いとしの猫っ毛 小樽篇

itoshi no nekokke otaru hen

猫毛般的可爱软发

いとしの猫っ毛 小樽篇
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神180
  • 萌×223
  • 萌10
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
37
得点
1028
評価数
223
平均
4.7 / 5
神率
80.7%
著者
雲田はるこ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
シリーズ
いとしの猫っ毛
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784799712511

あらすじ

「いとしの猫っ毛」の主人公、幼なじみのみいくんと恵ちゃんの高校時代編。
小さい頃から恵ちゃんに抱いてた気持ちが、恋心だとはっきり自覚したみいくん。
しかし完全にノンケの恵ちゃんに、気持ちを伝えて関係が変わるのを恐れ、絶対に言わないと心に決めたのだった。
思春期の好奇心を丁度良く満たしてくれる大人な相手もいるし、恵ちゃんとは、このまま友だちのままがいいかもしれないと思い始めたみいくん。
しかしある日突然、恵ちゃんに彼女ができたと告げられ心が乱れてしまう…。

(出版社より)

表題作いとしの猫っ毛 小樽篇

高校生 花菱美三郎(みいくん)
高校生 お隣に住む同い年の 沢田恵一(恵ちゃん)

その他の収録作品

  • いとしのねこっけ~the Long way home~(カラー口絵)
  • あとがき

レビュー投稿数37

とにかく切ない

小樽編はとにかく切ない…。みぃくんが、けいちゃんと別れよう、離れようとする姿に涙が出ました。みぃくんはけいちゃんがいないと甘えん坊なクズの子ですよね。
でも一途にずっとけいちゃんを思っていて、ホントに切ない。
くもはる先生のタッチもこの哀愁をすごくすごく倍増させてきて…。
猫っ毛シリーズの中で、この小樽編はグスンとなって、でも心が洗われるそんな巻です。

0

昔、小樽であったこと

これは初めて読んだ時、衝撃だったなぁ…
私個人は、シリーズ作を読む時は発表順に読みたいヒトなんで1・2巻読んで本作を読んだんですけど、作品内の時間軸で言うと本作を最初に読む、というのも有りだとは思う。
私は順序通りに読んでいて、みいくんがだらしなさそうな男だな、と思ってた。
まず服装が。
そこに反映されるような心の持ち方が。
なんかズルズルしてて、恵ちゃんに一途なのは確かにそうだけれど、なんか危うさ的な節操のなさを感じてた。
その真相が腑に落ちたというか。そこの根源が見えたんですよね。

みい/美三郎の、根無し草のような寄る辺なさ。その理由が描かれている。
父は既に亡く。
地に足が付かないような母と暮らす。
美三郎は母が嫌いだ。(そして多分女全般嫌い)
小さい頃から恵ちゃんが好き。でもどうにもならなくて、発散だけをする…
自分の方が大人の清水さんを利用して、と思いながら。
美三郎はよく泣く。
ぐじゅぐじゅした子だなぁ。私はそんな風に思ってた。
でも。
美三郎の生きづらさ。苦しさ。哀しさ。
そして起きる悲劇。
これは衝撃だった…

こんなことがあったみい。
そんなみいを見てきた恵。
その歴史、その重さ、その切なさ。それらがぎゅうぎゅうに詰まって、でもさらさらと、しんしんと読み進める。そんな小樽篇。

0

小樽編。

泣けたー。アパートに着くまでにこんなに色んなことがあったんですね。

主にみいくん視点が多いですね。

さびしんぼうのみいくん。恵ちゃんが大好きだけどずっと絶対言えなくて。懐いてたお父さんが亡くなってしまい。
お父さんと恵ちゃんが恋しくて苦しくて泣いちゃって。

そしてお母さんも亡くなって、父方の祖母に従って東京に行くしかなくて。

早熟で美人のみいくん。さびしんぼうだから色んな人に慰めてもらって。
小樽編を読んだらもう怒れないよ。

恵ちゃんはいつまでも子供でかわいいアホちゃんだと思ってたら…。
でもそんな恵ちゃんだからいつもするっとみいくんのそばにいて、涙を拭いてくれたり、くっついててくれたりしたのかもね。

東京での甘々ほのぼの生活の前にこんなに悲しいことや寂しいことがあったとは!

恵ちゃん男前だね!みいくんの好きな人や言いたいことを言い当てて。恵ちゃんありがとうね!

1

みぃくんにけいちゃんがいて良かった…

発売日順に1.2巻の後読みました。
泣いたというレビューが並んでおり、涙腺ガバガバの私にはそんなもん耐えられるはずがなく…。
常に鼻の奥がツーンとした状態でした。

みぃくんとけいちゃんが出会ってから、一巻の始まりまでのお話。
巻頭のカラーの幼少の2人がとにかく可愛くて♡みぃくんがこんな美少年だったとは。
高校時代のみぃくんも綺麗な顔立ちで女子からモテているらしいが、興味はけいちゃんにだけ。
一方けいちゃんには彼女ができます。
けいちゃんをただただ好きだけど、気持ちを伝えるのはけいちゃんを不幸にすることだから、とひたすら気持ちを隠すみぃくんが切ない。

寂しさを紛らわすためにお母さんの仕事仲間でゲイの清水さんと関係したりするのがいたたまれない気持ちでしたが、性癖や気持ちをさらけ出して甘えられる唯一の人だったんでしょうね。

けいちゃんに気持ちを伝えるつもりはなかったのに、寝ているけいちゃんにキスしたのがバレてて告白してしまったみぃくん。
けいちゃんはよく分からないけど、断りたくなくて付き合うことにする。
2人に起こる悲しい別れをみぃくんが1人で迎える事にならなくて良かったと思いました。

もうみぃくんが甘えられるのはけいちゃんだけになってしまったのに、2人も離れ離れになるなんて…なんて残酷なんだろう、と泣きましたね。不憫すぎて…。

けいちゃんの居ない日常にも慣れたけど、寂しくて北原さんやハルくんとその場しのぎの関係なっちゃうんですね。どちらともやった事あるって言ってたの3Pだったんかい!

けいちゃんに別れを告げに会いにいきますが、涙で言葉が出ないみぃくん。
けいちゃんは見た目よりずっと男らしいですね。みぃくんがこういう性格だから、必然的にそうなったのかもだけど、みぃくんが考えすぎるのを寸前で引き留めてくれる。
けいちゃんだって色々大変だと思うのに、みぃくんのために引っ越して来てくれるんですよ…愛だね、愛。
この時はまだ同情や友情なのかもしれないけど、大丈夫だよ、うまくいくよ、2人ならって教えてあげたくなりました。

2

みいくんの過去と恵ちゃんの絆と

二人が子供の頃に出会いずっと一緒で、みいくんはずっと恵ちゃんが好きで、高校生で片思いするいじらしいみいくんがたくさん見られて私は萌え萌え。
みいくんの過去が知られて、大人の彼をより理解できた気がする。清水さんとのことはちょと複雑だったけど。
 
でも清水さんいい人でよかった。自分の経験からみいくんにいいアドバイスしたげてた。

高校生のにこいちが萌え〜。青年みいくんがまたいいお顔。ちびみいくんも

恵ちゃんの唐突な話の切り出し方笑う。大胆w 翻弄されるみいくんかわゆゆ。でもその恵ちゃんがキーなんよね。
本編につながる話…感動。

あと、もちろん絵が全部よくて。
扉絵もどれもとてもステキ。

脇キャラでは久保くん、恵ちゃんのお義兄さんもいい味出してる。
雲田先生作品は、ほんとに悪い人が出てこないとこも好き。クセはあっても心底嫌な人がいないのが愛があるなと思う。

0

NoTitle

無印より評価高いにもかかわらず今まで未読、確かに今作はすごいです。
落語にしろラッキーホールにしろどれも違う色の世界観を魅せてくれて素晴らしいけど、これはある種の到達点だと感じました。

元ネタの方を既読だと過去の伏線も回収出来て二度美味しいです。しかしここまでみいくん苛め抜く必要あったの?という気も。
筆力のある作家さんだけに「こういうのBLでよくあるよね」で済まない臨場感が、読む時はある程度覚悟必要。

1

遠くのあのこ

雲田はるこ先生の繊細な線がより一層小樽の雪景色を思わせて大半綺麗な一冊です。

リアリティに溢れていながら漫画的面白さもある。
ひさびさに読み返そうと思って、小樽編から読むのもまた一興なるレビューを見たので、小樽編の後1巻という流れにしてみました。
所謂前日譚、小樽編=高校生編で、恋に悩む美三郎が美!未亡人感がすごい。この後2人が東京で幸せそうに生活するって知ってるからこそ、別れのシーンに耐えきれました。雪が切なさを掻き立てて本当に美しい。
みぃくんはな〜恵ちゃんに萌だのなんだの言ってるけど、本当に守るべき存在なのは断然みぃくんというのが面白い。

清水さんがこのライン以上に危ない人じゃなくてよかったよほんと。未成年とよろしくやってる時点でまぁ危ない人ではあるのだけれど。といっても清水さんに色々言及しにくいのは、終盤の衝撃が…ね。

久保くんが大変いいです。

※電子書籍ebook
カバー下、裏表紙無し

0

私にとっての《幼馴染モノ》の最高峰です!

本編1巻のレビューにも書いたけど、これから猫っ毛シリーズを読もうとされているならここから読み始めるのがオススメです!

みいくんと恵ちゃんの高校時代をメインに描いた過去編。
「The long way home」というサブタイトルがついています。

表紙をめくると、2人の出会いの日のエピソードを描いた5ページのカラーマンガから始まります。
引っ込み思案でおとなしいみいくんに、持ち前の明るさでグイグイいく恵ちゃん。
どうしてもみいくんの名前(=みさぶろう)がうまく言えなくて「みいくん、て呼んでもいい?」
その瞬間、みいくんの頭の中にリンゴーンリンゴーンと初恋の鐘が鳴り響いちゃった( ´艸`)
みいくんにとっては他のみんなと同じ、普通の初恋。
出会ってすぐからずっと恵ちゃんが大好き!
でも、本格的に恋愛に色めき立ちはじめる年頃になると、否が応でも自分の「めんどくせ…」なセクシャリティを自覚せざるを得なくなり・・・

高校時代のみいくんは泣き虫です。
感受性が強くて、ロマンティック思考で、恵ちゃんの幸せを一番に考えるなら友達のままの方がいいかなとか、それが自分にとっても幸せなのかなとか考えてるんだけど、じゃあ諦める?って聞かれたら「諦めない」って即答できる。
だから、くるしい。
みいくんの涙っていうのは、いわゆるメンタルヘルス的にいうところの「感情の抑圧」が習慣化してしまった人が流すタイプの涙だと思うんだよね。
「好きだよ」が喉元まで出かかってはそのたびにぐっと飲み込むみいくんがくるしいです。

で、その抑圧をまやかしではあるけどちょっとだけ解放してくれるように感じる大人(清水さん)がみいくんの前に現れます。
気持ちは恵ちゃんに一筋だけど、10代ならではの性欲と性的好奇心をみいくんは清水さんで解消するように。
これがまたなんともリアルで、くるしい。
10代のうちからそんなただれたことしないで……って外野が言うのは簡単だけど、10代の頃の感情とか性欲のコントロールの難しさを想像したら(思い出したら)まぁ無理だよね、そんな無思考な理想論だけを投げつけるのは。
みいくんにとっての恵ちゃんは、自分の世界から絶対に失くせない人。
ダメだったから次の新しい恋で忘れよう、とか絶対に無理なんだよね。
だからその代わりに「逃げ場」を作ってどうにかやり過ごそうとするみいくんがくるしいです。

私自身は発売順通りに本編1-2巻を読んでからこの小樽編を読んでいるので、こんな苦しいみいくんの思春期を経ての、本編のあのほのぼのだとはつゆ知らず。
幼馴染で付き合ってからも初々しいままきちゃった2人が、6年の離れ離れ期間を経てついに満を持して初エッチ?!いいねいいね萌え萌え〜♡なんて能天気に読んでたもんですから、この小樽編だってもう絶対可愛いお話が読めると思っていたわけですよ。
それがなんということ、この苦しさ・・・(;_;)

この小樽編がなかったらきっと本編には「萌2」を付けていたと思うんですよね。
でも読んじゃったあとでは、本編だってもう絶対に「神」しかなくなってしまった。
あのほのぼのに辿り着くまでにこんな道のりがあった。それはまさしく“The long way home”で、だからあのおだやかな日常がなんつーかめちゃくちゃ尊い。
恵ちゃん命♡を包み隠さず、時には人に惚気ながら生きられているみいくんに「よかったね」と目頭を熱くしつつ、2人のバカップルぶりに萌えが一層募ります。

【電子】シーモア版:修正-、カバー下なし、裏表紙なし

0

恵一が何よりも美三郎を大事に想っていること、それだけで十分

 2人の幼少期の出会いや恋人に至るまでの過程、小樽と東京で離れて暮らすようになってから恵一が東京行きを決心することになる経緯が描かれていました。小樽の豪雪の情景も相俟って、1、2巻とは打って変わってどこか静謐さを含む空気感が漂っています。あとがきには「1、2巻で描いた小樽時代のネタに苦しめられ、無視したネタもある」とありますが、どのシーンもとても自然で、特に気になった箇所はありませんでした。またたび荘で穏やかに暮らせるようになるまで、2人はこんなにも大変なことを乗り越えてきていたんですね。ただし、けっして暗く重々しく描かれるわけではなく、優しい空気を保ったまま、しっとりと描かれるところがこのシリーズらしいなぁと感じました。

 美三郎の過去はとても切ないものでした。大好きな父を早くに亡くして以来、母と不仲になってしまった彼。母が父を愛していたと分かっているからこそ、新たなパートナーを求める母をまだ受け入れられなかったのかな。さらに既に恵一のことが好きだった美三郎は、そんな母が連れてきたゲイの清水に恋愛相談する流れで、彼と後腐れない体の関係も持ちます。しかし、ある日突然母と清水は事故で帰らぬ人に。和解もできないまま大事な人を2人も失った美三郎は、東京の祖母を頼らざるを得なくなります。そして、彼と恵一は初めて離れて暮らすこととなるのです。

 美三郎がこの歳でこういった家庭の事情と、同性への好意を抱えていたんだと思うと、その苦しさは想像してもしきれないほどでした。でも、恵一は美三郎の機微には非常に敏感で、美三郎が崩折れそう、限界だという時には、必ずどんと構えて彼を支えてくれるんです。最早友達か恋人かなんて関係なく、恵一にとって美三郎はいつも一緒にいてあげたい、一緒にいたい、辛い時は甘えて欲しい、そんな存在なんだなぁと感じました。美三郎はノンケとゲイの壁や、恵一が小樽から出たくないであろうことなどに悩むわけですが、何よりも美三郎を優先している恵一の一言で難しいことは一気に吹き飛びます。恵一はいつだって、誰よりも美三郎の理解者であり、彼の言わんとしていることが分かってしまうのです。幼馴染を侮るなかれ。美三郎が恵一を好きになって本当に良かったと、心から思いました。

0

読むたびに泣いてしまう

いとしの猫っ毛 全5巻よりもこっちの方が好き。
というよりも、この小樽篇があったから猫っ毛の本篇が好きになったといってもいいかも。

まず舞台が小樽ということ。
北海道に10年近く住んだ事がある私にとって、ものすごく懐かしい空気感がそこにあるんです。

全てが雪に包まれる中で映える赤いナナカマドの実、北海道独特の玄関や屋根、札幌ー小樽間の海に面した線路、雪道の歩きかた、冬の暗く沈んだ日本海、前歯に凍みる冬の寒さ、話すイントネーション(ちなみに正しいおたるのイントネーションは真ん中の「た」が高い。)や語尾などそういった懐かしい数々が自分自身の記憶と相まって郷愁を感じながら読む事ができる幸せ。
本当に小樽を舞台にしてくださってありがとうございます!と言いたい。
(もちろん北海道を訪れたことがなくても追体験できる描き方をされています)

そしてこちらの作品は、よむたびに泣いてしまう。
本篇で幸せいっぱいのみいくんにこんな辛い過去があったなんて・・・。
恵ちゃんのことが好きで、好きで、でも・・・という葛藤。
なんてその瞳の暗いこと。

いっつも泣いてしまうのが「きみの人生を変えてしまってごめん・・・これからはきみらしく生きて って」と会ったら言おうと決心した後、二人でふたご座流星群を寝転んで眺めているシーン。
むくりとみいくんが起き出して「大事な話があるんだ」と切り出した後の、一ページです。

二人で無言で見つめ合って、途中三コマ目から無言でポロポロ涙するみいくんが描かれた計四コマのシーン。

ここにみいくんの葛藤が全てが詰まっている。
言わなくちゃ、言わなくちゃ。。。という気持ちと、とてもじゃないけど別れを口に出せない本当の気持ちが物凄くせめぎ合っていて、漫画の力って言うんでしょうか、お互い何にも発していないけど全てがここに描いてあるという。
この時のみいくんの胸中を考えると、いつも胸が張り裂けそうになって毎回ここで泣いてしまうんですよね。
ここの描写が神だと思っています。

5

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