バイバイ、センチメンタル 3

bye bye sentimental

バイバイ、センチメンタル 3
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神23
  • 萌×27
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
152
評価数
34
平均
4.5 / 5
神率
67.6%
著者
波真田かもめ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
集英社
レーベル
集英社ガールズコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784088552231

あらすじ

好きなのに一緒にいるのがつらいなんて大学4年生になり、就職活動を始めた温(おん)。だが、うまくいかず焦る毎日。一方、美容学校に通うため、アルバイトを増やして忙しいつばさ。夢に向かっていくつばさに、温は嫉妬、2人の間にすれ違いが生まれてきて…。ついに最終巻!! 温とつばさのカップルの未来は!?

表題作バイバイ、センチメンタル 3

大学4年生→サラリーマン3年目,22→25歳
フリーター→美容専門学生,22→25歳

同時収録作品甘い手

社会人
宮城の元家庭教師

その他の収録作品

  • ハッピーデイズ(描き下ろし)
  • カバー下(キャラクター紹介)

レビュー投稿数6

痛いほどわかるよー!

とうとう終わってしまうのかぁと思いながら
読み出した3巻。

温ちゃんの就活、つばさの進学
ここから先は人それぞれの人生になっていくような。
急に拓けたところに放り出された感じの不安感。
がんばれがんばれって祈るような気持ちで読んでました。ほんと今時の就活って大変なんだなーなんて思ったりもして。

相変わらず、心象風景のように読んでるこちらを引き込む先生の作品。
とてもカロリーは高いけど、共感力が増すんですよね。じっくり読んでしみじみ味わうのが好きなので、すごく良くて。

温ちゃんのモノローグが今回はいつも以上に刺さりました。特に1話毎のラストで呟かれるひとことが痛いほど分かりすぎて。
世代も何もかも違うけど、分かるよー!
ここまで連れてきてくれた先生のおかげで肌で感じるよ。

現実の厳しさに晒された2人の気持ちの震え。
モダモダとかじゃなくて、フラフラと揺れて近付いても、当たったところが痛くて堪らず離れたくなっちゃうような切なさ。
是非読んでみて欲しいです。

また、タイトルがここにきて効いてくるんですよね。ほんと切ないです

見えない先が見えるようになるところまで
進もうとする2人が眩しい!
とっても良かったです〜

FFさんと話してたんですけど、
同じ時期に、スモークブルーも描いてるんですよね。親子ほど離れてる2組を描かれるって…
すごいなぁ。
これからも、先生の描く作品が楽しみです〜

3

不器用な恋が未熟から成熟へ

温×つばさ


温とつばさの成長模様が、
まさに『バイバイ、センチメンタル 』に込められているの最終巻。

好きな人との不器用な接し方、
就職活動、夢への追求、家庭関係の複雑さという
青春期特有の悩みや、
恋の気持ちの乱高下を乗り越えていって、
センチメンタルな感情をバイバイして、
2人が一緒に新たな人生のステージへと進む素晴らしさが感じられる。

繊細で落ち着いたトーンでありながら、
恋する高校生から大人に至るまでの、
未熟さゆえに手探りに翻弄されてしまった、
好きだからの葛藤や、
成長の苦悩が鮮烈に伝わってきて、
それらから生まれた2人の愛情の愛しさに心をグッと捉えられ、
波真田かもめ先生の才能に圧倒された。


平凡な大学4年生の温が、
美容学校を目指すつばさの強さに刺激される一方で、
つばさも温と一緒にいることで焦りを抱かせる原因になるのでしょう。
すれ違いばかりの2人、なんでこんなにも通じ合えないのかな?もどかしさが胸をえぐる。
夢と現実の狭間で揺れ動く2人の心情にはとても共感できる。

2人がちょっとずつ大人の世界に足を踏み入れている間に、
一途な愛情の純粋さが変わらない上に、
お互いがお互いに向き合う自信を養うきっかけになると思う。

高校生がまだ知らないことだらけで、
大学生になっても不安や揺らぎ、ぎこちなさやすれ違いがあったりする。
大人になることにつれて、経験から落ち着いた思考を持てるようになって、
離れて過ごす時間があるからこそ、
お互いを理解し合い、受け入れ合うことができる。
やっぱり、成熟した愛情は時間が育てるものだと感心してしまう。

学生時代のほろ苦い恋心から、
大人の深い甘さの愛への移行の過程が見事に描かれて、
読み手の感情にも訴えかける、
青春の切なさと甘酸っぱさを思い巡らせる素敵な作品でした。



・コミコミスタジオ限定特典描き下ろし8P小冊子
描き下ろし漫画6P:
本編第15話の、2人がホテルに入る前と入った後のエピソード。

2

センチメンタルにさよならを

いくら好きだ好きだと言ったって、人の心模様というのは晴れの日もあれば雨の日もある。
波真田先生はそういう微妙なニュアンスを描くのが本当に上手い作家さんだなと思うのです。

「バイバイ、センチメンタル」もついに最終巻。
1巻ではまだ学生だった温とつばさたち。楽しいことばかりではない、時にほんのり苦い大人の階段を年若い彼らが少しずつ登っていく姿が非常に丁寧に、とても現実的に描かれていて、ああこんなことあったなあなんて自分の経験と重なるものを感じた方も少なくないのではないでしょうか?

大好きなのに相手を思いやる心の余裕がなかったり、相手を丸ごと包み込めるような器も持っていない。
ぼんやりと今後どうなりたいのかを考えてみても簡単には上手くはいかず、未来もなかなかはっきりとは見えない日々。
誰しもがきっと大小問わず経験することなのだろうけれど、そんな自分が情けなく悔しい。
ままならない気持ちに共感を覚えながら追っていくと、まさにセンチメンタルな気分になります。
トントンと真っ直ぐに上手くいく恋ももちろん素敵です。
けれど今作は、曲がりくねった道を試行錯誤しながらゆっくりゆっくりと歩いて登って、時には傷付けてしまったり、すれ違うことも経験したからこその未来が良くって。
じんわりと沁みる良さというのかな。
センチメンタルな気持ちを抱えて抱えて、最後に自然とさよならが出来るストーリー展開が好きでした。

10代の終わりから社会に出るまでの、あの複雑で曖昧な時期のぐちゃぐちゃとした感情にさよならを。
そして「これからもよろしくね」が言える関係性に変わっていく。
あんなこともあったよねなんて思い返しながら、未来で笑い合える2人になればいいなあ。
人の人生の1ページを切り取って、少しだけ覗かせてもらっている感覚になる素敵な作品です。
断片的に語られている宮城たちのお話ももっと読みたいな。

2

日常の描写が秀逸

波真田先生の描くお話は優しいお話が多い印象なのですが、こちらはちょっと過去の辛い思い出があったり、二人が離れたりしんどいところもあるのですが、それでも根底には優しさがあるなと感じられて、大好きな作品です。
温とつばさは互いに相手のことを想っているんだけど、現実は厳しくて。
それでもやっぱり忘れることも出来なくて。
そして月日が経ってまた再会。
やっぱり、収まるべきところに収まる。離れていた期間があるからお互いの大切さが改めてわかったのかも。
繊細な心の動きだったり、表情だったりが丁寧に描かれているので、3巻で完結したのでこの機会に是非。

0

大人になる苦しみと楽しさ

社会人になるってメンタル的に大変ですよね。
自分のことでいっぱいいっぱいで余裕がなくなる。
温のように平凡で特に秀でたものがないと自覚している人はそれを突きつけられてへこんでしまう。
(その就活や就職すらできない人間もごまんといるけれども)
でもマジメだから地元で就職してちゃんと働くし、ずっとつばさのことを思っている。
つばさもマジメだから母と同居して美容師になる夢に向かってがんばってる。
そんな2人が再会して、気持ちを伝え合えてよかったよかった。
温は自分に自信を持てないけどつばさだけ大事なのは存在だと離れていた期間にずっと思っていた。
「温ちゃん」と呼ぶ声やキスをいつも思っていた。この描写がとても好きです。
平凡な2人かもだけど、日常をしっかり生きて、大切な人と共に暮らせて、立派だししあわせだなと思います。

波真田先生が描く日常がステキなのは五感の表現が秀逸だからですよね。
あと舞台となる環境(土地や町、建物、周囲の人、自然)の空気感が扉絵や引きの絵で伝わる。
時間の流れを季節で表現する。
リアリティある環境で人物の衣食住が丁寧に描かれる。
それらをベースに生きている人物が恋をする。
だから魅せられるんだと思います。

0

迷ったけど…

1巻で神にして2巻で萌2にし完結の3巻では萌にしてしまいました。あのモラトリアムと言える期間を過ごす若者の不安定さ、ままならない状況に相手を傷付けずにおられぬ理不尽さ、自分の過去を追体験するような秀逸さがある作品でした。

ただ、素晴らしいことは分かるのですが相変わらず情け無い温の行動に嫌悪感を持ってしまい、最後まで読むのが苦痛に感じでしまいました。

辛い状況故に悲劇の中にいるのは自分だけだと感じてしまい、大事な人を思いやれなくなって心が離れてしまう。まあ、恋人に限らず友人間でも良くあることだと思います。

でもその後に行動に移さないまま時が過ぎていたのに呆れました。巻数が上がるたびに温に対する好感度がダダ下がりでした。

その後再会してハッピーエンドを迎えていますが、気持ちが盛り上がるという事がありませんでした。
残念ながら自分の中で「おはようとおやすみとそのあとに」を超える作品にはなりませんでした。

1

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