blanc #1

blanc

blanc #1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神219
  • 萌×227
  • 萌7
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
22
得点
1228
評価数
258
平均
4.8 / 5
神率
84.9%
著者
中村明日美子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
同級生
発売日
電子発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784863498433

あらすじ

20歳になったら、
卒業から3年━━…
京都大学へ進学した佐条。東京で音楽を続けながらバイト勤めをする草壁。
別々の進路を歩むことになった二人の行方は……。
不朽の名作『同級生』シリーズ、時代を越えて新たなステージへ。
指輪にまつわるエピソードを編集した小冊子付き【特装版】も同時発売。

表題作blanc #1

草壁光,20歳,バンドマン
佐条利人,20歳,大学3年生

レビュー投稿数22

あの子たち!!

新連載スタート時は、目を疑いました。
ほんとに?
ほんとにまた会えるの!?と。

既刊本、台詞を全記憶している変態です。

あんなに線が細すぎて儚げだった佐条の肩まわりが大きくなっていたり、デカいハラセンに気迫で「でかくなったな」と思わせる草壁に、「ああ、あの子たちの世界でもあれから2年が経ったんだなあ」としみじみ。
引越しや遊びに行ったときのこと、指輪のこと、日めくりカレンダーで見た断面的瞬間も全部経て、また頭をもたげる佐条のぐるぐる。
あの頃は草壁がいつもそばにいて、佐条が俯くたびに「大丈夫だって!」と上を向かせてくれたけど、距離のせいですぐには会えなくて。
そのせいでぐるぐるがどんどん悪い方へ行って、最終的にバーンと破裂して真っ白に。

あんなに素直に想いあった時間があって、しっかりと結んだ約束があって、2人の絆はもう絶対に切れないと、今もどこかでしあわせに過ごしている2人を妄想してきたわたしたちには衝撃な展開ですが、真っ白に、真っさらな状態になってから、2人がそれぞれに気付くこと、思うこと、譲れないもの、そういう大事なものをまたひとつずつ改めて手にしていく姿を見せてもらえるしあわせ。
あの頃は2人だけの世界だったのが、みやむーやハラセン、周りの人たちにも支えられているのにも涙ですよ。特にみやむー。いい子すぎませんか。とは言え、佐条はやれませんが。

しあわせという言葉では足りません。
本当に、また会えてうれしい。

小冊子はすべて持っているし、連載も追ってはいたものの、問答無用に特装版を購入しました。
pixivで一時期公開していた「ふたりぐらし」は♯2に収録されるのでしょうか。

34

ハンカチの準備をしてから、どうぞ

作家買い。

タイトルこそ違えど、今作品は中村先生の代表作と言って良いでしょう、『同級生』の続編です。雑誌『OPERA』で追いかけていましたが、コミックス化されるのを待ちわびていました。

『同級生』ファンの方にはもちろん垂涎の続編。
まだ未読という方にも、今作品をきっかけにぜひとも『同級生』を手に取ってほしい。

『blanc #1-Rings-』はこれ単体でも発売になりましたが、小冊子付きの特装版も同時発売になりました。

人気作品である『同級生』にはさまざまな書籍が発売され、映画も公開になりましたが、それらで「特典」としてついてきた小冊子があります。今では手に入らないそれら小冊子の中から指輪にまつわるエピソードが4話収録されています。ということで、あとからファンになった方や手に入れることができなかった方には素晴らしきチャンスかと思います。

特装版の方は小冊子付きということで通常版のものよりも510円(税別)が別途必要になりますが、この小冊子が神過ぎたのでこれから買われる方にはぜひとも特装版をお勧めしたいです。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





高校生の時に出会い、そして少しずつ愛情と信頼を築き上げていった草壁くん×佐条くんの2人。時にすれ違い、迷い、けれど紆余曲折を経て、彼らは結ばれた。

20歳になったら。
そう、誓いを立てて、指輪を贈りあって。

が、地元を離れ京都に進学した佐条くん。
大学生と、ミュージシャン。
物理的な距離と、立場の違いが、少しずつ彼らの「気持ち」も離すことになってー。

という、あの、甘々な『同級生』はどこへ行った?
というドシリアスな展開から今作品はスタートします。

恋人同士になった二人のその後、という展開を描いた作品は珍しくはありませんが、

ずーっとこの二人を見続けていたい。
と思われるか、あるいは、
いやいや、もういいです…。

となるかは作家さまの技量と読者の好みに大きく左右されるところかと思われます。

が。
さすが中村先生。
もう、圧巻の素晴らしさです。

なんていうのかな、甘いとシリアス、のバランスが素晴らしい、というのか。

甘々~なだけだと飽きてしまう。
かといって、シリアスに振り切ればいいかと言われるとそれまでの作品の持つ世界観も壊れてしまう。このあたりのバランスが非常に難しいと思うのですが、少しずつすれ違う彼らの立場や思考に、読者の共感を得つつ進んでいくのでするんと彼らの気持ちが手に取るように理解できる。

今まで、彼らは有体に言ってしまえば「子ども」だったんですね。
「未来」を、簡単に信じていた。
それが、少しずつ大人になり、「これから」を見据えるようになり、「相手の立場」も慮るようになった。

この描写が、秀逸です。
落涙すること請け合いです。
ハンカチとティッシュを用意して読んでほしいです。

で、少しずつすれ違っていく彼らを、周囲の人たちが温かく、そして優しくサポートするシーンにも落涙。彼ら自身が優しく思いやりを持つ人物たちだからこそ、彼らを救おうとしてくれる人もたくさんいるのだろうと、そう思えてなりません。

周囲のサポートもありつつ、少しずつ歩み寄ろうとした彼らをある出来事が襲います。この出来事は佐条くんにとって試練ではありますが、この苦しみを草壁くんと共に乗り切ってほしい。そう、「彼女」も望んでいると思うのです。

草壁くんと佐条くん。
少し離れたからこそ、自分と相手を見つめなおすことができ始めた。

というところで1巻は終わり。次巻へと続きます。

早く続きが読みたい…!

あともう一点。
タイトルの「blanc」はフランス語で白いという意味らしいですが、そのblancにちなんでか表紙が白を基調にした絵柄なんです。

これがね…、めっちゃね…、

綺麗です!

中村先生のセンスを感じる表紙で、おかわり5回イケるなー、という素晴らしき表紙でした。

22

二人の瞬間(とき)が動き出す

中村明日美子先生の「同級生」続編作品です。

「20歳になったら…」二人が交わした約束
互いの薬指に光る2本の指輪
甘く柔らかな瞬間だった

すれ違いが多くなった現在
佐条と草壁が対峙する、これからに
「まっ白なんだ」
佐条の口からこぼれた言葉は、別れだった
ゆるくなった薬指の指輪は今の2人

互いに、すごい好きなのに

草壁を思い、身を退こうとする佐条
オトナになりきれない草壁
終わってしまうのか…

そんな矢先に届いた。佐条母の入院の知らせを受け
多忙な佐条を案じ、草壁はフォローを申しでる

また。ふたりの瞬間が動き出した

お前たちは恵まれている   ハラセンの言葉
めっちゃ幸せそうだったよ  宮村さんの言葉
作中のみんなも佐条と草壁を愛し、見守っている

草壁が「おしっ」と再び薬指に戻した指輪への思いに期待したいです。

再び、この物語の続きが読めて、とても幸せを感じつつ
これで終わってしまうのかな?と思うと、とても淋しい

私を含め、同級生から始まったこの物語は
たくさんの読者の皆さんも、草壁と佐条を愛していると思います。

タイトル「blanc」に込められた本当の意味は
次巻で答えがでることでしょう。

どうか、しあわせになってねと。エール!

欲を言うと、ハラセン×ソラノの未来も読みたいのですが

今はただ、blancを書いてくださった、中村先生に感謝いたします。

次巻につづく

16

試練は続く……

青春BLの金字塔『同級生』の続編です。
こちらは、シリーズ既読の方にしかおすすめしません。

〝blanc〟……意味は、フランス語で「白い」
これは、草壁との将来が見えなくなってしまった佐条の頭の中。
そして、白紙に戻ってしまった2人の関係。

……始まりから既に辛くて泣きました。
読まなきゃよかったとさえ思った。
別れを選んでしまった2人から始まる、新たな物語です。

「20歳になったら結婚してください」
読み始めて、真っ先にO.B.2巻のこのセリフを思い出しました。
そう言ったのは佐条で、大好き同士の2人は泣きたくなるほど幸せで……
その約束通り、20歳の誕生日に指輪を贈り合った2人。

自信がない佐条。
子どもで臆病な草壁。
20歳を過ぎても、何だかんだ理由をつけて養子縁組をしなかった2人。
指輪をもらい、「急がなくてもいい」と思う反面、佐条は不安を募らせたんだと思う。

「20歳になったら結婚する」という約束が、佐条の気持ちをグラつかせます。
なぜなら、この約束に一番縛られているのは佐条本人だから。

草壁に、「距離を置きたい」と告げた佐条の本心。
大好きで、幸せで……だからこそ不安で。
自分をネガテイブに捉えてしまった佐条は、〝逃げ出すほうが楽〟だと思ってしまったのでしょう。
そして、本当は草壁に拒否して欲しかったんじゃないかと思う。
指輪を返された時、もう名前で呼ぶなと言われた時……その時の佐条の絶望した顔が忘れられません。

女友達の宮本に気持ちを曝け出す佐条と、原に気持ちを見透かされる草壁。
この2人は周りに恵まれてると思う。
両思いの難しさを知っているからこその2人の言葉が胸に突き刺さります。

気持ちを入れ替えた2人を再び引き合わせたのは、佐条の母でした。
ステージIIIの癌(多分)である佐条の母の、身の回りのお世話を請け負った草壁。
落ち込む佐条にキスすることも、抱きしめることもできない事をもどかしく思っています。

今更メールひとつ、電話ひとつでドキドキする2人が感じているのは、「好きだ」という気持ち。
そして、離れた地でお互いへと想いを馳せてーー…というところで2巻に続きます。

2人の別れは、リスタートの合図であって欲しい。
今を乗り越える事でより絆は強くなり、信頼と愛情で結ばれた新しい関係を築いていけるはず。

キラキラした時期は過ぎてしまったのかもしれないけど、今しかできない恋もあると思う。
シリアスで辛いけど、その「今」を描いた素晴らしい作品です。

次こそ幸せに笑い合う2人が見たい。
草壁は、泣いて縋ってでも男を見せろ!
次巻に期待します!!

※特装版の小冊子は、もともと劇場版の来場者限定特典です。
2人の指輪の裏話で、リングの色やその意味も分かります。
こちら未読の方には、断然特装版をおすすめします!


15

次号が待ち遠しい(ノ_<。)

 再びBLの沼へハマるきっかけとなった「同級生」シリーズの続編!
コミック発売を、それはそれは楽しみに待っていました。

 そもそも"blanc"ってどんな意味なんだ?と調べてみたら、フランス語で「白い」って意味なんですね。
なるほどなぁなんて思った表紙。
白いベール越しのような佐条くんと舞い散る花びら。
白を基調としまくりの表紙ですね。


 卒業して3年。
遠距離恋愛でも気持ちを育てているのかと思っていたら、以外な方向に進もうとしている2人にえぇぇぇ〜〜Σ(゜Д゜)
1話目から驚愕でございました。

 佐条が言った「距離をおきたい」というのは、そのままの言葉で、"別れたい"という気持ちではなかったと思う。
ままならない不確かな現在、将来への不安、埋まらない距離。
疲れや不安が蓄積していたのかなぁ。

 苦しくてどうしようもない時、宮村さんみたいなステキな友人がいてくれてよかった。
でも、そんな友人関係も、今までの佐条が築き上げてきたものだよ〜(ノ_<。)


佐条のお母さんの病気のため、また連絡を取り合うようになる2人。

 谷くんに、言い募る草壁の姿は、あの日の自分に言いたかった言葉な訳で、胸アツです(*´∀`)
佐条が苦しい時、抱きしめる事できず、当たり前に頼ってもらえない歯痒さが悔しい草壁の姿がまたいいわー。
 ラインでの会話にドキドキしてる姿もかわいくて好き(^-^)
スマホの向こうで佐条もドキドキだったかな、と考えるだけで微笑ましくてにこにこしてしょうがない(*´∀`)

 いろんなところに、同級生だった頃のシーンがオーバーラップしていて、とても印象的でキラキラしてました。

 すでに別れを後悔している草壁と、別れてよかったはずだと自分に言い聞かせている佐条。
2人のこれからが、どうやってまた交わっていくのか、
真っ白な未来を、どんな風に歩んでいくのか、#2を楽しみに待ってます。

13

年相応のリアル

きっとこの作品を手に取った方は、同級生シリーズを愛してやまない方なのではないかなと思います。私もその1人です。
「同級生」が「卒業生」となり「O.B」へ。
真逆のタイプである草壁と佐条の淡い恋、青い恋。
ゆっくりと少しずつ関係を深めていく2人の恋と青春が描かれていた今までのシリーズですが、今作はさらにその後のお話。
佐条が大学3年生とのことなので、20歳または21歳になろうとしている彼らならではの"リアル"が描かれていました。

中村明日美子先生の描かれる漫画って、美麗で繊細な画はもちろん、登場人物達の心理描写、惹きつけられる独特のコマ割りやモノローグなど、中村先生にしか描けない魅力がいっぱい。
どれも非常に魅力的なのですが、個人的には「変化」を描くのが本当にお上手な作家様だなと感じます。
草壁と佐条の「変化」を描くだけではなく、名前は登場していませんが、元同級生の谷と妻の「変化」、佐条の大学の同級生達の「変化」を織り混ぜて描いているのがとても上手い。

愛って、恋って難しい。
遠距離となると尚更です。
今までの2人って、どこか浮かれていたというか、真面目に恋をしているのだけれど…
なんというか、十代の若者の恋愛ならではの現実味のない幸せが溢れていたと思うんです。
「結婚」だったり「同じ苗字に」と言っていたり。
現実ではなく、目の前だけを見ていたというのかな。夢見ていた。
同級生〜O.Bまでは、そんな青さ溢れる恋愛だからこそのまぶしさだったり、良いものがあったんですよね。
しかしながら、それから月日が経って、あれだけ「20歳になったら」と言っていた2人が、いざ大人と呼ばれる年齢の20歳を迎えてみると変化していくものが沢山出て来るもので。
この大人になる数年の間で、無難に落ち着いてしまっていた部分だったり、言葉にして伝えなくても大丈夫だろうとお互いに思っていた部分もあったと思うんです。
指輪を贈り合った好き同士だということに甘えていたのかも。

佐条は、本当は養子縁組をしたかったんじゃないかな。
幸せだけれど、終わりがない、安心出来るかたちを欲していたように見えます。
けれど、今までのシリーズでも佐条は自身のセクシャリティに対して引け目を感じていたり、元々はヘテロセクシャルだったであろう草壁の人生を「こちら側」に引き込んでしまっていることに申し訳なさを感じては、自信がなかったり不安になっている様子が度々見受けられました。
一方の草壁は、不安を抱え込んでなかなか言葉に出来ない佐条と比べるとどこか楽観的だったような気がします。
あえて言わなくても大丈夫だろうというか、指輪を贈った仲だし大丈夫だろうというか。
きっと、佐条は予定をあけてまで草壁に会うのを楽しみにしていたと思うんです。
ただ、草壁はというと「あれ、この前会ったのいつだっけ」なんて、谷に名前を出されてようやく思い返している。
養子縁組に関しても、あれだけ結婚なんて言っていたものの、いざ20歳になってみたら、まだそこまでの覚悟が出来ていなかったのではないでしょうか。
年相応の情けなさや臆病さが見えて、すごく人間味があるなと。

2人とも、不安も希望も顔を合わせて言葉にするだけでかなり違うものになっていたと思うのですが、それがこれまた難しい。
どちらも好き同士だからこそ、読んでいてすごくすごくもどかしいです。
中村先生の心理描写が本当に上手い。
すれ違い、お互いの言葉をよく聞かないまま1度距離を置いてしまった2人。
出逢って過ごしたあの時から、ずっと変わらずに感じているシンプルな「好き」の気持ちに改めて気付かせてくれたのは周囲の人々でした。
宮村さんと佐条のサシのみのシーンと、佐条の母と草壁のシーンがすごく好き。
草壁は音楽に対する好きの気持ちも見つめ直せたのかも。

1度離れてみたからこそ見えた、自分と相手についての気持ち。
これは必要なすれ違いだったのでしょう。
それがどんなかたちと言葉になるのか、2人の結末はどうなるのかを想像しつつ、次巻の発売を楽しみに待ちたいと思います。

ところで、あちこちに同級生〜O.Bからの繋がりが見え隠れして、ファンとしてはニヤリとしてしまうものがありました。
ハラセンだったり、城ノ崎くんだったり、宮村さんだったり、谷くんだったり。
特に、宮村さんに「もう少し髪を乾かした方が良かったのではないか」と言われるシーン。
O.B1巻の#2.5を思わず読み返したくなりますね。

10

待ってました!

同級生シリーズの新連載が決まった時から、単行本化されるこの時を待ちわびていました!

まず本の装丁の美しさに感激。特装版表紙の凹凸ニス加工の繊細さと、彼と目を合わせているであろう佐条の表情とが見事で、表紙を開いて扉の紙の素材やインクの色、紙の匂いにあ〜紙本最高!と本編を読む前から製本のこだわりを感じ、満たされます。

本編では、2人が重ねていく愛をまた覗き見させてもらえる事がとっても嬉しいです。
拝読致しましたが何を申し上げてもネタバレになってしまいそうなので、同級生シリーズを愛する方は是非お手に取っていただきたいですし、まだ読まれたことのない方は是非この機会に「同級生」から読み始めていただきたいです!

7

「20歳になったら──」を過ぎて、21歳になった彼等のリアル

数年前のとある雑誌のインタビューでこんなことを仰られていました。
「『同級生』シリーズで描きたかったことは、人それぞれいろんな生き方があって、どうやって生きても得るものはあるし、失うものもあるというところ」
だけれど、青春っぽいイメージが強い『同級生』ではそういった面は描かずに、
「主人公たちはこれから苦難が多くなるだろう、というところで終わっている」

ハッピーエンドで良かったね、おしまい。じゃなくて、この二人が大変なのはまさにこれからだろうな。でもきっとこの二人なら手を取り合って助け合って乗り越えていくのだろうな。と、そこまで思わせてくれる『卒業生 -春-』のラストシーンに鳥肌が立ちまくった私は、このインタビューがずっと心に残っていました。

そして今年ついに読めた、彼等のその先のお話。
時間軸は佐条が大学3年生の冬。作中ではっきりと描かれているわけではありませんが、草壁の誕生日が7/6、佐条の誕生日が10/28ですから、2人ともすでに「20歳」の1年間を過ぎて、21歳になっていると考えられます。
「20歳になったら結婚してください」と18歳の時に交わされた約束は、残念ながら叶っていません。
開いた1ページ目から真っ黒に塗り潰されたどんよりと暗い佐条のモノローグのコマから始まるchapter.1に覚悟を決めて読みました。

会う約束を交わさなくても毎日会える「学校」という場所で出逢った佐条と草壁。
卒業して、京都と東京で離れ離れになって、それでもあの日佐条から口にした「20歳になったら──」という約束が佐条に魔法をかけていた。
だけど「20歳」が過ぎ去って、佐条にかかっていた魔法も解けてしまった。
浮かれた夢から覚めた佐条に急速に襲いかかってくるのは生々しい不安ばかり。
元来の佐条は卑屈で後ろ向きな性格で、それをすくい上げていたのは草壁の存在だからこそ、そこが崩れてしまうともう目も当てられないほどに佐条が脆い。。
で、そんな佐条をあの10代の若さゆえのエネルギーで掬い上げられた時ほど、もう草壁もコドモじゃない。

無敵の10代を卒業してしまった彼等の「現実」が、読者の目も覚ます勢いで描かれていきます。
あのキラキラと眩しかった彼等のその後のこんなどんよりとしたお話、読みたくない!読みたくないよー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)という気持ちになりながら読みました。
でもその一方で、彼等の「幸せな未来」が単なる絵に描いた餅でなくす作業と言ってもいいようなストーリーにも感じられて。
確実な幸せを君達にあげるからね!って作者の愛を感じながら読み進めました。

タイトルの「blanc」にはどんな意味が込めてあるのかな。
私が本作を読みながら浮かべたキーワードは「未来」でした。
未来はまだ「真っ白」な「空白」で、そこに何かが描かれたり築かれたりしたらそれは「過去」になって、その空白じゃなくなったページがどんどん増えていくのが「人生」じゃん?
だから未来は白くていいんだよ、みんなそうなんだよ、なんてふうに思いながら、この「blanc」というタイトルを私は今眺めています。
明日美子先生はどんな意味を込められたのか、その答えを楽しみに1ヶ月待ちたいです。

7

恍惚

本屋で積まれてるのを見て、「本当に続編?!」「本当にあの2人の続きを見ることができるの?!」と、とても驚いて、目を疑いました。調べてみると本当に続編らしく…買うしかなかったですよね。
開いた瞬間から、あ〜同級生だ〜って思って、懐かしい気持ちで、ブワッとしちゃいました。
初めて同級生を読んだとき思った、きっとみんな思ったあの気持ちをまた感じることができると思います。がんばれ頑張れ!ちがう!ちがうよ〜もう〜好きなんでしょ??も〜う〜みたいなね、あのドキドキとときめき…。私の心はこんなにもうるさいのに、2人は、物語はとっても静かで、繊細なのが不思議です…。
続きが楽しみで仕方がない!!!!!!
みんな買ってね!!!!!!
まだ同級生読んだことない人も読んでみてください!!!!!
これは全腐女子のバイブルでしょうからね!!

7

ただただ感謝……

同級生の続編が読めるだけでも中村先生に感謝しかありません。

内容ですが、絶賛をしているみなさんの言う通り、言葉にならないくらい素晴らしいです。コマの一つ一つに感情を揺さぶられてしまいました。
大人になってわからなかったこと、わかったこと……彼らが大人になっていく過程を見せていただけて、涙涙です。
あと、ハラセンと宮村さんがいい味出してます。
今月に#2が出ますので、一気読みでもいいですが、売っていたら特装版を買って欲しいです。

5

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