イケメン君とさえない君

イケメン君とさえない君
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神46
  • 萌×239
  • 萌38
  • 中立29
  • しゅみじゃない10

--

レビュー数
38
得点
529
評価数
162
平均
3.5 / 5
神率
28.4%
著者
秀良子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784758071024

あらすじ

彼女いない歴=年齢…さえない大学生・健太郎はさえない理由で頭を強打して以来、身に覚えのない行動に悩まされていた。そんなある日、目を覚ますとそこは見知らぬ部屋のベッドだった。目の前には、見知らぬイケメン。――こいつは誰だ?

表題作イケメン君とさえない君

レビュー投稿数38

授業中の練り消し並みに練られたプロット

一番最初に購入した秀先生の作品がこの本でした。
実は初読のときは萌えなかった。
でもちるちるを知らなかったおかげで、評価もレビュー欄も無傷でした。バンザイ。

子供の頃はスーパーヒーロー、大きくなったらふつうのひと。
というのはよくある話で、幼稚園時代に人生の最盛期を迎えた健太郎は、悪いことを引き当てる運ばかりが強い、さえない大学生になっていた。
そんな彼が新たに引き当てた「悪いこと」、それは霊に取り憑かれたことで…。

自分の記憶が曖昧なことが増えて、気付いたらイケメンの家。
いいですね、目が覚めたらそこにイケメン。天国かと思いそう。
2週間前に亡くなったイケメンの彼女の霊に取り憑かれた健太郎は、彼女の霊の思うままにイケメンと過ごす時間が増えていって…。

練り練りされたプロットが素晴らしいです。
ただ初読のときはそこに気付けなかった。
そこを「え、ご都合主義?」と思ってしまった。
BL初心者すぎたばかりに、理性的かつ現実的に健太郎とイケメンくんを遠くから観察しすぎて、健太郎の気持ちの変化にいちいち「なんで?どうして?なんでなんで?」と立ち止まって考えてしまった。
恋心というのは説明できるものではないのです。
それをいまだにきちんと理解できていないせいで、人の感情を分析して解説しようとするから、多くの方が「良作!」と萌え倒している作品で萌えることができず、ホゾを噛むこと数知れずなわけで。

最初に幼稚園時代の輝かしい日々を見せた理由は何だったのかと。
単純に健太郎の人となりを紹介するだけのエピソードではなくて、壮大な伏線。
1冊まるまるかけて、秀先生が読者に仕掛けた罠だったんですね。
その罠を「ふーん」とスルーしてしまうと、「萌えぬ…」というラストを迎える結果に。
ただこれ、初読じゃスルーしてしまいますよね。
分かった状態で読み返して、初めて「よし!ここ、引っかかっておこう」って思うレベルの、すごーく小さな釣り針なんです。
その釣り針に貪欲に引っかかりに行くと、健太郎が自分を消してもイケメンくんを喜ばせたいとまで思う気持ちに萌える。
三つ子の魂百まで。
幼い頃に喜んだ顔を見たかった相手のことは、別々に過ごした年月に埋もれて行っても、笑顔を見たときの嬉しかった気持ちはどこかに残っているんだなあと。
深読みしすぎでしょうか。

喜ばせたいと思うのが、自分の気持ちなのか、彼女の気持ちなのか。
イケメンくんを喜ばせられるのは、自分なのか、彼女なのか。
イケメンくんから向けられる優しい笑みは誰に…。
と、いう辺りはふつうに萌えます。

余分に萌えるには、プロットを把握して読み直し必須。
初読で「うーむ…」だった方、試してみてください。

0

BがLする5秒前

ちょうど十年前に発行された秀良子さんの初単行本だそう。
確かに今の作画よりやや可愛めのキャラクターな気がします。
線もやや太い感じかな?独特の間合いなどは今もそのままですね。

さえない大学生健太郎が、気絶したり眠っているうちに亡くなった女性に取り憑かれて、彼氏に会いに行ってるというお話です。
何故男の健太郎にとり憑いたのか、女性とは誰なのか、その彼氏真柴とは何者かが最終話で明らかにされます。
あー、そうなんだ!ってスッキリしますよ。

確かにBL感はかなり薄めで、4話の終わりくらいからじわじわ来る感じです。じれったいというよりBLに発展しそうな前の段階ですね。
少女漫画でももう少し早いBL展開のものもありますもんね。
お話は面白いし、作者さんの描く漫画が好きなので私は物足りないとは思いませんでした。

0

うぶなBL…未満な感じ

先生の初単行本なんですね。
健太郎(さえない君)の体に光(イケメン君)の亡くなった彼女が憑依するお話。
健太郎がほんとにさえなくて…気の毒になるくらいそこまで卑屈にならなくていいのにと。
不思議な出会いから少しずつ心を通わせ合っていく…うぶBLな感じかな。

健太郎が意識を失っている時だけ憑依されそこは描かれず。
意識が戻った時、彼女として光と過ごしていた延長上に突如(健太郎目線で)場面転換するのがおもしろい。

光がイケメン君なだけあり顔がいい(眼鏡ないダイヤのAの御幸先輩に似てる)。
ラストがほんわか✨
絵やコマ、余白がきれいでさらさらしている。

0

かっこつけマンの恋

B Lかといわれると違うかもしれません……
でも、恋の始まる予感という意味ではそうなのかもしれない……

健太郎の身体を借りて恋人の真柴に会いに行く真柴の亡き彼女。
霊となってまで大好きな真柴に会いたい彼女は、健太郎の意識がない時だけ現れることができる。
彼女を通して真柴といる時間が増えていく健太郎は、いつしか真柴自身が気になるようになる。
真柴もまた、彼女が好きなのか健太郎が好きなのか分からなくなっていき……

実は、3人には共通の思い出があった。
だからこそ、彼女は健太郎の身体に入れたのかもしれません。
二人が惹かれ始めていることを知った彼女は、健太郎に真柴を託して……

それぞれの思いが切ないです。
この後、健太郎と真柴がどうなっていくのかは分かりません。
だけど、3人がまた会えるその時まで2人の関係が続いていって欲しいです。

さすが秀良子さん、とても儚くて美しい物語でした。

0

彼女の想いが切なすぎて

BLに女の子が出てくるのは嫌いじゃないのだが、この作品の場合、彼女の気持ちを考えると辛くなってしまってしんどい。だってすごくいい子なんだもん。
ラスト、なぜ主人公に取りついたのかの種明かしを読むと、よりいっそう辛さ倍増。
BL成分が薄くてもじゅうぶんいいお話だけど、いっそBLじゃなくて彼女視点の少女マンガだったらしっくりきたのかもと思う。年齢とともにリアルでもう二度と会えない人が周囲に増えてくると、マンガと言えど人の死を扱ったものは本当につらくて。

商業BLを本格的に読み始めたばかりの頃に手に取った作品なのだけど、せめて憑依モノだと分かりやすいタイトルにしてほしかった。最初に対称的な男の子ふたりのほのぼのラブだと思って読むと、思いがけず心にズシンと来る。当然萌えるどころじゃないです。

0

愛おしさを感じる

秀良子先生の作品の、柔らかな悲しさがとても好きです。バッドエンドではないのに、寂しさが漂う。愛おしい。絵も(好き過ぎて最早冷静には見られませんが、おそらく)華やかではないけれど、ストーリーに合っていて大好きです。

初単行本とは思えない熟した作品だと思います。BL的な萌は薄いし、女性がたくさん出てくるし、ファンタジーでクセがあるお話。
描き下ろし、光(イケメンくん)が幼稚園の頃から変わらず花が好きなの、たまらないですね。

秀良子先生が好きすぎて神評価にしてしまいますが、偏った目線を無くすと萌〜萌2かな。

0

受けが不憫だけど雰囲気は好き

 正直ツッコミ所はいくつかあるのですが、全体的には悪くないかなと感じました。大学でまともな友達もおらず、彼女もできたことのない冴えない健太郎。たまたま飛んできたボールが頭にぶつかって意識を失っている間に、真柴という男の亡くなった彼女が取り憑いてしまいます。誰かに取り憑かれるキャラって時々見かけるけど、これは取り憑く過程が雑で強引だなぁと最初に感じたことは否めません。一応、健太郎に取り憑いた理由はちゃんとあるので、後で納得はしましたが。

 それから健太郎が意識を失っている間は彼女が体を操り、健太郎は気付いたら真柴の家にいるということが増えます。真柴は相当彼女が好きだったようで、健太郎には基本的に優しく接してくれる。でも、健太郎自身に興味は示さないし、優しさの先には結局彼女がいることを健太郎は何度も痛感します。健太郎目線で読むと、彼の意思が蔑ろにされているようで、真柴はなんて自分勝手なんだろうと思いました。でも、真柴目線で読むと、健太郎の意識がない間は確かにそこには彼女がいて、真柴と生前と変わらぬやり取りをしているんです。大好きだった彼女の魂がまだ成仏せずそこにあると分かっていて、健太郎に「自分自身を大切にして欲しいからもう来なくていい」なんて言えないよね、まだ希望を持ちたいよねと、共感できなくはないなぁと思い直しました。

 それでも自分を殺して彼女の意思を優先してあげようとする健太郎に真柴はもっと配慮すべきだったと思いますが、彼も徐々に、自分がまだ彼女を愛しているのか健太郎自身に惹かれているのかを自問し始めるんですね。そして、最後の最後にやっと健太郎への好意を認めます。時間はかかったけれど、別の人間へ好意が移る過程としては、妥当な長さだったのかもしれません。ただ、ラスト直前に明かされた幼少期の3人の関係性には驚きましたが、別にそれは健太郎が一向に報われなかった理由にはならないだろうと思ったので、あんまり響いてはきませんでした。健太郎を好きだと認めた真柴が、その後どんな風に彼に接しているのかは気になります。

0

固定観念を捨てて読みたい本

BLコミックのレーベルから出てるからBLとして扱われるのですけど、一般のコミックスとして出ていた方が幸せだったんじゃないかなぁとも思える一冊。(フラ○ーズとかあたりから…)

主人公の男の子自体は実に普通の大学生(ヒエラルキー低め)ですが、ファンタジックな設定で非日常的な状況に入っていきます。と言っても派手なイベントなどは起こらず、男の子2人(と女の子1人)の心の奥の奥をジーっとだまって覗いているような感じ。切なくてじんわり来る。

登場する女性も嫌味の無い人達ですし、主人公たちが抱いた感情が「恋」なのかな?ということを認識するあたりで終わっているのも良いです。
「BL」としてLOVEの進展を期待する派には物足りないかもしれませんが、この話はこれで良いのだと思えます。

ただタイトルは、意図は分かるのですけど"損してるな"というような気もします。

0

BLとして読めないけど、切ない。

BL作品としての萌えどころはないかな。
でも、すごく切ないお話でした。
秀良子さんの作品らしい良作です、

0

ほんのり

BLとしては物足りない感もありますが、私は秀良子さんの作品の中で一番好きです。
恋が始まりかけた所で終わるというムズムズ感も残りますが。
健太郎は、真柴に対して乙女ちっくなときめきを覚えたり、真柴のために体を張ったりする訳ですから、恋心は芽生えていると思うんです。
姉からも「恋してるんだね」みたいなこと言われてますしね。

真柴の方も、健太郎の中にいるミッちゃんに愛情を感じているのか、健太郎自身にときめくようになったのか判らなくなり、それをミッちゃんに覚られて「健ちゃんなら許す」って言われたりして。
真柴のことをよく理解しているミッちゃんが、健太郎に憑依して真柴と接する中で、真柴が自分ではなく健太郎にときめいていることに気づいた訳ですから。
真柴も間違いなく健太郎に恋心を抱き始めているはず。

でも物語はそこで終わっちゃうんですよね~!
この二人のラブな展開をもっと見たかった気もしますが、これはこれですごく良い作品なので仕方ない。

1

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う