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ashitaya akinai hanjou
世界の車窓から、みたいなね。
いや、世界というより世の理(ことわり)の裂け目から…って感じかな。
本作は、私の初ARUKU作品でした。
最初っからこんなの読んじゃって、そりゃぁもう信者になりますよ。
…というくらいの神作です。マンガ大賞レベルです。いやもっと。
はじめは、オカルトっぽいのおもしろ!という気持ち。
3話目の「旗」あたりからずーーーんと低音が響いてきて、この只事じゃない物語の深さから全く目が離せない。
天宮とキッカ。
生き残った者の心理。
刀の意志は、護りたいのか斬りたいのか。
秋緒の生を許さず追ってくる死…
事故には何か秘密がある?と匂わせる1巻はここまで。
さて、巻末には「楽しい俳句教室」という短編が2編収録されています。
これがまた最高。
忍田先生の俳句も加賀美の俳句も出てきません。ただ、俳句を通じて季節を感じ取り、自分の感情に言葉を見つけていく加賀美がいい。
なかなか、いや全く報われないところもまたいい。
(全2巻まとめてのレビューです)
これはまたものすごい作品を生み出してくださいましたねセンセ・・・
めちゃくちゃ面白いうえに何度も涙出た。
こんな印象に残る作品、久しぶりです。
いろんなの飛びぬけて想像の斜め上ぶっこまれて、動機息切れがすごいです(病院池)。
ジ○リ風味のBL(双方に最大の敬意を込めて)。
妖怪も出てくるので、ゲゲゲの~とか、千となんとかとか、君たちはどうアレするかとか好きな人にはたまらない、
「傘の付喪神x古道具屋の店主」。
いろんな著作を読むたびに毎回すごい作家さんだなと唸らされますが、今回ばかりはレベルが違った。
もしかしてセンセ、死後の世界が見えてらっしゃる?
つまり霊感持ちさんなのですか?
(違ってたらスミマセン)
川口まどかさん「死と彼女とぼく イキル」を思い出しました。
何も見えない人が「魂の河の流れ」なんて言葉がポンと出てくるはずはない、と思えるような、不思議な作品でした。
2巻完結作品なのに、1巻と2巻にこんなに点差がある作品も珍しいのでぜひ2巻もご覧ください。
そして本作は特にシュールギャグが秀逸w
そのおかげでダークな題材を扱ってるのにもかかわらず、全体を通して少し明るい雰囲気になってるのがイイ。
でも2巻には殺傷コマあるし、いちおイモムシ注意報も発令しときますねw
(画面の前でぎゃー!とムンクの叫びになった)
2012年の作品なので絵柄が・・・パースが・・・ですが、時々攻めがめちゃくちゃイケメンに描かれててもうなんていうかホントにありがとうございます(?)。
金髪和服イケメンを拝みたい方はぜひ。
1巻には「俳句の先生x生徒のリーマン」である短編も収録されています。
上司の命令で俳句教室に通わされる状況がなんじゃそれでしたけど、前作の『極東追憶博物館』も読んで納得できました。
心に残った一言:「俳句は世界一短い 世界へのラブレターなんです」
もともとえrなしBLはあまり読まないんですが、ARUKUさん作品は例外です。
著作ではやっぱりスクールナイトや本作などのえrなし or 少なめ作品のほうが好きかもなー(2巻にはえr少しあり)。
そして牛が可愛いw
お茶淹れたり焼きマシュマロ作ってくれる達磨がかわええw
まさか自分が達磨さんに泣かされる日がこようとは・・・!
ジ○リに映画化してほしいです。切に願います。
1、2巻通しての感想です。
【家族を亡くした秋緒は、祖父が遺した骨董店『明日屋』を引き継いで店主となる。そこには友人の天宮そっくりの唐笠おばけの「キッカ」が住み着き、持ち込まれる品は様々なトラブルを引き起こす。秋緒は不明瞭な記憶とともにそれらを解決していくが…】
ARUKU作品を数冊まとめて読みましたが、こういう感じのファンタジーな世界観がすごく良かったです。こちらの作品は和製ファンタジーで、おばけや妖怪たちが出てきます。そういうのが好きであればかなり楽しめると思います。個人的に、絵もこの頃の感じが好きです。
さて、物語は奇妙な客と品物にまつわる怪奇な出来事を中心に進んでいきます。秋緒の芯の強さや優しさに心がほっこりしながらも、謎が謎を呼ぶミステリー仕立てで物語に引き込まれます。
秋緒をときどき助けてくれるのが友人の天宮と唐笠おばけのキッカ。この2人がそっくりで、ここにもミステリーが隠れています。男色家というキッカですが、セクハラは多いものの無理やりな関係はなく、BLという意味では少し物足りないかもしれないですね。でもそれを忘れるくらいの面白さ!登場人物の悲哀や侘しさを優しく包んでくれるような展開。基本的にオムニバスなのも良かったですね。まったく飽きることがなかったです。
2巻で徐々に解き明かされる謎。ラストはとても意外でした。そこまで含めて本当に面白く、よく考えられた展開でした。何度も読み直したくなります。
若干グロ描写があります。妖怪もの特有のおどろおどろしさや異形の描写が苦手な方はご注意を。
ARUKU先生節がかなり効いた、ちょっと不思議で読者の心に引っ掛かりを残すような作品でした。交通事故で家族全員を亡くし自分が元凶なのではと感じている秋緒、彼の友人の天宮、そして、なぜか天宮にそっくりな付喪神のキッカ。さらに秋緒が継いだ古物店にやって来る訳ありな客達。秋緒の話がベースにありながらも、この世の者ではない客の話がそれぞれ素敵で、引き込まれました。特に軍人の話が好きでしたね。2巻で物語がどんな方向に動いていくのか、楽しみです。
ARUKU先生のもので、
1番のおすすめが「明日屋商い繁盛」です。
1巻は、第6話のスープ姫の話で泣きます。
《もくじ》
明日屋商い繁盛 一巻
明日屋商い繁盛
第1話 帳簿箪笥(ちょうぼだんす)
第2話 硯(すずり)
第3話 旗(はた)
第4話 鞠(まり)
第5話 刀(かたな)
第6話 琺瑯鍋(ホーローなべ)
第7話 陶人形(とうにんぎょう)
楽しい俳句教室
第3話 楽しい俳句教室 三 秋深し
第4話 楽しい俳句教室 四 冬温し
「楽しい俳句教室」の 第1話・第2話は、
『極東追憶博物館(著:遙々アルク)』
に収録されています。
また、遙々アルク名義のものには
『ビター×スイート』、
『猿喰山疑獄事件』、
『極東追憶博物館』があります。
事故で家族を亡くした秋緒は遠い親戚の古道具屋を受け継ぎます。
不思議なお話に秋緒の事故の記憶がたまに混じったり死者や人外の想いや攻撃にあったり。
友人の天宮も不思議ですね。冷たいようで秋緒の様子を見に来て不思議な目にもあってるのに動じず。
そして天宮にそっくりなつくも神キッカ。唯一秋緒を守ってくれる男色家のおばけ。ずっと一緒にいる約束だったのに半年後に何が?
ファンタジーはARUKUさんらしいですね。死者の無念や想いに切なさもありますが、ほのぼの系に入るのでしょうか。
謎だらけなお店とお話です。2巻で謎は明かされるのでしょうか?
俳句教室のお話も先生に好きだと迫れない生徒が俳句を頑張るところやアメリカまで追いかけて行くところが良かったです。
自分がたてた「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#ans_71862
でおすすめ頂いたこちらの作品。
ARUKU先生の作品は過去、「ほんとは好きだ」を読んだのみ。
ストーリーの素晴らしさよりも、どうしても人物描写が浄瑠璃人形のように感じてしまってちょっと不気味で苦手だな・・・と思って以来、手を出していませんでした。
しかも妖怪もの?!
自分だったら絶対に手をださない範疇なのですが、おすすめ頂いたので入手して読んでみることにしました。
ううう・・・ぐす。こういう形式のお話だったとは!
古道具屋を営む秋緒を取りまく不思議なお話で、古道具屋に持ち込まれる物は全て死者の物。つまり死者が託した思いが詰まっている物なんです。
品物が持ち込まれるたびに、その物にまつわるエピソードが展開されるのですが、死者にまつわる切ないお話が多くて、いったい一冊が終わるまで私は何回泣けばいいの・・・?
それらのエピソードの数々に為す術もなく読んでは泣いて。
しかも二巻もあって、そっちも切ないエピソードが盛り沢山詰まっているのには違いなく、もうこれ以上泣くのは嫌だなぁ・・・と思うのですが、秋緒と一緒にいるキッカの正体や事故の真実を知りたくもあり・・・悩む。
それにしてもARUKU先生って素晴らしいんですね。(ファンの方々からしてみれば今更でしょうね。本当にすみません。)
ストーリーテラーとしての凄さに唸りました。絵がどうこう言っているレベルではない。
きゅん的に萌える要素は正直あまりなかったのですが、そういう次元の作品ではなく、評価は神です。
最後に「楽しい俳句教室」という全く別の作品も収録されており、そちらは実にほのぼのとした作品でお口直し、気分転換に最適で助かりました。
それにしても ああ、表題作は間違いなく泣けました。
けれども幼虫がひしめくページには違う意味でも泣けました。うわ~~~~~~~ん。
一番好きなARUKU先生の作品です。この表紙もとても好き。ちょっと版画のような雰囲気があり、物語の世界観にぴったりです。
突然始まる奇妙な世界の物語。東京のどこかにある【明日屋】という古道具屋。事故で家族を一度に亡くした秋緒が遠い親戚から譲り受けたという【明日屋】は、死者が訪れる不思議な店で、キッカという唐傘お化けの付喪神が住み着いています。キッカは男色家なのですが、その設定がほっと一息つけるとてもいいアクセントになっています。
事故の記憶が無い秋緒ですが、いわくのある箪笥を持ちこまれたことで少しずつ記憶がよみがえり、家族の事故に自分も大きく関係していたことを知るのでした。
喪失と罪悪感を抱えた秋緒が【明日屋】で出会った人々と係わり、様々な愛の形を知って再生していく姿が読み切りの形で進んでいきます。
どのお話もじんわりと心に沁みて好きなのですが、中でもお盆に突然現れた軍人さんの1篇の『旗』が大変印象深く涙なしには読めないお話でした。子沢山でガサツな家で育った敦彦(軍人の少年の頃)が、隣家に下宿するやすえに抱いた憧れの気持ち。敦彦にとってやすえの何気ない親切は「心をわけあたえてくれたのと同じことだった」という。この『明日屋商い繁盛』にはこんなあたたかな想いがあちこちに溢れています。まさに「心をわけあたえられたような」そんな気持ちになれる物語なんです。
出てくる人たちはみな不思議な事を口にして秋緒はそれを自然に受け入れるのですが、【明日屋】のあるこの場所ではそれになんの違和感も感じません。
訪れるのは死者達だし妖の様な生き物も沢山いて、友人の天宮とキッカの関係など謎は深まるばかりの1巻ですが早く先を読みたいとか結末を知りたいと思うよりも、じっくりと一つ一つの話を堪能したくてもう何度も何度も読み返しています。そしてその度に子供の頃に一緒に暮らしていた、誰よりも優しかった祖母を思い出します。もしも私が【明日屋】に行けたら祖母に会えるのかな、会えたらいいなぁと、とても切なくてだけどきゅんとあたたかな気持ちになる、私にとって特別なコミックスなのです。
表題作と、コミック「極東追憶博物館」収録の「楽しい俳句教室」の続編が収録されています。全2巻の1冊目。
表題作は、あの世との境にある小道具屋「明日屋」が舞台。客は死人であったり人であらざるものです。
・秋緒の過去(事故)
・キッカと雨宮の正体
という謎を抱いた長編に、秋緒とキッカの二人で営む明日屋での騒動のショートが絡んでいく感じです。
2冊を一気に読みましたが、全1巻にしようと思えばできたような構成だと思いました。そこを無理に伸ばして2冊にしたのではなく、好評だったので2冊に伸びたんだと思います!と力説したいくらいストーリーがしっかりしていてお勧めです。
ただ、「極東追憶博物館」で手首を切ろうとしたり、目玉を食べる人魚のようなグロテスクな場面が、全体的にあります。ただ、さらっと描かれている印象の絵のためか、グロも幼虫も苦手な自分でも大丈夫でした。
ARUKU先生ワールド全開の唯一無二の世界観にぐいぐい惹き込まれてしまう1巻でした!
特に、妖怪をはじめとする魑魅魍魎たちの独特な人外表現に寺山修司の舞台を思わせるグロテスクさとなんともいえない奇妙な魅力が共存していて夢に出そうです…。
シーンの中に不意に脈絡がないコマがはさまれたりする表現があり、ともすればテンポの悪い印象になってしまうので特に序盤の説明不足の中では「あれ、読み飛ばしたかな」と少しページを戻ってしまったりしたこともあったのですが、のちのちちゃんと意味があったことがわかり、サブリミナルみたいな不思議な表現で面白いなと思いました。
とてもドキッとさせられます。
全編通して、幽霊とナチュラルにコミュニケーションできる都合のいい感じもとても好きです。
(2巻まで読むとちゃんと理由があったこともわかるのですが)
芋虫の話のぞっとする感じとか、日本兵の話のどうにもぎゅうと絞られる感じとか、グロテスクなお話と切ないお話の合間に挟まれる、お母さんのスープの話の暖かさが本当によかった…。
1冊通して様々な感情を喚起させられるこの感じが、オムニバスの醍醐味だなと改めて感じました。
一話読み終わった後に、次のお話がやっぱりとてもわくわくするんです。
同時収録の俳句のお話もとてもキュンとして印象に残りました。
一つ一つの言葉選びがARUKU先生らしくて素敵な作品です。
受けのために価値観を改革してただただ前向きな努力をする攻めが、本当に尊くて素敵だなと。
(サボりがちだったジムにも真面目に通い始めたりするところ、特にぐっときました)
恋をして、好きな人の影響で季節の美しさを感じ取れるようになり、世界が違って見えてくる感覚…すごく好きなテーマです。
アルクさんの作品で2番目に好きです。2巻で謎が解けて、パズルのピースがハマるようにスッキリするのですが、1巻では謎だらけです。でも、謎がありながらも、心に染み入るようなお話です。
秋緒は、親戚から古道具屋を貰いうけます。その店には、唐傘おばけのキッカが住みついています。男色家と公言するキッカに戸惑いながらも、居心地のいい暮らしに慣れていきます。
この店にやってくるのは、死んだ人ばかりです。その人たちは、店に売り買いに来て、秋緒と関わることで、幸せに旅立って行けるのです。
『刀』の話では、かまたきみこさんの『KATANA』を思い出しました。こういう世界観が好きです。
絵もお話に合っていて、私は好きです。この世に未練を残した人たちの、思いや絆に切なくなります。どんな時でも助けてくれるキッカの存在。いつまでもキッカと一緒にいたいという思い。ドキドキしながら2巻に続きます。
口絵の横たわってる秋緒が…死んでるみたい……に見える。
でも、夏目友人帳や百鬼夜行抄が好きな私には面白い作品でした。
キッカさん…なんでも知ってそうなのに、俺に聴くな、聴くなって冷たい。
たまには答えてあげてよ。聴かれると答えないのね。困ってるよ秋緒くん。
そのやり取りが面白かったりもする。キッカって天宮の生き霊か何か?
変なおばけもいるけど、人情に溢れててとても良い作品でした。
でも、やっぱり秋緒の死人のような絵は苦手…。これは秋緒を表してるんですかね。過去とか死んでいたらという気持ちとか。
そして、「俺の菊も見ごろかもよ」のセリフにはそそるどころか吹きました。
んで、刀にも童貞があるとは…素晴らしい世界観でした。
BLの恋愛要素は今のところないんですね。2巻にはあるんでしょうかね。
謎だらけだなあと思ってたら終盤にさしかかり、そこで初めて続きものと知りました(よくある)
時代はいつなのか?戦後まもなく?なのに秋緒の事故の記憶は現代だよねえ。
なんだかわけがわからないから、どんどん先が読みたくなる。でも一向にわからないままの宙ぶらりん。
早く続きが読みたくて困りました。
同時収録の「楽しい俳句教室」はどっかで読んだような気が、と思ってたら「極東追憶博物館」に載ってたあれですね~。
まさか続きが読めるとは。約三年越しで進展あってよかった。
ARUKU先生の良さとらしさが凝縮された連載です。
和風ファンタジーでありながらも決して可愛らしいだけではなく、読み手がゾッとするような描写も含まれています。それらすべてをひっくるめてとても面白くグイグイと引き込まれるストーリー展開です。
……といっても、伏線の回収がはじまるのは後半ですし、お話の構成自体はおおむね『古道具店・明日屋』を舞台とした一話完結型。ですから必ず数十ページで区切りがあります。
にも関わらず先が気になりページを捲るのですから、ARUKU先生の筆力をひしひしと感じますね。
付喪神は比較的可愛らしいキャラクターデザインなのですが、物の怪はがっつり あやかし! という風合いで、そこも好きだなと思う要因です。
各話それぞれに気に入りのシーンがございまして、少しずつ引き抜いてみると
帳場箪笥>天宮の職場のモブが全員スキンヘッド! ページを捲ってこちらを威圧する黒い死体…
硯>永龍と永雪のブロマンス
旗>西瓜を食べる軍人さん
鞠>おぞましくも幾らか滑稽な怨霊?がぼろぼろと崩れるところ
刀>どの物語でもタダでおもてなしを受けると大体怖い
琺瑯鍋>ピーター●ビットの世界観! 好き! お母さんとわかるシーン、背景をなくすという効果が生きていて素晴らしい
陶人形>お歯黒は大体敵
一通り読み終えると「あれこれはボーイズラブなんだったっけ?」とつい忘れそうになるのですが、よくよく考えれば確かにボーイズラブ要素があるのですよね。でもニアと判断する方がいいと思います。なにかしらの絡みを求めている方は物足りなさを覚えるかと。
どうして秋緒はこんな世界に居るのだろう、なぜ訪れる珍客たちを普通に対応していられるのだろう、天宮とキッカは何者だろう……諸々の疑問をこちらに植えつけます。植えながらも違和感を覚えないのは、秋緒がなぜか当たり前にすべてをこなしているからなのですよね。とても自然で、彼に戸惑いがないからこそ読み手も困惑しないのだと思います。
また、明日屋とは別の俳句シリーズも収録されていました。
あっけらかんとした明るいお話は、明日屋とは真逆で癒されますね。忍田先生、坊主ver.もいいじゃなーい!
ARUKU作品を拝読してつくづく実感するのは、美しいものは美しく、そしておぞましいものはおぞましく、それらをいい塩梅で描いて表現し完成させていること。二度、三度と読み返すたび強く強く感じます。
いま出ているARUKUさんの商業コミックスがこれで最後なので、勿体なくてとっておいたのですが結局読んでしまいました。
ああ、矢張り素敵。
何処だか分からない、彼岸と此岸の境の街の骨董屋さんのお話。
どれも素敵ですが、硯の話と軍人さんの話が好きです。
主人公が巻き込まれたであろう事故。天宮とキッカ。謎は深まりつつ、二巻へ。
巻末に大好きな俳句のシリーズの続きもありました。
ハッピーエンド(?)ですが、これで終わってしまうのは淋しいなあ。
ページ開いて思ったのですが、人の顔が以前よりもこなれてきたような気がします。まだまだ体が異常に小さかったりバランスが気になるコマもありますが、味が消えないまま、読みやすい絵柄になって下さったら嬉しいなあ。
あと、虫嫌いな方はご注意。かなり駄目なお話があるので、そこは読み飛ばしてもいいかも。私は頑張って読みました。怖いです、かなり。
デビュー作から読み続けている作家さんのうちのお一人です。
初めて絵を見たときは失礼ながら「こういう絵でも商業誌行けちゃうんだ」という感想。
ホント無礼なんですけど、思っちゃったんでございますよ。
でも私は割とどんな絵でも読めてしまうので以降は特に気にはしていません。
それに内容が私好みが多いので、ARUKUさん読んじゃうのです。
ARUKUさんといえばグロさも売りの一つだと思いますが、
まさにこの作品は「らしさ」で言えば「らしい」作品の部類だと思います。
毒気のないピュア系も好きですが。
どこか仄くらい雰囲気を醸し出す作品のほうがARUKUさんらしさを感じる。
絵柄については…思うところもありますが…、
きっと3Dに弱い方なんでしょうね。女性の漫画家さんには多い気がしますが。
特徴的な絵柄がグロ系の作品だと生きてくるように感じます。
妖怪どもがマジで怖い!夜に思い出したら寝られなくなる見た目ですw
グロ系が無理な人は絶対止めたほうがいいと思います。
キッカと秋緒の二人の会話とか関係性には萌えますがね。
万人にお勧めできないけれど、個人的には好き路線の内容でした。
妖怪?お化け?グロ?
どーんと来い!という方にはお勧めです。
あとはARUKUさんの絵柄が独特なので、それがクリアできるなら楽しめると思います。
表題作は古道具屋を舞台にした、生き残りの男と付喪神のお話。
古道具屋に呼び寄こされるさまざまな「モノ」を介在に、秋緒とからかさの付喪神キッカの奇妙な二人暮らしの幻世の話と、秋緒とキッカに瓜二つの秋緒の友人天宮の現世の話が、絡まり合いながら展開していきます。
キッカと天宮、キッカが秋緒の元に表れたのは、そして秋緒と天宮の関係は・・・。
お話はこの本では終わらず、2巻へと続きます。
同録作品は俳句のお話。
ARUKUさんの作品は、お話に力があるからとてもおもしろいのだけど、これで、絵がもう少し好きになれるといいのにな。
丁寧できれいに描いてはるんやけど、微妙にプロポーションのバランスが悪い時があって、読後に地味に疲労がたまるのがちょっと残念。
家族を交通事故でなくし、親戚の古道具屋を引き受けた若草秋緒ですが、彼が引き受けた古道具屋がまたちょっと風変わりなのです。
買いに来るお客はほとんどがこの世の人ではない上、古道具屋の下宿人と名乗る天宮は、唐傘の付喪神なのです。
それぞれショートストーリーから成っている1冊なのですが、その中でも特に印象に残ったのが「硯」と「琺瑯鍋」の話です。「硯」では、この硯を巡って持ち主達の葛藤が回想形式で描かれています。永雪がどんなに墨絵を練習しても、超えることが難しい永龍の技量に気づかされ、嫉妬するのです。どんなに頑張っても選ばれるのはひとりという過酷とも言える中、二人にはやがて別れが訪れるのです。これはせつないと言うよりも、「もし」という、過去と対峙しているような気がして、いろいろと考えるものがあったお話でした。
「琺瑯鍋」では、明日屋においてあるホウロウ鍋をどうしても欲しいというスープの国のお姫様がやってきます。ホウロウ鍋を手にしただけでは終わらず、素材集め、そしてスープ作りと付き合わされる秋緒ですが、最後にできあがったスープを飲んで、自分にゆかりのある人を思い出すのです。こちらもちょっとじーんとするようなお話です。
全体的に笑えるわけでも泣けるわけでもないのですが、本編とは別の「秋深し」と「冬温し」では萌えが激しかったです。俳句を教える忍田先生とその生徒の加賀美とのやりとりがかわいくもあり、笑えます。忍田先生気をつけてと思わず言ってしまったお話です。
なにやら不思議ワールドに飛び込んだような気がする不思議なストーリーでした。
亡くなった親戚の骨董店を継いだ主人公の秋緒。
両親と姉を事故で亡くし生きる希望が薄れているような秋緒なのですが
その引き継いだ骨董店には自称男色家で、その骨董店の下宿人だと言うキッカが現れ
次第に骨董店にも愛着がわいてきているようなストーリー展開なんですが
このキッカさんは、からかさの付喪神だと言うのです。
それを信じているのかいないのか、不思議に思いながらも傍にいる二人。
なんともほのぼのとした雰囲気なのですが、それだけで終わらないようなシリアスな面も
あってかなり興味深い内容なのです。
まるで、事故の記憶が抜けている秋緒なのですが、いわくつきの骨董品が持ち込まれる
度に少しずつ記憶の片鱗が見えてきたりするんです。
そしてもう一つ、キッカと秋緒の友人である天宮さんとの関わり。
一人は友人で一人はからかさ付喪神、でも同じ顔をしている双子みたいなんです。
この二人の関係も何やらありそうなんですよね。
そして秋緒が店を構えている町もなにやら不思議ワールドなんですが、
さらりと死人がかっ歩していたりするんです。
古いものに取り付く霊や、道具そのものの付喪神が当たり前に出てくるのですが
秋緒と何か深い関係があるみたいで、秋緒が誰かに狙われている感じでした。
秋緒の家族が亡くなった事故と色々と関係がありそうなのですがまだまだ秘密ベール
次回作がホントに待ち遠しい1冊です。
またまた今回も胸を打つストーリーに、何度かギュっと締め付けられて涙腺を刺激されてしまいました!
親兄弟を亡くし、遠縁から譲られた古物屋を引き継いだ秋緒の元に、この店の下宿人だという親友の雨宮に瓜二つの、からかさの付喪神(しかも男色家)だというキッカがやってきて、秋緒を影で支えています。
この店にやってくるのは、人間でないモノたち。
そして、それらの物が持つ物語を通して、主人公・秋緒の「本当は生きていてはいけない者」という家族を失くした時の失った記憶を混ぜ合わせて、ファンタジーとして展開していきます。
最初、こうした妖モノの古物商ということで、某作家さんの某シリーズやある作品などが連想されたのですが、読み進めるうちに、全く違うものだと!
ARUKUさん独特の ”大人の童話” の展開が非常にそれが愛を伴っていて、
明日屋に持ち込まれる”モノ”にまつわるエピソードが実に心を打つ物語になっていると同時に、
瓜二つだというキッカと雨宮の存在は一体?という謎や、
秋緒の本来の運命は、そして家族を失った事の顛末は?という謎。
すっかり家族として生活している秋緒とキッカの関係の発展への期待など、見所がとてもたくさんあるのです。
モノにまつわるエピソードは、切ないしあったかいですね♪
硯の話では、絵で大成したかった男がどうしても勝てない相手がいて、思い余って彼を毒殺しようと計画するのだが、彼が自分の絵が好きで、自分を励みにまた自分も精進していることを知ったとき、肺病に犯されていてという、ライバル転じて愛情を感じさせる話や、
自分に優しくしてくれた青年に、言えなかった言葉が心残りの出征兵士の話や、
亡くなった主人を待ち続ける健気な猫の話、
平安の世になり戦う刀が必要とされなくなった刀工が、命を込めて作った刀で、秋緒を守る話や、
スープ姫の話も。。。
どれも心を打つものばかりです。
この1巻のラストが非常に意味深で終わっております。
ルチルを読んでいないので、楽しみに次の単行本を待ちたいと思います。
キッカは着物を着流し風に来ているのですが、それの描かれ方が実に旨いと思います♪
キッカには色気があります。
自説ですが、着物を綺麗に描ける作家さんは絵がうまいのでは?と♪
同時収録は、俳句教室に通うことになったチャラい会社員が先生に惚れて、、のシリーズの秋と冬編ですw
春夏秋冬巡って、これはこれで終わりなのでしょうか?
ただ単に感動する話というだけではなく、キッカが実に魅力的で気になる存在でしたし、ちゃんと萌え要素もあります。