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madowasenaide yamorikun
矢守くん…きみってやつはなんて罪な子なんだ…
人を変な気持ちにさせるというか、彼の一挙手一投足がどれもこれもお腹の横ら辺をこちょこちょっとざわつかせてくるものなのです。
計算ではなく、あくまでも自然体でやっているのだから困りました。かわいいなあ!
これはもう、矢守くんの小悪魔的なかわいさにやられてしまったのはきっと森くんだけではないはず。
夏休みをきっかけに、イメージチェンジをはかった男子高校生たちのお話。
その結果、一方は隠れ男前・一方はかわいい男の娘になった…と、見事なメタモルフォーゼを遂げた友人2人の学園生活を追いかけるかたちで進みます。
と言っても、森くんは髪の毛を切ってピアスをあけただけですし、矢守くんは短かった髪の毛を少し伸ばして制服を自分に似合いそうなスカートに変えただけ。
外見には多少の変化があっても、内面は特に変わっていないのです。
だというのに、なんだか以前よりも妙にかわいく見える矢守くんへの庇護欲が止まらず、なにかと胸のざわつきがおさまらない森くんの様子のおかしさがおもしろくて。
スカートを履きながら大股を開かない!と、1人慌てる図はまるで保護者のよう。
だからといって矢守くんのことを女の子扱いしているわけでもないようで、自分はなんでこんなに彼のことをかわいいと思ってしまっているのか?と人知れず友情と煩悩の間を行ったり来たりしている森くんがかわいらしかったです。
一方の自由奔放な矢守くんも、モテ期が到来している森くんを見て複雑な感情を抱いているようで…?
はたしてこれはただの友情なのか、ブロマンスなのか、それともBL的な展開になるのかどうかはまだわかりませんが、コミカルな中にほんのり香る恋愛未満の感情の揺れにニヤリとできる1冊でした。
嫌な人間は登場しませんし、周囲の人々も気の良い人ばかりでストレスなく読めます。
なにより、2人ともが最後まで自然体なのが良かったです。
夏休みからちょっとずつ変化し始めた2人の関係がこれからいったいどんなものになっていくのかが楽しみですね。