条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
男でも女でもいい、お前ェさんが欲しかった。
marusumiya no yometori
趣の異なる短編2本。
やっぱり、かわいらしさと色っぽさが絶妙の先生の絵が好きだ〜。
お話もどちらも、ほっこり萌えと切なさがいい塩梅に織り交ぜられていて好きです。
なんてったって、表題作の新三郎が色っぽい。特に切れ長の目元がめちゃくちゃタイプです。
鈴もかわいいしべっぴんさん。
健気さもいい。
新三郎が鈴に惚れ込んでいるのが萌えだし、鈴もそうなのが良かった。
「新しい武器」は神田があんなに色っぽくなるとは!?
染谷が神田に懐いていく過程が自然で良くて。お堅い神田がたまに見せるようになった照れ、デレに萌え〜ですよ。
神田の過去エピソードはBLあるあるだけど、染谷の子どもの頃の辛い境遇は先生らしいなと思いました(子どもが辛い目に遭う場面は苦手ですが)。心の穴の表現が、ぐっときました。
2人が酔っ払って、神田がドアに頭をぶつけた時、染谷が「オレの先輩になんて失礼なドア……!」と言ったのがツボでしたw
丸角屋のよめとりをBLCDで聞いてとても感動したのでコミックを読んでみたくて買いました。
あれれ?めっちゃ展開が急なんですけど…。なぜここまで急ぐの?もっとじっくり書いてほしかったです。
姫様の葛藤や悲しみ希望、丸角屋の旦那の男っぷり、懐の広さが略されてるような気がして。
確かに描いてはあるのですが余白に手書きで文字でとかだったり。
ここにCDの感想を書くのはダメでしょうがびっくりしました。こんなに短いお話があんなに膨らみを持って深み切なさ悲しみ希望を伝えられるなんて。
山中ヒコ先生の全編に言える気がするのですが、どこか考えさせられるし、どこかみんな男気があってどこか切ないけれどあたたかい作品。
その中で好きなのは全然ショタではないのですがヒコ先生の描かれる子供達。
鈴と荘太が小さい頃、染谷の小さい頃、可愛くて切なくてキュンとします。なんか涙が出そうになる可愛さです。
それを見るだけでも良いと思います。
元から歴史ものが好きなので、江戸っ子弁や着物、月代など萌え要素がいっぱいでした。着物のマンガは結構絵や髪型など上手下手があると思いますが、シンプルでスッキリ美しい着こなしでしっくりきて好きです。
同時収録もなかなか拗らせた先輩と可愛い後輩でした。その後輩染谷が一生懸命で、子供の頃のエピソードに数コマなのに泣けました。
まずはこちら、表題作を読み終えてすぐに本を閉じました、そのまま先に進めなくて。自分はよくこれをやるのですが、通して読んでいたら評価も変わっていたかもしれない。気持ちとしては、表題作と同時収録作それぞれに神をつけたいです。一冊にこんな作品が二つだなんてちょっともったいないなぁ。同時収録作のほうが少し長いですよ。ちなみに後半の作品を読んだのは2日後でした。※以下、ネタバレあり
表題作『丸角屋の嫁とり』
こちらはお芝居好き(特に人情もの)な方ならきっと「あぁ、読んでよかった」となると思います。胸の奥の方がずっと痛いままで幕となるのが、私にはなんともいえずよかった。もし客席で観ていたとしたら、役者に伝わるように手が痛くなるほど大きな拍手をするだろうな、そんな終わりです。一方は金のことや、素性を見破るなどどうでもよく、ただ目の前の美しい人に惚れてしまったので手に入れたい。もう一方も同じく目の前に現れた男の戦う姿に一目惚れした。女の服を着た男であるという現実から逃げ出したくなる展開かと思いきや、「男」のかっこよさに目覚めてしまった、「男」というものに惚れてしまったのですね。また、最後の愛する人を思って…のパートはやりきれない気持ちもあるのですが、だれも決してうしろ向きではないのです。それぞれの思いが絶妙に交差していく男たちの物語。しかもいかにも色男っぽい男がいてね、本当によい作品に出会えました。
同時収録『新しい武器』には、年下ワンコなリーマンが登場。
この男の "シンプルな人生" という説明描写が作品全編に切なさを運びます。読んでいると彼の心にあいた穴をどうにかして埋めてあげてほしく、たまらなくなってしまう。自分のためにはそう強くはなれないものだ、そんなことを思わせてくれた今作。もう少し細かく感想を書きたいけれど、自分の貧困なボキャブラリーではこの作品にはそれがあまりにもったいない気がしました。読み終えて英語タイトル "his new weapon" を振り返れば、彼らへの愛おしさ倍増です。
表題作も同時収録作も、
どちらにも主役が三人ずついたと記憶しておきたい。
花嫁ものも女装ものも、基本苦手……
だけれど、「王子と小鳥」にやられて目下の山中ヒコブームの中で購入。
読んでみたら、良かったよ!
旗本の庶子・鈴は、正妻を慮った母の意向で男なのに姫として育てられ、
屈折した思いを抱えながら成長する。
町でならず者に絡まれたところを助けてくれた商人の男気に触れ、
自分も男としてちゃんと生きたいと思ったところ、父の言いつけで嫁ぐことに……
BL界にありがちな、女として育てられた美形が、借金のカタに嫁がされる話。
だけれど、この姫様、想像以上にかっこよかった。
彼を是非にと望んだ攻めも、これまたかっこいい。
「四千両で心もからだもじゃあ 安すぎらァ」って、よぉ!男前っ!
姫様にぞっこんで、焼きもち焼いているところもいい。
一緒に育った乳母やの孫の荘太の話も、ちょっと切ない。
同時収録のもう一編「新しい武器」は、リーマンもの。
お固いゲイの上司との新人の話。
こっちも悪くはないのだけれど、表題作がすごく好きだったので
半分で終わりは物足りない。
面白かっただけに、表題作だけで一冊にして欲しかった。
<オマケ>
ところで、皆様は作中に出て来た「谷風邪」ってご存知だったでしょうか?
症状からインフルエンザ?と思ったのですが、初めて知った言葉で調べてみました。
1795年に流行った流行性感冒(推定インフルエンザ)は、
当時人気絶頂だった横綱・谷風の命を奪い、
このことから江戸では流行性感冒をタニカゼ言うようになった、という
記録が残っているようです。なるほど。
なかなか、時代物は難しいのですが
和服姿はひかれるものがあり
時々読みたくなります
そんな中の一冊がこの作品でした
表紙で手にしてから山中さんの作品だと
わかりました
内容は男でありながら、女性として育てられた
男性の話です
BLとして読むというのは
ちょっと違ったのかなとも思ってしまいました
時代物のせいもありますが
BLとしての男性同士の愛情模様を
描いていると受け取ることができませんでした
作品としては軽いものではなく
設定もしっかりしており
どちらの立場になっても読むことができました
この本の半分はサラリーマンものが
入っています
こちらの作品は何度読んでも頭にはいってこない
展開でした
私が一方的に読めなかった
集中できなかった作品でした
何が悪いではなく、相性の問題だと重ます
イラストがダメな方に近いということも
あるかもしれません
正室の奥方より先に身ごもった鈴の母は、争いを避けるために、鈴を女子として届けます。ずっと女性の着物姿で過ごしているのですが、本当は男子と知るのはごく一部の人間です。
やがて、鈴に丸角屋の新三郎から縁談の話が舞い込み、女性のなりのまま嫁ぐことなります。新三郎は男子だと知った上でこの縁談を進めているのですが、時代劇の話をそのままBLにしたようなお話で、安定感はあるものの、萌えは感じられませんでした。
四千両で引き受けた鈴と契りを交わした後、新三郎は、「四千両では体と心は安すぎる。」とこぼすのですが、お金で買えないものがある、屈服しないものがあるというこの場面が一番好きです。他に、鈴の遊び友達だった荘太が鈴を訪ねていく『丸角屋の手代』も収録しています。
『新しい武器』
システムエンジニアの部署で淡々と仕事をこなす神田は、手違いで配属された染谷の面倒を見ることになります。神田は前の恋人との痛手から立ち直れず、一方染谷も毎日分からないことだらけの、不思議なCPが誕生します。二人のH、神田が前の恋人とHするシーンを通して、それぞれが欠けているもの、傷を人によって埋めているという切なさがどうしようもなく好きです。ただ愛おしくてたまらないのに、上手く言葉にできない染谷、傷つくのが分かっているのに前の恋人を許してしまう神田が微笑ましいです。
『吉野が二人の関係に気づいた日の話』
神田、染谷と同じ部署で働く吉野が、二人の関係に気づくまでのお話です。口が軽く、もめ事を起こしてしまう吉野は、ちょっと関わり合いたくないタイプです。大人になって、子どものころのように気軽に声をかけることができないと悩む吉野は、まだ子どもだなと思ってしまいました。染谷が付き合っている相手は神田だということを知って、彼がそのことを黙っていますが、ようやく少し大人になれたのかなと思ったお話です。
山中ヒコさんは全部とはいわないけど、今漫画を集めている最中なので
見つけたときはやった!と思いましたが、手にとるとこの表紙・・・
正直買うか買わないかすごくためらいました。
けど、家に帰って見てみると・・・もう!最高でした!
「女の子みたいなナヨナヨした受け」を想像していたんですが
むしろ反対でした!男というものへの強い執着がある受け!かっこいい!
特に攻めである新三郎と出会うところで「あれが 男か」というところが
個人的にすごく好きです。今まで女として育てられていた主人公鈴がはじめて
男に出会った衝撃がうまく表現されていると思います。
あと、最後にあるその後で新三郎に女の格好を求められて思わず涙してしまう鈴が
とってもかわいくてかわいくて・・・!大満足です。
表題作とは別の作品「新しい武器」 これも非常に好きなタイプの話でした。
後輩で若干ワンコの入っている攻めと無口で周りとなじまない先輩。
使えない後輩の世話をまかされて、そこから仲良くなっていき・・・。
この話はほぼ第三者目線からでたまに攻め目線になるのですが、そこが私の
お気に入りポイントになりました。受けが謎めいた感じになるのが好きです。
ちょっとシリアス切なめなお話ですが、そこがまたイイ!!
それにしてもこの人は本編よりおまけ?的なサイドショートの話がすごい魅力だと
思います。本編がむずむずっとなる分サイドできゅんきゅんさせられますね!
そのバランスがとっても好きです。迷ってる方はご購入をオススメします。
本の表紙とつりがきを見た印象は
「あー、この和風男の娘が無理やり嫁に行かされ、徐々にほだされていくお話なのかな」
ってな感じでした。
(帯がついてたらきっとわかったんでしょうけどね、帯の代わりにペーパーがついてたんで・・・)
・・・違うかったw
いやぁ、月代を剃った本格的な男同士のガッツリした恋愛がメインテーマだとは。
ただまぁ鈴の思考には「男への憧れと恋とを混同してんじゃないか?」と思わせる所がいっぱいありますが、まぁ新三郎と一緒にいたいしそのためには女装も(嫌だけど)頑張る鈴はかわいい子だなぁって思います。
あと、不幸な結婚の相手がたまたま憧れの人だったという流れや新三郎自体が「四千両で心も体もなんてやすすぎらぁ」と思うほど鈴に惚れ込んじゃってて男であることも承知だってことがあまりにもHAPPY過ぎて、荘太の話が切ない所もなんとも。
途中で女の形でないと認めてもらえないのかと悩むところがありますが、そこを自分しかしらないという自分の優越感を再認識したいだけというただのやきもちですまったくごちそうさま。
「新しい武器」に関しては・・・うーむ。
二人より二人の心の穴の部分を作った奴らゆるせんのほーこーに行っちゃうのはなぜなんだろう。
こういう無条件悪役が登場しちゃう話ってきっついな。
丸角屋の嫁とりシリーズと新しい武器シリーズが収録されています。
どちらも楽しく読めましたが
「新しい武器」がきゅ~んときました。
他人に興味がない神田が、教育することになった染谷に懐かれて
いつもの自分とは違う行動をしていってしまうようすとか
・・・・・とっても可愛い。
ヒコさんのエロってそんながっつり読んだことなかったけど
新しい武器では存分に披露してくれてますね。
やっぱあれですよ。
直でブツを描くのがエロじゃないんですよ。
神田の可愛い姿が見れて満足です。
私トラウマ話が結構好きなんです。
染谷の心に穴が開いた瞬間なんて
あれは、あの表現をされると・・・もうなんていうか
ズルイ!!って思ってしまう。
ただでさえ、ヒコさんの描く子どもは可愛いのに
笑ってつらくないよって言うのはズルイよ~。
「王子と小鳥」の弟くんもそうだったけど
なんて健気なんでしょう、、、と心が震えてししまいます。
神田のストレートに自分の感情を表現できない部分とか
すごく萌なんだけど萌としか表現できない自分がもどかしい。
表現できないからこそ、デモンストレーションをするわけでしょ~?
自分を傷つけてまで痛めつけてまでアピールしたいわけでしょ~?
難儀な子だねぇ。
自分でもきっともどかしいことでしょう。
そこがいいんです。モエなんです。
そんな子だからこそ、とまどったりしながら
しかも恥ずかしがりながら、気持ちを伝えるじゃないですか。
これぞツンデレの鏡ですよ。
あ~、萌えた。
山中さんにハマりだして買おうかどうか迷っていたんですが、意を決して購入!うん、正解だった!
表題作よりも、もうひとつの「新しい武器」の方が丁寧に描かれているような印象を受けましたが。。
表題作は受が下手に女々しくないところがいいと思いました。読者にも媚びないような、とても感じがいいです。
借金をカタに嫁ぐという設定はありきたりなはずなんですけど、ありきたりの中にもちゃんとキャラの心情が描かれていたり、
途中にギャグを挟んだり、ドキッとするようなシーンがあったりと飽きないと思います。ありきたり設定のはずなのになー…ちょっと負けた感(笑)
ひたすら鈴が可愛いなーと思ってました。
「新しい武器」の方は何て感想を書けばいいのか分からないんですけど、一言で言うならある意味新鮮といったところ。
互いに不器用で、それでも次第に心を開いていく過程が素敵だと思います。あせらずじっくり描いてるような印象。
そのじっくりさが私にとっては新鮮でした。まだまだ読んだものの数は多くはありませんが。
男なのに、女として育てられた鈴。
初めて町に出た日、出くわした先で出会った ”男”
「これが男か」
(・∀・)イイ!
ずっと陰にかくされてきた鈴。女の姿で閉じこめられ。
あげく嫁にいけと。男だとばれれば死んでしまえと言われて~な下り。
嫁いだ先にいた男~な下り。
うまいよw
なんだかんだで、鈴にメロメロな攻が個人的には好きでした。
ほら、受のことを好きで好きでしかたない奴ってなんかかわいいんだよね。
幼なじみが訪ねてきて~のお隣の部屋での~からのくだりがエロくていいっw
ちょwワシの部屋の隣でもやっていただきたい!←ぉぃ
■新しい武器
なんていうか・・・この・・・不器用な感じがウマ!
誰にも心を開かない。
ひらいてはいけないと、きちっと自分をかんりしてきた男のところに、すっと入り込んでくるような後輩。
いつの間にかそれは・・・な展開に思わずぐっとよみいってしまいましたw
最初のお口シーン。
攻もとまどっておりましたが、そんなことをしそうにないキャラクターが・・と思うだけでときめいてしまう(´д`)はぁ
エロくてかわいい先輩・・・いいですなぁ。
逆に、これ攻もトラウマ抱えてまして~なシーン。
だからどうもって感じもなきにしもあらずですが、このにおい程度のトラウマがなんともね。
克服というか・・・覚えていないんだけど、からだのどこかで・・っていうのがにおいっぽいくて好き。
もっと甘やかせばいい。
もっと甘えればいい。
もっと。。。
■吉野が~
別の人間(吉野)の視点で描いた、上記カップルのその後な話。
ちゅぅか・・・エッチまでしといてつきあってないとか・・・気持ちの確認とか・・・え?!な展開に思わず驚いてしまう。
まぁな。そのくらいまだるっこしいほうが・・・(ノД`)
山中ヒコさん大好きだけど、これはきっと違うんだろうなあ、と思って避けていた作品。読んでみたら大変良かったです。危機回避能力ってたまに私の薔薇色BL生活を邪魔しますね!
女として育てられた武家の側室の子・鈴は、母の死後、虫かごに閉じ込められたような生活のに嫌気が差しています。そんなある日、町で悪漢にからまれたところを町人の新三郎に助けられ、初めて「男」を目の当たりにします。彼への憧れから、男に戻りたいと願うようになった鈴に、父親は突然の嫁入りを命じます。父親の残酷な命令に大人しく従いますが、「助けてほしい」と願いながら出向いた嫁ぎ先にいたのはあの新三郎でした。
ほんっとに濃厚なお話でした。うばやの子・荘太が蝶を虫籠に捕まえてくるのを自分と重ねるところや、父親に優しい言葉を望みながらも酷な命令を受け入れるところ、新三郎への憧れから「男として認められたい」と願うも、新三郎が鈴に求めるものが違っているところなど、ともすれば見落としてしまいそうになる描写から胸に迫ってきます。あくまでも鈴が周囲の人々に対して、表面上淡々とした態度を取っているからなおさら切ないです。
また、新三郎が「この世に銭で買えねぇもんはねぇ」と豪語しておきながら、鈴の心が金銭ではどうにもならないことを嘆くところもよかったです。確かにありがちといえばありがちなんですが、キュンキュンしました。
同時収録の『新しい武器』も面白かったです。特に後編冒頭の染谷の子供時代の部分。幼少期のトラウマってBLによく登場するモチーフですが、あくまで平静な筆致で、けど説得力をもって描かれていました。すげえ。
いやほんっと山中さんは上手いですね!最近は一般誌でも描かれてますけど、BLからいなくならないでほしい逸材であります。
嫁入りもの(と、呼ぶかどうかは知りませんが)という設定は特にツボではないので特に期待もせずに読みました。
良い意味で裏切られて嬉しかったです。まず普通に時代劇ものとして面白い。また、エピソードが相変わらずお上手です。幼少時のも一つ一つ良いし、滅多に顔も見せない父親から主人公が初めて与えられたものが切ないのです…。
しかし女装だし、帯にもある決め台詞?にはそこまで萌えないんだぜ…と思っておりましたが、鈴が髪を結ったらコロッときました(笑)我ながら単純。
そして『新しい武器』。
これ、初めて読んだ時びっくりするほどきゅんきゅん来ました。淡々としてるのに描写が優しいし…神田のキャラが良いなあ~と思い、はたと気付きました。黒髪眼鏡受けだと…。…ああああ…結局それか私…愚かなり!
真面目な話になると、染谷の過去エピソードがまた上手いです、モノローグでないのが反則ぎみとも思いましたが。
そして二人の関係を第三者の視点から描いた吉野編がまた切ない…。
両方とも、己の業(煩悩)の深さを思い知る結果になりましたぜコンチクショウ。
表題作は、姫として育てられた美少年が男前な金貸しと恋をする話。
『新しい武器』は、過去の苦い恋愛経験から人と距離を置いているサラリーマンが後輩にほだされる話。
どちらも受けが可愛くて、攻めはかっこいいだけじゃなく情けなさもあって、丸ごと愛おしかったです。
けっこうありがちなすれ違いストーリーなんですが、モノローグが非常に巧みで惹きつけられます。『新しい武器』の攻めの幼少時代の回想は特にすごいと思いました。
「旦那がいない間に男を連れ込みやがって」系のセリフは定番ですが萌えました(笑)女装物で攻めが受けの性別をはなから気にしていないのはちょっと新しいかも?
こういう、お互いのことを想うがゆえのすれ違いが大好物なので、とても楽しめました。
欲を言えば絵をもうちょっと描き込んでほしいと思う箇所がいくつかありましたが……。力を抜いて描いた感じのコマで(∩∀∩)←こういう顔がよくあるんですが、どんな表情なのかよくわからん…。
初めて読みました、山中ヒコさん。
前作の『王子と小鳥』いいという評判で読みたいんですが、いまだ未入手……。
で、新刊のこっちを先に購入。
ここがこうで萌えた! とはっきり言えないのがもどかしいほど、萌えました。
切ないというか何と言えばいいのか。
女性として育った鈴が、初めて外の世界を見て、「あれが男」と改めて知るところ。
女性として育てられたのは自分のせいじゃないだけに、理不尽だと怒ってもいいのに、自分のことを恥ずかしく思って。
なのに、父の言うことを受け入れ輿入れしたら、その相手が憧れた男だったら、そりゃへこみます。
新三郎も「身体だけでいい」じゃなく、心を手に入れる努力をして欲しかったなぁ。
それがちょっと哀しかった。
もう少し、ラブラブなところも読んでみたかったです。
リーマンものも、ツボを突かれました。
攻めのあの2週間が哀しくてねぇ。
お互いの、心の空いたところを埋めあえる相手が見つかってよかったです。
なんか最近のレビュではこればっかり言ってる気がする。
でもこの作品はどう考えてもP数が足りない! 特に嫁とりの方! リーマンモノの方もどっちもシリーズ化するべき! それぞれで1冊くらいのボリュームで読みたかったな、それが一番残念です。
【丸角屋の嫁とり】側室から生まれた鈴は、男子に恵まれない本妻の悋気を恐れて、男として生まれたのに女として届け出られ、育てられます。
結構昔話ではよくあるテンプレ展開。だけどちょっと違うのは、鈴が男として生きる事に並々ならぬ執着と羨望を持っていた事です。
ふとした偶然で知り合った商人・新三郎の男らしさに更に憧れを募らせて行くところは非常に切ない。美しく成長した分余計に痛々しいです。
結局その新三郎に借金のかたに買われるように嫁入りする鈴。そこから新しい人生が始まります。
普通ならそこでめでたしめでたしなのに、そこからも苦労が絶えない子でしたね、鈴は。
何かと大好きな新三郎とすれ違うのはちょっとかわいそうな気すらしました。
新三郎も鈴が大好きなのにこれまたあまりに不器用で伝わってないし。
だからこそもうちょっと二人の思いをそれぞれが理解し合った所を見たかったんですよ。それすごい残念! 1冊まるごとならその辺も掘り下げて描けたと思うのになー。
書きおろしがまた秀逸だった! ホントもっと見たいんです。(言い過ぎ)
【新しい武器】正直なんでタイトルがこれなのか分からなかったんですが。
毎日をとても規則正しく、しかし面白味もなくすごす神田の元に、全く使えない新人の染谷が配属されます。
最初は嫌々だった神田も、元の性分できっちり丁寧に教えると、どんどんそれを吸収して、厳しい態度も素直に受け取る染谷がだんだんかわいくなってきます。
染谷の方も、デキる先輩として、神田にめちゃめちゃなつきます。
そして、元々ゲイだった神田の告白により、二人は酒に酔った勢いもあってやってしまうのですが…。
二人はお互い大きな穴がぽっかり空いてるほどのトラウマを抱えています。
普段はそれを出さずに生きてるけど、一夜を共にしてビビった染谷が少し引いたことにより顔を見せ始めます。
一夜を共にしたことから上手く行かなくなり、お互い好きなのに歩み寄れなくなる二人。非常に見てて切なくもどかしかったです。
どちらの話も、最初の筋の辺りは比較的テンプレなんですけど、何となくひねりがあってかなり切なくさせられます。
そしてエロシーンがいい。嫁とりの方はなんかこう春画チックでライトだけどいやらしいし、リーマンの方は普段の姿から想像もつかないほど神田がエロい。ギャップ萌え!
それぞれにちゃんと使い分けて、エロ度も物語で変えて描ける作家さんなんだなーと感心しました。
時代劇だ、時代劇だ、時代劇だ~~~!
時代劇、好きです、もっと描いて下さい。
親の勝手な事情で娘として育てられてしまった鈴。
彼のかわいそうなところは、早いうちから自分の性別は男とわかっていながら、娘として振舞わなくてはならなかったことでしょう。
さらに、町で助けてくれた新三郎という町人に憧れて、男として生きたいと思った矢先に嫁入り話。なんてかわいそうなんでしょう。
しかし、その嫁入り先が新三郎のところで・・・
時代劇だからこそありうる設定が、現代ものならファンタジーになってしまいそうなエピソードをすんなり受け入れさせてくれています。
ただの“嫁”ではない存在の鈴の裏話(あとがきに書いてあります。)も読んでみたかったよ。
続編「丸角屋の手代」は、鈴といっしょに育った、鈴のうばやの孫・荘太が大きくなってからのお話。
なんだかんだで幸せな生活を送っているのだろう鈴と新三郎の元へやってくる荘太。
親に、なりたいものを否定され、綺麗なお姉さん・鈴に慰めてもらいたかっただろうに、男とわかってカルチャーショック。
さらに、鈴と新三郎との関係には入り込む隙間など無く・・・
荘太、なんていい子なんだ!幸せにならなきゃいけないのは君の方だよ。
しかし、月代を剃ってあるお兄さんがこんなに可愛いとは!
描き下ろしに於いてまでも、男にこだわる鈴とベタ惚れの新三郎が可愛いわー。
同時収録は「新しい武器 前後編」と「吉野が二人の関係に気づいた日の話」です。
過去のトラウマのため、自分の周囲に壁を作ってしまっていて、会社でも浮いている神田と、神田の下につけられた何もわからない新人・染谷(実はトラウマ持ち)のお話、ちょっと吉野君(彼らの同僚)絡みです。
染谷のおかげで神田のいい部分が引き出され、神田のおかげで染谷の欠けた部分が埋められて、めでたしめでたし。
染谷を神田の下につけた部長さんGJです。
が、続編「吉野が~」があってはじめて完結するなぁと思いました。
本編は哀しいもの同士が引き合い気持ちが盛り上がったところまでのお話、続編はこの先恋人同士として付き合っていけるよね?よかったね、ついでに吉野君も一つ大人になれちゃったねっていうお話だとおもいます。
表題作の「丸角屋の~」は男なのにお姫様として育てられ、借金のカタに嫁入りを命じられてしまい……と、王道な時代モノですが
ヒコ先生の描かれる受けはタフで柔軟なので、マイナスな事柄でもカラッとしていて読みやすい!
そこが良い作家さんなのですが、このお話に限ると、ちょっとカラッとし過ぎて深みが無くなってしまったかな~と。
展開も早かったし…。
後半のリーマンシリーズの方が人間味溢れる描写で、す-っと惹き付けられました。
鈴の可愛さ、新三郎はまるで歌舞伎役者のように男前で、この山中ヒコさん和物もイケる!
家の事情で女として育てられた鈴が初めて見た男らしい男というのが、与太者にからまれたところを助けてくれた新三郎。
彼を見て男になりたいと思ったのに、鈴に命令されたのはその新三郎の家へ嫁ぐこと。
新三郎は鈴に一目ぼれ、しかし男だろうが女だろうがこだわらないという。鈴は多分新三郎にあこがれて好きになったのだと思うのですが、男なのに女のなりをしていたことが恥ずかしいと感じる。
前半の鈴の育ちの話や心情がとてもしんみりしてよかった分、後半がギュウ詰めであわただしくて、終わってしまったので、その点が少し惜しかったな~と思います。
「丸角屋の手代」では鈴が一緒に育った乳母の孫荘太のお話です。
おばあちゃんを助けられなかった悔しさから家業の薬屋ではなく医者になりたいと希望する荘太。
守り切れなかったと心残りになっている鈴に会いに行くのですが、鈴は店の手代として、男として働いていました。
守り切れなかったと思っていたのに、新三郎に愛されて相思相愛でいる姿を見て旅立つというお話。
こちらは、荘太の気持ちが切々と伝わってきてとても切ないのに、やはりいまひとつ鈴と新三郎の関係に納得がいかない感じが残ってしまいます。
この二話を通しても、鈴と新三郎をもう少し掘り下げてほしかった気がします。
しかしながら雰囲気はとても素敵です。
「新しい武器」と「吉野が~」は連作で、サラリーマン(SE)の部下とその教育係に任命された先輩の年下攻めのお話ですが、やはり登場人物がかわいいんですね。
他人を踏みこませない四角四面を装うトラウマ持ちの先輩神田が、前向きの新人染谷のペースに巻き込まれて段々変っていくお話ですが、ポジティブなはずの染谷にも切ない過去があって、泣かせます。
山中ヒコさん「王子と小鳥」ですっかり引き込まれてしまったのですが、切ないエピソードも明るさにオブラートのように包んで、読み進めるうちにそれが溶けてじわーと広がる、そんなストーリーの作り方がうまいなと思いました。