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ashitaya akinai hanjou
好きすぎる作品って、レビューできないですね…だから初読みは2014年頃だったけどもう10年経ってしまった。
…というわけで、明日屋の2巻目です。
構成は1巻と同じで、持ち込まれる古道具にまつわる怪異と人の心を秋緒(とキッカ)がほどいてゆくストーリー展開。
手が無くて扇子が持てない女形のために地獄を巡る秋緒。
狐の子に火鉢を売ってあげる秋緒。(この話泣ける…)
愛しい人と馬の背で川を飛び越える花嫁御寮。
愛しければ骨だけでわかるの?のガシャ髑髏。
あの世に原稿を受け取りに行く編集者。
そしてついに秋緒の秘密が、天宮とキッカの秘密が、死の世界の秘密が、明らかになってゆく。
目覚めて独りの秋緒は寂しかろ。これなら死んだ方が良かった?それは違う。
いのちは情熱に値する…
私にとっては、そこがテーマのように思えました。
さて真実がわかったところで振り返ると、なんという不思議世界、なんというイメージの奔流。
こんな作品が他にあるでしょうか。正に唯一無二。
究極の神作です。
2巻では後半で伏線を回収しつつ、とうとう謎が解き明かされます。
秋緒たちのいる世界。
なぜたくさんの厄介ごとを解決しなければならなかったのか。
キッカと天宮の関係。
現実と幻想が入り乱れるストーリー。
事故の記憶が戻り、何があったかも明らかに。
ラストは意外な結末に。
そういうことか!と手を打ってしまうほどでした。
丹念に織られた布のように、滑らかで美しいラスト。
そしてまた最初から読み直したくなるのです。
ほんのもうちょっと、2人のその後が見たかったですね。
ARUKU先生の見事な物語のまとめ方に、ますますファンになりました。1巻の終わりの方で、なんとなくこれは幻の世界なのかなぁと思いましたが、幻であり現実でもあったのですね。家族の中で1人生き残ってしまい植物状態となった秋緒が、自分に残された命を捨てて家族を追うのか、もう一度生の喜びを感じたいのか、決断するまでの期間でもあったのかなぁと感じました。
彼の治療を担当した先生が秋緒の夢の中に2人の男として登場する。キッカは現実の彼の雰囲気にも似ていて分かりやすいですが、天宮はなぜ生み出されたのでしょうか。常に冷静で現実的な彼はファンタジーな世界の中では浮いていたけれど、優しく見守るだけのキッカと違い、秋緒がこの世界に馴染み過ぎるのを防ぎ、事故のことも時折思い出させて現実世界との繋がりになっていたのかな。先生自身がキッカのように常に穏やかに大らかにいられたわけではなく、天宮のように焦燥感や悲哀を感じることもあったのが秋緒に伝わっていたのかもしれませんね。読み手に様々な余韻を残してくれる作品だったと思います。
私がaruku先生を大好きになったきっかけとなる作品がこの『明日屋商い繁盛』です。
1巻も素晴らしい。しかし2巻はそこから急転直下、ガラリと展開が変わるのですが、それがまたこれまでの流れを内包してより凄まじいものとなっているのがもうただ一言、天晴れです。
ちぐはぐ感や読者を置いてけぼりにすることなく、この難しいお話を描きあげるaruku先生のストーリーテラーっぷりに酔いしれることができますし、絵柄も癖になります。
とことん惚れ込んだ作品なのですが、唯一要望があるとしたら主人公2人がその後もっとイチャイチャしてる姿を見たかったくらいかな。
それもこの2人が好きすぎる故なので、漫画の内容としてはこれ以上ない終わり方です。
なのでぜひいつの日か番外編でアフターストーリー読みたい!
1巻に比べてBL要素多めだった気がします。どれも切ないですが、その分読み応えがありました。特に編集者の鷲尾と新人漫画家の柿崎は普通にBLですし、むしろキッカと秋緒よりもそれっぽくて好きです。次こそはくっついてほしい!
そして、何よりラストが良かったです。キッカとは?天宮とは?というのは誰もが気になるところだったと思いますが、その問いに丁寧に答えるラストです。また、悲しい死を経験した人も来世ではみんな幸せになれそう。ファンタジーな内容なのに展開は地に足がついていて納得のできるものでした。
BL的に萌えるなぁと思うのは、これまではキッカ→秋緒だったのが、これからは秋緒→キッカになりそうなところ。絶対うまくいくと思える相性抜群の二人なので、どんな世界に居ても幸せになれると思いました。
遅ればせながら「嫌い、大嫌い、愛してる」を読んでからどハマりしてますARUKU先生。
本当にものすごい作家さんだよと
過去作を読みまくっていますが
今回の物語にもそうきたか!と脱帽しました。。
また最後には涙がだばーっとなってしまいまして
この方もうBL作家の枠を超えてますよね
もはやこの死生の物語は文学?を読んだような読み応えがあり心に響きました。
生と死の狭間なんだなと読んでいた
明日屋の世界ですが
ついにキッカ(天宮)の正体、謎が「壺」の章で
明らかになります。
ストーリーがもう秀逸、、
死者を助けてきた秋緒の壺、スタンプカードがいっぱいになって〜
ジャンルはファンタジーになるんだろうか?
ラスト、キッカと再会できるエンドはほんとに最高で泣いてしまいました。
そしてARUKU先生のちょっと独特な絵ですが
素晴らしいストーリーに触れてるとだんだん好きになってくるんです。
(みなさんのおっしゃるとおりでした)
それもマジック。とにかく一回読んでほしい。
もはやだいすきです。
唯一無二なストーリーテーラー。
今一番新しい作品の「昨日君が死んだ」も死生を扱う物語で傑作だし未完だから続きをほんとに楽しみにしています。
【登場人物とKIKKA】
《現実世界・夢の中》
・若草秋緒
(主人公。脳の損傷により昏睡状態に陥る。)
《現実世界》
・菊宮
(脳神経外科医。秋緒にKIKKAを導入する。)
・KIKKA
(脳の破損した部分をつなぎあわせるプログラム。菊宮の脳波パターンを元にしている。)
・蓮沼
((おそらく)脳神経外科医。
秋緒の事故から二年目の春、KIKKAの管理をしている人。)
《秋緒の夢の中》
・キッカ
(明日屋の下宿人。
菊宮が秋緒の夢に現れたもの。)
・天宮
(秋緒の友人。
KIKKAが秋緒の夢に現れたもの。)
・黒蓮
(お坊さん。
蓮沼が秋緒の夢に現れたもの。)
【ストーリー】
主人公の若草秋緒は、
交通事故によって昏睡状態になる。
そこで、脳神経外科医の菊宮は、脳の破損した部分を修復するプログラムのKIKKAを、秋緒に導入する。
KIKKAは、まだ実験の段階であった。
ただ、父親を脳の病気で亡くした菊宮は、
目覚めない誰かをただ見ているだけであることが嫌だった。
秋緒が意識を取り戻す可能性が1%でもあるならと、全ての責任を負う代わりに菊宮は、秋緒にKIKKAを導入する。
春も、夏も、秋も、冬も、菊宮は通常勤務以外の時間を全て使って秋緒を介抱する。
菊宮は、目を覚まさない秋緒に常に語りかけ、絵本を読んだ。
菊宮が読む絵本の内容が、秋緒の見る夢となる。
夢の中で、秋緒は古道具屋「明日屋」を営み、付喪神のキッカや友人の天宮と過ごし、さまざまな人に出会う。
本来死ぬはずであった秋緒に、夢の中で「死」が襲いかかる。天宮は、秋緒を「死」から身を挺して守った後、キッカへと姿を変える。
天宮とキッカは同一人物なのかと秋緒はキッカに問うが、キッカは「あれは俺のバックアップシステムだよ」と言い、詳しく説明している暇はないからと、先を急ぐ。
秋緒は、キッカ(天宮)と別れてしまうが、生と死の狭間を切り抜け、秋緒は目を覚ます。
ただ、目覚めた世界にキッカはいなかった。
秋緒は、明日屋があればキッカは戻ってくると、そう思って現実世界でも明日屋を営む。
キッカは、いつも和傘を持っていた。
秋緒が外出している間に、明日屋で、和傘が売れた。
買った人の特徴がキッカに似ていることから、秋緒は再びキッカを探すが、見失ってしまう。
そして、事故から2年目の春が来た。
秋緒は定期検診のために病院を訪れ、そこで偶然蓮沼が言葉にしたKIKKA(キッカ)という言葉を耳にする。
秋緒は、キッカと聞いて蓮沼を問い詰める。
蓮沼は、この病院を訴えないことを条件に、KIKKAについて語る。
秋緒は、KIKKAについて知るとともに、
菊宮が秋緒を熱心に介抱してくれたことを知る。
キッカは存在していた。
菊宮が、キッカとして、
夢に現れていたのだった。
菊宮が病院の庭にいると聞き、秋緒は走る。
菊宮は、明日屋で買った和傘をかたわらに、桜を楽しんで目を閉じている。
誰かが来たことに気づいて、菊宮は目を開ける。
今までの思いがあふれて涙を流す秋緒。
菊宮と言葉を交わし、菊宮の手に触れ、菊宮の香りを感じ、菊宮がキッカであることを秋緒は実感する。
菊宮は言う。「おかえり」
秋緒は、菊宮と一緒に生きていきたいと思った。
【現実世界と夢の対応表】
現実世界 → 秋緒の夢
1、菊宮先生 → キッカ
2、KIKKA(プログラム) → 天宮
3、蓮宮先生 → 黒蓮
黒蓮...夢の中で時折秋緒を支えるお坊さん。
1.キッカが、天宮のことをバックアップと表現。姿も、よく似ている。
→ KIKKAは、菊宮の脳波パターンを基本として作られていたため。
2.
天宮の、途切れたコードをつなぎ直すシーン。
→ KIKKAが、脳の破損した部分をつなぎあわせているということ。
3.
天宮は、メガネをかけたお堅い人のように見えるが、人間的な感覚や意思を持って話している。
→ KIKKAは人間的思考を持つプログラム。
4.
キッカと黒蓮は仲が良い。
→ 菊宮と蓮沼も仲が良い。
蓮沼は、菊宮の過去を知っていて、交わす言葉からも菊宮と仲が良いことがうかがえる。
5.
生まれ変わる前に明日屋を訪れた人が、
現実世界に登場する。
→ 夢の中の明日屋は、生と死の境目。
最後の最後でやっと謎が解けます。
キッカ!
2巻も不思議なお話でしたね。死者を助けたり。
でもみんなお伽噺のようなじんわりいいお話で怖いけど読後感が良くて。
秋緒の家族が亡くなった謎が明らかに。
そして秋緒は、キッカとは。
キッカと天宮はやはり。でも同時に現れたことあるよね?
秋緒が目覚めて約束通りキッカを探して、キッカの正体がわかった時は愕然としました。
でもキッカの本体?の存在がわかり感動しました。
しかしキッカの本体は秋緒を愛してくれるのでしょうか?一から始まるのかな?時間はたっぷりあるし。
1巻から不思議なお話ばかりで死人の集まる古道具屋さんなのも意味が(もちろん)あったのですね。
色んな物語が読めて良かったです。
宝物の2冊になりました。
一話一話に奇妙な世界観があり、切なさや感動、やるせなさや悲しみもあり、なおかつ全体のストーリーに繋がっていく流れが素晴らしい。
ホラーやミステリー、怪奇譚、乱歩的世界が大好きな私には本当にハマりました。
秋緒に何があったのか、キッカとは、天宮とは一体何者なのか。
謎は深まり続け、最後にやっと真相が明かされる。
ハッキリとした恋愛は描かれないながらも、主人公を軸とした本編、各話のエピソード中にそこはかとなく散りばめられたBL的要素が程よく物語に色を添える。
ARUKU先生の作品は独特の不思議な世界観と、胸が震えるようなストーリーが、特徴のある絵柄と相まって、中毒性があるよなぁ…
冒頭や中盤で「別離」を予感させるモノローグがあるのも特徴的だと思う。
それによって読む側は心の片隅に常に覚悟や不安感のようなものを持ってストーリーを追うことになる。
その不安定さがたまらなく好き。
余談ですが、最近ARUKU先生を知りファンになり、過去作を購入しては読み耽る日々を送っております。
…と思ったら、こちらの「明日屋商い繁盛」は以前試し読みしたことがあるのを思い出して…
当時BLにハマったばかりの私は、イケメンと美人のカップルがアレコレしちゃう♡という王道的シチュエーションに萌えまくっていたので、そのときはこの魅力に気付かずスルーしてしまったんだよなぁ。
今回いろいろ調べていて、初めて「あ!あのときの!これってARUKU先生の作品だったんだ!」と記憶が蘇り、一人で大興奮。
早速購入して読了。
結論として、今のタイミングで読むことが出来てよかった!と思います。
作品って「出会う時期も本当に大切だな」と改めて感じました。
個々のエピソードと並行して、靄が晴れるように謎が明かされて予想を遥かに超えた結末にこういうことだったのか!と驚かされました。
どうしてこういうお話を思いつけるのでしょうね。
一巻目でもストーリーテラーとしての凄さに驚きましたが、二巻目はさらに上回ったものを見せつけられて震撼しました。
死の存在が見えるようになった秋緒の言葉
「いつか自分が死ぬ日がくる
それまではもらった命を大事に生きてやる。」
は「memento mori 死を想え」そのものです。
生きるために死を想う。
死は避けられないものだから、今を大切に生きる。
ARUKU先生からの強烈なメッセージを感じました。
それにしても、狐といい、漫画家といい、羽裏といい各エピソードではこれまたいいように泣かされました。
そして一巻に比べるとグロも控えめで幼虫も出なかったので胸を撫で下ろしました。