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ennead
エジプト神話ベースのBL作・ENNEADも4作目。
常軌を逸した執着攻め好きにはたまらない1冊でした。
いやあ…これはまいった。素晴らしい執着攻めです。
読み応えのあるアクションシーンに魅せられつつ、近親者同士が繰り広げるカオスな愛憎劇の欠片を拾い集め、複雑に絡み合ったそれぞれの糸の先を追っていく。
少々難解なのだけれど、人間よりも人間くさい神々の実態は読めば読むほどおもしろい。
…と、非常に楽しめてはいるものの、3巻の途中までBL色はそこまで強くない印象があったこちらの作品。
ところがですよ。
4巻目にして特大級のBLが待ち構えているではないですか!
そもそもの愛憎劇の謎・原因の紐解きもたまらなくおもしろいのですが、弟への一方通行なクソデカ感情を少しずつ溜め込んで一気に浴びせかけるオシリスの異常さにとんでもなく萌えてしまった。
セトの種を彼の妻にやるくらいなら花として咲かせようなんて、あまりにもどうかしていて読みながら拍手喝采。
口調はとても穏やかながら、確実にセトの全身を絡めとろうと離さないオシリスが本当にねちっこくて良い執着攻めです。
かと思えば、セトもしてやられているだけではなく…
ただではやられないどこまでも強気な美人の図も刺さりに刺さり、とにかくオシリスとセトに脳を焼かれた4巻でした。
甘いか辛いかで言うのなら辛めの味付けなので好みが分かれるかなと思いますが、骨肉の争い行方も女性陣との泥沼っぷりも見どころあり。
この先の展開にも期待が膨らみますね。
連続刊行が本当にうれしい作品です。
今回も難しいお話でした。
というか、思っていた以上に伏線が複雑すぎて、解き明かされる情報量の多さに、ひたすら、えっ…?? えぇ…?? と、ページをめくる手が震えた4巻。
えっと、セトの息子は、本当はオシリスの息子だったんですか、、、
闇というか、愛(と読んでいいものか)が深すぎて仰天。(歓喜で!)
そしてさらに実はオシリスは殺されていなかっただとか、セトはオシリスが創り出しただとか、1回読んだだけでは衝撃が大きすぎたのと、理解が追いつかなくて!!
ですが、明かされていくものが多ければ多いほど、ニヤニヤしてしまいがちなのは、日本のBLではあまり見られない複雑な愛を、男同士とか関係なく混線しているからでしょうか。
海外BLって、こういう自由で複雑なLoveが読めるのがいいですね。
1巻にあった相関図的なものをハートマークつけた新たなものがほしい、まりあげは。(自分で作れよ)
まだまだ明かされていない事実は山ほどあるのでしょう。
完結して、最初からじっくり読んだら、あ~! これはあれか~! と、理解しながら楽しめる作品だと思います。
ちなみに今回のハイライトは、オシリスの狂気じみた異常なる愛。
たしかに目も行動もイカれすぎてるけど、攻めの執着ラバー的には最高でした!!
次巻、セトと優しいホルスの最後の勝負が始まるとのことで、そちらの行方も楽しみです。