サマー・ボーイ・ブルー

summer boy blue

サマー・ボーイ・ブルー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神59
  • 萌×211
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない4

59

レビュー数
13
得点
352
評価数
79
平均
4.5 / 5
神率
74.7%
著者
遠野みやこ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784047385160

あらすじ

失敗した初体験

友達だったのを僕が壊したんだ──

性行為を親に目撃されてから
疎遠になってしまった潤とミチル。
彼らは偶然、17歳の春に再会する。

やっと忘れられそうだったのに……
必死で逃げるミチルを潤が
初体験の時と同じ台詞で呼び止める。

なし崩し的に関係を続けるミチルは
潤にどうしようもなく惹かれていった。
けれど環境の違いやトラウマから
胸がどんどん苦しくなっていく。

「僕はこれ以上 君の人生に踏み込んじゃいけない」

だからこれで最後とミチルが決めても
潤はもうミチルを離してはくれなかった──

持て余した思春期と、初恋の再燃と。
心の第二次性徴を描いた若葉色ボーイズラブ。

表題作サマー・ボーイ・ブルー

高校生
17歳,喫茶店バイト

その他の収録作品

  • 描き下ろし「19歳、初夏」
  • あとがき

レビュー投稿数13

【・・・ミチル、もう一回言って・・・。好きって言って・・・(潤)】


エロス度★★

おやおやおやおや。初体験を親に目撃されて疎遠になった潤とミチルの再会・・・切なさがギュッと詰まっていて刺さりますね。

ミチルともう離れたくない潤からのアプローチやトラウマに苦しみダメだと自分に言い聞かせながらも潤と過ごす時間を選んでしまうミチルの心情がたまりません。

未熟な青い果実で自分の中にある想いに振り回されすれ違いながらも潤とミチルがお互いを強く求め合う姿が切なくて刺さり、初体験の失敗から遠回りしてやっと結ばれる展開は胸熱。

欠けていたピースがハマり、幸せ溢れる2人の姿が素晴らしい。

0

No Title

なにかで、試読していて続きが気になっていた作品。電子で買おうかなと思っていたらたまたま行ったアニメイトにあり、実際に表紙を見たらすごく綺麗で紙の質感も好きだったので、迷わず購入です。おまけのカードも表紙同じと漫画ありで嬉しい。
この本は、もしかしたら若い子向きじゃないかもしれないです。現役の学生だとしんどいかも。でも、すごく良くわかる、子供の頃の気持ちと今親世代の気持ち。母親像が対極でわかりやすく表現されていて、どうにもできない部分が胸に響きます。
潤とミチルが幸せになれて良かった。神原さんと琴子ちゃんも。とても素敵な作品でした。

1

しっとり、良かった!

なんだかノスタルジックな雰囲気で、しっとりじっとり、湿気があってとても心に残りました。

再会したくなかった初恋の、今でも顔見ただけで大好きが溢れてくるのに、めいっぱいそうでもないフリするのが可愛くて切なくて。
そこを颯爽と踏み込んでくる様もカッコよくて良かったです。
悩み多き10代の揺れる心情や、未成年の無力さなんかも抱えながら一生懸命今を生きる2人がとても愛おしかったです。

あの大事件がなければ、楽しい高校生活を送っていたかもしれないのに、離れてしまって、青春は取り戻せない、と思うと胸が締め付けられますが、それを取り戻すように、これから温かい関係を紡いでいくんだろうな、というラスト、心が震えました。
大切な一冊になりました。

できれば続編も読みたいです。

2

初恋の再燃

可愛らしい絵に反してシリアスでした。
だけど、この読後、重くてズシンとのしかかってくるような余韻が
案外嫌いではなかったりする。

中学生男子2人が性行為(をこれから致そうとするところ)を
母親に目撃されてしまう、という衝撃的なはじまり。

中学生だった潤とミチルは同級生で互いに惹かれ合っていました。
だけど、まだ幼かった二人は友情と恋情の間で葛藤していて、
ある日、二人きりになった彼らは感情の昂るままにキスをしてしまいます。
そうして、キスからベッドになだれ込んだところで潤母が現れ…。

元々繊細で激しやすいところがあったという潤の母親は
ヒステリック状態に陥り、ミチルの母親を大きな声で罵倒し、
ミチルの性的指向のみならず人格をも否定するような酷い言葉を吐きかけます。
まさに修羅場。
思春期真っ只中のミチルがそんな言葉に傷つかないはずもなく、
後日ミチルとその母親は地元を去ってしまいます。

それから時は経過し、17歳の春。
ミチルがアルバイトをする喫茶店に潤が訪れます。

それは偶然にして望まぬ再会で。
久々の潤を目の前にして胸は高鳴りながらも、
心は彼との再会を喜べないミチルは潤を避けようとします。

けれど、咄嗟に潤から呼び止められた台詞が
偶然にも初体験の時と同じでミチルは足を止めてしまいます。
そして、喫茶店に通ってもいいかという潤を拒むこともできず、
以来二人は再び頻繁に会うように。

中学時代に傷ついた心はまだ癒えていないけれど、
潤に会いたいという気持ちは抑えられないミチル。

そんなちぐはぐな葛藤を抱えながら、
夏休みに入ると喫茶店以外でも逢瀬を重ねるようになっていました。


潤と会えば心はときめき、会えないときも彼を想ってしまうミチル。
もはや誤魔化し切れない初恋の再燃。

もう潤と会うのはやめなければ、と決心した矢先、
潤とデートしているところをバイト先の同僚に目撃されてしまいます。

会ってはいけない潤といるところを誰かに見られてしまった。
それはミチルの中に植え付けられたトラウマを呼び起こすには
十分すぎる出来事でした。

そして、今度こそ順に別れを告げたミチル。

とはいえ、物語がそこで完結するはずはなく、
ミチルを手放したくない潤は行動を起こします。

かつて、母親によって打ち砕かれた初恋。
中学時代の一件後も潤の母親は彼の性的指向や進路など、
あらゆることに干渉してきました。
その度に母にとっての都合のよい息子を演じ、宥めてきた潤。
けれど、ミチルと再会し、もう一度恋に落ちた潤は遂に母と向き合うことに。

離れ離れになったときからミチルへの気持ちは片時も変わることなく、
彼だけを一途に想い続けてきた潤でしたが、その恋がようやく実ったのでした。

ミチルとの再会後触れることのできなかった過去を掘り起こし、
今も昔もミチルのことが「好きだよ」と気持ちを伝えた潤。

本当なら中学生のときに母親にバレたときも、
ミチルのことを守ってあげてほしかった。
だけど、中学生が背負うには重すぎて、
だからこそ、周りの大人が話を聞いて受け容れてあげて欲しかったのに、
よりにもよって味方になるべき母親から拒絶されてしまったのは
2人にとってあまりに不幸な出来事でした。
大人に振り回された二人の初恋が不憫すぎる…。

母の元から巣立ち、自立の道を歩み出した潤。
そんな彼を見て変わろうとし始めたミチル。

まだ完全には母親の手から逃げられたわけではないし、
二人の関係は相変わらず誰にも言えないままで、
付き合い始めたものの潤の進学によって遠距離恋愛だし、
まだまだ多難の予感はあります。
だけど、潤もミチルも少なからず一歩は踏み出せていて、
親には恵まれなかった彼らでしたが、
バイト先の同僚など二人の関係を受け容れてくれる人もいて、
未来はほんのり明るいように思えました。

本作で描かれた二人の季節は夏でしたが、
いつか冬の季節を過ごす二人の後日談も見てみたいなぁ。

1

苦い思い出があおくさい10代の恋のお話

初めて拝読する先生でした。絵柄が〇ブリのキャラっぽい作画でとても綺麗で読みやすかったです。

中学時代、同性同士での初えっち…を親にバレて猛反対されるという最悪の瞬間から始まるお話です。
それ以降、相手とは一切連絡を取らず高校も行かずに喫茶店でバイトしていたミチルですが、当時の相手、潤と喫茶店で再会してからお話が動き始めます。

同性同士の恋愛が昨今容認されて、メディアでもたくさん作品としては溢れている世の中ではありますが、それはあくまでフィクションや自分とは縁のない所での話…と思われている事がほとんどではないでしょうか。実際に自分の周りで同性同士の恋愛を目撃したら…果たして素直に祝福できるのか。自分自身にも問いかけられているような作品でした。

本人達が好きあっていたとしても、周囲の人はそれを良しとはしないかもしれない。ファンタジーとしてのBLに慣れてしまっている私達だからこそ、こんなリアルもあるんだよ?と現実に戻って気を引き締めてくれるストーリーでした。

とはいうものの、潤とミチル2人に関してはちゃんと自分達で道を開いていって清々しい読後感でした!初体験のやり直しはどちらも初々しくて、ミチルが痛みを耐えながらも潤と「今」ひとつになりたいという思いがとても健気で可愛かったです。

3

適度な距離感を保って身構え過ぎずに読める丁寧なお話し

試し読みでの不穏な始まり、多くはないセリフで進むしっとりとした雰囲気・・・
少し腰を据えて読むタイプの作品かな?と最初は背筋を伸ばした所もあったのですが・・・
読み進めれば進むだけ、そこまで身構えずに読める柔らかな空気感を感じて入れ過ぎた力を抜いて読める事に安堵しました

安堵はしつつも気が抜ける訳ではなく、ずっと紙面(画面)から目が離せずに読み耽っていける没入感のある作品でした

多感な年代の子供たちとその親を冷静に丁寧に描かれていて、読者としては作品と適度な距離感を保って読めるのがとても心地よかったです

浮ついたり気もそぞろな気分でもなく、でも慎重過ぎるシリアスな気分でもない・・・
「何か」を読んで「何か」を感じたい!
そんな気分の時に手に取るとすごくスッと読めるような作品だと感じました

潤君は潤君の、ミチル君にはミチル君の、そして琴子や彼らの親達にも、それぞれに合ったスピードでその時に流れる時間の中で感情も行動力も移り変わって行くのだと思います
そのタイミングが合い、そこから時を動かしていく

タイミングが合う事が奇跡のようにも見えるけど、それはまるで時計の長針と短針が合うようなもののように感じます
当然一瞬の事ではあるけれど、それは実は日に22回は必ず起こる事
その一瞬を逃さず気付き「意味のある時」にして行く
軌跡は待つだけでダメなんだよって教えられてる気がしました

偶然の再会を大事に喰らいついた潤君
あの時頑張り切れなかった分、しっかり今回は頑張ったんだなって思えて来て凄く応援したくなりました

ジワジワと好きになって行くとても良い作品に感じました(´▽`*)

4

失敗した初体験、という衝撃の帯!!

潤とミチルは、致そうとしたところ潤の親に目撃され、それをきっかけに疎遠となってしまう。


そして、17歳。

偶然、ふたりはミチルのバイト先で再会してしまい、、、
という冒頭。


やっと潤を忘れられるかと思っていたところで、再会してしまったミチルの葛藤。

そして、学生とバイト。

同じ学生だった頃と違い、
立場の違う身となったふたりが、なにもなかった頃のように無邪気に恋愛ができるわけはなく、、

ミチルの潤への葛藤や、母を置いていく将来のことや、潤の母親問題、ふたりを取り巻く周囲の人間関係など、読んでいてティーンエイジャーの生々しい情動や展開に、とにかくヒリヒリ心乱されました。


また読む前、
タイトルに、サマーという一見明るそうで、なにかが起こりそうなワクワク? なワード(まりあげはの先入観ですが)が入っているのに、お表紙のふたりの表情に翳りがあることに、なんとなく緊張感を持ちました。

ですので、ある程度なんだか危うそうなストーリーなのかなあと覚悟して、
読み終えてタイトルの「ブルー」の部分が、ヒリヒリさせられた部分であり、ティーンエイジャー特有の機微の部分だったなあと。
(勝手な解釈すみません!)
そして、傷つきやすく、迷い考える十代の熱い(こちらの漢字の熱いを、わざと使いました)夏をこの作品を読んだことで、モブとして追体験した気さえしました。


そして、ラストにはあの日の失敗を繰り返すことなく、身も心も大人への階段を昇っていったふたりが大変印象深かったです。


ぜひ、BLでも夏を感じたい方。
ティーンエイジャーたちが必死に全力で恋する、熱い夏を一緒に覗いてみませんか。。。



2

あの夏の日から、胸に残る痛みと冷めない熱を抱えて。

この作品は、少年たちの不安定さと初恋の熱を、丁寧に描き出した物語だと思います。

遠野みやこ先生の、沈黙の中に宿る感情の描き方が本当に素晴らしいです。
キャラクターの表情や仕草、わずかな間がときに言葉よりも雄弁に心情を映し出して、目に見えない痛みを伝えてきます。
その描写に触れるたび、何度も胸が締め付けられました。。(涙)

また、潤くんとミチルだけでなく、周囲のキャラクターにも焦点が当てられています。
母親やミチルのバイト先の子達の視点が描かれることで、物語にリアリティと深みが増しているように思いました。

傷つきながらも、それでも誰かを想わずにはいられない姿がとても人間らしくて、愛おしいです。
「あの夏の日」から、ずっと苦しんできた潤くんとミチル。
再会してからもどうしても消せない感情を抱え、傷つきながらも
相手と自分と向き合い続けることをやめなかった2人が選んだ答えを見届けることができて良かったです。

遠野みやこ先生の美しい絵と、繊細な心理描写、ドキドキするストーリ展開が素晴らしいので、ぜひたくさんの人にこの感動を感じて欲しいです。

3

10代の若者たちの等身大の恋愛に触れた胸アツの一冊

思春期の若者の等身大の恋愛に胸が熱くなりました。

10代の頃の恋愛は甘酸っぱいとか青臭いとかよく表現されるけど、この作品は息苦しさや後悔で占められていて、過去の恋がトラウマの種となっていることが切なくて堪りません。
同級生の友人とベッドの上にいたところを親に見られてしまった黒歴史。自分の性志向を自覚したばかりの多感なお年頃に起きてしまった過ちから始まるストーリーになっています。
過ち、とするのは2人がそのことによって責められ、離れ離れになってしまったから。潤の母親から怒りをぶつけられて2人の恋は終わりを迎えます。

いや、終わりを迎えたはずでした。再会のときを迎えるまでは。

この再会劇は必然か偶然か。2人はあの時閉ざされてしまった交流の機会を再び持つようになります。
ミチルの不安な気持ちをよそにグイグイ距離を詰めてくる潤ですが、ミチルの諦めたい気持ちを思い止まらせるかのように昔と変わらずに接してきます。
苦しいけど嬉しい。会いたくないのに会いたい。
ミチルの心の悲鳴が聞こえてきそうでした。

潤の母親がちょっと厄介な人で、息子から離れられない系の人。過去の別れも、この母親からの心無い言葉からのことだったのですが、あのときは母親に逆らえる年齢ではありませんでした。
今はある程度母親にも意見できるようになって、そこは潤が昔と変わった部分かな。同性愛に過敏な反応を示す母親ですからね〜…理解あるフリして息子と一緒にいたがってるのがモロ見えで、同性愛がどうこうの話よりこの母親のメンタルが一番の問題な気がしました。

過去のことを引きずりながらも、潤と再び関わることを止められないのが恋のパワーというもの。ミチルのバイトの終わりに、または休みの日にと、お出かけしたり一緒に過ごしたりする時間を楽しむ2人の満ち足りた笑顔が素敵でした。
同性との恋愛の難しさ、やるせなさといったところの描写を中心としたしっとりとしたストーリーの中にも10代の恋の爽やかさも感じられて、再び湧き上がる恋心の幸福感で心の隙間を徐々に埋めていくストーリーがとても良かったです。
2人ともお互いのことが忘れられず、好きの気持ちを高め合っていく盛り上げ方もすごくナチュラル。2人の恋からいつまでも目が離せずにいました。
初エッチに不慣れなとこ、痛みに耐えるとこ、ぐちゃぐちゃな感じがとてもリアルです。痛くても結ばれたい強い意志からは、好きな人と繋がれる喜びがひしひしと伝わってきて胸アツのワンシーンでした。


2人と少し似た境遇にある女の子カップルの存在もこの作品の中ではいい存在感でした。潤とミチルとの比較対象になっていましたし、彼女たちの交際から刺激を受けるところもあったと思います。
彼らも、彼女たちも、自分たちの気持ちを貫き通すを決心をした勇気を応援したい。
潤の母親のことは気になりますが、自分たちの心を偽ることなく大きな一歩を踏み出した若者たちの恋する想いに盛大な拍手を送ります。

3

きっと誰も悪くないけれど、みんな未熟で「身内」だからね…冷静なだけでは居られないんだね。

浮ついた雰囲気がないけれどズドンと重苦しい雰囲気に覆われ続けている訳ではないので、すごくじっくりとたおやかさを感じながら読める作品でした

ジリジリと暑い日にクーラーを付けて読むも良し、今日のように荒れ模様の曇天の中外の気配を忘れ読むも良し、夜の落ち着いた時間にリラックスして読むも良し!
どんなタイミングでも「読みたい!」という気持ちに寄り添ってくれる1冊だと思います(´ ˘ `*)

初めての作家さまだな、って思ったらデビュー作なんですね!
またまた漫画力のある作家さまに出会ってしまいました(ღˇ◡ˇ*)‼

作画にブレがなく、キャラの動きが自然で表情は丁寧
スッキリしたコマ割りに選び抜かれたセリフでしっかり伝わる構成の巧さ
流れるように読み進められるけれど、内容は決して流れていかず心にしっかり刻まれて行きストーリーが積み重なっていくのが分かります

ホントに素晴らしい1冊で、読みたいBL・読んで欲しいBLでした
内容は思春期と性指向に向き合ったテーマ性のある作品
恋愛であると同時に彼らだけの物語ではない「生活と人生」を感じます

中学生の時にお互い衝動に突き動かされ踏み出した先の苦い思い出
この一件は潤(攻め)にもミチル(受け)にも、そして2人の母親にも棘を刺します

子供側からも親側からもそれは当然ですよね、、、
ベッド上で今まさに事に及ぼうとしてる所を見られる・見てしまう訳ですからね
しかも潤とミチルは男の子同士
例え異性のその場面だって同じ位衝撃でしょうね

この一件を期に交流が途絶えてしまった2人
そこから3年後に偶然再会する所から物語が動いて行きます

ーーー…言ってしまえば、、、アノ時になぜ想いを告げ合わなかったのか?!という事に至ってしまうんです
だけど、、、そこに至れなかった背景や気持ち、分からなくもない
だって、、、多感な中学生
同性を好きかも知れない?友達なのに、、、?
この逡巡に対して怖くなったって当然
「失う」事への漠然とした恐怖はあっても、実際何を失うのか?何て”見えていなくて当然”なんです
だって、、、未知の事だから、、、

きっとそれは子供目線でもそうだし、親だってそうかも知れない
親だって初めから「親」な訳ではなくって、予期せぬ事に対峙したらその時の正解なんて分からない
増してや自分の大事な「身内」であれば冷静さなんて吹っ飛んじゃう

だから「正解」も分からないから「間違い」にも「気付かない」、、、
こればかりは時が必要だし、経験も知識も必要
そうして少しずつ少しずつ視点も視座も視野も変えて高めて広げていくしかない!

誰にだってきっとある…〝アノ時こうしていれば…〟という想い
そんな想いの先に希望を感じる潤とミチルのお話しでした

そして母親たちの物語でも、、、(*˘︶˘*)
潤のお母さん、確かに感情的です
だけど、、、決して毒親なんかじゃないと思います
彼女には彼女の葛藤があるんだな、っていうのを受け入れて読めるお母さんだった気がします
敢えて言うなら「普通のお母さん」なんだと思います
※普通=ヘテロという概念の是非は別として…!!
だからこそ「都合の良い」展開になっていないのがこの作品の持ち味でもあり、切り込んでいるんだと思います
切り込んでいるけど大仰な脚色をしていないから良かったな、雑じゃなかったな、って思えました

そして、このメインの2人と2家族だけではない所でもまた子供目線/親目線を配置しているのが更に良かった
メインキャラだとどうしても肩入れをしてしまう所も、この第三者の親子を置く事でどこの家族でもある事、そして時代の変化や自分との違いに悩む親もまた普通である事を読者にも冷静に受け止めさせてくれていました

うん!やっぱり先生、漫画での伝え方が頗る上手だと思う!!!(プロに向かって何を言ってるんだ…(゚Д゚;)って話しですよね!!失礼しました!)

次回作を読みたくなる作家さまのデビュー作に出会えて大変僥倖でした♡

修正|簡易描き込み、グレートーン+白枠線

一応注意点?かな???
作中に潤とミチル以外の同性の恋愛あります(GLです)

3

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