Charaコミックス初登場! ! 草間さかえの芳醇な夜の香り漂う珠玉の作品集。

明け方に止む雨

akegata ni yamu ame

黎明停息之雨

明け方に止む雨
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神86
  • 萌×259
  • 萌24
  • 中立8
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
30
得点
746
評価数
184
平均
4.1 / 5
神率
46.7%
著者
草間さかえ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784199605680

あらすじ

兄への恋煩いで自殺した青年の足跡を、当の兄と追うことになってしまった刑事。隣人の吸う奇妙な煙草の香りから、疑心の迷路に囚われていく裁判所事務官。町外れに住む孤独な絵描きと、祖父の残した秘密の絵に魅入られる青年。知ったが最後、引き返せない??隠された謎が恋を呼ぶ、スリリングな3つの恋愛譚。

表題作明け方に止む雨

刑事 結城
裁判所書記官 里村

同時収録作品夜明けに花降る/小夜啼鳥の夜

隣人 レストランの雇われシェフ 高天
裁判所事務官 山田 (里村の後輩)

同時収録作品歌わない鳥/風景画家と肖像画家/鳥と木(描き下ろし)

農場主の三男坊 ジョゼ
墓守りの手伝い 絵描き アーサー

その他の収録作品

  • 少し戻って(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下:初対面の宵(描き下ろし)

レビュー投稿数30

確かに、そこに愛はあるね。

草間先生の作品〜大好きです。
何度読んでも、素晴らしい。

前半のストーリーを通しての感想。
タイトルの「明け方に止む雨」
はたして、雨は止んだんだろうか?
晴れたのか?雨なのか?・・・霧雨にも思えたり。天気に例えると、読後に色んな感想になるな。

作中に出てくる「行き過ぎた正義」「先入観は外れる」「正しくありたいと切望したのは後ろめたさの反動」
登場人物の、それぞれの癖のような厄介なものは、紙一重。
これを絡めてくるストーリーに・・・んんんん、唸りました。とても、良かった。

後半の、「歌わない鳥」からの物語は、これまたガラリと話は変わり。
境遇は違っても、アーサーもジョゼも家族の存在が重くのしかかる生活。
逃げたした先での、2人での生活は穏やかで、いくら家族と言えど〜離れた方が正解な時もあるよね。

最後のポールの話で、描かれては居ないけど仲直り出来たんだと、想像してほっこりしました。

0

弟ぉ〜辛かったんだろうけどさぁ

許されないって、手に入らなくても仕方ないって思っていたのに、結婚するかも知れないのは耐えられなかったのね
でも、そんな風に伝えるのはいけなかった
ひどいよ
それがまともに伝わってしまっていたら「あなたのせいじゃない」なんて言葉、気休めにすらならないくらいの傷を負わせるところだったじゃない
結城が正しくなくても必要な判断をしてくれて良かった
本人からズバリ明かされるのと他人からそうだったと聞かされるのでは違うと思うんだ
ただでさえ自殺の遺族は辛いのよ
加害者と被害者のどっちもの家族になって、自分の至らなかった点をずっと探してしまう

ほんで、付き合うのはハッピーで良いんだけど結城はむちゃくちゃするのはやめてくれ
山田は大人なのにキスマーク付けさせるのはやめてくれ
フィクションだと言っても生活や体を大切にして欲しいんだよな
とてもとても面白かった

1

良質な映画のような短編集

短編3本(うち2本は同じ舞台の別CP)。
どのお話もおもしろかった!好き!
趣が異なるのに、どれも映画を観たような余韻が。

表題作は悲しい話だけど、ミステリーぽく謎解きと共に恋になっていく。
刑事の結城と裁判所事務官の里村がいい。

もう1本は里村の同僚の山田と隣人・高天の話。山田宅ベランダで育ちすぎたバラが隣のベランダまで伸び、山田が高天宅ベランダでバラの枝が吊るされているのを見て「ちゃんとしてもらっているんだな」と思うとこ萌え〜(説明長い)
生真面目な山田がほっとして泣いちゃったり、高天に迫られビックリし「おっ 男ですよ」てかわいいw

里中が山田をかわいがっていて、高天に意地悪なのもツボw
兄弟は?と聞かれた山田が「……天然な姉と 意地悪な姉と 嘘つきな姉が」と言ったの笑ったww

3本目は近代の外国の2人が逃避行して画家になる話。こちらもドラマチックでよかった。
どの話も絡みシーンも好みで、何度も繰り返し見ちゃった✨

草間先生…8作品読んだけど、BLあるあるやベタな展開がほぼなく、いつも新鮮な展開やお話が読めて楽しい。

タイトルのつけ方が秀逸だし、短編なのに展開やまとめ方が気持ちいい。満足感高い。
あとがきの文章もいつもとてもステキでかっこいい。すごい。

明け方に〜の中で、弟が兄を好きだったと知り悩む兄へ、相手が「他人の俺とはできても 自分の弟とはできません」と言ってあげるの…よかった。
草間先生、近親相◯タブー派でよかった。とめちゃ安心した☺️

生真面目ノンケキャラがゲイの相手に真剣にやさしく迫られて、めちゃビックリしてあわてるのってかわいい。萌え〜となる。
特に、ビシッと横分けリーマン眼鏡が年下に攻められるのとかいいですね☺️
生真面目な人は自分のことを「私」 呼びすると尚良い。

1

ぐっ

三つのCPの話が詰まった短編集。
草間さんの絵と話の雰囲気好きだなぁ、と改めて思った。
山田くん座布団5枚くらいあげたくなる可愛さ。
もちろん里村兄の捻くれ具合も可愛いよ( ^ω^ )

(2013.11.4)

0

弟の想いを隠し通すことが、また彼のエゴであり覚悟でもある

◆明け方に止む雨(表題作)
 先に収録されている『夜明けに花降る』にも登場した、裁判官書記官というお堅い職業の里村が受けです。はっきりとした物言いで、黒髪且つ凛々しい顔立ちの彼がとってもタイプだったので、彼の恋愛の本編を読めたのは嬉しかったです。ストーリーは自殺という重いテーマを含んでいるものの、そこばかりがフォーカスされることはなく、あくまで里村と刑事の結城が距離を縮めていく過程がメインなので、爽やかな読後感でした。クールなのにどこか危なっかしくて放っておけない里村を、結城が安心感のある攻め方で落とすところに萌えました。

◆歌わない鳥〜風景画家と肖像画家
 外国が舞台の物語です。こちらも受けが殺し屋の孫というキャラなので殺伐とした話になるのかと思いましたが、攻めのジョゼがとても穏やかで善良な青年なので、優しさと温かさの感じられる作品でした。ただ、展開は作り込まれていたと思いますが、2人の関係が割とあっさり描かれていたような気もしました。素敵な世界観だったので、もう少し濃いやりとりも見たかったですね。

0

美しい夜の描写

この謎解きをしながら進行する草間先生らしいストーリーの虜。絵柄も大好き。この表紙は特に好き。短編集ですが満足度が高いです。トラブルはあるけれど、ハッピーエンドで安心して読めます。

◾︎明け方に止む雨
里村(表紙 ノンケ)が色っぽいですね〜。結城(ゲイ 攻め)が「嘘は苦手です」といいながら嘘をつくのがいい。結城には今後さらに里村に翻弄されて欲しい。

◾︎夜更けに花降る
正しい人を愛しく思う感覚、分かるなぁ。生真面目で融通がきかない山田(眼鏡 受け)の人となりがストーリーによく表れていて、山田を好きになる隣人の高天の気持ちがよく分かる。

◾︎歌わない鳥/風景画家と肖像画家
外国のお話を描かれるのは初めてなのか!あまりにもしっくりきていたのでそうとは思いませんでした。外国の、戯曲のような作品です。

※電子書籍 ひかり
カバー裏漫画有り

2

大人のBL

大きく3つの物語が収録されていて、はじめの2作は関連しています。

「夜明けに花降る」
生真面目でとってもスクエアな山田さん(裁判所の事務官さん)のお話。
はじめは偏見から。
お隣の水商売風な男がヘンな臭いのタバコを吸ってる。すわ、大麻か⁉︎
でも話をしてみると悪い人間ではなさそうで、先入観が外れた所で、特にゲイ設定はなかった高天(たかま)から告白されてお付き合いをはじめます。

「小夜啼鳥の夜」
高天が勤めているレストランにて、山田さんと書記官の里村が食事中。
里村に聞かれて山田さんのどこが好きなのかを話し始める高天ですが……。オチはギャグ系。

「明け方に止む雨」
明記はされてないですが、「夜明けに花降る」の1年ほど前の時間軸で、今度は里村書記官のお話。
里村の弟が、完全に身辺整理して自殺。『兄さんが好きだった』というメモを遺して。
自殺を信じない里村は自分で弟の事を調べ始める。
それに付き合う刑事の結城(ゲイ)。
弟が実はゲイで、どうやら自分(兄)のことが好きだったらしいと聞いた里村が、驚き、傷つき、自分を責めて、自傷的に男に抱かれる事を望むのです。
そしてそのまま結城と里村の関係がはじまる…変わった話ですよね。でもこの空気感、独特。

「歌わない鳥」「風景画家と肖像画家」
外国が舞台の物語。
領主?の三男で絵が好きで、家では頼りなくて人数外のように扱われてるジョシュ。
人殺しの孫、と差別され、はぐれ者のようにひっそりと墓掘の手伝いで生きているアーサー。
アーサーの描く絵に惹かれ、通うようになるジョシュ。
そんなアーサーの忘れられない絵が街にやってきて、ジョシュの手引きで女装して絵を見に行くのだが、アクシデントが起こり…
ジョシュとアーサーの逃避行と、誰も知らない土地で2人で画家として生きてゆく暮らし。
背景として描かれる風景が本当に「外国」の空気ですね。素敵です。

「鳥と木」
アーサーに懐いていた少年・ポールが大人になって…
ジョシュとアーサーはいつかポールに逢える?

前半の2作と、外国ものの作品世界・テイストが違いすぎる気もする…けど、総じてしっとりした空気感を感じました。

2

表題作品が切なくてお勧め

『やぎさん郵便』で独特の雰囲気の作品を描く人だなと思って、作家買いしてみました。
帯に禁断の恋と書いてあったので、期待したのですが、実際はその禁断の恋に手は出していません。でも、だからこその切ない関係と言うか、それがきっかけの関係と言うものが出来ています。
裁判所関係の短編が何個か入っていますがやはり表題作品の里村さんが切なくて、色っぽくて、大人で素敵です。最初の短編と話が前後しているので、一瞬頭がこんがらがりますが、最終的にはまとまります。
後半の外国のお話は、私はあまり萌えませんでした。犯罪者の孫と言う暗い設定が苦手なので、受け付けなかっただけのことです。

0

人を好きになる苦しさと喜びが伝わる作品でした

ドラマCDが気に入ったので原作を読みたくなりました。
ほぼ原作に忠実に作られイメージ通りだということがよくわかりましたが、やはり絵で見ないとわからないことはあるんですね。
声での演技で十分に表現さていて不満はありませんでしたが、セリフのない人の表情や雰囲気は見ることでより補完されたので原作も読んでよかったと改めて思いました。

『夜更けに花降る』

真面目な裁判所事務官山田くんの恋の始まり。
隣のベランダから香ってくる妙な香りのタバコが気になる山田。もしや、麻薬とか?
水商売風なのにあいさつだけは爽やかな隣人とは付き合いはないし、なんの関わりもないのに正義感から犯罪を見逃したくないという思いと、知り合っていくうちに惹かれていく気持ちの狭間でおたおたしている内に知らずに恋に堕ちてしまうしまう二人でした。
話すきっかけがベランダで育てている薔薇の花が隣まで伸びていたことなんですが、夜中の薔薇というのはんとなく隠微な香りがしてくるから不思議です。


『夜明けに止む雨』

山田の上司で天然でツンなお姫様里村の恋の始まり。

『花降る』での里村は優しくて優秀で上司にしたいタイプのすてきな方なのですが、素の里村は結構適当で直情的で可愛い人でした。
出会いは、里村の弟が自殺し、その捜査担当が結城刑事だったこと。
絶対に自殺などするはずがないと思っている里村が結城の手を借りて弟の足跡を辿り始めます。
結城は弟がなぜ自殺したのか里村に見せていないメモから知り、里村が知ることで悩み傷つくと思い知らせたくないと思いながら守りたくて捜査に協力します。
やがて真実にたどり着いた里村が「男と寝たくらいで何も変わらない」ことを証明するために寝てみるという相手に結城に依頼する。
結城にしてみたら、ゲイで好みのタイプドンピシャな里村からの誘いを逃すはずなくそれはもう丁寧に抱くわけです。

時系列的にいうと夜明け〜の方が先なのですが、どうしてこの順番なのかわかる気がします。
里村の変化とその理由があるので。そして、高天に意地悪してしまう理由とかね。

どちらのカップルも、受けはノンケで男と付き合うことなど絶対に無さそうなタイプです。
たとえどんないい人できちんと告白されてもあっさり断るでしょうね。
それなのに、そういう気持ちになり今に至るまでの流れが自然で必然だったと思わせる展開と流れが描かれているので納得できました。


『歌わない鳥』とその続編の『風景画家と肖像画家』

買ってから目的の表題作とその関連作品が1冊の半分で残りが別作品と知ってちょっと残念に思ったのですが、読んでよかったと思える作品でした。

祖父が人殺しだということから村で差別を受けている画家志望の青年アーサーとその土地の地主の三男ジョゼの出会い。

短い時間にお互いが引かれていく過程が描かれ抑圧された世界から解き放たれ自由に生きていくことが2人の最善だったと思います。

書き下ろして追加された短編『鳥と木』のポール救済作がよかった。
家も故郷も過去も捨ててきた2人ですが唯一心残りだったのがポールだったんでしょうね。
二人がずっと気になっていた小さなポール坊やが可愛い娘と結婚して自分の店まで持つくらい時が経ち、二人が画家として成功しつつあるその後の姿もみられてよかったです。
普段はツンと突っ張っているアーサーもジョゼの前でだけは本心や情けない姿も見せるところが可愛いと思っているジョゼの気持ちがよくわかります。

3

明けない夜はない

「夜更けに花降る」「小夜啼鳥の夜」
根っからマジメな裁判所書記官の山田と一見怪しげな?隣人の高天のお話。2人の関係が進むのと同時進行で、山田の取り扱うある事件の真相も明らかにされていきます。
山田の生真面目っぷりが可愛いw

「明け方に止む雨」「少し戻って」
同時収録の「夜更け~」の受、山田の先輩である里村がメインとなる話。冒頭から…里村の弟が自殺した現場検証中に里村が駆けつけるシーンという、なんともショッキングな始まり。
弟が自殺した原因を探るべく、弟の生前の足取りをたどる里村と、里村を放っておけない結城。
ちょっとしたサスペンスのようですが、重すぎずサラっと読めました。
収録順はこちらの方が後ですが、あとがき?によると、時系列はこちらが先で「明け方~」→「夜更け~」という話の流れのようです。

カバー下「初対面の宵」は、山田と結城初対面で両カプが高天のレストランで一堂に会するという一幕w

以上2作とはまた違った世界観で展開する、「歌わない鳥」「風景画家と肖像画家」「鳥と木」
こちらは外国を舞台にした話。犯罪者の孫として周りから距離を置かれている男と、農場主の坊ちゃんのお話。深く壮大なお話です。ぜひネタバレなしで読んでくださいw

2

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