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「俺に染めさせてください!」
harugasumi ni somaru

はじめましての作家さまでタイトル買いしたんですが
読みやすいッ!
気づいたら半分近く読んじゃってて
なんですがほんと読んでるだけだったんですわ
あの 話が急なんですよ
いや 行間読めばわかりますよね?的な感じっていうのか
小学生の時に見かけたあの人 のところに押しかけたのはいいんです そこから なぜこの人に ってのは語られないわ 父の懺悔や後悔 ここに何があったか語られないわ
こう 傷ついてきたものをみてくれよ ってのはあるんですが それを読むにはちと大雑把? 大まか?なんですよね
Σ いや 雰囲気はある
少し寂れた店の佇まいとか 重く湿ってすえた臭いがしそうな室内も 静かな町に埋める感情も 店主となった彼が抱えるモノを反映しているようで
だから文句も言わず黙々と半分近くまで読んじゃったわけで
ただ 深く語られることがないままなのが残念だったな と
元カレの存在 ここ起源の拗らせたものにせつなさはあるんだけど
そもそもこの元カレ バイなの? ノンケの気まぐれだったの?
こぉゆうところなんですよね 足りないんですよね ちょっとずつなにかが
読みなれた作家さまのお話でもお漏らししちゃうあたしなので ここはもうちょい って
んんん つまずいていたところから動きだすふたり ってのを読むにはよかったんだけど
なんかね 読みすすめていくうち どんどん壱加が着ている着物がどぉにも気になってくるのも
あたしの 素直には読まないぞ 根性を刺激しにくると言いましょうか ←お前に素直さってあった?
だって毎日同じの着てるんだもん
過去に縛られているのはわかるけど 丸洗いしてる風でも洗い張りに出してる様子もない おかげで1着で四季をまたいだように見えてしまって
ここに 意識は芽生えてるのに逢えないって時間だけでもその着物脱げんのかいッ!と 情緒も風情もないツッコミをいれてしまったのには自分でも申し訳なさでいっぱい いや ほんとに
見せたいものはわかるしお話しも悪くはないんだけど 個人的にはもう一声ッ!って感じだったかな
耽美な世界観に心奪われる、美しいお話でした…!
こちら、相田史先生デビュー作とのこと。
おめでとうございます☺︎✨
(以下ネタバレあります)
染色を学ぶ美大生×着物で過ごす古本屋店主のお話。
大学を休学し、故郷へと帰ってきた佐良(さがら・攻)は
故郷の街で古本屋店主・壱加(いちか・受)に一目惚れ。
がしっとその手を握り
「俺に(あなたの着物を)染めさせてください!」と告げます。
壱加には「は?」と不振がられるものの
成り行きで彼の店を手伝うこととなりー
と始まる、静謐な雰囲気の歳の差ラブストーリーです。
セリフは最小限に抑えられ、一つ一つのコマ、”画で語る”ような
物語の流れが、とても心地良い...・:*+.
特に目が離せず、ドキドキしたのが
佐良が壱加を見つめる視線の表現です。
28P、佐良目線で映し出される”うなじに手をやる壱加”、
そしてそのまま顎に手をやる様子。
クローズアップされる佐良の目のコマだけで、
彼が壱加に心奪われている様子が伝わってくる…
攻め・佐良視点で自分も一緒になって壱加に恋をしているような、
そんな思いで心ときめかせながら拝読しました。
決して強引ではないけれど、健気一途なアプローチで
壱加の心を開いてゆく佐良。
けれど、佐良には新しい恋に踏み出せない、
今も引き摺る苦い記憶があって…
この2年前の恋人の裏切りが、切なくて重い( ; ; )
ゲイだということで同級生に「キモい」と言われ、
傷つき頑なになっていた壱加の心に、
初めて寄り添ってくれた恋人。
そんな恋人が女性とデートしており、
ゲイだと言った言葉が嘘だったと知るー
1話で「お前どっちだ?」と壱加が佐良に聞き、
「どっちも」という答えを聞いた時の一瞬動きが止まった様子。
しばらくためた後の「…そうか」という返事の意味が、
ここでストンと腑に落ちます。
そんな元恋人からの贈り物である着物を、
2年経った今でも着続ける壱加...
壱加を想う佐良の一途さと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に
壱加も一途に情熱的に人を愛する人なのですよね。
奇しくもまた、壱加にとって忘れ難い思い出・トラウマでもある
”着物”を通して佐良と出会うことになり…
佐良に惹かれながらも臆病になる壱加に対し、
「俺の行動で壱加さんを苦しめていたとしたら 本当にすみません」と
謝りながらも
「でも俺は本気です」
と真っ直ぐに伝えてくる佐良!! 一途で健気で男前すぎて、泣けてくる。。
自分を使ってくれ、それで少しでも役に立ったらその時は、
自分のことを見て欲しいー
そんなストレートな言葉に「はい」と応え、
さあ夜明けの景色が…!
と思ったところで、予想を裏切る展開が。
ここで一気に体を結び、心も結ばれ…とはならないところが、
”恋のリアル”を感じさせられて唸りました。
物理的に離れたことで、恋しい気持ちが募ってゆく
壱加の気持ち、分かるなあ…
離れていても、日々メッセージでのやりとりの中で
「好き」を伝えてくれる、佐良の大きく優しい一途愛。
卒業制作で佐良が渾身の想いを込めて完成させた着物、
それを身につけた壱加からの告白には胸がいっぱいに。
文字だけの説明でも十分鮮やかな染物の色をイメージできましたが、
二人が着物デートをする場面、カラーで見てみたかったなあ…!
桜の下を着物姿で歩く二人の姿、美しかったです。
古本屋の常連おばあちゃん・星野さんの
ナイスアシストも良かったなあ。
最終話、お店に貼られた「休業の知らせ」を見て
優しく微笑む星野さんの姿が印象的でした。
そして描き下ろしの最後に書かれた短歌、
「春霞たなびく山の桜花 見れども飽かぬ 君にもあるかな」
(春霞がたなびく山の桜は、いくら見ても飽きることがありません。
それと同じように、いくら逢っても飽きることはないんですよ、あなたには。)
紀友則の詠んだ歌がまた情緒に溢れている…
心を鷲掴みにされます。
二人が実は昔、すれ違っていた(互いの記憶にも残っている)ということを
冒頭は攻め視点、終盤には受け視点で表す描写もグッときました。
染め物を通して、伝え伝わる想い。
耽美な世界観に酔いしれた一作です✨
★修正:なし(不要、キスまで)電子シーモア
両思いになった後、一夜を明かしたんだな…と分かる流れですが
直接的な描写はありません