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kujira no oshitatesan
旧版では未読でしたので、新装版での刊行を機に読了です。
目次をみると相生結びの番外も収録されている!
予想外のところで光太と真人を見られて嬉しかったです。
本編は和装士とテーラー、老舗の仕立て屋たちの恋を描いたお話。
和装士とテーラーとはちょい渋でこの上なく興味を惹かれる組み合わせでした。
呉服屋の跡継ぎの葉之介は向かいのスーツ店の跡継ぎの鈴成と幼馴染みで、
同時に想いを寄せています。
鈴成もまた葉之介に対しては親友以上の感情を抱いているように
見えるのだけれど、ポーカーフェイスで寡黙なものだから
追い詰められるまでその想いを吐露することもなくかなりじれじれ
させられちゃいました。
意地っ張りで、不器用同士なせいですれ違いばかりだけれど、
蓋を開けてみれば、お互いに大好きすぎ同士で、
表現方法は違えど激重な両片想いは尊さしかありませんでした。
いざ葉之介に押し倒されると、意外にも感情が表情に出てしまう
鈴成が可愛すぎました。
普段は無表情なだけに、葉之介を想って赤くなったり、泣いたり、
感情がダダ漏れな鈴成は格別でした…♥
両想いになったからといって突然イチャラブなんてこともないけれど、
それでも以前に比べれば少しは素直で、甘やかな空気を漂わせる二人に
表情筋が緩みました。
旧版は未読です。
今回、メイト有償特典付き紙本での購入。
ページを開くと、旧版カバーイラストなど見開きも含めて4点が、圧巻のずらり。
本編後は、旧版描き下ろしも含め、「相性結び・続」や、新装版新規収録作品、旧版の特典ペーパーやあとがきの後で、新装版描き下ろしがお目見えです。
お向かい同士に立つ、老舗の仕立て屋。
かたや和裁士。(攻め)
かたやテーラー。(受け)
幼い頃から受けに思いを寄せる攻めでしたが、1年何も言わずに外へ修行に行ってしまい、ようやく帰ってきた受けとは、ケンカップル的な感じに。
そこへ攻めにお見合いの話があがりますが、受けの態度はよく分からず。
好きなのに、不安しかない攻め。
けれどお見合いの日、受けは仕事をサボって現れて、、、
ランドセルを背負ってた頃からの知り合いである2人。
そしてその頃くらいからお互いがお互いを好きだったのだと、後に判明します。(読者にだけは、受けがどういう経緯で引っ越すのを辞めたのか分かるエピソードが)
そういうエピソードを読んでしまうと、筋金入りの両片思いにキュンとしてしまいますね。
あと個人的に、攻めの和装最高でした///!
旧版未読で、こちらの新装版を読んでみました。
うーーん…和装×洋装、仕立て屋の跡取り同士の恋。+幼馴染!
この設定だけでもうフツフツと滾るものを感じ、わくわくして手に取ったのですが、、
あれ?なんだか二人の気持ちに入り込めないまま、ん?ん?と思っているうちに
終わってしまった。。
まず、攻め受け二人の「好き」という気持ちがいまいち分かりにくい。
特に鈴成(受け)。
寡黙で無表情キャラなのは分かるんですが、攻め視点で進むお話なのでもうちょっと内面描写がないと、「好き!」という気持ちが伝わってこない。。
表情についても、あまりにもいつも変わらなさすぎて、もう少しでも緩急つけた「感情の揺れ」を感じさせてもらえると、共感しやすかったのかなあという気がしました。
葉之介(攻め)のお見合いが心配で覗きにきちゃうシーンなんかも、
本来であればその焦りや溢れる想いなんかに共感して「がんばれっ!」と応援したく
なる場面だと思う。のですが、実際には読んでいて特に何も感じられなかった、、です、、
執着はしつつもヘタレなところのある攻め・葉之介も、なんだかなあ。
萌えツボを刺激されるまでには至らず…
執着してはいるんだろうけれどお見合いには行ってしまったり、
言動にカッコ良さや萌えを感じるところが少なかった気がします。
幼少期、鈴成が急に引っ越さなくて良くなった理由を特に今まで問い質さなかったというのも、ちょっと不自然に感じてしまいました。
二人の恋の熱量が今一歩伝わってこず、「中立」評価となりました。
同じ作者様の9月の新刊『イルカの耳骨』がとてもとても好きな作品だっただけに、
うまく萌えツボを合わせることができず残念です。。