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yuuutsu na asa
忧郁的早晨 3
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
◾️久世暁人(当主)×桂木智之(家令)
主従モノは従者が主人を食うパターンが好きだと思ってましたけど、この作品に限っては主×従!って気分にさせられる。
起き抜けには桂木は居ない…まさに憂鬱な朝。いよいよ暁人が桂木と並んで生きるために桂木とは違う生き方を模索しようとしています。それでも桂木を見ているようだと言われてしまうことはあれど。桂木への執着こそ、暁人と桂木の決定的違いでもある。
桂木からのキッスが…!!!(前もベッドの上で暁人を引き寄せてたけどね)
読者も暁人も桂木もびっくり。暁人がいい男に育ったので、いい男といい男の共演レベルが増してます。うっとり。
それでもそこからまだまだすれ違うのがこの作品の面白いところであり狂おしいところであります。若い時の視野の狭さ…そのときはソレが最良と思っていたのだから仕方ない。暁人は桂木を抱いたことを後悔したかもしれませんが、あれがなければ桂木との関係も変わらなかったでしょう。
今まで桂木に任せていたことにもどんどん暁人が裁量権を持つようになり、暁人は既に桂木とほぼ互角の才覚を見せていました。別に彼は桂木から何か奪いたいわけではなく、そこにあるのは昔から変わらず、ただ桂木に認められるだけの人間になりたい、彼と一緒にいられる人間でありたいという純粋な気持ちだけなのです。桂木と同様に抜け目ない根回しをするようになっても、彼の本質が変わることはないんですね。
雨宮と桂木高之によって桂木の本当の出自も明かされます。彼の戸籍は、先先代の久世子爵と側室の間にできた子ということになっている。つまり先代の異母兄弟であり、暁人からすると叔父にあたるわけですね。ただ、桂木の母親は男関係が派手だったため、本当に先先代の子かどうかは明確ではありませんが、戸籍に記されている以上その肩書きは力を持ち、桂木も叙爵することができる。それを知っていた桂木は、暁人に何もかもを与えてから、先代が自分にしたように彼からすべて奪うつもりだった。
でも、いつの間にかその計画は桂木の中から消えていました。どこがターニングポイントになったのか、もう少しヒントがあっても良かったのかなとは思います。でもまあ、これだけ暁人から純粋な好意を伝えられ続けていれば、情が湧くのも自然なことですよね。桂木にとって暁人は、排除すべき対象からとうに守りたい存在に変わっていた。彼の態度には依然冷たさも残っていますが、彼自ら暁人に触れるシーンもあり、2人の関係に希望が見えてきました。桂木も暁人を憎からず想っていることが明示され、ようやく萌える余裕も出てきましたね。2人にとって久世家を今後どう主導していくことが最善なのか、見守りたいと思います。
もう少し進むと、物語は込み入って参りますが。この3巻は割とシンプルに進んでいるかの様に見えています。物語の冒頭で、暁人さまは嫌々ながらも縁談を受け入れ、佐条伯爵家に粛々とお伺いを立てに出向いている。嫌々と言っても、育ちの良い暁人さまはこの箱入りのお姫様とカルタに興じたりして、親切に優しくお相手している。何しろ俔子さまもたった15歳の少女なのだ。とても美しくておっとりとした、この少女と結ばれることが出来たなら、暁人さまは本当に普通の幸せを手にしたかもしれないのに。それは叶わない。暁人さまが、中盤に俔子さまに遠回しにお別れを告げるシーンがあるのですが、とても美しくて、切なくて。涙が溢れます。俔子さまにとって、見目麗しいこの青年は淡い初恋だと思われ、暁人さまにとっては、ただ桂木のことを想っているという、とても残酷で切ないシーンなのです。「好きな人に優しくできない。」こんな綺麗なお別れの言葉があっただろうか。暁人さまにとって、俔子さまと過ごす時間だけが、自分の素直な気持ちに向き合える、心穏やかなものだったと思うのです。
…家政に本格的に取り組み、ただ桂木と肩を並べ、桂木と同じ様に考えたいと、学業の傍ら仕事に注力する暁人さま。それはこれまで家令として働いてきた桂木の職権を脅かしているかの様に周囲の人々は思います。もう、久世家において、桂木の仕事は終わったのだと。
「お前が僕に教えられたこと全部、今ならー…すごく大切だったってわかるんだ。」素直に気持ちを吐露する暁人さまに多分、初めて自ら口づけをしてしまう桂木。とても愛おしかったに違いないのです。ところが、桂木は手を離してしまう。二人でずっと一緒にいられたら、という暁人さまの言葉を振り切ってしまう。この時の桂木の『すーん』とした表情が切ないです。暁人さまに抱かれた夜、暁人さまの言った言葉に傷付くのです。「お前が…自分を殺して、僕の側にいるように。僕も自分を殺さないとな。僕の一部が死んでも。残りがお前の傍にあればいいんだ。」こんな哀しい愛の告白があっただろうか。涙。暁人さまのその真摯な言葉を受けて、自分はそうされる価値の無い人間だと桂木は苦しむ事になります。
一方で、先代に心酔し、桂木こそが久世家の当主に相応しいと信じて疑わない雨宮は、今は隠居している元女中頭のきくの元へ通い、真実に近いものを突き止めます。桂木は桂木家の三男では無く、久世の先々代の妾の子だった(かもしれない。)という事実。先代の暁直さま(暁人さまの父)は、父、直弥さまが女遊びが激しく、正妻と正妻の子である自分を顧みる事が無かったことを憎み、桂木が父の妾の子であることを知ったその時から、桂木を冷遇していたのでした。自分の実子である暁人さまが生まれたからでは無かったのです。
少年の頃、やはり暁直さま(暁人の父)に心酔し、認められたい、養子になって自分の父となって欲しいと願った桂木にとって、それは裏切りであったと共に、とても辛い事でした。だから、今は暁人さまを愛しいと想っていても。暁人さまが生まれ、暁直さまが慈しまれたことは、少年だった当時、許せないと思って苦しんだ事もまた事実なのです。いつか、自分がそうされた様に、その子供である暁人さまから全てを奪ってやろうと思って生きてきたのに。
恋人達には時差を持ってこの事実が突きつけられます。暁人さまは苦しみ、「お前が本当に好きだから、お前を…信じる事ができない。」と涙を流し、桂木も自分の愚かさを悔やみます。
それでも。桂木は暁人さまをお守りすることを決意し。暁人さまは桂木に久世家の家督を与えようと決意するのです。もう、ここから、恋人たちのすれ違いがスタートします。
まず、桂木は久世家は暁人さまこそが相応しい後継者だと認めるまでになっているのに。
暁人さまは、これまで苦しんできたであろう桂木の為にその地位を捨てようとする。
とてもややこしい事になって行きます。ただひたすらにお互いの為にと想う心。
そして、美しいだけでは無く、気高く聡明に育った暁人さまに惚れ惚れする第三巻でもあり。久々に号泣してしまいました。
3巻です。
冒頭から一気に「久世家当主」としての存在感を増す暁人の姿。
ということは当然、桂木とのズレが生じる。
単独で動いて森山侯爵より実業家の石崎に近づいたり、家での習慣を変えようとしたり。
また、2巻から現れた雨宮が桂木の出生の秘密を遂に突き止めてあれこれと画策している。
桂木は桂木で、どうやら暁人に情がわいてきたよう。
その心境の変化は、正直分かりづらいかな…暁人の一途さが桂木を動かしたのだと思うのだけれど、それが今までのあまりにも冷たい態度や、元々感じていた憎しみのようなものを溶かすに至るものなのか…しかも毎回の性行為にも同意があってということでも無いわけで。
ラストも唐突と言えるような、暁人自身の婚約辞退と桂木の辞職?のシーン。
BL的には2人が想い合う糸口が見えてくる展開と言えるけれど、物語として整合性があるのかと言われると疑問。私の読み込みが足りないだけかも、ですが。
絵柄は非常に美しい。だがそれゆえに桂木が暁人の10〜11才年上に見えない。本当に全く見えない。だからこの恋愛の悲劇性というか、身分違いでありかつ年齢的な隔たりがあることが響いてこない気がする。美しすぎる絵も罪ですね…
まず、この巻の表紙だけで、萌えます。憂鬱な朝シリーズで一番好きな表紙です。物語の中でもそうなのですが、桂木も暁人様も少し髪が伸びて、より麗しくなっています。特に、桂木は前髪が伸びてそれが横に流れているのが何とも色っぽいです...物語だけでも十分楽しませてくれるのに、絵が非常に美しいので、眺めてるだけでも満足できるなんて、最強すぎます。 3巻では、まだ、暁人様と桂木の意思疎通がしっかりできてなくて、お互いに探りを入れている状態です。でも、1,2巻よりは、断然進展してると思います。桂木の過去や策略も段々明らかになり、お互いに傷つけあってしまうシーンもありますが、桂木の表情がとても豊かになり、物語は一段と面白くなっていると思います。あと、個人的には俔子様がお気に入りです。めちゃくちゃ可愛いお嬢様です。彼女も幸せになってほしいです!!
怒濤の3巻。
桂木の出生の秘密とか、ラストの婚約とりやめとか、とにかく色んなことが起こりすぎて、鼻息荒く読んでしまいます。
そんな中、初めて桂木からキスをしてくるシーンに感動!桂木の気持ちがほぐれた瞬間でしたね。
書生の雨宮、婚約を無かったことにされた森山侯爵、桂木を欲しがる石崎の父親などこれからどう出てくるのか、ハラハラしつつ、それでも二人の気持ちが少しでも近づいたならいつか幸せになれると信じたいです。
因みに、緊張しっぱなしの本編に一瞬の癒しはたまに入る扉絵。正装の暁人さまの麗しいこと!ご立派になられて…
暁人の髪はやっぱこのくらの長さがいいよねと思いつつ。
気になってた桂木の出生の話が主題な一冊。
もらわれてきて、教育を受け。
認められたいと懸命に努力した。
しかしそれは一時の話。
血のつながりにはかなうはずもなく
「この子供から何もかも奪ってやるのだと
与えるだけ与えてから全部
何もかも全て 先代が自分にそうしたように
この子供にも同じことを」
そう思っていたはずなのに。
お互いにお互いを愛おしく思い、求め、
お互いしか見てないのにどーにも噛み合わないのが苦しい。
桂木が自ら求めて乱れるラスト。
なんでこんな・・(。´Д⊂)うぅ・・・。
2巻の森山侯爵の夜会の3ヶ月後から3巻が始まります。3巻はかなり暁人の成長ぶりが伺えます。それまで桂木が行なっていたことを暁人が行うようになり久世家での桂木の立場が狭くなって行きます。さらに暁人の行いについて桂木ぎ驚き目を見開く場面が多いです。暁人に冷たい目を向けていた桂木の目に変化が出てきました。
桂木についても出自、暁人を捨て久世家の当主になる野望を抱えていたことなどが明るみになります。その事実を知った暁人の涙にはとても心が苦しくなりました。後の桂木が過去に悔いてしまうシーン「暁人様は何も悪くないのにーーー」この言葉に暁人に対して申し訳ない気持ちがたくさん溢れてました。
1番印象は悔いを改めた桂木が暁人に「お守りします」と言ったこと。忠誠を誓うシーンで桂木が暁人に対する気持ちが表れていますが1番大事な言葉を言わないところにとても悶えました。その後の暁人が森山侯爵との会話で今後どのような展開になるか見ものです。
表紙は暁人を胸に抱く桂木。めくったカラーイラストでは雪景色の中、暁人が後ろから桂木を抱きしめています。こんなに近くにいるのに、思いはすれ違うばかりです。
桂木に少しでも近づきたくて当主として才覚を振るい始めた暁人。そこはさすが桂木仕込み。外野もりっぱだと認めるほどに成長しています。「ただ一緒にいたい」「そのためなら何でもできる」という言葉は嘘じゃなかった。
先代に心酔する元書生の雨宮に知られた、桂木の出生の秘密。どうしてキクは桂木の承諾もなしに雨宮に託したのでしょう?桂木が久世家を継ぐことを望んでいたから?キクが真に仕えていたのが桂木の本当の父親の先々代だから?桂木の野心を知っていたから?確かに桂木とキクとの間には信頼関係があったし、桂木がキクを大切に扱っていたのも事実だ。現にキクの隠居後の住まいは桂木が買い与えたものらしい。暁人が初めて本家に来た日、なんだかキクがとても冷たく感じたのも、同じ理由からなのだろうか。今となっては余計なことをしてくれたなとしか思えない。暁人と桂木が心の底で望むものは単純なことなのに、彼らに関わる人間や『久世家』がそうさせない。
それぞれの思惑に翻弄される二人には、どんなに近づいても本心は見えない。暁人と触れ合うことで変わってきた桂木の思いは、彼自身も説明の出来ない感情となり、時には先代のように冷静にやるべきことをやる暁人も、桂木の前では「絶対に離さない」「僕の一部が死んでも、残りがお前のそばにあればいい」「本当に好きだから信じられない」と感情を剥き出しにする。
桂木には久世家を乗っ取る野心などとうに無い。暁人が桂木を変えた。「お前は絶対に変わらないんだな」なんて言った日もあったけど、桂木は変わったんだよ。周りがどう言おうと、先代みたいに育てたはずの暁人の心はずっと暁人のままで、変わらない暁人が桂木を変えたんだ。思いをそのまま言葉にして、暁人に伝えられたらいいのに。そして「二人は末永く幸せに暮らしました」っていうおとぎ話でいいから、もう幸せになってほしいよ!別の道を行こうとする二人に胸が痛くて馬鹿なことを考えてしまいます。
この巻での二人の情事が悲しすぎます。「今日だけは」と自ら暁人に抱かれる桂木。「名前を呼んで」「声を聞かせて」と言う暁人に、本音が洩れないように声を抑えて、激しく求めあって体を重ねて、互いの心も見えるのに、運命は重ならない最後のSEX。桂木は本音なんて一度も言わずに生きてきたんだよね。本音なんて言える環境にはなかった。頑なな桂木の心を開くのはやっぱり暁人しかいないんだと思う。苦しいばかりの3巻だけど、日高先生ならきっと光を届けてくれると信じて見届けたいと思います。
二人にとって、こんな苦境がまだ続くんでしょうか…。
世間と世界は、
二人にはあまりに冷酷ですね…。
2巻を読んだときは、
「3巻こそは、もっと幸せに。
少しでも光明をみたい」
と、思ったのに、
全くそれが叶いませんね…。
やはりずっと切ないままです。
二人を見ると、哀れです。
憐憫の情がわきますね。
執拗攻めって私の好きなキャラの属性なんですけど、
主人公の暁人(攻め)の家令の桂木(受け)への執着は、
それを通り越していて、
見ててやるせないです。
そして、だんだんと
過去の謎が判明していき、
桂木が久世の先々代の庶子だということが
明るみに出てきます。
そのことが明らかになりつつ合ってもなお、
二人はお互いを求め、
離れられないのに、離れてゆく…。
最後は彼らが二人でお互い並んで
笑い合えますように。