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心を殺さなければ―――
konoyo no subete
帯『最期にはお前がいて欲しい-』『心を殺さなければ耐えられない』
先ず思ったのは、おお!絵が読みやすくなってる!!でした。
ミナヅキさん初コミックスの「今夜はテイクアウトにて」が気に入ったので引き続き購入したんですが独自のアクの強さというか癖が薄くなって、前よりかなり読みやすくなってます。
線が柔らかくなったので、肉感的さが増して人物の表情が生き生きしてて自分的にはこちらの方が好み。
特に唇の描き方はエロくて好きですねー。
話は現代パラレルっぽい世界が舞台。
銃もあるんだけど刀が武器として用いられてるんですが、スーツ姿に刀がすんごいかっちょいい。
仕事着はスーツだけど寝間着は和服ってのもいいなー。
和洋入り交じった特殊な雰囲気が、緻密な線で黒が印象的な画面で描かれます。
トーンを極力使わずにベタと線だけで表した絵がいいのですよー。
使用トーン柄もアミが殆どでたまにグラデーション、ざっとチェックしただけですがトーンの重ねは概ね背景に5、6ヶ所位しかやってないと思います。
戦争が終わって行き場を無くし士旗として人を殺める七青と、無表情で腕の立つ新人、葵。
その葵の表情に感情がほとばしるシーンには胸打たれます。
寄り添う2人が凄くいい!!
脇では飄々とした椿がいい味出してました、あとがきによると椿と椎名の話もあるっぽいのでこの2人でのスピンオフ希望です。
あと自分はあんまりペーパーの有無に拘らないんですが、このペーパーはイラストに力入っててメイン2人に加え、椿と椎名の合計4人描かれてます。
ペーパーってより、映画や演劇のポスターみたいな感じで七青の持つタバコの煙が天の川みたく画面を斜めに流れていてこの構図が凄くかっちょいいのでこれはペーパー付きを選んで買う価値は充分にありますよー。
いや、ホントかっちょいいんですよー折り目が付いてるのが悔しい位に良い出来!
正直ここまで付いてて良かったー!と思ったペーパーは初めて。
尚、ペーパーによるとラストの段階では七青31歳、葵21歳、椎名30歳、椿27歳との事です。
表紙の絵だけで心臓ぶち抜かれました!
一色のトーンの濃淡だけで表現された人物のみの表紙、何て素晴らしい♪
デビュー作は、バラエティに富んだラインナップで、白と黒のコントラストの特徴的な作家さんだなと思っていましたが、前作が黒が目立ったのに対し、今作は白がベースに黒が印象的な、ハーフトーンをほとんど使わないモノ黒表現が冴えわたっていました。
架空の国と時代。
政治家の私設護衛の姿は実は護衛でありながら暗殺団のようでもある。
そこで、拾われ腕をふるう七青と、彼の相棒として入ってきた葵。
かたくなでうちとけないような葵と、切れモノなのにいい加減野郎のようにふるまっている七青。
七青の相棒は今まですぐ死んでしまったのに、葵は3年も相棒として生きている。
そこにあった七青の見せない優しさと、葵の想い。
命を掛けた仕事の裏にある、七青の気持ちがひしひしとつたわって、ラストへと向けてそれが花開いていくような展開は、そのヤマの持って行き方が実にうまい!
やはり、明かされない分読者がそこから読んでいくといった雰囲気のつくりになってはいるが、それは決して苦ではなくラストの感動を盛り上げるスパイスにもなっていると思う。
死と隣合わせの仕事、政治家を守る使命、時代は現代風でもあるのだが、まるで幕末か武士の時代のような気もして、彼等の繋がりも侍の雰囲気だ。
侍を現代に置き換えた作品。
そう思ってもいいだろうか?
描き下ろしの2編、『白夜』で七青の役割の裏付けが
『淡い空』でラスト後の2人だが、いつ亡くなるかもしれないその日の前に、できるだけ一緒にいたいとする2人が甘くて、切なくて、すごく背筋にゾワゾワっとくる話でした。
絵があまりに特徴的すぎるので、好みが激しくわかれそうですが、それでもすごくすごく良かったーーー!!!
その特徴でさえ気にならないくらい物語にのめり込めました。
作者さんも書いてますが、椎名×椿編、また見られるのかな?
期待します。
できうれば、この後の彼等はずっと幸せに何もなく行って欲しいと願わずにいられません。
茶鬼さま
茶鬼さんのレビューを読ませていただき、
「侍を現代に置き換えた作品」
という部分、私も同じことを思いました。
スーツに日本刀というのも良いですね♪(実戦には不便そうですがw)
スーツに刀は最強のコラボアイテムだと思い知らされました。
着物に刀はあたり前に萌える組み合わせですが、スーツに刀はその上をさらに上回る組み合わせ萌えアイテム。
おまけに黒い手袋ときたら、萌える要素が全て揃っている。
表紙から察する通り、あまりテンションの高い話ではなく、淡々としている。
けれどその淡々とした物語の中に色々な動きがあって、退屈せずに最後までするすると読めました。
画面も白と黒のコントラストとでもいいましょうか?
トーンを殆ど使わない画面は白と黒で構成されていて「色があまり見えてこない」しかし、その効果が話を引きしめているように思え、世界観にぴったりマッチしていました。
主人公たちのキャラクターも良かった。
真面目で優秀、しかしどこか影を潜ませ心を開かず頑な態度を取り続ける葵。
腕はたつがどこかふざけた飄々とした態度で、葵にちょっかいを掛けては何かと拒絶される七青。
七青のパートナーはすぐに命を落とす、というジンクスを覆してふたりがパートナーとして組みだして3年。
相変わらず、心を開かない葵と七青との関係が大きく動き出す事件が・・・
ここからがどんどん話が進んでいきます。
葵がとある政治家の私設警護班『士旗の会』に志願した理由や、頑なな態度のワケなどがどんどん明かされていき、見えなかった感情の動きが一気に見えるようになり、ああ強がっていたけれど本当は押しつぶされそうなぐらいにしんどく弱かったんだね、と。
七青も生きる目的を殆ど見いだせずに意志もなく仕事をしていた部分があり、殺すのも殺されるのも…命をいつ落としても仕方がないと思っている節があったものの、葵と出会ってから変わっていき。
最後には葵のために事も無げにさらりと恩を仇で返してしまう。
それは今まで何もなかった自分が、無くしたくないと想った存在・葵のための裏切りで。
静かに、静かに葵を想い続けていたのだなぁ…と切なく苦しくなった。
表紙・裏表紙含め帯のシンプルな一文がラストまで読むと、とても心に響きます。
本編終了後に収録の短編では組織を抜けた直後ぐらい?のふたりの逃亡の様子が描かれていました。
葵の色々ともの慣れぬ初々しさと七青の葵を愛しいと思う、気持ちが溢れている短編でしたが命の危険性が伴っている、というギリギリの部分も見えて幸せそうだけど、切ない。
ふたりがこの先、幸せに逃げ切り暮らしてくれればよいなぁ。
表紙・裏表紙含め帯のシンプルな一文がラストまで読むととても心に響きます。
わたくし事ですが、こちらの作品でなにが一番印象に残ったかといいますと、購入後帰宅してさぁ読むぞ!と表紙をめくったら奥付だったという事でしょうか。
しかも逆さ。
すわ、乱丁か!?と思ったら表紙の中で本が逆さになっていたというオチでした。
BLでは「こいつだけはだめだ、手放せない」的なセリフがよくありますが
七青のおかれている立場で「…なくすのは怖い」という言葉をはかれると
……きます……
葵に対する強い想いが、命さえも惜しくないと思っていた七青の心を変えていきます。
生きる意味を見失い、目的もなくただ生きるだけの自分を拾ってくれた政治家のために、七青は何度も手を汚してきていることに苦しみ始めます。
それでも葵の手を汚さないように、それを本人に気付かせないように行動する七青がせつない。
後半、感情をなかなか表に出さないふたりの、お互いへの想いがあふれ出る表情がとてもいい!
絵柄は癖があり、好き嫌いがわかれるだろうなとは思いますが
なんとも色っぽい光と影の美しいイラストとストーリーを是非読んでほしいと思う。
前作の初コミック「今夜はテイクアウトにて」から次回作を楽しみにしていた作家さんなので、今回本当に堪能できた。
お互いが自分のすべてだと思っている彼等が、最後までふたりにとっての幸せであるようにと願ってしまう。
最期にはお前がいて欲しい……これがすべて
読み終えた後、すぐに再読したくなる漫画に当たったのが久しぶりで、それだけでも満足だったのです。
二度目を読む前に、皆さんのレビューを見て、今度は「スーツに刀」に注目しながら読んだところ、私にとっても、それは大層よいものだと分かりました。
ミナヅキ先生のホームページを拝見し、続編の同人誌を早速注文してきたところです。
萌えは自分の内から自然に現れるものではなく、掘りおこされ、呼び覚まされるものなのですね。
教えていただき、ありがとうございます。
むぼちさま
もう続編お願いされていらしたとは!恐れ入りました。
私は椎名主人公で…と願っていますが、むぼちさんには別の思いがおありかと(笑)
なんにせよ「士旗の会」群像劇という感じで、続き出してほしいですね>大洋図書さん
まず表紙の画風が好みだったのでパッと手にしましたが期待以上であり、すごーく萌えました。私は小説とコミックのどちらも読み、神評価もたくさんつけているのですがこれぞ神中の神作品です。スーツと日本刀の男たちの魅力にはもう、完全にヤられました・・・!
ミナヅキアキラ先生は今まで存じ上げなかったのですが、かなりハイレベルなストーリー・テラーであると思います。この作品は過去とも近未来ともつかない曖昧な時代に設定され(確かなのは戦争後だということ)、主人公二人が属する「士旗の会」なるものもある政治家の私設警備班だという以外はよく分からないのですが、初めからぐいぐい引き込まれていきます。
主人公、攻めの七青(ななお)は飄々として虚無的な雰囲気があり且つ、凄腕のアサシン、元兵士だと初っ端に分かります。受けの葵は最初は氷のようにクールな印象ですがまだ未熟で、青年というより少年な感じです。
血生臭く仄暗い”仕事”を教育係の七青と葵はこなしていきますが、スーツに日本刀、プラス皮手袋の斬新ないでたちがカッコ良過ぎなんですよ、本当に。
そして何よりも、七青と葵が結ばれるまでが萌え萌えで死にそうになりました。
「俺にはお前がすべてだ」と言う七青のカッコ良さ、心を開いた葵の色っぽいことといったら。
2010年、少し前の作品になりまして、画風と独特なストーリーは好みが分かれると思います。やはり、ハードボイルドなものが好きな方でしょうか、たまらん魅力に溢れていますので未読ならばぜひ!
内容は好きだけど独特な絵柄が好みと外れるため、あまり萌えない…というのが、今までの私のミナヅキ先生の作品に対する感想。(失礼言って申し訳ないです)
でも今作は良かった…非常に萌えました!
絵柄もこの作品にによく合うというか、いやこの絵柄だからこそ伝わるものがあるというか。
今まで未読(発売が7年も前!)だったのが勿体なく思えました。
戦後やら士旗の会やら、はたまたスーツに刀というスタイルもあり、最初は物語の舞台が一体どういったものなのか分からずに混乱しました。
要は架空の世界のお話なので、この辺は深く考えずとも大丈夫です。
七青の葵への想い、そして葵の復讐心と七青への想い、物語終盤での萌えがたまらない…!!
お互いがお互いの存在を自分の全てと思える関係性に、どうしょうもなく胸が熱くなりました。
士旗の会メンバーの椎名と椿の関係も非常に気になります。
七青と葵のその後も読みたい…!
もう昔の作品だから望みは無いかもしれませんが、もし発売されたら、今度は発売後すぐに読みたいと思う作品でした。
絵がすっごく好きです。好みです。
でも葵は、髪伸ばす前の髪型の方がよかった。
表紙の絵は、もっと顔がはっきりわかる絵になってる方が
人目を惹くと思うのになぁ。
先生一人のためにこの組織があるのかとか、世界観はイマイチよくわかんないとこもありましたが、そこら辺はすっ飛ばしても、二人のキャラがとてもよかったです。
先生については、そこまでの魅力的な人だったのかなぁ?という疑問は感じました。まあ葵も七青も先生に魅了されたわけじゃなかったけど、他の人達はわりと先生のため、なんだよね。それともみんないろいろ事情があって仕方なく仕事としてやってんのかな。
命かける仕事だけど、それでも他に行くとこがないからみたいな感じで?
そこら辺含めて、この組織の事はイマイチよくわかんなかったです。
二人が結ばれて、逃げての、そのさきの話が少しだけ描かれてますが
そこをもっと見たかったな。
ずっと葵は、七青に(他の人にもだけど)心を開かなかったから。
表紙でリーマンもの!と思った人は多いはず。前作と同じような路線を望んでたわけじゃないけど、これはあまりにも、あまりにも、ご自身のお好きな世界丸出しじゃなかろうか。
いや、あとがきにもそう書かれてましたね。
いつの時代の話だろうと思いながら読んでいるうちに、架空の時代なんだということに途中で気づきました。
暗く甘い毒のような独特な世界です。
戦後の混沌とした日本、政治家の私設警護班、闇の中でもがくように生きている男たち、常に死と背中合わせの緊迫した環境…
でもなんかちょっとこう、上澄み部分だけすくって食べさせてもらったみたいなこの感じはなんだろう。
刹那的で常に暗い影が射す中で、確実に育っていた愛。
その愛がこれからどうなっていくのか、つきまとう不安。
なのでね、ラストはあのぐらい甘ったるくてよかったんだと思うですよ。
高杉晋作みたいに着物にピストルってのもカッコイイですが、スーツに日本刀っていいな~。
ピンと張り詰めた空気の中に、時おり混じる情感や温かさがすごく「人」を感じさせます。いつ死んでもおかしくない世界に生きる二人だからこそ、お互いを想う気持ちがドバッとあふれ出る後半の展開が切なく真摯で目を奪われるというか。
普段はスーツに刀に煙草に…とクールでストイックに決めているのに、濡れ場となると一転、肉感的な裸体に情熱的な絡みが見られて、そんなところにも刹那に生きる二人の強い生命力を感じました。
舞台は、多分架空の設定アリの日本。詳しいことは説明されませんが「内戦」「暫定政府」などの言葉から、そう昔でもない過去に戦争があり社会が荒廃していたことが分かります。
表向きは政治家・大須賀の私設警護班、裏では大須賀の手足として不穏分子の調査にあたっている『土旗の会』。
七青(ななお)は、新入り・葵の教育を任され、コンビとして任務にあたることに。クールなようで脆い所も見える葵に、人を殺したことがないんじゃないかと訝る七青。様々な任務で功績を上げていく二人だが、ターゲットに手を下す役割はいつも七青が務めた。
ある日、葵が警護班に入った真の目的を知った七青は…という話。
「最期にはお前がいて欲しい」という帯の言葉通り、全てを失ってもお互いがいれば前に進んでいけそうな二人の姿がとても印象的なラストでした。組織の追っ手のことなどは大丈夫なのかな~?七青の言葉を信じたいけど、政界ビッグネームの命が関わっているだけに油断はできないような。しかし、日の当たる道は歩けなくてもお互いがいるだけで十分幸せなんだろうな~と思わせる、ラブラブ甘甘な後日談は良かったですv
気になったのは、二人とともに警護班に属する椎名と椿!
ミナヅキ先生もあとがきで「この二人どうしてくれよう」と書かれていましたが、いつか彼らのスピンオフも読みたいな~。堅物な椎名と美人で明るい椿。いいカプになりそうな予感がするんですけどね。
椿は仲間の七青と葵がいなくなって寂しく思ってそうだし、騒動のフォローに回る椎名の心中も非常に気になります。組織のその後も含めて、まだまだ続きが読みたいと思わせる作品でした。
りりこ555
やーーーーん!!!
私、アマゾンでポチったんだけどペーパー欲しいいいいい!!!