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ryuutei heika no ichizu sugiru dekiai
釘宮さんの新刊は、非常に釘宮先生らしい、と言っていいでしょう。ファンタジーものです。異世界トリップもの。
が、異世界トリップ、という部分だけがクローズアップされているお話ではなく、複雑にいろいろなファンタジー要素が盛り込まれていて、一つの物語としての完成度が非常に高い、読み応えたっぷりな1冊でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
10歳の珠莉は、気づいたとき自分が怪我を負って倒れていることを認識する。けれどその場所がどこなのか、自分がなぜ「ここ」にいるのか、けがをした理由は、といった詳細が思い出せない。このままでは自分は死んでしまうのではないか。そんな恐怖に見舞われたとき、一人の女性が自分をのぞき込んでいることに気づく。
が、その女性は自分を救出する意思はなさそうであった。
声を出そうにも出せず、恐慌に陥ってしまう珠莉だったが、すぐに一人の自分と同じくらいの少年に助け出されることに。言葉は全く通じず、大怪我をしていた珠莉は、そのまま気を失ってしまうがー。
というお話。
珠莉を助けてくれたのは大国・劉華国の皇太子である紫冰だった。
その後手厚い治療を受け、珠莉は順調に回復していく。が、言葉は通じない、自分がどこから来たかもわからない、そんな珠莉に、紫冰は「珠月」という名を付け大切にしてくれて…?
異世界トリップものですが、それだけではなく紫冰が特殊な能力を持っていること、紫冰が使役する竜がいること、などファンタジー要素モリモリのお話です。それが上手にミックスされ紡がれていくストーリーで、読んでいてどうなるのか気になってページをめくる手が止められない。
紫冰は珠月と出会ったときは皇太子でしたが、その後すぐに紫冰の父親が崩御したことで若き皇帝へと身分を変える。皇帝になるべくしてなった、そんな能力の持ち主の紫冰ですが、その高貴な身分ゆえに、彼は常に命を狙われていたり正妻になろうとする勢力とのやり取りに見舞われている。そんな彼の癒しが、珠月であったのだろうと。珠月に執着し、手元に置いておきたいという紫冰の想いがきちんと見えてきます。
そして、珠月の方も。
言葉も何もわからなかった珠月を、なにくれとなく助け、今もずっと手元に置いてくれている紫冰のために、何でもしたい。そんな彼の健気さがとにかく可愛いのです。
紫冰は身分も高いですが、身体的な能力もかなり高く自分の身は自分で守れるくらいの特殊な能力も持ち合わせています。そんな紫冰の命を狙うのは、いったい誰なのかー。
周囲の人たちも巻き込み、そこに珠月がトリップしてきた理由や紫冰×珠月の恋の行方もきちんと描かれているのでめちゃめちゃ面白い。二人の恋の行方、というかお互いの恋心については全く危惧せず読み進めることができます。二人の想いは駄々洩れなので。ストーリーの根っこはBLではありますが、それだけではないので最後の最後までハラハラし通しでした。
紫冰と珠月、二人を追い込む勢力もありますが、反対に二人を守ろうとする人たちも多いので、雰囲気としては殺伐とはしておらずシリアスベースではないので読みやすいのも高ポイントでした。
で。
珠月がトリップしてしまった世界ですが、なんちゃって中華っていうんですかね。なんとなく中華っぽいんですが、これを笠井さんが描いてくださっているという眼福さよ。美しいです。中華風の衣類、長い髪、見目麗しい紫冰と珠月。
思わずジャケ買いしてしまいそうな美麗表紙ですが、この表紙の世界観そのままに、ストーリーも挿絵も紡がれていくので、表紙でビビッときた腐姐さま、どうぞそのままレジへゴー!でございます。
恋の成就、という部分よりは闘いとか、あるいは紫冰×珠月の相手を想う愛情、周囲の人たちと築ていく信頼と友情、といった部分の方がメインなので、甘々なお話を読みたい方にはやや不向きか。
けれど、めちゃめちゃ面白い1冊でした。
キャラ良し、ストーリー良し、挿絵良しの文句なしの神作品でした。
皇帝と溺愛の掛け合わせって、なぜこんなにもしっくりくるんでしょう。しかも中華ファンタジーという大きな舞台まで用意されてるとあれば、それに比例して溺愛の度合いも増し増しです。溺愛に溺れ倒されたい私みたいなヤツにとっては至極堪りません。
トップオブトップの権力者から一途に溺愛されるストーリーは割とよく目にするしたくさん読んできましたが、この王道な感じはどこか安心しますね。実際に読んでみても、はい。間違いのないストーリーでした。好きなヤツです( ´▽`)
スパダリ過ぎる皇帝
美しい側近を囲い込み→自分だけが独占したい欲望
表立って"好き"や"愛してる"の言葉を言わないし、言えない微妙な関係の2人ですが、このモダつきの裏でお互い強く想い合ってるのが、これから成就するであろう結末への期待感を増大させます。
皇帝の紫冰と、異世界からきた青年で紫冰の側近官である珠月の恋は、周囲の思惑とは裏腹に純情路線です。超がつくスパダリ紫冰であっても、恋を前にすると嫉妬したり臆病になったりと弱い一面を覗かせます。(この落差がいいんだ♪)
閨事は珠月しか指名せず、珠月を抱きまくっている…と思われていますがそれは建前。添い寝で終わらせる我慢と忍耐の男でもあります。
その背景には紫冰側の思惑、珠月側の思惑があってですね、2人が公にそういう関係だと知らしめるきっかけにはなったのは良いけど、それが結果2人の恋愛の足止めになっているところは、あちゃちゃーって感じ…。
誤解が誤解を生む2人の恋愛は多少の焦ったさもありますが、そこは紫冰の強い溺愛がうまくカバーしてくれて逆にニヤニヤしちゃいました。溺愛は胸痛の良薬なり。
……とまあ、恋愛方面では堅実な2人。温かく見守っていて下さい。
そして恋愛とは別に、シリアス・事件も巻き起こりますが、これもまた見応えある展開へと進み面白かったです。中華王宮らしい陰謀と闇の部分が垣間見えるストーリーと、翼竜と妖術のバチバチバトルといったファンタジー要素が見事に絡み合い、見せ場ド満載。
珠月が狙われ紫冰が助けに…なんていうお約束な状況だけど、2人の愛情の確認という意味ではこれ以上ないほどのシチュエーションです。話の盛り上がり具合や、事件に繋がったヒール事情も併せて楽しめました。
異世界人として奇異な存在になりがちな珠月の周囲には、アンチもいるけど味方も多く嫌な気分にならずに読めたのは良かったです。珠月の頑張りや能力がきちんと評価され、無理やり不憫方面に追いやられなくてホッ…。溺愛に浸らせてくれて嬉しい作品でした。
珠月の視点で進む話でありながら紫冰の気持ちも手に取るように分かる物語運びです。周囲の親しい者たちにしても、2人の関係を温かく見守るアットホーム感が心地よかったです。
皇帝のダダ漏れな寵愛ストーリーを楽しみたい方にオススメしたい一冊です♪
どんな時にも受けに対する愛情が変わらない攻めが大好物なんです。そういう意味ではこのお話は間違いなく私の中で神評価でした。そして笠井あゆみ先生の絵がまた素晴らしかったです。
もうタイトルそのままの内容で攻めの愛情に対して心配する必要のないお話でした。紫冰の珠月の為の言動にニマニマしながら読み進めました。
とある珠月のついた嘘によってずっと2人の間には齟齬が生じてしまうんですが、お互いに思い合っているのが分かるだけにこれがとても焦ったいんです。その事でついつい嫉妬してしまう紫冰になんて可愛い攻めなんだろうと萌え滾りました。
このままイチャイチャだけで進むのかしらと疑問を持ち始めたところで、珠月の存在が広く知れ渡ってしまった事で彼に悪意を持つものがチラつき始めるんです。
珠月の周りが彼に好意的な者ばかりなので何となく黒幕は絞られてくるのですが、その者の余りの愚かさに最後はちょっと驚きよりも呆れてしまいました。
ここら辺の出来事が唐突過ぎてちょっとツッコミを入れたくなったりはしましたが、紫冰の珠月に対する愛情と執着はブレなかったので個人的に大満足で高評価にしました。だって読んでて楽しかったんですもの。www
とある人物の正体がハッキリとは書かれてなかったのですが、何となく察せられたのが面白いと思いました。
あああ〜…!溺愛大好き人にはたまらない一作でした!!✨
まず、笠井あゆみ先生の挿絵の素晴らしさよ…!
表紙と口絵だけで胸いっぱいになるほど。
釘宮先生の紡ぎ出す中華風ファンタジーの世界観に見事にマッチしていて、感嘆のため息が出ちゃいます。。
口絵の子竜ちゃんたちが可愛すぎて可愛すぎて、夜中に文字通り悶絶しました。
中華風の世界に、異世界トリップ、思惑と陰謀が絡み合うのですが、根底にあるのはまさに「陛下の14年越しの一途な溺愛」。
8歳の時に、大怪我した状態で日本から異世界へトリップしてきた珠月。
何者かに連れ去られそうになっていたところを、皇帝陛下に見つけられ、助け出されます。
それから必死に言葉を学び、宮廷作法を学び、皇帝への想いを胸に秘めたまま毒見役として側に仕えてきたー
こんな健気で可愛くて美人な受け、好きになるしかないやつ…
傍から見ると、皇帝が珠月を溺愛しているのは一目瞭然だし、可愛い嫉妬なんかもしていて萌えまくるのですが、そこに気付かない珠月がただただ健気で可愛い。。
皇帝である紫冰は、自分が「側にいて欲しい」と言えばそれは立場上”命令”になってしまうから、、と、自分の気持ちをストレートに伝えることができないのですね。
珠月は閨のお役目係なのに、気持ちの確認ができるまで、一切手を出さない皇帝の我慢強さには拍手を送るしかありません。すごいわ、14年も。
俺様ではなく、あくまでも紳士的に珠月のことを第一に考える優しい優しいスパダリ皇帝、最高です✨
いやしかし、焦ったい…!
無事想いが通じ合った後も、最初から濃厚セッではなく、初めては抜き合いで終わりるところも、個人的な萌えポイントでした…
それから、繰り返しになりますが4匹の子竜ちゃん達の可愛さたるや。
珠月の弾く琴の音を心地良さそうに聴いている描写とか、挿絵がなくても脳内妄想で補完して、くううっとなります。
皇帝のお腹から飛び出てくる、というのもポイント。
な、なんか妄想がはかどっちゃう…可愛すぎじゃないか。。
異世界人が皇帝を誑かしているーと、命を狙われる珠月ですが、スパダリ皇帝陛下によって守られ、また皇帝の周りの人々も男女問わず優しいキャラが多く、安心して読み進めることができました。
溺愛ストーリーにとろっとろに浸りたい!という方にまさにピッタリの作品だと思います。
私にももちろん刺さりまくり、でした(うっとり)◎
独占欲強めの溺愛攻めが最高すぎて、終始ニヤニヤしてしまった釘宮先生の今回の新刊は、異世界中華溺愛BL。
ニヤニヤの理由としては、
①出会ったばかりの受けに、自ら国にあった名前を授ける
②身分差があるのに、常に自分のテリトリーに受けを置いておく
③自分の友人と受けが過去関係があった(実際は攻めを思って受けがついた嘘)ことを逐一気にして嫉妬する
④とにかく受けにはすべて甘い。どちらかというと過保護っぽい類に入りそうなくらい甘い
⑤最後の最後で、自分しか知らない受けの名前を閨で呼ぶ
嫉妬心の強い攻め大好きマン(まりあげはが)なので、最高に美味しく読むことができました。
そして個人的に当て馬にされかけていた脇役のいい男、雷淵がめちゃ好きでして。今回ビジュアルにはありませんでしたが、絶対彼カッコイイと思うし、性格も男前な攻めだと思うんですよね。彼の出てくるお話…もっと読みたいし、笠井先生のイラストで拝見してみたいなぁなんて…ヘヘッ
いつか彼がお目見えできることを楽しみにしております!!(先生と出版社様など関係各社への図々しいお願い)
皇帝 × 誰かに召喚された青年
珠莉(受け)は10歳の時、異世界から召喚されてきました。が、元いた世界の記憶がなく、時の皇帝が崩御したのと同じ時だったことで関連を疑われて命を狙われますが、次期皇帝の紫冰(攻め)に助けられ、珠月という名を与えられ、神廟で国のことや言葉を習い、今は紫冰の側近として宮殿に勤めています。
年頃の紫冰は降るような縁談に困っており、今は珠莉が防波堤になっていますが、いずれは妃を娶らねばなりません。
紫冰を慕う珠莉はどうなるのか、と話は進みます。
2人が両片思いなのが珠莉視点ですがありありと分かって、珠莉のことになると嫉妬心を丸出しにしている紫冰がとても楽しいです。
2人が両思いになるのも比較的早く、そちらの方は安心して読めますが、紫冰か珠莉のどちらかが狙われる事件は未だ続いており不穏のままです。
話は誰が狙われているのか犯人なのかというふうに進みますが、ふたりの関係ががっちり安定しているので悲壮感とかはなく、いつ危ない目にあうのかと心配しながら読みました。
最後の方で少しピンチはありますが、紫冰のおかげですぐ解決するので、安心して読めました。
犯人に対しては色々と思うところはあれど、彼らが動かなければ珠莉はこちらの世界に来てないので、結果オーライでしたね。
気持ちを隠さなくて良くなってからの紫冰の溺愛ぶりにはびっくりなので、自分の娘を妃にと思ってた人たちもきっと諦められたことでしょう。
たた、竜の使役のこととか祭司の皓燕のこととか言及されないままだったのでストーリーには関係ないけどすごく気になったので、話の中に説明あったら良かったな。
釘宮つかささん、待ってましたよ!しかもイラストが笠井さん!すみずみまできちんと描き込まれたイラスト、ありがとうございますっ!!
感想を。
本当に何様?なんですが、自分の好みに大きなエピソードがどれも惜しいんですよ…(汗)
あとちょっと〜だったら激萌だったのになあな連続でした。
攻めの心眼の使い方もとーーーっても良かったんですよ。でもそこへの持って行き方が…。なんだろう?結果的には攻めに美味しいんです。萌え所なんですけど、受けのうっかりさんなところや目的がなあ。せっかくの初エッチの舞台が…。
黒幕の、工エエェェ(´д`)ェェエエ工なところもなんだか…。もっと徹しろよ!と逆にツッコミたいというか。
受けの記憶が戻るのも、そんな原始的なやり方!?で。ならあの心眼プレイの日々は?
受けの前世も、もうお腹いっぱいなところに持ってこられてまだあったか…というか。
盛りだくさんなのにペース配分が惜しい。
前半の誤解部分を早めに解いてその分をその後に割いて欲しかったかな。
すみません、本当に何様のつもりだ?な感想で。
笠井先生挿絵なので購入。読みやすかったですが、さらっと読み終えてしまったので中立よりの萌にしました。本編240Pほど+あとがき。そんなに年下感は無かったですが、一応年下スパダリ攻めです。(忘れないうちに、皆さんご存じ、笠井先生のすばらしさを。カラー口絵の攻め受けの表情、衣装、アクセサリーがピカイチです。素晴らしい、ほんと拝見するたびに健康寿命伸びる心地です)
10歳の時、何も分からないままこの世界に突然現れた珠莉(しゅり)。当時皇太子だった紫冰(しひょう)に保護され、珠月と名前を与えられ、信頼され、異世界人としては異例の毒見役を仰せつかり・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
琳玉(攻めの姉)、梁岐(琳玉夫)、雷淵、天蔚、焔隼(攻めの側近等)、悪党少々ぐらい?小さい竜が出てきたか。
++好きだったところ
皇帝が、珠月のことを好きで好きで好きでしようがないんだけど、「側に居ろといったら命令になって本心がわからんじゃん」と悩むところが良かったです。心を見るという異能を持っているんですけど、見るのもできず。(さっさと見とけよ、と思うのもあるが)ああもう我慢ならん、と「口付けを許せ」と言って思いが通うんですけど、良かったなあ、ここ。思いがいっぱいになってあふれだすように、言葉になって勝手に口から出てしまうっていうように感じられて。
受けは表紙通り、攻め一筋美人さん。すっとこな所など一切なし。
まあくっつくまであれやこれやすったもんだされるので、こっちはじりじり楽しめます。あれこれ回収しきっているんだっけ?と思うところはありますが、まいっか、と最後までするする読めますので、なんちゃって中華が大丈夫な方でしたら良いのではと思う一冊でした。
見慣れない漢字表記にだいぶ苦戦しました。
最後まで、これ誰だっけ!?とページを行きつ戻りつ。
せめてもう少し易しい見慣れた漢字だったら…。
受け様は、竜帝陛下の私的側近の珠月。
怪我を負って倒れていた所を、当時皇太子だった紫冰に助けられ。
怪我をおう前の記憶がないけれど、どうやら異世界へ来てしまった事だけはわかる。
以来紫冰の保護の元、誠心誠意そばに仕えてきた。
もちろん、攻め様は現竜帝陛下である紫冰。
紫冰が、珠月を大切に大切に扱っていて、大変よい攻め様です。
囲い込むように自分の庇護下に置いて、誰にも見せないで、傷つけないようにしてきて。
でも、ちゃんと珠月の気持ちや尊厳は大事にしてるしね。
珠月の方も、紫冰は恩義だけでなく、敬愛する大切な人で、皇帝である彼の為にも自分の恋心はひっそりと秘めていて。
これ、傍から見れば両片思いなのは一目瞭然なのでは。
珠月の気持ちに気づかないなんて、恋をすると、やはり目が曇るものなんですねぇ。
珠月の周囲にいる人達は、皆、珠月を受け入れている優しい人ばかり。
もちろんこれは珠月の人柄やそれまでの努力によるもので、皆の優しさがとてもよかったです。
珠月の為に竜帝である紫冰に苦言を言ってくれる紫冰の側近達までいて。
珠月の危機には、紫冰が雷を降らせて助けに来るのも素敵。
紫冰が使役する小竜達は可愛いし。
珠月の本名、わざわざ変えなきゃいけない程違和感がある名前だとは思えなくって、しょっぱなからウーンと思ったりもしましたけどね。
黒幕の詰めの甘さに突っ込みたくなったりね。
でも、竜帝陛下の溺愛はしっかり堪能させて頂きました。