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ano kisu wo tadotte
受けの孝汰がとても可愛い。少女漫画系じゃなくてシンプルに可愛い。顔や表情などのキャラデザやリアクションがとにかく可愛い。
中学時代、同級生の悪ノリで男同士でキスすることになった孝汰。「男同士のキスはノーカンだよな
」と言いながらも躊躇う孝汰に、根暗メガネの千鶴からキスされて顔真っ赤にして涙流しちゃう。
以降、同級生たちに揶揄われるわ、千鶴は転校しちゃうわで恋愛ごとにネガティブになってしまった孝汰。
顔見知りのいない土地に就職するも、インターンとしてやってきた男が、トラウマの原因となったあの千鶴。飲み会でまた千鶴にキスをされた孝汰は、俺を恨んでるからだ、と勘違いして……という入り。
攻めの千鶴が、「孝汰が俺のした事で泣いたのが可愛い。俺で感情動かされたのがグッとくる」ってめちゃくちゃ溺愛してるのが最高。
初エッチもすごく可愛い。可愛い祭り。
初めましての作家さんでした。初単行本発売おめでとうございます!
綺麗でかわいらしい絵柄と表情豊かなキャラクターたち。
喜怒哀楽がよく分かるというか、どの人もいきいきとしていてすごく魅力的です。
ひと夏のアルバイトをしに来た大学生×ゲストハウスに勤務する青年による、中学校の同級生同士の再会もの。
タイトルにもあるように、過去のトラウマとキスにまつわるエピソードから展開していくお話でした。
雰囲気とテンポも良く、すっきりと読みやすかったです。
中学時代に同級生達から囃し立てられ、罰ゲームでキスをすることになった千鶴と孝汰。
孝汰はその1回のキスで自分が同性に恋愛感情を持つゲイなんだということを自覚してしまうんですね。
まさか自分が?と思わず涙を流すと、周囲から茶化される上にその後もいじられ…なんとも苦いトラウマと化しています。
ただ、孝汰にとっては長年のトラウマになってしまっていたあのキスが、千鶴にとっては全く異なるものだったというのがこのお話のミソかなと思います。
当時はあんなに無表情だった千鶴が、まるで別人のような気さくで明るい青年となって孝汰の勤務先に現れて戸惑う孝汰。
「罰ゲーム」でキスをした千鶴は途中で中学を転校してしまい、自分のせいで転校したのでは?恨んでいるのでは?と孝汰はずっと思っていたのだけれど、そうではなくて。
当時、星のない暗い世界で生きていた千鶴にとっては孝汰が見せた涙は特別なものだったと。
同じものを見たはずなのに感じ方が違っていた過去の出来事。2人で過去と苦しさを共有してお互いを救済して分かり合っていく。
読み終えてそんな印象を受けましたが、やや重い過去があるというのに決して重苦しい空気にはならないのが不思議でした。
孝汰の心情が切なくはありつつも、なんでしょうね…ほのぼのとかわいいとときめきが良いバランスなんです。
お互いのことを否定しないやさしい人たちだったことと、千鶴のキャラクターがパッと朗らかなのが大きかったのかも。
にこやかな中に執着攻めっぽさを感じる部分もあって、なんだかそこも良かったです。
そして、作中に何回かキスシーンがあってですね、あの、ちょっと…その中のひとつのキスが不意打ちでツボにハマってしまって、こ、こんなのずるない…?の気持ちでいっぱいです。
普通にキスをするよりも変な気持ちになりました。読み手がこうなるのだから受けの心境やいかに。
助演男優賞は攻めの右手です。
後半に行く連れて甘みがじわ〜っと増していくのも良い味付けで、初々しくもかわいらしいこの2人の今後を追いかけたくなりました。
きっと孝汰はこれから千鶴にまるっと包み込むように溺愛されていくんじゃないかな。
素直に好きだと言える相手がいるって素晴らしいことだよねと思える、やさしい読後感が広がる素敵なお話でした。次回作も楽しみです!
孝汰が働くゲストハウスに夏休みの短期バイトとしてやってきた大学生の千鶴。
ふたりは中学時代の同級生でその頃に苦い思い出がある孝汰にとっては二度と会いたくない相手だったけれど、千鶴は孝汰に会いたくて仕方なかった様子。
再会した時は相手への印象が正反対なふたりが、一緒に過ごしていく中でそれぞれに抱えてきた気持ちを明かしていくような展開になっていました。
中学の時に周りから千鶴とキスをしろと囃し立てられ、騒がしい男子たちの目の前で冷たい眼差しのままキスをされて。
その時自分がゲイだと自覚した孝汰はその出来事がトラウマとなり、千鶴にも嫌な思いをさせてしまったと思い込んでいるのでずっと苦しんでいたわけです。
でも千鶴は再会したあとグイグイ近付いたりいきなりキスしたり、過去のことなんてなかったように振る舞うので孝汰は戸惑ってしまうけれど。
千鶴がゲストハウスへやってきた理由や、中学時代のキスをどう捉えていたか?という部分が少しずつわかっていくと
ひとりで秘密を抱えていた孝汰の心が解れていくのがわかって一安心。
そして孝汰に寄り添う千鶴の優しさが本当にあたたかくて、ものすごくほっこりしました。
お互いに忘れられない存在だった相手と長い時間をかけて両想いになるという、奇跡みたいな結末が待っていてくれて本当に良かったなと思いました。
佐巻孝汰(受)は、中学生時代に罰ゲームでクラスメイトの陰キャ・井上千鶴とキスをしてしまう。
このキスによって、孝汰は自分がゲイであると初めて自覚し、それ以降周囲からのいじりやからかいに内心傷つき続け、地元を離れる。
そんな二人が大人になって再会してからのお話です。
多分この作者さんにとって初めてのBL単行本だと思うのですが、絵も綺麗で上手いし、キャラクターも個性があり、テンポも良いです。
ただ、孝汰の心情が少しわかりづらいというか、「え、そういう感じだったっけ?」となる場面もあります。
キスによって孝汰は「俺ってゲイなんだ」と自覚したとは思うのですが、いつの間にかそれが終盤になると「あのキスによって、(千鶴への)恋心を知った」みたいな感じに変わっている。
当時クラスメイトという以外何の接点もなく、孝汰が千鶴に対して何かしらの思いを抱いていたという描写はありません。
なのになぜいきなり恋心?となってしまいました。
そこをもっと掘り下げて描かれていると良かったなと思います。
とはいえ、初めての単行本と考えると、また次の作品を読んでみたいと思える作者さんでした。
中学生の時に罰ゲームとして友達にキスをさせられた孝汰と千鶴。そんな2人が時を経てとある年の夏休みに再会する物語です。
まずとにかく表紙含めカラーイラストが綺麗!鮮やかな色遣いとか綺麗な背景とかすごく目を惹きました。
真面目なトーンで話が進むと重くなりそうな話題が主軸ですが、特に千鶴のテンションが想像以上にコメディよりで全体的に明るい作品です!千鶴は積極的に孝汰にアピールしていきますが、ここぞという時にちょっとふざけた雰囲気にするのでかっこいい!萌え!というよりは可愛い〜若い男の子がいちゃこらしてるわ〜ぐらいのふんわりと見守る目線になります。
とはいえ、どんなに一時の悪ふざけであっても思春期真っ盛りの自分の恋愛観をズタズタに傷つけられ怯えてしまった孝汰にとって軽い感じを装って、でもまっすぐに想いを伝えてくれる千鶴はぴったりだっただろうなぁと。
ライトめなBLでとにかくほっこりする1冊でした!