ウチのΩは口と性格と寝相が悪い

uchi no Ω kuchi to seikaku to nezou ga warui

ウチのΩは口と性格と寝相が悪い
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×27
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
63
評価数
18
平均
3.6 / 5
神率
16.7%
著者
東川カンナ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
末広マチ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784778136451

あらすじ

売れっ子モデルのΩ・芦名紗和が一番嫌いな男…それは宮永財閥の次男でαの宮永司。二人は両家の策略によって番になってしまったのだ。仕事に誇りを持つ紗和は、世間にうなじの噛み痕がバレれば仕事が無くなるという不安の中、何も失わず平然と状況を受け入れているαの司が憎らしかった。しかも司は毎日のように家に来て、世話を焼いては「責任を取る」と言う。司のことなんて嫌いなのに、紗和は番のフェロモンには抗えず発情期には司を求めてしまい…。

表題作ウチのΩは口と性格と寝相が悪い

宮永財閥の次男,紗和の番,α
モデル,22歳

その他の収録作品

  • 書き下ろし:ウチのαは趣味と察しと諦めが悪い
  • あとがき

レビュー投稿数8

溺愛したいのにΩがツンツン過ぎて可愛がれないαの苦悩

【弱音を零したり、甘えたりしてもらえる存在になりたいと思う。これが愛情でなければ、何だ?(司)】

エロス度★★★

おやおや、顔は可愛いのに中身はすごく癖が強い紗和のキャラがツボりますね。
αに頼らずに自分の道は自分で切り拓いていく強さと孤高がカッコいい。
なのでいくら司が世話を焼きたくても甘やかしたくても紗和にとってはノーセンキュー。ツンドラの如き態度で拒まれてしまうやりとりが面白い。

何度拒まれても懲りずに紗和に逢いにくる司の健気さや紗和の生き方を尊重したり、執着・愛の重さもたまらなく、最初はツン度100%だった紗和の司に対する態度の変化が可愛くて最高です。

始まりは最悪だった番関係の行き着く先が素晴らしい。

4

不番から始まる恋物語

今回は都市開発会社の課長とモデルのお話です。

受様が計画的な見合いで番となった攻様と恋仲になるまでと
受様が攻様の伴侶となるまでの続編を収録。

この世界には男女の性とは別に
アルファ、ベータ、オメガという第二の性があります。

アルファは生まれもつ能力が高く、体格や容姿に恵まれ
社会的に重要な地位に就くことが多く
ベータは極平均的な能力で人口の大半を占め
オメガは男女ともに妊娠可能という特徴があります。

オメガはおよそ月に1度発情期があり
発情中にアルファにうなじを噛まれると番契約が成立します。

今は国の制度の整備や社会意識の変化
抑制剤の開発等が進んだものの階級意識は未だに蔓延り
オメガには生き難い社会です。

受様はオメガながらも15才でモデルデビューして以来
最前線で仕事をしています。

受様の実家は技術力に定評のある金属加工会社ですが
海外企業から圧力と買取の脅威にさらされたところを
受様のファンだという得意先の社長のとりなしで
危機を回避した為、受様との食事会を打診されます。

受様は実家の危機に貢献してこなかった負い目もあり
件の食事会に出かける事となりますが
向かった先で待っていたのは愛想はないものの
容姿端麗でアルファの手本のような攻様でした。

ファンだと言う割に顔を合わせても表情に変化すらなく
会話も続かないまま食事が進みんでいきますが
コースの献立が中盤を過ぎた頃、受様が突然発情し、
攻様にうなじを噛まれることになるのです!!

強引に番契約を避けて受様の未来とは!?

東川さんのデビュー作は
第19回小説ショコラ新人賞受賞作を加筆修正した
アルファで財閥御曹司の攻様とオメガでモデルの受様の
ラブコメ調オメガバースになります♪

実はこの会食は仕組まれた見合いであり
攻様にとって婚約者候補の受様と番となることは
受様が他のアルファに狙われる危機回避のための
止むにやまない処置でしたが

バース性に頼らずにモデルとして生きる受様には
正に寝耳に水、青天の霹靂な出来事な上に
攻様が責任をとる気満々なのも逆鱗ものなのですよ(笑)

受様に尽くそうとして受様の地雷を踏みまくるのに
発情期は攻様に頼るしかないのも非常に業腹なのが
読者的には非常に楽しいです。

理不尽な状況に置かれても甘んじるしかないオメガ故に
ハリセンボンな状態の受様には
あまり感情表現が上手くないのに尽くし系攻様の真意は
なかなか伝わりません。

すれ違いまくる2人にハラハラ&ワクワク
クールビューティ系受が大好きでワンコ攻がツボな私には
大変美味しいお話でした♡

受様の口と性格はあまり変化がありませんが
無意識な部分である寝相が変わっていく事に
受様の心情の変化が現れているのがまた面白かったです。

3

Ωの羞恥心と苦悩がビリビリと刺さる!

司(α)×紗和(Ω)


一途超溺愛攻めと、
強気ハッキリ拒否受け。
王道なオメガバース設定の中、
Ωとしての不公平さや、
番になることが社会的な意味などが深い!
それにΩの心の壁や苦悩の揺れ動きがビリビリと刺さる!


政略結婚の仕掛けで、
初対面でいきなり番にされてしまった超売れっ子Ωモデルの紗和。
そんな彼の運命をぶっ飛んでいるのは財閥の御曹司α・司。

冒頭からワンコ勢いで、紗和への愛情が溢れていて、
家に毎日押しかけて「責任を取る」と言い続ける司。
そんな司に、「ただのビジネス番だから!」と全力で拒絶している紗和。
という始まり。

強気100%を地で行っている紗和、
孤高のプライドが可愛い。

個人的にはこの作品の見どころは、
好きじゃない(嫌いな)な人と番として結ばれてしまった羞恥心!と
噛み跡や番の関係で世間の目を気にしながらも、
プロ意識でモデルの立場でΩとしての葛藤や不安!
モデルのキャリアを全力で守ろうとするジレジレ感がたまらない!
そして、
発情期だけ司を求める理性と本能間での戦いとそのいじらしさ!
発情最中まで理性のプライドのはさみ撃ちすごく感心してしまう!
さらに、
噛んで欲しいという怒涛な欲望が最高の展開!
巣作りまでの可憐さにも嬉しい!

「寝相が悪い」が面白い!もっと書いて欲しいな。

司の視点から見ると、
紗和への健気な想いがハッキリと見えてくる。
紗和を噛んでしまってから、
ずっと「責任を取る」と言い続けているけど、
それだけじゃなくて、溺愛も全開しているに・・・
書き下ろしに入って、あれ?
確かに好きだと言ったことがないよね。
だから、紗和に気持ちが伝わっていないのだ!もどかしい〜!

その後半の書き下ろしでは、
紗和の気持ちの変化や
2人の距離感が気になるポイント。
政略結婚という複雑な関係の中で、
紗和は強気のままでいる?だけど、
2人の関係がどう変わっていくのかーー紆余曲折だね!

末広マチ先生のイラストが本当に可愛らしい!
表紙以外、紗和の顔がはっきりしていないのがちょっと気になる。
欲張りな私としては、少しもの足りないかな。

安心&甘い結末で良かったです。

2

塩と甘さの攻防戦

オメガバースと言えば、なんやかんやあって、クライマックスにうなじを噛んでハッピーエンド!…というのが王道ルート。しかし、こちらの作品はうなじを噛むところから物語がスタートします。
初対面の相手同士、いきなりの発情。出会ったその日にうなじを噛まれて番になってしまう、Ωでモデルの紗和と、αで財閥次男の司とのオメガバースは、ツンデレと溺愛が際立つ仕様になっています^ ^

家族の差し金で起きた番事故をきっかけに、紗和は司を拒絶、司の方は"責任"の大義名分を掲げて紗和を構い倒しにかかります。この2人の温度差、それはもう北極と東南アジアの気温差くらいあるんですよ(笑)
超ブリザード級の塩対応で拒否る紗和を気にせず、紗和。紗和。と従順なワンコの如く、そして甲斐甲斐しく世話を焼く司の一方通行な恋が、一途で健気で、優しくあまい。うなじを噛んでしまった責任感とは言うものの、紗和と番になった既成事実を内心喜んでいるように見えてしまうくらい紗和への愛が深いんです。

司を足蹴にする紗和は性格が悪いというより気が強く、思ったことをハッキリ言うし、物怖じない性格です。でもこれは彼が自立心が強いためで、この世界を実力で生き抜く彼なりの防御策といえるでしょう。

この物語のオメガバース世界観は、αが優位でΩは下に見られがち。Ω地位は改善されつつあるけど、差別は少なからず存在している…そんな背景の下、紗和はモデルの仕事をしています。
嫌な扱いを受けることもあるけど、そんなことにも怯まずモデルの仕事に誇りを持って頑張る彼のことを、性格が悪いと私は思えなかった。気の強さは彼なりの武装なんだと…世間的に低く見られがちなΩでもαに屈しない強い気概を感じました。
だからなのか、紗和に尽くそうとする司に反発するんですよね。お前の世話になんねー、自分のことは自分でする!とか言って。

Ωはαに庇護されてナンボみたいな世界で、紗和の思考は珍しい行動かも知れません。
α優位社会で嫌な思いをしながらも、自分の地位を確立して生きる姿はとてもカッコ良い!Ωバース性を恨むでもなく、Ωであることを受け入れてモデルの仕事に誇りを持って強く生きる紗和だからこそ、司も惹かれていったんだと思います。
紗和もこれまで出会ってきたαと違う司に惹かれていくのは自然な流れで、ツンツンツンツン!な態度に徐々にデレが混ざっていく気持ちの変化、態度軟化の動きにニヤってしまいました♪


番から始まった恋だけど、2人が番であることに相応しい関係性に寄っていく逆アプローチ型は物珍しい設定でした。また、Ωは可愛く美人で、庇護欲を掻き立てられる存在で……のイメージを覆す主人公の紗和に、新しいオメガバースの可能性を見ることができました。
末広先生のイラストも可愛いくて、作品のイメージにピッタリです。気の強い男前なΩと甘やかしαの結ばれていく過程をイラストと共に楽しんで下さい。

因みに。
SSペーパーではしっかりとラブラブカップルに育っていましたので、読後の余韻にプラスして嬉しさに浸りました(*´︶`*)

2

溺愛好きの方にはオススメです。

モデルでΩの受けと財閥の次男でαの攻めが、家族に仕組まれ政略結婚のためのお見合いをするが、そこで受けの飲み物に一服薬を盛られ発情してしまい、、、というお話。

そういう訳でこのお話は、比較的序盤から受けは項を噛まれて、攻めと番になります。


この受けは、自分の足で強く踏ん張って生きるタイプで、決してαに囲われる生活なんてしないぞ!!という矜恃を持ち、とても好感度が高い主人公でした。


が、ページ数も250ページくらいのせいなのか。

はたまた本編と番外編の構成のせいなのか。

比較的サラッと読めて、溺愛BLでしたね!という印象でした。

なんだろう、、、

最近の商業BL小説の新人賞とか大賞作品って、みんなこんな感じのフラットな読了感なんですよね、、

やはりこの感じが流行りなのかな??


でも、マチ先生のイラストはぴったりだったと思います。

サクッと読める溺愛オメガバースがお好きな方には、とてもオススメです!




4

ツンデレ…ではなくツンツンツンの受け君

末広マチ先生の挿絵に惹かれ、購入。
文章がとても読みやすく、ボリュームもほどよく…なんですが、なんだろう、ここ!ここに萌える!という萌えを感じるところが、なかったかなあ。ところどころ引っ掛かってしまうところもあり。

主人公は自立心旺盛の、強く気高いΩ性のモデル、紗和。攻めはエリートα・司。
両家の策略により、紗和の望まぬ形で番契約が結ばれてしまい、「責任を取る」と言って甲斐甲斐しく沙和のもとに通ってくる司を、冷たくあしらう紗和ですがー

と続くお話です。

自立心が強く、αに頼ろうとせず精神的に強い紗和は、好きなキャラでした。ツンデレどころかツンツンツン。
で、そんな彼だからこそ、こう…司を理解し、好意を持つようになり、司とめでたくくっ付くまでの理由と過程、エピソードが必要になると思うのですが、えっ、そこで考えを改めて好きになったりする…のかなあ…?と、ちょっと腑に落ちない&物足りなくて。
司の母親からの留守電内容を聞いたら、紗和の性格ならより頑なになったり、「ビジネス番」でいい、と割り切った関係に持っていこうとするんじゃないかなと思ってしまいました。

あと、強気な紗和が発情した時のセッッで「にゃんで」とか、「こんにゃにおねだりしてるのに」とか舌足らずになるのも、刺さる人にはきっと刺さるんだろうなあ…!と思いつつ、個人的にはトロトロになるのは構わないけれど、変な喋り方はして欲しくなかったかな…

ただ、終盤明かされるタイトルの紗和の「寝相の悪さ」の真相なんかは、なるほどそうだったのか!ととても意外で面白かったです◎

司の寝室で巣作りをしようとする紗和の姿も、それにどうしようもなく萌えている(?)司も微笑ましかった(*´꒳`*)

胸にガツン!とくる萌えは感じられなかったけれど、オメガバース初心者の方にも読みやすくおすすめしやすい、現代ものオメガバースでした◎

3

デビューおめでとうございます

新人賞受賞作を加筆修正した表題作と書き下ろしの続編の「ウチのαは趣味と察しと諦めが悪い」で構成されてました。癖がなくてとても読みやすい文章で、サクサクと読み進められました。

ただ、欲を言えば書いて欲しかったことが書いてなくて、ページが残り少なくなり始めた時に嫌な予感がしました。

紗和の性格は凄く好きでした。性差別に負けずに強く生きていく姿とか、世間に媚びずに有言実行する姿に好感が持てました。司にも言いたいことを言って、受け入れることは受け入れても寄り掛かろうとせずに頑張って1人で立とうとする姿が凛々しいんです。

反対に司のほうが紗和という存在に惹かれて執着していたような気がします。
最初はこのお話は司がアルファなのでスパダリで全てを解決して爽快な話になるのだろうと思ってたんですが、全然そんなことはなくて個人的にはガッカリしました。

父親に押し付けられてたブライダル事業の結果とか、紗和にかかって来てた弟からの電話の用事とか、気になってたところが全て放置でストーカーのファンの話に肩透かしを食らった気分です。

このお話が続くのなら上記が書いてない理由も分かるのですが、違うなら作品の完成度としては低いと思いました。

また、司と紗和との最初の出会いの齟齬とか発情剤をしかけた犯人もハッキリさせて欲しかったです。なんだかスッキリしないまま終わってしまい読後感が悪いです。

2

この受け、城壁級に強い

流され受けとは対極にいる受けの言動にそりゃあそうだと頷くばかりの1冊でした。
新人作家さんとのことですが、読みやすい文体であっという間に読んでしまいました。

自分の番のことが大嫌いなオメガ。
なかなかにインパクトがある設定です。
愛がないどころか、お互いのこともよく知らない状態で番ってしまったというのだから、やはり一体ここからどう展開していくのかが見どころでしょう。

家同士の損得だけを考えて、親に勝手に仕組まれた最悪の出逢いと最悪の番契約。
オメガの地位が決して高くはない世界の中で、何年もかけて自分の足で立ってモデルという仕事に誇りを持って向き合っていた紗和のことを考えると、番ってしまったからには責任を取るからと何度も家に通って来る司を鬱陶しいことこの上なく感じるのも仕方がないかなと思えるんですね。
ツンデレというより常識人だと思う。
なので、とにかく拒否!拒否!拒否!の状態が続きます。
世話を焼きたがる司があれやこれやと近付こうとしても、誠意を持って話をしようとしても、紗和の断固拒否の姿勢が石造りの城壁のようにカッチカチです。
ツンデレでもデレは早めにほしいよという方だと、もしかしたらここは好みが分かれるところかもしれません。

紗和視点でのみ進むお話だとこれはゴールまでが長そうだぞ…と思っていると、良いタイミングで司視点が入ってくるではないですか。
その場での勢いでうなじを噛む選択をしてしまったのは浅慮としか言いようがありませんが…
司視点を追っていけばいくほど、せめて誠実であろうとする彼の健気さと、恋も知らなさそうな男の言葉選びの下手さにもどかしくなり、発情期の紗和から発せられる暴力的なフェロモンと甘い誘惑だらけの言動にどうにか耐える姿に、お主も難儀な男よの…と溜飲が下がっていく不思議。
拒否されても何度も何度も向かい合おうとする粘り強さに、次第に紗和も読み手も折れてしまいます。
相手のことを少しずつ知った上で、本当に一歩ずつ近付くようなデレが紗和らしくて良かったです。

前半はもう少し司からの好意が分かりやすいともっと良かったかもと思います。断然後半の方が好みでした。
そして、気になった点はあまりにも家族が最悪すぎること。
そもそもの原因となった紗和の家族に最後までもやつきが残り、ここはすっきりとはしない読み心地だったかなと今回はこちらの評価になりました。
設定は面白かったので、オメガバース以外のお話も読んでみたいです。

1

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