想い出をこの分厚い小説に乗せて

タイトル未定のプロローグ

taitoru mitei no prologue

タイトル未定のプロローグ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
5
得点
73
評価数
21
平均
3.7 / 5
神率
33.3%
著者
夜更宵 

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媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784758027250

あらすじ

高校3年生の結城七海は、人を寄せつけないオーラを放つ美人なクラスメイト・八田守叶が一人黙々と書き続けているノートを偶然拾い、その中身が小説であると知る。
内容に衝撃を受けた七海は感想を早く伝えたいと八田守の家を訪ねるが、そこには普段のイメージとはかけ離れた男に抱かれる姿が…。
不特定多数の男と関係を持つのは、他人と関わりを持たない自分が感情の機微を書くためだと言う八田守の危うさを心配しつつも、彼の小説に、そして彼自身に惹かれていき――。

《収録内容》
◆『タイトル未定のプロローグ』1~5話
◆描き下ろし8P

表題作タイトル未定のプロローグ

結城 七海、高校生
八田守 叶、高校生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下描き下ろし漫画

レビュー投稿数5

映画みたいなストーリー

ストーリー展開が巧みで、映画を観ているような気分で読み進めました。

叶くんの設定が細やかで、それが高校生である彼が小説を書いている納得感に繋がっていて、無理な感じがないのがすごく心地よいです。七海くんは七海くんで、よくいる高校生、という感じなのですが、そのこだわりの薄さから叶くんのためである選択肢を選び続けても重くなりすぎないところもいい。性的な欲求に忠実なのも、らしさ、かな。

東京に引っ越して離れ離れになる流れには正直驚きましたが、大切なものを取りこぼすことなく前に進むことができてよかった!七海くんの選択も、最終的には彼の世界を広げることになっているし、Win-Winな感じがする。

夏休みにもってこいの一冊です。

0

小説みたいな恋をした

というよりも小説の題材にしたくなるほど運命的で青春で焦がれる恋だったというのが真実。

印象的な出会いに始まり、恋に落ちるには十分なきっかけがあって、青くて切なくて甘い長い両片想いを経て、幸せすぎる恋人の期間があって、切ない終わりを迎える…それに伴った情緒溢れる情景を描く文章とで本当に眩しい恋のお話で、一息で読んでしまうような切ないところ含めうっとりしてしまうようなそんな恋物語に心が洗われました。

そして切ないところで終わらない運命的な再会をするのがこれもまたフィクションだったんだなぁと最後のセリフにハッとさせられました。

まさに素敵な物語に出会うことができたという満足感のある作品でした。

0

まるで映画のような。

小説のようなモノローグで始まる今作。

読み始めれば、すぐにその理由が分かります。

ちなみに片田舎の高校へ通う2人の男子が主人公。

ひとりは、陽キャグループに属するノンケの七海。
もうひとりは、いつも本を読んでいて誰とも交わることのない綺麗な顔をした八田守。


七海はある日、八田守が落としたらしいノートを拾い、その中身を読んでしまいます。
そこへ書かれていたのは小説で。
本を読む習慣のなかった七海でしたが、その内容に惹き込まれてしまいます。

ノートを返却するという理由で八田守の家を訪れた七海でしたが、そこで見てしまったのは八田守が見知らぬ男と致していた場面。


びっくりした七海でしたが、後に八田守から関係のあった男と別れるために恋人のフリすることになり、、、というお話。


とにかくこのお話は、八田守が実は小説家ということもあって、言葉の運びが叙情的でエモかったです。
DKの夏。
そして、どことなく少し翳りのある2人の関係。

案の定、作中で一度2人はお別れしてしまいますが、その後の展開がまた良かったです(じーん、と噛み締める)
八田守の弱さだとか、七海の若さゆえのまっすぐさだとか。


個人的に一番好きだったのは、高校最後の夏に八田守の家の縁側から花火を2人で見るシーン。
完全にBGMは、某米○玄○さんたちが歌っている打上花火がぴったりでした。
そしてここがクライマックスではないけれど、最高潮に幸せかもしれないと思わせるアンバランスな空気感が好きでした。


瑞々しく切ないアオハルの恋を経て、再びその手で掴んだ恋。
タイトル未定のプロローグが、東京にて再び幕を開けたエモしなBLが読みたい方にはとてもオススメです!






0

静かに、美しく。

同じクラスの同級生である七海と八田守。
これまで接点がなく友達と言える関係ではなかったふたりが、とあるキッカケで距離を近付けていくことになった高校3年生のその1年を描いたお話でした。

授業中、八田守がいつも"何か"を書いているノートを拾った七海。
中は彼が書いた小説で、それを読んで心打たれた気持ちを伝えるべく勢いのまま家に届けに行くと。
なんと八田守はセックスの真っ最中だった、というなかなかに激しい始まりでしたが(笑)
ふたりとも性への興味や奔放さには高校生らしさあふれるモノがあるけれども、ふたりが仲良くなるのはそういうのとは関係なく。
相手のことを知るほどに自然と惹かれ合っていく、その様子に萌えました。

両想いになってから一緒に過ごす日々はこれまで以上に幸せで。
それが永遠に続くものだと信じていた七海にとって、八田守の決断を受け入れるのはとても苦しかったと思います。
本当に好きだからこそ、繋ぎ止めることができなかった…そんな切ない別れが悲しくて、胸が締め付けられました。

悲しいままの結末ではないだろうことはなんとなく想像できたけれども、運命のように再会したシーンは新鮮に感動して。
またふたりが同じ時間を過ごせるようになって本当に良かった…!と心から思いました。

ふたりを繋げたのが「小説」なだけあって、その時々で小説調に想いが紡がれていくのがすごく心地よかったです。
変化していく気持ちへの戸惑いも言えずに胸しまい込んだ言葉たちも、文字に起こされることでまた違った見方ができたのが素敵でした。

周りの目を気にしたり誰かの意見に心が揺れたり…というのがないので、ふたりだけの世界にしっかり浸ることができるストーリーがとても美しい作品でした。

0

読み終えたところから始まる物語

まるっと1冊かけて
恋と人生のプロローグが描かれている作品でした。
思春期の危うさも含みつつ甘く切なく展開します。

そんで危うい印象はありつつも、
表紙のようなカラッとした夏も似合うんですよね。
相手を想う純粋さが爽やかで甘酸っぱさがあって。

個人的に入り込みづらい点があって☆4ですが
高校生BL大好きマンとしては大満足で読了しました。面白かった!

※攻めも受けもモブとの行為あります注意。
1話目の試し読みが大丈夫なら多分大丈夫。


さてさて。

攻め:七海
陽キャグループにいるノンケ。彼女持ち(だった)。
やんちゃでヤリチンっぽいように見えるけど、
倫理的感覚がキチンとある至って普通の男の子です。

受け:八田守
本人は陰キャを自称してますが、
クラスメイトからは孤高な人と認識されています。
中身はちょっと感覚がズレてる不思議ちゃん…?
倫理観もガバガバで危うさが垣間見えました。

【想い出を、この分厚い小説に乗せて。】
ーーーと帯に書かれている通り、
彼等の出会い・友情・一緒に過ごした季節 etc.
甘く切ない小説の一節をなぞるように展開します。


八田守は高校生の時に小説家デビューしてます。
物語に添えられる小説文章は八田守視点になり、
モノローグは八田守・七海とそれぞれ両視点です。

①八田守 ②七海 ③小説を書いてる時の八田守
結果3視点のモノローグがある状態になるんですね。

この辺が時々ちょっと読みづらかったです。
七海のモノローグのあとに急に八田守に切り替わり、
読み手としても切り替えが追いつかないというか…。
小説としての八田守視点も混ざるから更に入り込みずらい。

私は↑が気になってちょっと萌えが削がれたかな。
それさえ乗り越えたら萌えもあって楽しめました。

個人的に特に好きだったのが…、
お互いにバリバリ意識しまくってる両片想い!!!
「友達になろう!」の言葉に縛られ動けないんです。

距離がめっっちゃ近い…。キス出来るぐらい近い…。
友達の枠は守らななきゃ…。でもでも我慢つらい…。
っていう葛藤!!!焦れったさ!!!

もぅね。夏休みとか実質同棲してますからね。
ご飯作ってる時とかペッタリくっついたりしてて。
でも付き合ってないの!友達は壊したくないの!
でもでも本当はキスしたいしエッチもシたいの!

この距離感たまんないですね。
この期間が一番萌えるかもしれん。

そんで付き合っちゃえばラッブラブなんですよ。
よく今まで我慢出来たね?ってぐらいラブラブ。
特に七海は八田守への愛を惜しまずに注いでる印象がありました。

(八田守は家族のアレコレがあって、)
(いわゆる普通の愛を探している子なので…)
(それを理解してる七海の優しさが温かい…)

でも八田守には七海に言えないことがあって…。
 友達だったら変わらず続いたのか。
 恋人だから壊すしか選択がないのか。
不器用な彼のひとつしか選べない結論が寂しい。
七海の気持ちを考えると涙腺が緩みました。

あ、もちろんハッピーエンドです!大丈夫!

大人だったらもっと選択肢があっただろうけど、
高校生ゆえの刹那的な結論もまた尊いものです。

タイトルにもあるとおり、これはプロローグ。
始まるのはここからなんだと爽やかさを感じました。

3

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