Charaコミックス初登場! ! 草間さかえの芳醇な夜の香り漂う珠玉の作品集。

明け方に止む雨

akegata ni yamu ame

黎明停息之雨

明け方に止む雨
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神86
  • 萌×259
  • 萌24
  • 中立8
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
30
得点
746
評価数
184
平均
4.1 / 5
神率
46.7%
著者
草間さかえ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784199605680

あらすじ

兄への恋煩いで自殺した青年の足跡を、当の兄と追うことになってしまった刑事。隣人の吸う奇妙な煙草の香りから、疑心の迷路に囚われていく裁判所事務官。町外れに住む孤独な絵描きと、祖父の残した秘密の絵に魅入られる青年。知ったが最後、引き返せない??隠された謎が恋を呼ぶ、スリリングな3つの恋愛譚。

表題作明け方に止む雨

刑事 結城
裁判所書記官 里村

同時収録作品夜明けに花降る/小夜啼鳥の夜

隣人 レストランの雇われシェフ 高天
裁判所事務官 山田 (里村の後輩)

同時収録作品歌わない鳥/風景画家と肖像画家/鳥と木(描き下ろし)

農場主の三男坊 ジョゼ
墓守りの手伝い 絵描き アーサー

その他の収録作品

  • 少し戻って(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下:初対面の宵(描き下ろし)

レビュー投稿数30

確かに、そこに愛はあるね。

草間先生の作品〜大好きです。
何度読んでも、素晴らしい。

前半のストーリーを通しての感想。
タイトルの「明け方に止む雨」
はたして、雨は止んだんだろうか?
晴れたのか?雨なのか?・・・霧雨にも思えたり。天気に例えると、読後に色んな感想になるな。

作中に出てくる「行き過ぎた正義」「先入観は外れる」「正しくありたいと切望したのは後ろめたさの反動」
登場人物の、それぞれの癖のような厄介なものは、紙一重。
これを絡めてくるストーリーに・・・んんんん、唸りました。とても、良かった。

後半の、「歌わない鳥」からの物語は、これまたガラリと話は変わり。
境遇は違っても、アーサーもジョゼも家族の存在が重くのしかかる生活。
逃げたした先での、2人での生活は穏やかで、いくら家族と言えど〜離れた方が正解な時もあるよね。

最後のポールの話で、描かれては居ないけど仲直り出来たんだと、想像してほっこりしました。

0

弟ぉ〜辛かったんだろうけどさぁ

許されないって、手に入らなくても仕方ないって思っていたのに、結婚するかも知れないのは耐えられなかったのね
でも、そんな風に伝えるのはいけなかった
ひどいよ
それがまともに伝わってしまっていたら「あなたのせいじゃない」なんて言葉、気休めにすらならないくらいの傷を負わせるところだったじゃない
結城が正しくなくても必要な判断をしてくれて良かった
本人からズバリ明かされるのと他人からそうだったと聞かされるのでは違うと思うんだ
ただでさえ自殺の遺族は辛いのよ
加害者と被害者のどっちもの家族になって、自分の至らなかった点をずっと探してしまう

ほんで、付き合うのはハッピーで良いんだけど結城はむちゃくちゃするのはやめてくれ
山田は大人なのにキスマーク付けさせるのはやめてくれ
フィクションだと言っても生活や体を大切にして欲しいんだよな
とてもとても面白かった

1

良質な映画のような短編集

短編3本(うち2本は同じ舞台の別CP)。
どのお話もおもしろかった!好き!
趣が異なるのに、どれも映画を観たような余韻が。

表題作は悲しい話だけど、ミステリーぽく謎解きと共に恋になっていく。
刑事の結城と裁判所事務官の里村がいい。

もう1本は里村の同僚の山田と隣人・高天の話。山田宅ベランダで育ちすぎたバラが隣のベランダまで伸び、山田が高天宅ベランダでバラの枝が吊るされているのを見て「ちゃんとしてもらっているんだな」と思うとこ萌え〜(説明長い)
生真面目な山田がほっとして泣いちゃったり、高天に迫られビックリし「おっ 男ですよ」てかわいいw

里中が山田をかわいがっていて、高天に意地悪なのもツボw
兄弟は?と聞かれた山田が「……天然な姉と 意地悪な姉と 嘘つきな姉が」と言ったの笑ったww

3本目は近代の外国の2人が逃避行して画家になる話。こちらもドラマチックでよかった。
どの話も絡みシーンも好みで、何度も繰り返し見ちゃった✨

草間先生…8作品読んだけど、BLあるあるやベタな展開がほぼなく、いつも新鮮な展開やお話が読めて楽しい。

タイトルのつけ方が秀逸だし、短編なのに展開やまとめ方が気持ちいい。満足感高い。
あとがきの文章もいつもとてもステキでかっこいい。すごい。

明け方に〜の中で、弟が兄を好きだったと知り悩む兄へ、相手が「他人の俺とはできても 自分の弟とはできません」と言ってあげるの…よかった。
草間先生、近親相◯タブー派でよかった。とめちゃ安心した☺️

生真面目ノンケキャラがゲイの相手に真剣にやさしく迫られて、めちゃビックリしてあわてるのってかわいい。萌え〜となる。
特に、ビシッと横分けリーマン眼鏡が年下に攻められるのとかいいですね☺️
生真面目な人は自分のことを「私」 呼びすると尚良い。

1

ぐっ

三つのCPの話が詰まった短編集。
草間さんの絵と話の雰囲気好きだなぁ、と改めて思った。
山田くん座布団5枚くらいあげたくなる可愛さ。
もちろん里村兄の捻くれ具合も可愛いよ( ^ω^ )

(2013.11.4)

0

弟の想いを隠し通すことが、また彼のエゴであり覚悟でもある

◆明け方に止む雨(表題作)
 先に収録されている『夜明けに花降る』にも登場した、裁判官書記官というお堅い職業の里村が受けです。はっきりとした物言いで、黒髪且つ凛々しい顔立ちの彼がとってもタイプだったので、彼の恋愛の本編を読めたのは嬉しかったです。ストーリーは自殺という重いテーマを含んでいるものの、そこばかりがフォーカスされることはなく、あくまで里村と刑事の結城が距離を縮めていく過程がメインなので、爽やかな読後感でした。クールなのにどこか危なっかしくて放っておけない里村を、結城が安心感のある攻め方で落とすところに萌えました。

◆歌わない鳥〜風景画家と肖像画家
 外国が舞台の物語です。こちらも受けが殺し屋の孫というキャラなので殺伐とした話になるのかと思いましたが、攻めのジョゼがとても穏やかで善良な青年なので、優しさと温かさの感じられる作品でした。ただ、展開は作り込まれていたと思いますが、2人の関係が割とあっさり描かれていたような気もしました。素敵な世界観だったので、もう少し濃いやりとりも見たかったですね。

0

美しい夜の描写

この謎解きをしながら進行する草間先生らしいストーリーの虜。絵柄も大好き。この表紙は特に好き。短編集ですが満足度が高いです。トラブルはあるけれど、ハッピーエンドで安心して読めます。

◾︎明け方に止む雨
里村(表紙 ノンケ)が色っぽいですね〜。結城(ゲイ 攻め)が「嘘は苦手です」といいながら嘘をつくのがいい。結城には今後さらに里村に翻弄されて欲しい。

◾︎夜更けに花降る
正しい人を愛しく思う感覚、分かるなぁ。生真面目で融通がきかない山田(眼鏡 受け)の人となりがストーリーによく表れていて、山田を好きになる隣人の高天の気持ちがよく分かる。

◾︎歌わない鳥/風景画家と肖像画家
外国のお話を描かれるのは初めてなのか!あまりにもしっくりきていたのでそうとは思いませんでした。外国の、戯曲のような作品です。

※電子書籍 ひかり
カバー裏漫画有り

2

大人のBL

大きく3つの物語が収録されていて、はじめの2作は関連しています。

「夜明けに花降る」
生真面目でとってもスクエアな山田さん(裁判所の事務官さん)のお話。
はじめは偏見から。
お隣の水商売風な男がヘンな臭いのタバコを吸ってる。すわ、大麻か⁉︎
でも話をしてみると悪い人間ではなさそうで、先入観が外れた所で、特にゲイ設定はなかった高天(たかま)から告白されてお付き合いをはじめます。

「小夜啼鳥の夜」
高天が勤めているレストランにて、山田さんと書記官の里村が食事中。
里村に聞かれて山田さんのどこが好きなのかを話し始める高天ですが……。オチはギャグ系。

「明け方に止む雨」
明記はされてないですが、「夜明けに花降る」の1年ほど前の時間軸で、今度は里村書記官のお話。
里村の弟が、完全に身辺整理して自殺。『兄さんが好きだった』というメモを遺して。
自殺を信じない里村は自分で弟の事を調べ始める。
それに付き合う刑事の結城(ゲイ)。
弟が実はゲイで、どうやら自分(兄)のことが好きだったらしいと聞いた里村が、驚き、傷つき、自分を責めて、自傷的に男に抱かれる事を望むのです。
そしてそのまま結城と里村の関係がはじまる…変わった話ですよね。でもこの空気感、独特。

「歌わない鳥」「風景画家と肖像画家」
外国が舞台の物語。
領主?の三男で絵が好きで、家では頼りなくて人数外のように扱われてるジョシュ。
人殺しの孫、と差別され、はぐれ者のようにひっそりと墓掘の手伝いで生きているアーサー。
アーサーの描く絵に惹かれ、通うようになるジョシュ。
そんなアーサーの忘れられない絵が街にやってきて、ジョシュの手引きで女装して絵を見に行くのだが、アクシデントが起こり…
ジョシュとアーサーの逃避行と、誰も知らない土地で2人で画家として生きてゆく暮らし。
背景として描かれる風景が本当に「外国」の空気ですね。素敵です。

「鳥と木」
アーサーに懐いていた少年・ポールが大人になって…
ジョシュとアーサーはいつかポールに逢える?

前半の2作と、外国ものの作品世界・テイストが違いすぎる気もする…けど、総じてしっとりした空気感を感じました。

2

表題作品が切なくてお勧め

『やぎさん郵便』で独特の雰囲気の作品を描く人だなと思って、作家買いしてみました。
帯に禁断の恋と書いてあったので、期待したのですが、実際はその禁断の恋に手は出していません。でも、だからこその切ない関係と言うか、それがきっかけの関係と言うものが出来ています。
裁判所関係の短編が何個か入っていますがやはり表題作品の里村さんが切なくて、色っぽくて、大人で素敵です。最初の短編と話が前後しているので、一瞬頭がこんがらがりますが、最終的にはまとまります。
後半の外国のお話は、私はあまり萌えませんでした。犯罪者の孫と言う暗い設定が苦手なので、受け付けなかっただけのことです。

0

人を好きになる苦しさと喜びが伝わる作品でした

ドラマCDが気に入ったので原作を読みたくなりました。
ほぼ原作に忠実に作られイメージ通りだということがよくわかりましたが、やはり絵で見ないとわからないことはあるんですね。
声での演技で十分に表現さていて不満はありませんでしたが、セリフのない人の表情や雰囲気は見ることでより補完されたので原作も読んでよかったと改めて思いました。

『夜更けに花降る』

真面目な裁判所事務官山田くんの恋の始まり。
隣のベランダから香ってくる妙な香りのタバコが気になる山田。もしや、麻薬とか?
水商売風なのにあいさつだけは爽やかな隣人とは付き合いはないし、なんの関わりもないのに正義感から犯罪を見逃したくないという思いと、知り合っていくうちに惹かれていく気持ちの狭間でおたおたしている内に知らずに恋に堕ちてしまうしまう二人でした。
話すきっかけがベランダで育てている薔薇の花が隣まで伸びていたことなんですが、夜中の薔薇というのはんとなく隠微な香りがしてくるから不思議です。


『夜明けに止む雨』

山田の上司で天然でツンなお姫様里村の恋の始まり。

『花降る』での里村は優しくて優秀で上司にしたいタイプのすてきな方なのですが、素の里村は結構適当で直情的で可愛い人でした。
出会いは、里村の弟が自殺し、その捜査担当が結城刑事だったこと。
絶対に自殺などするはずがないと思っている里村が結城の手を借りて弟の足跡を辿り始めます。
結城は弟がなぜ自殺したのか里村に見せていないメモから知り、里村が知ることで悩み傷つくと思い知らせたくないと思いながら守りたくて捜査に協力します。
やがて真実にたどり着いた里村が「男と寝たくらいで何も変わらない」ことを証明するために寝てみるという相手に結城に依頼する。
結城にしてみたら、ゲイで好みのタイプドンピシャな里村からの誘いを逃すはずなくそれはもう丁寧に抱くわけです。

時系列的にいうと夜明け〜の方が先なのですが、どうしてこの順番なのかわかる気がします。
里村の変化とその理由があるので。そして、高天に意地悪してしまう理由とかね。

どちらのカップルも、受けはノンケで男と付き合うことなど絶対に無さそうなタイプです。
たとえどんないい人できちんと告白されてもあっさり断るでしょうね。
それなのに、そういう気持ちになり今に至るまでの流れが自然で必然だったと思わせる展開と流れが描かれているので納得できました。


『歌わない鳥』とその続編の『風景画家と肖像画家』

買ってから目的の表題作とその関連作品が1冊の半分で残りが別作品と知ってちょっと残念に思ったのですが、読んでよかったと思える作品でした。

祖父が人殺しだということから村で差別を受けている画家志望の青年アーサーとその土地の地主の三男ジョゼの出会い。

短い時間にお互いが引かれていく過程が描かれ抑圧された世界から解き放たれ自由に生きていくことが2人の最善だったと思います。

書き下ろして追加された短編『鳥と木』のポール救済作がよかった。
家も故郷も過去も捨ててきた2人ですが唯一心残りだったのがポールだったんでしょうね。
二人がずっと気になっていた小さなポール坊やが可愛い娘と結婚して自分の店まで持つくらい時が経ち、二人が画家として成功しつつあるその後の姿もみられてよかったです。
普段はツンと突っ張っているアーサーもジョゼの前でだけは本心や情けない姿も見せるところが可愛いと思っているジョゼの気持ちがよくわかります。

3

明けない夜はない

「夜更けに花降る」「小夜啼鳥の夜」
根っからマジメな裁判所書記官の山田と一見怪しげな?隣人の高天のお話。2人の関係が進むのと同時進行で、山田の取り扱うある事件の真相も明らかにされていきます。
山田の生真面目っぷりが可愛いw

「明け方に止む雨」「少し戻って」
同時収録の「夜更け~」の受、山田の先輩である里村がメインとなる話。冒頭から…里村の弟が自殺した現場検証中に里村が駆けつけるシーンという、なんともショッキングな始まり。
弟が自殺した原因を探るべく、弟の生前の足取りをたどる里村と、里村を放っておけない結城。
ちょっとしたサスペンスのようですが、重すぎずサラっと読めました。
収録順はこちらの方が後ですが、あとがき?によると、時系列はこちらが先で「明け方~」→「夜更け~」という話の流れのようです。

カバー下「初対面の宵」は、山田と結城初対面で両カプが高天のレストランで一堂に会するという一幕w

以上2作とはまた違った世界観で展開する、「歌わない鳥」「風景画家と肖像画家」「鳥と木」
こちらは外国を舞台にした話。犯罪者の孫として周りから距離を置かれている男と、農場主の坊ちゃんのお話。深く壮大なお話です。ぜひネタバレなしで読んでくださいw

2

「スリリングな恋愛譚」…?

「しゅみじゃない」わけではなく、むしろカップリングの系統自体はしゅみなんですが、いまいち萌えることもなくよくわからないままうすぼんやりと雰囲気に流されたまま読み終えてしまいました。何回かは読み返しましたが、話自体もそこまで面白みを感じませんでした。
作者さんがシリアスなBLを描く方の中でも有名だと聞いて、期待しすぎたのかもしれません。それとも、この作品がたまたま自分に合わなかっただけでしょうか。少し残念です。

2

深いお話

草間さかえ先生のお話を読んだのがこれが初めて。
表紙に惹かれて即買してしまいました笑
予想では大人な恋のお話で私の好みとは合わないんじゃないかなと思いましたが、すんごく面白かったです。
深いです、恋とはなんなのかもう一度考えさせられます。

どのお話も短めなのに、すごく綺麗にまとめられており読み終わったあとの充実感があります。
リアルにありそうなBL。でも嫌な感じはしなくて、大人な漫画でした。

この作者さんの作品は常に高評価なんですが、読んでみて納得しました。素晴らしい作品です。
皆さんに一度は読んで欲しいと思いました。

1

この気持ちは、伝えるべきか否か。

明け方に止む雨
裁判所書記官、里村には弟がいた。
その弟は自殺をした。理由は分からない。
その理由が知りたくて弟の部屋に行って、結城という刑事に出会った。

とことん里村の独自調査に付き合っている結城の健気さと言うか…
ちょっと切ない話でした。
里村は結城に出会えたけれど、弟の方は報われてないなぁ~と。
兄に恋心を隠して逝ったのには違いないけれど、
見つけてもらいたくて書いたメモを思い出す度に涙が… ←私のね
で、結城の隠し通してやるっていう決意もなかなかものです。

同時収録の 歌わない鳥 は外国のお話です。
殺人を犯した人の孫と地主の次男の逃避行ラブ(?あってるかな?)です。
こちらも好きです。

またこちらは、夜明けに花降る
刑事なのに犯罪すれすれ。だけど相手の高天が心配で…
高天が山田のベランダに咲いている薔薇を吊っているやさしさ…
この2人は足りない部分を補い合っているように見えます。

1

言葉にー出来なぁーい

なんというか、独特、とでも言うんでしょうか。
表紙のスーツのリーマンが気になり、買った作品ですが....
今まで私は買った・読んだ作品群とはあなりにも違う雰囲気で最初は戸惑いました。

お話は三つ収録されていて、最後のだけが外国のお話となっていました。


もしかしたら苦手とするかたもいらっしゃるかもしれません。

まとめると、
「刑事やら画家やら隣人さんがいろいろあってできちゃうお話」
でしょうか....(軽っ

0

しっとり萌えしっとり笑い

スーツ萌え度★5 H度★1 アーサー度★1/2 鼻血が似合う男度★10
シリアス:リアル:笑い=2:3:1

 万人受けするトーンではなかったので萌にしましたが、個人的には萌×2。まさに深夜に降る雨の音が時々心地良く聞こえる感じで、たまに読みたくなる本です。

◆夜更けに花降る・小夜泣鳥の夜
 大人の隣人同士の恋。日常が少しずつ変わって行くドラマ。大人にとっては大事件だけど、子どもからみたら何も変わっていないぐらいの雰囲気に萌え。
◆明け方に止む雨・少し戻って
 刑事と裁判所事務官の話。結城×里村は人気刑事ドラマに出ていそうな魅力を持ったキャラクターで、二次創作のような萌えがありました。ヤっておいて「ヤリ逃げできると思わないで下さいよ」。大人!
◆歌わない鳥~鳥と木
 ジョゼとアーサー。大人の愛の逃避行。海外映画のような美しさ。

1

静かな夜のイメージが詰まった作品集

タイトル通り、静かな夜のイメージが詰まった作品集。

最初の連作の自殺した弟さんの話が切ないです。
全くお兄さんは、そんな事思いもしなかったのですね。死なずとも良かったと思うのですが、もしかしてこれは死んでお兄さんの心に一生残る傷を付けたかったという事でしょうか。
その結果、別の男に寝取られてしまうのも、何とも皮肉で切ない。

巻末は草間さんでは初めて見た、外国の話。
草間さんの海外物もいいですね。
特にこの時代の空気が描ける方は貴重だと思います。

表紙の絵がとても好みなので、Wカバーじゃない特典を頂きました。

3

雰囲気系。でも、理論派の作品。

草間作品初読みです。
こちらのレビューを読み、表紙絵が好みだったことが決め手で購入。大正解でした。
まずは期待以上に雰囲気のある絵に感動!
草間さんの描く、程良く油の抜けた男性、色気がありますね。決して女性的な色気じゃなくて、手なんかすごく骨ばってるし、スーツの襟元のラインのたるみ方まで、ちゃんと男性ならではの色気。
ストーリーも良いなぁ。
小洒落た喫茶店で香りのいいコーヒーでも飲みながらゆったり味わいたいような、気負わず居心地の良い世界観。
重くないけど奥行きがあって、しかも、かなり緻密で論理的な作りだと思います。
綺麗な絵や雰囲気を軽く楽しむ読み方もアリ、でも深読みしたい人向きでもありますね。

さて、この本には3カプのストーリーが収録されていますが、個人的には裁判所書記官の山田と、アパートの隣人の高天(たかま)の恋の始まりを描いた「夜更けに花降る」「小夜啼鳥の夜」が面白かったので、こちらのレビューを。
(この作品が一番レビューのネタがあったので…本当は三作品全部好きです。)

◆「夜更けに花降る」「小夜啼鳥の夜」◆

この作品、山田が担当する刑事事件に関するモノローグから入るため、てっきり事件の顛末が軸で山田たちはそこに巻き込まれていく展開なのかと思いきや、事件は風景と同じくストーリーの背景にすぎません。
ただ、この事件、さりげなーく本筋に絡んでるんです。
事件を巡る会話を通じて、山田と、先輩の里村(「明け方に止む雨」の受けとしても登場)の性格の違いを見せているだけでなく、この事件で山田が得た教訓が、高天と山田の恋を大きく飛躍させるという。
「あ~、こう来るのか」という意外なオチが用意されてます。

高天と山田のカプ、好きなんですよね。
いかにも公務員っぽくて堅物そうな山田(ノンケ)と、レストランの料理人で、見た目水商売風の高天(多分ゲイ)。
組み合わせの意外性もイイのですが、料理で巧みに山田を釣っていく高天のアプローチの仕方がすごく自然で好感度大。
二人の縁をとりもつのが、山田がベランダで育てていた薔薇と、高天がベランダで吸ってた異国のタバコの香りというのも新鮮で。
日常の隅に落ちているさりげないきっかけを、うまく拾い上げた感じです。
しかも、そこに山田の職業や性格が作用していく…
作品に登場する要素全てを撚り上げて二人が結ばれる必然に繋げていく辺り、さすがですね。

二人の仲にやたら干渉してくる山田の先輩・里村の存在も、良いアクセントになっています。
そして、彼が二人の関係を妙に鋭く言い当てたのは、実は彼自身「経験者」だからなんだ…ということが、次の「明け方に止む雨」で判明。
何しろいろんな点で、計算され尽くしてるなと感じさせられます。それでいて、その計算が血の通った人間像として表現されてる。
や、とても良い作品だと思います。

それにしてもツボったのは、山田君がベランダで完唱してるらしい「ノラえもんの歌」。
これって、あの「こんなこといいな♪できたらいいな♪」で始まって「あんあんあん(←喘ぎじゃないですw) とっても大好き♪○ラえもん~」でリフレイン入るあの歌ですよねwww
こんな意味深すぎる歌をベランダで無心に熱唱しちゃうって、うわ~山田君らしい♪
高天君は仕切りの向こうで聴きながら悶え死んでたんじゃないかと…(笑)

6

むぼち

草間先生は、あとがきやちょっとしたコメントも漫画と同様の表現方法をされていて、芸を感じますね。
理解できたときの楽しさが格別です。
yoshiakiさんの、「緻密で論理的」「気負いがない」との評に全く同感です。肩に力が入りまくった私は、かっこいいなあと憧れるばかりです。

まだ読まれていない草間先生の漫画がたくさんあるyoshiakiさんが、心からうらやましいです。

コメントを下さり、とても嬉しいです。
ありがとうございます。

媚薬のような男。

 隠された謎が恋を呼ぶ、スリリングな3つの恋愛譚




【夜明けに花降る】【小夜啼鳥の夜】
華やかで水商売風の怪しい隣人・高天の吸う奇妙な煙草の香りから、疑心の迷路に囚われていく裁判所事務官・山田


 山田さんは 正しいひとです




【明け方に止む雨】【少し戻って】
兄への恋煩いで自殺した青年の足跡を、当の兄である裁判所書記官・里村と追うことになってしまった刑事・結城


 不謹慎だけど 未亡人、という言葉が 頭に浮かんだ




【歌わない鳥】【風景画家と肖像画家】【鳥と木】
町外れに住む孤独な絵描き・アーサーと、祖父が残した秘密の絵に魅入られる農場主の三男・ジョゼ


 あなたの望むことを 僕が全部 叶えられたらいいのに




媚薬のような男と、それに魅了される男のはなし。

1

雨降って地固まった…よね?

時系列バラけさせるの流行り?

憂いが滲み出る深い色をたたえた表情からしばらく目が離せなかった。

【夜更けに花降る】
裁判所事務官の山田は隣人:高天のうさん臭い人柄とクセのある煙草の香りに興味を持ちます。

バラが縁で親交が深まるふたりのチグハグな会話が可愛い。
天然で真面目、思い込みで突っ走る山田と飄々とした高天は良いコンビです!
高天が山田に告白する部分だけが要領よくなくて不器用で良かった~。
あのまま玄関エッチになだれこんだらどうしようかと…それはそれで萌える(笑)

【明け方に止む雨】
弟の自殺の真相を探る兄。
それは弟が意図的に封印せざるを得なかった秘密に迫ることになるのですが、刑事:結城は自身がゲイであることから放っておけず兄と行動を共にします。
そうして辿り着いた真相の前で自責の念にかられる兄と、弟の遺した想いに自分の想いを重ねる結城。

大人にはあえて答えを出さない、という選択もあるはずなのに、弟の死で行き止まりな事実でも自分の中で消化しきれない兄。
そのどうしようもない辛さが、そぼ降る雨夜のイメージと重なります。
弟の想いを知るために男と寝るノンケ兄ってすごい。
無鉄砲で無防備な兄の強さと脆さを見守る結城視点が柔らかいです。

告げずに逝ってしまったけれどメモを遺した時点で弟は『想いの欠片』は知っていて欲しかったんでしょうから。
それをわかっての結城の行動と捨て台詞が憎い!

騎士と女王受の誕生にニヤリとしてしまいました。

【小夜啼鳥の夜】
【初対面の宵】カバー下
疑似小舅と化した里村におちょくられながら頑張ってほしい高天&結城!
結城は使ってるんですね…あの夜、里村が買ってきたモノw

【歌わない鳥】
【風景画家と肖像画家】
【鳥と木】
豪農の3男坊ジョゼ×人殺しの孫と蔑まれるアーサーが絵を通じて生きていく3作。

埋蔵金(笑)あり駆け落ちあり、立身出世ありのハピエン。
お坊ちゃまなジョゼが意外とやり手なのがイイ!

アーサーの罪悪感を埋める最後の台詞が泣かせます。

---

1冊通して視点をズラした家族の話に思えました。
家族だから譲れない(明かせない)ものもある。
でも、その譲れないものを捨てずに新しく家族を築くことはできるんだよ、と。
逝こうとする誰かがいたら、逃げても、隣の部屋に伸びても(薔薇)、生きている限り人を繋ぐことはできるんだよ、と伝えたくなりました。


8

空気感

毎度のことではあるが、「萌」という評価で数値を決めるのならば
どうなのかと迷ってしまうのだが
雰囲気を読むという意味では個人的には嫌いではない(*´∀`*)
だって草間さんだし。
短編集なので、ガツン!と来るまでにはいたらなかったんですが
短いお話の読後がなんだかすごく好きでした。
や、毎度のことなんだけどな。

前半、日本を舞台にした二篇。
後半、外国舞台の一篇。

「僕の前でだけ 意気地のないあなたも好きですよ」

のセリフが何度見ても好き

1

好きな人と することです

昔にある人が、好きな人とのセックスは肉欲じゃないと云っていた事を、これを読んだ後に思い出しました。

【夜更けに花降る】
【小夜啼鳥の夜】

水商売風で怪しげな隣人・高天と裁判所事務官の山田が付き合うまでとその少し後。

私も高天原の高天だって思いました。それ以外には読めない…。
明け方に~まで全部読めば解りますが、里村の心配する気持ちはカバー下にまで及んでいます。
山田くんは姉三人の末っ子長男。…優しいのが解る気が。
男と付き合ってるの、隠せるのかな^^

【明け方に止む雨】
【少し戻って】

表紙の刑事・結城と裁判所書記官・里村が付き合うまで。
里村さんはナチュラルにエロい人と思いました。
結城は男を好きだから、雨に濡れて弟の部屋に駆けつけた里村を未亡人などと見紛う。
ひとめ惚れする程に色気がだだ漏れています。

しかも弟のベッドで…!何たる背徳感。でもあまり甘美に思わないのは里村さんの性格ゆえでしょうか。エロいんですが、現実的な人なので。(あと作者いわくあつかましい)
でも、事後に「だけど 来てくれて良かった」とさらりと云うあたり人たらしめ…!と結城の背中に深く共感。惚れたら負けです。

【歌わない鳥】
【風景画家と肖像画家】

農場主の三男で絵を描くのが好きなジョゼと、人殺しの孫と疎まれて潜む様に絵を描きながら生きているアーサーのお話。

これ一番好きでした。
外国のお話なんですが、人としての憧れから人生を共に生きるまでの二人の道行きに、いいもの読んだなと。書き下ろしの【鳥と木】があるからこそ余計にそう思いました。(そうかポールの初恋はアーサーだったのか…)

過去に何があっても(アーサーの過失ではないし)未来は選べる選んでいい、という光を感じて嬉しい読後感でした。

いつも通りあとがきも楽しくてとても満足なんですが、表題作や山田くんの話はもっと読みたい!とも思ってしまいました。(あと、昨年出た画集を見てわ~これか!となったり)

『隠された謎が恋を呼ぶ』の惹句に偽りのない三篇です。

6

草間さんの作品はスルメのようで。

例えが良くないかもしれませんが。噛めば噛むほど、と言いますか。初見でもとても楽しめるのですが、繰り返し読むほどに味わい深くなります。

何度読んでも面白いのは何故かなーと考えてみるとストーリーが面白いというのは勿論なんですけど、キャラクターがとても魅力的なんですよね。

それぞれのキャラがしっかりと個性を放っていて独立しながらも寄り添ってて。そして、それぞれの持つ雰囲気が違う。それは目に表れているような気がします。真面目そうだったり色気があったり堅物そうだったり。


そして今回、何度も見てしまうのが表紙です!
なんと美しいー

受けの里村さんが何とも妖艶な表情で攻めの結城さんの膝枕でソファに横たわっていて。その足先には顔のない男の人が里村さんの靴を脱がしている。きっとこの顔のない人は里村さんの弟さんなんですよね。

中の“明け方に止む雨”での挿し絵にも後ろ姿の人が里村さんを支えていて後ろからは結城さんが。この絵だけで物語を表しているんですね。
ウットリしてしまいます……
映っていない弟さんの表情は、どのようなものなのか。


本当に草間さんの作品は書かれていないその奥まで考えて楽しめる作品ですね。

重たくなりそうな題材なんですがオチだったりアフターストーリーだったりあとがきだったりでクスリとさせてくれて、気持ちのいい読了になれます!

表紙をめくった裏も……イイ!!!笑

4

そして色っぽい

草間先生の物語の運び方がとても好きで、今作も例に漏れずラストでポンと結びつく感じ、大満足です。

1

一読目で十分楽しめるようになった自分が嬉しい

先日、草間先生のBL漫画を全て読み返して、こんなに面白かったのかと見直したところで、本日、こちらの最新刊を読み、存分にその魅力を堪能できたのが、漫画が面白かったことと同じくらい嬉しくて迷わず「神」です。

私の、BL読解力と草間先生への理解が深まったのだと喜んでいるのですが、それともこの本自体がずいぶん分かりやすく描かれているのでしょうか。

登場人物の顔にも、一目で反応できました。(一年前はあまりピンとこなかったのです)
特に里村さんは、濡れ場でなくても妖艶と言ってよいほどの美しさです。流し目がたまりません。

話も文句の付けようがありません。
これから他の方のレビューを読んで、心の中で感動を分かち合わせていただきます。



6

yoshiaki

むぼちさま

こんにちは。
むぼちさんのレビューの意味が、自分も草間先生の作品を初めて読んでみて分かりました。たしかに、草間先生独自の思考回路みたいなものがありそうですよね。
それに慣れるとどんどん面白くなる感じ。分かります。

茶鬼

むぼちさん、こんにちは
コメントありがとうございます。
草間絵はノスタルジーを感じさせて、少し暗いのかな?という印象を与え、案外に登場人物が考えこんでしまうせいで、ちょっぴり深刻なのかな?とも思ったりします。
でも、その結末はとても本人の考えすぎということが多く、「重いのに軽い」という表現を使ってみました。
それが作品の魅力でもありますよね♪
草間作品は本当にはまってしまいます。

roseーlily

むぼちさま

コメントありがとうございまーす♪
私はペーパー入りを買いそうになる気持ちをおさえています☆

草間先生の魅力って、なんだかジワジワ沁みてくる感じですよね。
絵も、あの間も、一度沁みこんだらもう抜けられない感じ。
それにしても、私の変な例え話だらけのレビュー読んでくださって、本当にありがとうございます。
もうちょっと、うまくレビューが書けるようになりたいです☆

rose-lilyでした

水も滴る男の色気

草間さかえ先生の新刊。
ア○メイトで買ったら、ペーパーは無く、二重表紙でした!
『明け方に止む雨』の扉絵と雨の中の里村の絵でした。
綺麗だなぁ…(*ov.v)o
めくって、元々の表紙のソファーの三人。
くつを脱がしている人物の顔がバーコードに…☆
え~っ?!と久々に不満の声をあげてしまいました(T^T)
いつかまた画集2とか出るかな…?

主に、三つの恋のお話です。
前の二つは繋がっていて、裁判所務めの二人それぞれの恋。
まず事務官とアパートのお隣さんのお話。
次に書記官と刑事さんのお話。
時系列は前後しています。
最後は、昔の外国(イギリスかな?)のお話でした。
煙草、薔薇、専門職、スーツ、女装、髭の紳士…。
私のツボアイテム満載です!


簡単あらすじ&感想です。

『夜更けに花降る』『小夜啼鳥の夜』
山田事務官は、以前お祝いで貰った薔薇をベランダで育てていて。
大きくなった薔薇は、隣の部屋のベランダまでのびていた。
ある日ベランダでバッタリ会い挨拶する二人。
隣は水商売風の、挨拶は爽やかな怪しい男(山田さんから見た感想)、高天。
吸っているタバコの臭いが妙で、タイマではないか?と疑うが…?

この二人のやり取り面白いんですが。
更に里村書記官と山田事務官のやり取りが楽しい。
一度全部読んでから読み返すと、更に楽しくなってきます。
後日談は、山田さんの天然ぶりがラブリーすぎる!

ちなみに。
ここにでてくるガラムというタバコは、非常に独特の香りが強く。
味は独特の甘さが強いです。
二十代の頃これを人から頂いて、気に入って吸っていました。
でもタイマの臭いに似ているらしいと聞いて、やめた気がします。


『明け方に止む雨』『少し戻って』
自殺した男の家で捜査中の刑事、結城は、ゴミ箱に捨てられていたメモを見つけた。
そこへ男の兄、里村書記官が雨でずぶ濡れになりながらやって来る。
思わずメモを隠してしまう結城。
自殺に納得のいかない里村は、結城と共に弟の足跡をたどり…?

結城さんは流石、刑事さん。
里村さんに振り回されている感じだけど、必要な行動と言葉はおさえていて。
くぅ~っ、いいなぁ~この人!
そして里村さんの色気、反則です☆
カバー裏まで読み終わると。
私にはどうしても、ピンヒール履いた女王さまに見えてくる…。
その里村さんを上手く(?)ころがせる結城さん。
猛獣使いに見えてきました。
いや、実際はそんな場面は無いんですが。


『歌わない鳥』『風景画家と肖像画家』『鳥と木』
金持ちの三男坊ジョゼは、絵を描くのが趣味ですが。
母からは女子供の遊びだととがめられていた。
ある日母から、勝手に敷地内に小屋を建てたものがいるから見てくるように言われます。
敷地の境界線の墓地の近く、ネズの木のそばに建つ小屋。
そこには、人殺しで金貸しと噂の男の孫、アーサーが住んでいた。
アーサーは魅力的な絵を描いていて…?

スリーピーホロウのように、墓あばきの話かと思ったら。
埋もれた才能の絵描きさんのお話でした。
モーリスの二人とか、若い頃のダ二エルデ○ルイスみたいに美しい。
非常に美しいのに、ほの悲しい二人の長い愛のお話。
ジョゼはお坊ちゃま育ちのせいか、非常に純粋で真っ直ぐで正直な男。
アーサーは家族の噂から逃げる生活をしてきたせいか、ネガティブでストイックな人でした。
二人が、二人にとって今幸せならそれでいい。
人から見たら不思議な生活の二人ですが、二人は幸せだと信じています。


三つともすごく素敵で「神」にしようか迷いましたが。
最近レビューした「マッチ売り」が神すぎるので。
これは「萌え×2」にしてしまいました。
いまだに心は悩んでます…。
それくらい良かった!
しかし、ブロマイドがあったり、ペーパーにも種類があったり、カバーおまけだったり。
買う店に困るよー☆

4

むぼち

アニメイトの特典が里村さんのずぶ濡れ表紙、とのrose-lilyさんの情報に、もう一冊買うべきか、これから悩みそうです。(ペーパーは一種類だけ、とあきらめたのですが)

すごく色っぽい漫画ですよね。こんなに魅力的な本のおまけが買う店で違うって、嬉しい反面、本当に困りますね。

粋な軽妙さ

草間さん初Chara?
珍しく外国モノがあってびっくり!
しかし、少し前の時代という設定のせいか全然しっくりきて昭和のノスタルジーと同様にこの絵にとても合うのです。
そして、全体を通して感じるのは一見すごく重そうなものを抱えた主人公達なのだがそれが結末を迎える頃に「な~んだ」みたいな軽さを感じさせて、なんて軽妙なんだろう。
難しく考える必要なんかコレっぽっちもないのだ、終わりよければすべてよし(この作品の間において)
更にシリーズの終わりについている作者コメントを読んでその設定になるほど!
と、それを頭に入れてもう一度作品を読みかえすと実にコメディに近い形に見えてこのハッピーエンドが幸せなものに見えてくるのです。
重そうなモノに見えて実は軽い。この展開が作品の魅力になっている気がします。


几帳面で堅物の裁判所事務官・山田と怪しげな隣人・高天を描いた【夜更けに花降る】
この山田の性格描写が実に面白い!
中立視点が大事だと言い、仕事の事案を真剣に考え探偵のように推理しながら隣人の吸っているタバコの匂いが怪しげな匂いであることからひょっとして大麻では?と考えるその思考。
彼の頭の中には善悪があって、人の心を読もうとするより必ずどこかに”黒”があってそれを暴こうとしている頭があるように見える。
その事案にしても高天の事ににしても、そうやってクソ真面目に物事にあたることが、懐疑的な態度になってしまうというのはある意味いいことなのだろうが、予想できない展開に対して超ビックリしてしまう、この姿がいいのだ!
なんだかすごくイジリ甲斐がありそうなキャラクターでうずうずしてしまう♪
それを更に面白くさせているのが、山田の相談役的存在の里見書記官。
作者コメントで兄的存在と書かれていたが、その後高天の勤めるレストランへ訪れている山田と里見の【小夜啼鳥の夜】において、里見がシレっとした顔をして山田を弄り、一体山田のどこに惹かれたのかを聞くシーン。
大爆笑したのですが、、、こういう人いる!!ってか。。。楽しいなぁ~

その里見書記官が実は弟を亡くしていて、その現場を担当した刑事とデキちゃうというよりヤケのやんぱち(死語?)&刑事の吊橋効果でくっつくお話が表題の【明け方に止む雨】
ある男が今までの痕跡を一切消して自殺した。残された遺書には「兄さんが好きだった」というメモも添えられていて。
その場を担当した刑事の結城は、その場に駈けつけてきた兄・里見の取り乱し方を見てとっさにそのメモを隠す。
どうして弟が死んだのか理由が知りたい兄と、自分もゲイであることからその意識に共感を持ち、兄が放っておけなくなる結城。
弟がゲイで兄が好きだったという事実を自分で調べて知った時の里見の「そんな事で死ぬなんて」という自らの身を持って証明しようとする自棄的行為は、結城にとって”たなぼた”?なんて思ってしまった自分は不謹慎だろうかw
一見、弟が禁断の恋の末に自殺をしたという重たいモノが背景にあるのに、エッチした場所が弟の自殺した部屋とか、里見は殴られて鼻血を出してやってきたわけだが、行為の最中に再び鼻血を出すシーンに萌えを感じてしまったりw
里見は山田を几帳面で、でもちょっとそれがかわいらしいと思っていたようだが、実は里見も結構似てるんじゃないかと(笑)
こういう男ほどカワイイのだ。結城、ご愁傷サマなのです(爆)

表紙下の本体にあるおまけマンガ、これ必見ですよ!!
里見、お前自分が買ったあのアダルトグッズを高天にやったのか!?しかも普通のしか使ってないって高天・・・(爆笑)

【歌わない鳥】
大地主の三男坊で絵が描くことが好きなのに、家人に反対されているジョゼが出会ったのは、祖父が人殺しで墓守の手伝いをしているアーサー。
彼の絵に見入られたジョゼは、人殺しの孫というレッテルが付いて回る彼が、唯一慕ってくれている少年・ポールの信頼を失ってしまったのを見かねて一緒に逃避行をするというお話。
二人の事を誰も知らない街に行って彼等は自分の好きな事ができる。
逃避行という世間一般から背いた行為ではあるが、それは自由の翼を手に入れる為に必要だったのでしょう。
健気で一途なジョゼと、トラウマなのかネガティブなアーサー。
アーサーはその間にジョゼが好きになっているのに、引け目からか前向きになれないツンデレ。
ジョゼは草間作品お得意のワンコ♪
健気なポ9時ティブがネガティブをひっぱりあげる展開はどうやら自分は好きなタイプなようだ。
このワンコ、3年もよく我慢したよね(笑)
そして【鳥と木】において聖人して嫁をもらい時計職人になっているポールが、絵でアーサーと再会するお話は、これによってアーサーが救われた話になるのですが、
なんといっても中年?初老?
おヒゲのジョゼと白髪混じりのアーサーという熟年カプの姿が見られて思わずトキメイタ!!
アーサーは相変わらず美中年な雰囲気だったが、ジョゼ・・・
あとがきに、「ヒゲの呪い」とか書いてあって(どうやら家系らしい)爆笑してしまった


やっぱり草間さかえは、おいしいご飯かスルメか、というくらいに噛めば噛むほど味がある人物の登場する作品を描く♪
だから好きだ☆

6

むぼち

茶鬼さんの評「重いのに軽い」。
読んだ瞬間に膝をたたいてました。
一言でこの漫画を表現し切っていると思います。

愛とエゴと優しさと

正しいことをする人、出来る人、何が正しくてなにがいけないのか、
思い込みと冷静な思考の判断、隠し通すと思い詰めた秘された思い、
それでもやはり愛しい人に告げたかった一方的な思い、それがエゴで相手を傷つけても。

う~ん、奥深くて人それぞれの思惑や思いが交差し合って心を揺さぶられる。
大まかに3編で分けられるのですが、表題は禁忌の思いを抱いた弟が自殺をし、
遺書ともいえないものを残し、全ての身辺整理をして消えてしまう。
そして残された兄は、弟の死を探るが、そこには仲の良かった何でも話せる兄弟でも
言えなかった事実が見え始める。

弟が唯一兄に残した1枚のメモ、死にゆく時に見せた愛する者へのエゴが切ない。
しかし、そのメモを兄が目にする事は一生無い、弟の自殺を担当した刑事が
そのメモを隠してしまう、これはその刑事がゲイで、そのメモ1枚で全て理解し
咄嗟にメモを隠したことから、その兄と共に弟が死ぬ前の足跡を共に辿る。
正しき人をこれ以上不幸にしない為に、いつしか愛してしまったと自覚した時、
刑事は弟が残したエゴを隠し通す事を誓う。

スリリングな雰囲気に苦しさ切なさ生きていることの辛さと幸福をそれぞれに
込めたような感じがして心に余韻を残すような作品でした。
やっぱり草間ワールドは奥が深くて素敵です。

9

何度も何度も読めばかわるのだろうか。

BL作品は作家買いしています。
イラストが好きじゃなくとも
読み終えることには艶っぽいなと必ず思ってしまう
草間さんのイラスト。

今回はいまいちどの作品にもはまれなかった。
はまらなくても、良かったと思うことが圧倒的に多いのに
今回は珍しくどこにもかすらなかった。

弟の就職祝いにバラの花を送る姉、それをまじめに育てている弟。ベランダ越しに感じた匂いの変わったタバコを吸う男性。

兄への想いを自らの命をもって
整理しようとした弟

異国の話。

それぞれ決して明るくはない想いを抱えている誰かと、一般的にはみたされた地位にいる誰かと。
それが関連してくる。

表紙のイラストはとっても好きでした。

今回の作品は終わった後に
良かったなと思えなかった。

0

夜空の先に見える希望

『隠された謎が恋を呼ぶ、スリリングな3つの恋愛譚』

意味深なキャッチコピーと、美しく陰影ある表紙絵にひかれ購入。

登場する謎すべてに、誰かへの愛やドラマがあります。
死、セクシュアリティ、犯罪者の家族などテーマは重いが、
支え合い生きる登場人物の姿に希望があり、読後感は爽やか。
三つの話すべて、ラスト間際に「夜空」が登場していることも、タイトルにちなんでいて象徴的です。


■【夜明けに花降る】【小夜啼鳥の夜】
生真面目な裁判所事務官・山田は、
隣人の吸う煙草の香りが大麻ではないかとの疑念に囚われ…。

真面目すぎるあまり、時に自身をがんじがらめにしてしまう山田。
そんな山田を「正しい人」と肯定する高天(隣人)の懐の深さが素敵です。
世の中は予想外の連続。
それでも一生懸命、真実を追い求める山田が、すごく愛しい。
(ベランダで〇ラえもんのテーマ完唱なんて、可愛すぎますよ…!)
彼を温か~く見守る里村書記官との、とぼけた会話が大好きです。


■【明け方に止む雨】【少し戻って】
前の話で登場した、里村書記官の話。
刑事の結城は、自殺した青年の部屋のゴミ箱から
「兄さんが好きだった」と書かれたメモを見つける。
現場に駆けつけた兄(里村)にその事実を告げることができないまま、一緒に弟の死の真相を探ることになり…。

里村は、弟の想いに気づかなかった罪悪感から男と寝ようとする。自分を罰する姿が、痛々しくも色っぽいです。
結城は里村を優しく抱いた後、弟のメモを「隠し通してみせる」と心に誓う。
秘密を一人で背負う決意と、里村への深い愛情が伝わってきて
彼と一緒なら里村はきっと大丈夫だろうと安堵しました。

この話を読むと、里村が山田を弟のように可愛がり、高天をいびっている姿が微笑ましく見える…か?w


■【歌わない鳥】【風景画家と肖像画家】【鳥と木】
農場主の息子で、画家を夢見るジョゼは
「人殺しの孫」と忌み嫌われる絵描き・アーサーの絵に魅了される。
アーサーの祖父が残した絵の秘密を解き明かした二人は、
全てを捨て、町を出て、画家として一緒に生きていく…。

アーサーは、長年周囲から疎外されてきたせいか
人と関わることに臆病で、傷つく前に逃げようとする傾向があります。
ジョゼはそんなアーサーを一途に愛し、優しく背中を押す。
年を重ねても、そういう関係や愛情が全く変わらない二人にじんわり感動しました。
わだかまりを残した故郷の旧友とも、近いうちに会えるに違いない。
切なくも温かいラストに余韻が残ります。

6

人生は素敵だ。

草間さかえ先生の自分語りが面白い。

【園芸に激しくはまってます。
 以前まで「変態と年寄りの趣味だ」と
 偏見を持っていました。
 さすれば自分が現在、変態で年寄りということです。】

それ~、私も同感ですがな~。土いじりは楽しいですよね!草間先生!

そんなこんなで、本編も超面白いです。短編7話入ってます。
受け達の初めて*の相手が素敵な攻め達で良かった~。
このコミックは、ネタバレ無しで読んだ方が絶対いいですよ!
3組の恋愛が謎を解きながら楽しめます。カバー下にも♪

1作目で薔薇が出てくるのですが、薔薇は育てるの本当に難しい。虫もつくし。

8

むぼち

魑魅魍魎さんと同じく、私も先生の挨拶文を面白いと思いました。

草間先生はちょっとしたコメントにも、ハイレベルなセンスがあふれていますよね。

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