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doukyuusei
同级生
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
これほど神だと感じた作品はありません。
評価の高さに期待しすぎて不安でしたが、それすらも上回る作品でした。
絵がとっつきにくいと言われていますが、まず裏表紙を見てほしい!!!
夏の昼下がり、帰り道、青すぎる空と影でそっとキスする少年。
ここから伝わる雰囲気がこの本のすべてといってもいい。
理屈より感覚が体を動かすような衝動、些細なことに敏感であり鈍感であった大人になる前の純粋な気持ちが甘酸っぱく伝わる。
萌えすぎて自分は肺の痛さに死んでしまうのではないか。と初めて思いました。
言葉にして説明することは難しい!!とにかくキュンとするんだ!!!肺が締めつけられるように痛いんだ!!!
それが読み手に確実に伝わるのは、その雰囲気を作り出す表現の巧さにあるじゃないかな。
言葉の間の置き方、場面の切り取り方でこんなにも伝わるものがあるんだよ。
滲んだ星、公園の砂、ペットボトルの水滴、雨のしたたる網格子…
細かい表現が一瞬という儚さを感じさせ、独特な眼の書き方によって視線が強調されて、それが心情を映すように丁寧に書かれていました。
10代であるから理解できる衝動がある。
ぜひ10代の方に読んでもらいたい。
そして大人になり、素直な思いを持つ難しさを感じているからこそ伝わる一瞬の美しさもある。
ぜひぜひそんな大人の方にも読んでもらいたい。
心から、痛いほど甘酸っぱく、切ないほどピュア。
中村明日美子さんの表現力に脱帽です(´・ω・`)ノ
中村さんの作品はこれが初読み。
な、ななな・・・なんだこのかわいさは!ちょっと、おばちゃん悶死するかと思っちゃったわYO!
挿絵だったり、よく行く書評サイトさんで作品がいくつか上げられていたのでこの業界でBL物をいろいろ描いているのかな?と思っていたらこれがBL誌での初仕事なんですね。実は絵の雰囲気がちょっと個性的だったので敬遠気味だったのですが、もっと早く読んでおけばよかったぁ~!!
耽美系の絵柄なのでどちらかと言うともっと古風な内容なのかと思っていたのだけれど、読んでみると古さや違和感など全然感じなくて、キャラの設定年齢なども高校生だからかとにかく内容が可愛い。 それに、内容が安易にやっちゃって終わりとかじゃないところも良いですね。
トップクラスの成績で入学してきたことで有名な優等生の佐条と成績はそこそこというよりむしろ悪いくらいでバンドでギターを弾くことに青春を費やしてるような草壁。学校の合唱祭の練習中に草壁は佐条が歌っていないことに気づくのですが、歌うことなんか莫迦らしくてやってられないと思い歌わずにいるのかと思っていた佐条が放課後一人こっそり教室で練習をしているところを見つけてしまい、草壁は歌の練習に付き合う事を思わず自分から申し出てしまうわけです。
私の大好きな黒髪メガネ受け(だよね、きっと?)だから言うわけじゃないけど、佐条のキャラが良いですね。
普段は澄ましてクールな感じの佐条が驚いて目を見開いたり、ちょっとした事で真っ赤になって意外と表情が豊かなのが良い。草壁はそんな佐条が可愛くて仕方ないのでしょうね、ちょっかいをかけてみては困らせたり、怒らせて見たりして二人してじゃれあう姿がまたなんともまた、おばちゃんにはほほえましくて仕方ないわけですよ。
しかし、友情以上恋人未満の微妙な関係はほんの些細ないざこざで崩れやすくて脆い。
だけどもその脆い関係はお互いの相手を思いやる気持ちとか、互いの感情をぶけ合い相手の事を理解していく事によって修復されて、修復されればされるほど少しずつではあるだろうけども強くなっていく。
佐条と草壁の二人がメインで進むこのお話のなかに、彼らの通う学校の音楽教師 原サイドの話を絡めているところももまた秀逸。とても音楽教師には見えないひげヅラのどこか飄々とした男が見た目よりもずっと繊細な部分を持ち合わせていて、見た目はいい加減な人間に見えても中身は想像以上に教師で大人…そんなギャップもまたよかったです。
まだまだ若い二人だからこれからゆっくりお互いの気持ちを確かめ合い深めあっていくと良い、そしてまたどこかで成長した二人が見られたらこれほど幸せなことは無いなとそんな風に思えるお話でした。
私が始めて手にとったBLコミックであり、どっぷりBLにハマるきっかけになった一冊です。
まじめにゆっくり恋をしよう、という中村先生のテーマ通り、高校生の草壁君と佐条君がちょっとずつ距離感を縮めていってる。
一番好きなシーンはやっぱりライブ帰りの公園の砂場。
砂場に寝転んでる佐条君。
その眺めてる星空がにじんで、佐条君の口元がきゅっと引き絞られて。
これでにじむ涙をこらえてる佐条君が想像できて。
こんな素敵な見せ方、中村先生ありがとうございます、でした。
卑屈な事言っちゃう佐条くんに「佐条が一番だ」と言い切る草壁君に惚れ直しました。
その後の佐条君が「この人気者ー」って言って抱きつくとこ、めっちゃかわいくて草壁君じゃないけど、もえじにそうです。
この「同級生」は、谷君が温泉で言ってる"トキメキレモン果汁100%"
まさにそれです。
甘酸っぱくて胸がきゅんきゅん。
青春のトキメキ、甘酸っぱさがたまりません。
いやー、いいねー青春だねー、と昔乙女だった(ハズ)の私はにやにやしっぱなしです。
ファン後発組の私はシリーズを一気にそろえる事ができたのでシアワセでした。
BLにハマッて以降、いろいろな本を読ませて頂きましたが、やはり私にとってはこの「同級生」が原点であり、これ以上好きだと思う作品はないのではないかと思っています。
「まじめに、ゆっくり、恋をしよう」
草壁の髪色と同じ、レモンの炭酸飲料を飲んだような読了感があります。
同級生は、ドロドロのおせっせが読みたい人にはお勧めできません。この物語に、恋に落ちる→おせっせのスピード感のある展開はありません。同級生の2人が、まじめに、ゆっくり、恋をします。
佐城(暗い・ガリ勉・メガネ)、草壁(明るい・バカ・人気者)と、真逆な2人の物語です。この2人、共通の趣味も、共通の友達も、共通の話題もない。この2人は、そんな表面的なもので惹かれ合っているでのではない。お互いの人間そのものや、存在みたいなものに惹かれ合っているように感じます。だから「お前が側にいるからそれだけでいい」んです。そばにいる、それだけでいい…。本当に人を好きになる、恋をするってこういうことなんだよなぁ、と。胸が熱くなります。
序盤は草壁からの愛情表現が多く、佐城は少々押され気味ですが、後半にかけて、佐城がたどたどしくそれを返しています。これにトキメキます。
間違いなく「同級生」はBL漫画の金字塔だと思います。
そこに穴があるから第1回企画
『ちるちるにレビューを書きこもう』
*本文中に『劇場版同級生』に関する感想あり(ネタばれ注意)
今更ながら、なんど手にしたかわからないこの名作をレビューします。私は明日美子先生の作品では短編が一番好きです。短編にこそ先生の技が光り感性が冴えわたっていて、いつも魔法にかかったように惹き込まれてしまいます。『同級生』は短編ではないし『卒業生』『空と原』『O.B』へと続く長編シリーズものです。だけど各話のひとつひとつがキラリと輝く稀有な短編集のように感じる作品なのです。
あまりにキラキラしていてキュンときて、こんなお話を高校時代に読めていたら、私の高校生活ももっとキラキラしていたかも…と読むたびに思っていたのですが、きっと違うのですよね。高校時代の自分も中途半端な大人だった自分も、その時なりに頑張っていたなぁって思える今だからこそ『同級生』はこれほどまでに私の心に響くのだろうと思います。
制服を着た自由で、そして不自由でもあった3年間。学校が自分の世界のすべてだった頃。早く卒業したい、大人になりたいと思っていた自分。あの頃を遠く思い出して、頑張る彼等が愛おしくって、一緒になって悲しかったりドキドキしたり、たまらない気持になりました。
ここまで人気があっても読むことを躊躇している方はやっぱりこの絵柄が苦手なのかな?私は最初から明日美子先生の絵が大好きでした。扉絵やタイトルページのイラストは最高にお洒落だし、本編の構図の切り取り方にも抜群のセンスがあります。そしてエロは無い作品なのに、独特の線がなんともエロいんです!この流れるような線で描かれた佐条の色気はBLDK史上一番だと思っています。
さて、アニメ『同級生』のバレンタイン先行試写会を見てきました。独特の間や柔らかい線や色が見事に表現されていて、とてもいい作品だと思いました。BGMも素敵です。エンドロールまでも明日美子先生の世界観そのものなので最後まで見てほしいです。ただ、ただ一つどうしても残念だった所があります。それは佐条利人の「目」です。あまりにも違う…。色気が激減しています。明日美子先生の絵柄に心酔している私にはそこが物足りなくて、大変残念でした。もしも『卒業生』もアニメ化されることがあるなら「目」にこだわって欲しいと思いました。
これまで絵が苦手で読んでいませんでした。でも面白いと聞いたので読んでみたら、本当に面白くてビックリしました。
最初は苦手な絵だと思っていたのにストーリーに引き込まれてしまった後は、絵が大好きになったので人間の感覚って不思議です。
内容は最近のBLと言うより、昔で言うJUNEみたいだなと感じました。最近のBLって、付き合ってからエロシーンまで行ってめでたしめでたしというパターンをどう表現するかという事を1巻の中で繰り広げてるだけだなと思う作品がほとんどで、そのパターンの中で面白いものもあるとは言え、大半はただのエロ漫画だなと思ってうんざりしていたのですが、改めてこの作品みたいなのが読みたかった!と、思いました。
自分、ただ量産されていくだけのエロが面白くないなと思うだけで、エロが嫌いなわけではないんです。この作品はエロがなくても面白いんですが、こんな私がキス以上が読みたいと思ってしまいました。それは物足りないというわけではなく、キャラクターや物語に引き込まれた結果思ってしまう事なので、とても良い余韻のひとつとして感じています。
最初に読んだのは結構前の事になります。
でも、卒業・入学・・・と学生たちにとって大きな節目となるこの時期に読み返したくなる作品でもあります。
もはやどうしてこの本を手に取ったのか記憶にありません。絵の感じは得意な感じの絵ではなかったのですが、手に取って読み、すぐにその世界観に引き込まれていきました。
直ぐにH・・・という展開にならない、じっくり読ませるじれったいお話が実は結構好きなので、余計にはまったのかもしれません。
登場する2人は高校生。
高校生だからこそ逆に若さと好奇心からの即物的な流れになりそうな気もしますが、この2人は「高校生」だからこそ、自分たちの置かれた狭い世界の中で,置かれた状況の限界の中で、不器用だけれど誠実に真面目に一生懸命に愛を模索していて、そのピュアさとひたむきさと、そして勿論相手への性への興味(でもこの場合は、あくまでも相手を好きだからこそ、もっと相手に触れてみたい、その先へ行ってみたい・・・という思いが伝わってきます。)もそこにはあって、そのバランスがとても良くて、何とも言えない素敵な世界観が展開されています。
まさに甘酸っぱい世界。
コミックスの帯に、「まじめに、ゆっくり、恋をしよう。」とあるのですが、その言葉がぴったりな作品です。
私も絵柄で手を出そうかどうか迷った一人です。
だけど、本当に読んでよかったと思わせてくれた作品でした。
佐条くんの目にどきっとさせられた途端に嵌りました。
自分にとっては遠い花火の、高校時代。同じ経験はまったくない(当たり前)のに、なんか懐かしくなる。そんな感じ。
入学式の日には原先生とチャリで二人乗りを、全国模試の日には草壁くんとバイクで二ケツ。そんな、何気ない対比をさせる構成もニクい。
非腐の友人にも勧めてみようと思います。
今更過ぎるレビューなのですがやはり物事には順序というものがありますからね。
『卒業生』の萌えを吐き出す前にまずは基本を押さえておかなければ…!!
『同級生』は、何を隠そう腐女子を卒業していた私を8年ぶりに出戻らせた記念すべき作品です。
不良×優等生の学園物。しかも不良はイケメンでバンドマンでファンの女の子にモテモテ(死語じゃないよね?大丈夫だよね?)で、優等生は黒髪でメガネで人付き合いが苦手気味。
もうなにこの王道!なくらい王道な設定。
にもかかわらず恐ろしいほど萌えてしまいました。
特に大きな事件も起こらず、たまに優等生をお気に入りな音楽教師がちょっかいをかけてくるものの決して当て馬ではない。
この時点でちょっと驚愕。だってこの音楽教師、受のこと好きなのに教室に二人きりなのに襲わないんですよ!(や、ちょっと迫っちゃったけど…)イイ男のくせに!
BL的にはありえない。だがそこがいい…!
BLのお約束を踏まないことで逆にリアル感というか物語に奥行きが出ていると思います。
設定は王道だからこその引き算というか。
そして、本人たちにとっては重大な、だけどなんてことのない日常で見せる二人の素直さや一生懸命さが、中学生でも大学生でもなく絶妙に「高校生」で、青い春特有のキラキラ感がすごいことになっています。
萌え殺されるかと思いました。マジで。
しかも、なんだかどんどん過激化しているような昨今のBL界において、この二人は単行本丸々1冊かけてちっすまでしかいきません。
なのに何なのだこのエロさは!わたしは本書にエロチシズムの本質をみた気がします。
侵しがたいものゆえに侵したくなるこの感じ?ストイックなエロ?
巫女さんや修道女さんに興奮する男性諸氏の気持ちが今わかったよ!!
ストーリーだけみればかわいらしいお話なのにそこここからダダもれる色気。
こういう萌えが読みたかったんです。
これを期にプラトニックなエロスが流行ることを祈ってやみません。
今まで絵柄があまり好みでないばかりに避け気味でしたが,ふと書店で立ち読みしてみたらあら不思議!終始萌えっぱなしでした。
一見まったく正反対のようなふたりは一曲の歌がきっかけで磁石のS極とN極のようにくっつきます。
焼けるような暑さの夏にはじけるようなレモンスカッシュの恋。
まさに青春ですね。
「はじめての人」
で出てくる当て馬キャラのハラセンがまたかっこいいの!
駅で倒れた佐条を迎えに行って,おもわずときめいてしまうハラセン
「大人なら卒業まで待とうではないか」
でも草壁に先を越されてしまったらもう大人の余裕も何もありませんね。
そんなハラセン×佐条も見てみたい。