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沼系クズ男×恋愛不幸体質な大学生 甘くて苦しい、ふたりよがりな共依存BL
futariyogari
小坂つん先生の新刊✨
単話で拝読した『明日の放課後もここで』も単行本になるとのことで、つん先生の新刊ラッシュ、とても嬉しいです。
今作は、タイトルやあらすじから伝わってくるイメージ以上の、良質な共依存モノでした。
個人的に、つん先生が描くキャラクターの目がとても好きでして...
今作も目がとても素晴らしくて、読んでいて楽しかったです。
そしてストーリーですが、お互いの隣が心地よい居場所になっていながらも すんなりとはいかない複雑な心情や、ふたりを取り巻く状況など、繊細な描写が素晴らしかったです。
また、いわゆる攻めザマァです。
捨てられる攻めとその後の改心が見たい方、読みましょう。
画風だけでも既に大優勝なので、少しでも気になった方はぜひぜひ!
ある意味攻めザマァ作品、でもそこまで攻めが本質的にクズかと言われるとちょっと悩ましいなぁと思いながら読了。
確かに解像度の高いクズ攻めなんです。
彼女いるのにゆづきくんに手を出してしまうところから始まり、彼女とのデートの後に会いにきてくれたり、彼女もいる飲み会で自分を優先してくれたり、言動の優しさにどこか胡散臭さを感じてしまうところがクズっぽいなぁと。
ただまぁ女の子取っ替え引っ替えしてたのは単に短期間で振られてしまってかつモテるからなのと、好きにはなれていなかった彼女よりも惹かれてしまうゆづきくんに出会ってしまったから手を出してしまったというのが一概にクズ、とも言えないかなとも。まぁどちらかを切るつもりが全然なかったので最低ではあるんですけど。
一方ゆづきくんもただ健気に渡辺くんを想い、尽くし、でも1番になれない可哀想な受けというわけではなくて、渡辺くんに尽くし頼られることで自分の居場所を見出そうとしていたというある意味打算的な一面があるのがより物語を深めていたと思います。
自分の孤独を埋めるためにお互いに利用しあって拗れてしまった共依存関係がちゃんと正しいあり方に戻る、そんなお話に切なくなると同時にホッとする読後感でした。
「普通の恋がしたい」「ただそれだけ」きっと多くの人がそう思っているはずです。ただ好きな人に好きなってもらいたい。それを普通の恋というけれど、実はそれってすごくミラクルなこと。でもきっとマイノリティの人はそのミラクルがもっと難しくなるんでしょうね。
好きな人に騙されてお金も恋も無くしてしまった佑月は、カフェのイケメン店員の渡辺に一目惚れをします。同じカフェにバイトに入り、飲み会で酔っぱらった渡辺を自宅へ連れて行きます。飲み会前から渡辺は佑月が自分に気があると感じていたはず。渡辺に彼女がいると知っていても、佑月は渡辺に対して否定できずにセックスをしてしまいます。
翌日のバイトでも普段通りの渡辺に対して、やっぱり流されただけで調子に乗っちゃダメだと思った佑月は、バイト先に来た渡辺の彼女を見ても気にしないフリをします。そこに渡辺はあれ?と思ったんでしょうね。彼女とのデートの後に彼女から返されたぬいぐるみを渡しに部屋に来たり、いつもと違う甘い匂いを身体につけていたり、優しいセックスをしたりと典型的なクズ攻めです。それでも好きになっちゃって拒めない佑月は都合のいいセフレで甘んじています。
佑月が小学校の先生になりたい理由や渡辺が家族と距離を取っている理由など描かれ、普通でいたい、いい子でいたいと訴えてきます。ふたりとも自分を受け入れてくれる誰かをずっと必要としていたんです。でもそれは家族では埋められなくて、きっと恋愛相手に受け入れて認められたいとがんばりすぎて、ふたりとも恋愛がうまくいかなかったんでしょうね。そしてそんなふたりが共依存の関係になってしまうのは必然なんだと感じました。
「ふたりよがり」というタイトルですが、それぞれ「ひとりよがり」で自分と相手のことを見ています。相手を思った行動だったり自分に都合のいい行動だったりをして、微妙にすれ違います。
また、「ふたりよがり」のその中に渡辺の彼女というクッションが間にあるので、真剣に向き合ったり衝突したりしないでいられる歪な共依存の関係で、彼女を巻き込んだふたりの誤魔化しのある恋愛ができています。
彼女がバイトの飲み会に来て嫌な女子っぽい素振りに見えますが、実はいい子です。嫌な奴は渡辺で、渡辺と佑月のことに気づいて傷ついているのにちゃんと渡辺を諭します。彼女がいたからこそ、渡辺が自分の想いに気づかされます。
そして最後に向けて、渡辺も佑月も今までの自分のダメなところや想いをぶつけます。振り回していたはずのクズ攻めの渡辺が、チョロ受けだったはずの佑月にざまあされますが、佑月が自分に向き合って成長しているとてもいいシーンになっています。
自分を大事にしたい、大事にされたい、好きだと伝い合えます。とてもいいセリフが綴られています。ぜひ読んでください。誰もがそう思って行動してほしいなと思いました。
そして実はあれは・・・というかわいい伏線もあるのでそれもやっぱりね!とニヤニヤしながらのいいハッピーエンドになっていました。
新しいバイトを探していた佑月が求人募集中のカフェに立ち寄ると、タイプのイケメン・渡辺が働いていて一目惚れ。
そこでバイトをすることも決まって、バイト仲間として距離が近付いていくことになるというお話。
…ではあるんですが。
『恋愛不幸体質』な佑月のツラい別れの場面から始まっているように、全体的にそのシリアスめな雰囲気をまとったストーリーとなっていました。
彼女持ちの渡辺の振る舞いはとても身勝手で、
優しいところが逆に残酷に映ります。
だけども一緒に過ごす時間は幸せで、佑月も渡辺も良くない関係だと自覚しながら抜け出せなくなっていくんですよね。
佑月の過去の悲しい恋の記憶と、渡辺が抱える劣等感。
マイナスの波長で惹かれたような不毛な恋を拠り所にしてしまうなんてやるせなさすぎる…。
でもそれを選んだのも彼ら自身なので、何かが犠牲になるのは仕方がなかったのかなと感じました。
佑月は離れることを、そして渡辺は一緒にいる未来を。
それぞれに出した答えは別のもので、そこで苦しいすれ違いもありますが。
最終的にはお互いが望む"幸せ"に辿り着いたのかなと思います。
最後の最後、佑月の言葉にはちょっぴりゾクっとしましたが。
歪んだ中にも人それぞれの正しい愛は存在していると思うので、真正面から向き合うだけが正解ではない幸せを見ることができてすごく面白かったです…!
好きだった男に騙され、貯めていたお金と男を同時に失った恋愛不幸体質な大学生の佑月。
失ったお金を取り戻すために女装ヘ○スで働いていたが、無事に目標金額を達成し、店を辞めた。
で、次は普通のバイトをしようと考えていたとき、入ったカフェの店員、渡辺に一目惚れし、そのままバイトとして入ることに。
けれど、渡辺には彼女がいて、、、
そのうえ、酔った勢いで関係まで持ってしまい、、、という展開。
佑月のダメンズ好きになる率高すぎ問題と、渡辺と関係を持てるのであれば、彼女いるのに好きなときにうち来ていいですよ、とか言ってしまってて、不安しかない先行きでした。
しかも渡辺も渡辺で、佑月もいるバイト先の飲み会に、彼女も合流したいって言ってるから呼んでもいい?? とか、言ってしまったり、、、
もう、なんだろう、、、
心穏やかに甘いBLを摂取したい方には、オススメできないのですが、ちょっとばかり心が痛くなるお話が好きな方には、ちょうどいい展開かもしれません。
もちろん、ちょっぴり攻めざまぁwwww展開もあります。
個人的には、ちょっぴりどころじゃなく、壮大なる攻めざまぁwwww が読みたかった気もしますが、その後のエピソードで、佑月に会いたくて口実としてクマのぬいぐるみをUFOキャッチャーで取ったという心の声を聞いて、分かりずらい男だな(ちょっとカワイイとこあるじゃん!クスリ)、、、
となったので、ざまぁwwww 少なめでも良しとなりました。(偉そうにすみません!)
とにかく最後には、2人とも幸せになってよかったです。
それにしてもこの2人、佑月は男運サイアクですし、渡辺は家庭環境がアレだし、良くも悪くもこの歪みが今どきの青年たちの痛々しさがリアルと思いました。
もしそれで手に取るのを躊躇っている方がいらっしゃいましたら、どうか踏み込んでみて欲しいです
自己犠牲の傾向がある方なら共感できると思いますし、なによりそういう方に寄り添うような作品だと思います
彼女持ちの男と体の関係だけはある…
正直この部分だけでもうしんどいっ!!
って思っていましたが、読み進めていく内にこれは心理学でいうところの『ギバー(あげたい人)』どうしの恋なんだなと思いました
大抵ギバーはテイカー(もらいたい人)とセットになることが多い印象ですが、本作はタイプはちょっと違うけど2人ともギバーなんですね
佑月くんは好きな人のためならなんでも差し出しちゃいます
序盤は何考えてるかわからない沼男だった司くんも、蓋をあけてみれば他人の期待を察知しやすく、それに応えるだけの生き方をしてきたただの男の子
2人の関係って始まりこそひどいものでしたが…なんだかでっかい救いがあるように思います
特に、最後には『ぜったい僕のこと大事にして』って言えた佑月くん………!涙
今まで何でも他人に与えて、受け入れて、自分を1番後回しにしてきた人がそう言えるってすごい変化だと思うんですよね
共依存、歪な恋…といえばそうかもしれませんが、ドロドロ・ギスギスした感じではありません
相手を思いやれる優しい2人ですから、これからはお互いを癒し合うような、穏やかな関係になるんじゃないかな〜なって欲しいな〜
自分を大切に、幸せになってもらいたいですね〜!