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作品を読み終えて「ほーっ」としたところで、いい作品だったけど、なんでタイトルが落花と破鏡?
里先生ご自身が作家インタビューやホームページなどで言及されているものがないかと探しましたが、みつけられなかったので、自分で意味をググってみました。
(どこかに先生のご説明があれば、教えていただけると嬉しいです。)
「落花」はなんとなくわかるとして「破鏡」とは?
中国では「離散した夫婦が再び一緒になったり、別離の夫婦がまた巡り会う」といった意味で使われるそうです。
でも「落花破鏡」で調べると、「落花枝に返らず 破鏡再び照らさず」。一度離婚した夫婦は再び元に戻ることはないというたとえ、となっていて、いや戻るのか戻らないのかどっちやねん。教養が追いつきません。
まぁ、この作品では、故郷を離れて東京で働いていた真智が仕事に疲れて故郷に戻ってきて、然に再開し、結ばれるというお話なので、前者の意味ですね。
真智は姉の事故のトラウマと他人の気持ちがわからないこと、然は母親のこと。どちらも悩みをかかえてもがいていたけど、二人で支え合うことで前に進んでいくことを決める。
同棲も、お寺は部屋数が多いということで難なくクリアーしw、周りの同級生たちもみんな優しいので将来的なカミングアウトも何とかなりそうですね。
タイトルに「破鏡」とあり、読んだときはその意味を知らなかったので、何か不穏でサスペンスなお話かとハラハラしながら読みましたが、ほんわかとした良い読後感でした。
真智のお姉さんの事故、両親不在で祖父母が見ている状況でのことだったりしたらしんどさ増すよな
然の人柄も育て方で収まってはいるけれど、親からの遺伝なんだろうなって思えてしまう
ちゃっかりしてるのとか
田舎でつまみ食いしてたら寺の評判に響きそうなものだけど⋯それに、里子の手当をたかりに来られたらきちんと手続きでできないようにしなきゃじゃない
甘い態度でいるから然があんな目に遭うんだよ
しっとり⋯しっとりはしてたかな?
面白かった
幼なじみの再会もの。
里先生によると「描いたことのないテイスト」な今作品。
個人的にはこの空気感はやっぱり里つばめワールドだよなぁと思いました。
全体的に流れるしっとり感、眼の表情で語り、2人の距離感が分かる描写に唸りました。
それから、言葉少なくとも攻めが受けに対して何となくオラオラした大好きオーラ醸し出してくるの堪らんかったです。
攻めは飄々としたイケメン坊主で遊び人。
受けは落ち着いた佇まいで穏やかな健気美人。
2人共に奥底に重たいものを抱えていたけど、お互いへの愛情は真っ直ぐで、言葉なく想いを通じ合わせる描写はえろかわキュンでした。
が、願わくば、もう少し2人の抱える感情が見たかった。
過去の2人のお互いへの想いや、再会してからの熱さ…そして受けの苦しみや攻めがどんな気持ちで(離れる前)見てきたのかなど…。
そうした深掘りがあまりないから、淡々と読めるし空気感が重くなりすぎていないのもあると思いますが、その2人の積もらせた熱がもう少し具体的に見えていたら、個人的にはもっと2人の関係にキュンキュンできたかなぁと思います。
あと、終盤これまでのチャラさがバレそうになった時の攻めの焦りっぷり…もうちょっとガツンとザマァ展開してくれても良かった!(見たかった)
でも星空を見て涙ぐむ受けや、攻めの肩に顔を埋める受けの、そのシーンが可愛すぎて心掴まれてしまった…。受けの優しさや健気で儚げな様子、、攻めが受けのこと好き好きなるの分かる気がするw
キャラクターやストーリー展開、各シーンの描かれ方はやっぱり素敵だったなと思います。
穏やかで優しく、ちょっと不思議で静かな恋物語。素敵でした。
里つばめ先生の2冊同時発売は珍しいと思って、コミコミさんで2冊セットで購入しました。全く印象の違う2冊でしたが、どちらも面白かったです。こちらの方がじっくりと描かれていて、内容がシリアスでした。
ただ個人的にはもう一冊の方が好みだったのと、こちらの作品が最後の方が駆け足に思えて勿体ないと思ったので萌2に評価させていただきました。
どうしようもない人間の性の醜さが描かれていて、軽妙な面白さとか洒脱さはこの作品にはありませんでした。親子とは血の繋がりだけではないという重さもあり、考えさせられる内容だったと思います。全く違う作品を届けられる作者の力量を垣間見た思いでした。
作家買いで、レビューも読まず、試し読みもせずに入手しました。
里つばめ先生の描く、情が深いのに、軽やかさを感じる、透明感のあるお話の数々が好きです。
弟きっかけの姉の事故死とお葬式、ブラック企業勤めで心身が壊れる、など、里つばめ先生の作品では珍しく、陰の要素が強い導入でした。
そこからの帰郷先での光景、会話、交流、変化・・・
極限まで濃度が高まったヘドロのようなものが、徐々に、徐々に、ゆるんで、流れて、きれいになっていくのを眺めているような気がしました。
田舎によくありそうな人間関係、お年寄り、若者、家族、近隣関係の中、1人だけ普通の中に埋もれ切れていない特異な人物、それが、寺の息子、僧侶の然。多くの陰を抱えて帰郷した真智の幼馴染でした。
それぞれ内に抱えている重荷がありつつ、近隣住民として、幼馴染として、同窓生として、つながりがあり、日常が流れていきます。
2人がお互いのことを想っているということは、直接的な言動ではなく、そのほんの端々に漂うように表現されています。
キスシーンも、言葉なく、ただ2人がキスをしている様子がいろんな角度から2ページたっぷり使って描かれているのも、情緒がありました。
それぞれの抱えているものの、家族の問題、を、それぞれの消化、浄化されていく様子もとても情緒があり、そして考えさせられました。
想いが伝わりあってからも、ゆっくりじっくり丁寧に愛を高め合う様子がとても素敵で、2人が体を重ねるシーンも、欲望、は感じず、ただひたすらに暖かくて強い情愛を感じました。
里つばめ先生大ファンです
先生の描く攻めはいつもひとクセふたクセあるのですが、今回はなるほど、こうきましたか!!!
先生が巻頭で新しいテイストにチャレンジと仰ってましたがこういうことだったのですね!!
幼い頃水難事故で姉を亡くした受けと、幼なじみだった攻め
攻めは小さいときからみえないものがみえている子
2人は離れ離れで暮らしてたのですが、ふと再会します
幼いころも大きくなってからもきっと攻めには色んなことがみえていたのでしょうね
そして、攻めは自分の生い立ちもいいものではなく…
そんなふたりが再会からどう縁を結び直すのか…といった感じです
いつもの先生のクズ攻めを求めて読んだ方は少し物足りなさを感じるかもしれませんが、新しいストーリーに挑戦された先生に敬意をはらいたいです!!
ありがとうございました!
作者先生のお名前こそ存じているものの、『リーマンBL』のイメージが強くて手に取らずに来ました。(すみません、リーマン苦手です汗)
今回お仕事やスーツといった要素がなく、同級生同士の再会もの…という事でこれなら読めるかも!と思い手に取らせて頂きました。
仕事が原因で体調を崩した真智。ばったり再会した友人(この子は攻めではありません!笑)の勧めで10年以上離れていた地元に帰省。そこで幼なじみの然と再会します。家業を継ぎ和尚になった然は、昔とは少し印象が違っていてチャラい雰囲気に。そんな然に戸惑う真智ですが……!?
真智も然もそれぞれ過去、現在含めてトラウマというか"自分のせいで……"という自責の念が強すぎて見ていて可哀想になりました。
真智は姉の死、然は金の無心に来る母親…二人共不可抗力な力がかかって苦しんでいるのが胸が苦しいです。そんな中、それぞれの言葉だったり行動が救いとなっているところが素敵でした。
ただ、途中まで真智は然の事を飄々とした男に変わっていた…と思っていたはずなのに然の突然のキスも受け入れちゃうのか…と無理やりボーイズラブにしてきたように感じられてしまいました。(心の救済だけでも全然好きだったなぁ〜と)
最後お墓での演出、やっぱり然はみえていてお姉ちゃんもそこに…と少し余韻とミステリー感が残るラストで素敵でした!
かつての幼馴染みだった二人の“再会愛”を描いた1冊。
会計事務所で働く真智は多忙な仕事が原因で体調を崩し、
10年以上離れていた地元に帰ることに。
そこでかつて淡い想いを抱いていた幼馴染みの然と再会します。
子供の頃に不慮の事故で姉を失った真智と、
母親に捨てられた然と互いに心に傷を負ったもの同士の二人は
ついに離れ離れになるまで口には出来なかったけれど、
昔から互いに好意を抱いていました。
然もはじめこそ住職という立場に似合わずに
派手に遊んでいるようでしたが、再会すると真智への想いは溢れ出し、
彼の中で真智の存在の大きさが伝わってくるようでした。
同時発売だった『東京似非紳士倶楽部』と比べると
真智と然の抱える過去が思いの他重いもので、
ややシリアステイストに感じられました。
”行間”というか”余白”が多い作品だと思いました。描かれていることは、どシリアスなんですけど、読んでてつらくなるような重さはなかったので、ふわっと読めちゃうと思います。
が!え~もうこの状況に恋愛が介在できる~?ってくらい男ふたりが抱える問題は重い気がします。なので、めっちゃ感動して泣きました(涙)!or ちょっとわかりませんでした(涙)!で評価が割れるんじゃないのかな~と思いながら、個人的には中間に着地しました。と言うのも…、再会幼馴染はよいのですが、なんか再会前のエピに物足りなさというか、再会してやっぱまだ大好きっていうところの説得力をあまり感じられなかったかも…(読解力ないだけかもしれないんですけど)というところでした。それぞれ女性親族絡みの事情ってゆ~スピリチュアル…
袈裟とかスーツとかどしゃ降りとか、個人的な性癖に刺さるものはたっくさんありました!それぞれしんどい事情はあるけど、ふたりならなんとかやっていけるよねっていうスタンスには恋愛感情より密度高め、なんなら前世からの因縁って言えるくらいの深い”絆”を感じさせるものがありました。
救済の面として訴えかけられるストーリーでした
一方が救済されるだけではない所も素敵なお話しでした
救済ストーリーはそこに至るまでの救済されるべき負債があるのが常となりますが、今作も軽くない事情を孕んでいました
この事情がだいぶシリアスでした
種類の違うタイプの精神的負債を抱える2人
そんな2人が再会によって救われて行く、という展開は夜明け属性の私にはグッと来る所も多々ありました
ただ、受けの真智側の諦めがなぜ「恋をしない」という点にだけ絞られたのか?というのが正直明確でなかったのが気になりました
姉が出来たかも知れなかった事のうちの1つに「恋」があっただろうというのは分かります
でもなぜ「恋だけ」だったんだろう・・・?
そして攻めの然もまた仏門に身を置きながらもなぜそんなにも生き辛い考えに苛まれてしまったのだろうか・・・?
然が剃髪していないで和尚となっている事から宗派は浄土真宗かな?と推測しますが(違う可能性もあるけれど)浄土真宗であれば「救い」が教えの根幹にあると思うのです(調べた所によると・・・)
それなのに、和尚が救われていない事にとても辛さを覚えて仕方なかったです
しかもこの辛さは「人の痛みが分かる」というレベルを超えてる辛さで、どうにも読んでいて気持ちが良くはありませんでした
辛い部分の沈みが深いからこその浮上に期待を寄せたくなる気持ちは十分にありますが、それにしても「なぜ恋だけ?」「なぜ仏門?」という点が私の中で引っ掛かりとなってしまった点で萌えにストレートには結び付き切れず今回は抑え目の評価とさせて頂きました