりゃ珍しいビジュアルの攻めだなあと思っていたら違いました!
この警部が笑かすのです。
やー、警部アホ過ぎでカップルふたりよりも濃かった(笑
『逃げ水』は表題作の続きです。
数年後のお話で戦争ものでした。
清人を身請けしてくれた人も学友も良い人で、ちょっと救われた気分です。
うちの母も千葉に疎開したので、やっぱり関東では千葉は被害が少ない方だったんだなあなんて、そんなところを感心してしまいました。
切ない話の次はコメディ、そしてまたシリアス。
そんな感じの編成作品でした。
わたしはSHOOWAさんの作品はコメディでも切ない部分もあるし、シリアスでもちょっとブラックな笑いがあったりとすごく魅力を感じます。
今年は二冊とも若干切ない系の作品が発売されていますので、次は丸々コメディが良いなあと思いつつも、続きを待ってる作品もはやく出して欲しいなあと思います。
表題作だけ読めば絶対神‼︎
いろんな愛の形を知って
成長していく清人の半生には
感動してしまいます。
表題作を丸々1冊だったら、
とても重く、BLに留まらない
感じですが、残りの短編がSHOOWAさん
ぽかったです(^^)
いい感じで抜けていて、意味がわからず、
アホだけど、何処か切ない感じです。
でも、やっぱり1つ1つの話が
短すぎるから、ちょっと物足りない感が
あるかもしれません。
ここからどうなるんだろう‼︎
と構えてページをめくると
終わりなんて感じで、えぇ〜って
なってしまいます。
ちょっと長く読みたかったかな( ˘・з・)
しかし、表題作は、まさに、神‼︎
ってくらいいいお話なので、
暗すぎず、明るすぎず、
バランスがとれた1冊なのかな??
SHOOWAさんらしい素晴らしい1冊でした(^^)
SHOOWAさんは本当に自分にとっては不思議な作家さんで、好きな作家さんではあるのですが、ギャグが全く駄目なんです。でも、シリアスは本当大好き。
話題の「イベリコ」は駄目でしたが、「向日性の扉」は大好き……という感じです。
今回はシリアスで、しかもずっと読みたくて仕方なかった遊郭物!!!
期待し過ぎて、前日に本屋に駆け込んだりました。※勿論、なかったです。あああ。
で、やっとこ入手しましたが、素敵でした!表題作と逃げ水が………。(あとは申しませぬ)
勿体ないなあと思うのは、この子の一生をこの少ないページで描くのは矢張り無理があること。
ダイジェストの様になってしまっているので、丸々一冊で読みたかったなあというのが我が儘な読者の感想です。
でも、今まで読んだBLの遊郭漫画では私の中では一番になりました。
薄幸で健気な受けはたまらんです。
シリアスな作品と、シュールな作品。SHOOWAさんらしさがぎゅっと詰め込まれた1冊。
これをBLという分野でくくってしまうのは勿体ないと思ってしまった。
もっと壮大で、もっと深いものがある。
1冊全体の構成にも震えてしまった。このことについては読んでから皆さんに驚いてほしいので詳しくは書きません。
以下各話ごとの感想です。
『月影』
表題作。
好きな男を想いながら、好きでもない男に抱かれる運命にある廓育ちの清人。
実らない2人の恋が切なくて、涙が止まりませんでした。
『ホモ連戦隊 守るんジャー』
シリアスから一転、SHOOWA先生安定の謎の作品です。
壮大なテーマが実は隠れているのか深読みしすぎなだけなのか……
恐らく前者だと思うのですが私には理解できませんでした……
可愛い男の子たちのアハハウフフな姿が見られます。
『罪隠し』
たまに出てくる重暗いお話。読み進めるまで登場人物の関係性が理解しにくかった。
退廃的なショージ坊ちゃんが色っぽい。
『ジュグリノ・ジュグノ』
あぁもうわけわからん!
SHOOWA先生の脳みそ割って見てみたい。
テーマも内容も何も見えてこない。でもきっと作者の伝えたいことがフルに込められているんだろう……
宇宙人とか人外とか出てくるのは、人間に対する何かしらの警告なのかもしれないね。でも何を意図しているのか私には解読できない。
『逃げ水』
まさかこんな構成だとは思わなくて、胸が震えました。
恋愛だけが愛ではない。
色んな愛を与えられ、与えた男の生涯のものがたり。
まさかこんな構成だとは。