さよなら、モラトリアム。

sayonara, moratorium

さよなら、モラトリアム。
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×215
  • 萌13
  • 中立5
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
12
得点
169
評価数
52
平均
3.5 / 5
神率
25%
著者
犬野まげゆいし 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人uno!
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784801982109

あらすじ

一浪して入った大学で、同じく一浪の“ほたる”と出会った夢来。
同じ講義を受けていたのをきっかけに無二の親友となった2人だが、
ほたるは大学院を卒業後に就職。
一方の夢来は、留年を繰り返し怠惰な毎日を過ごしている。
実家を追い出された夢来は、ほたるのアパートに転がり込むが、
自分より先に大人になったほたるとの暮らしは
学生時代のように仲睦まじいものにはならなくて…。

「俺は今のほたるが嫌いだ」

“つまらない人間”になったほたるを受け入れられない夢来は、
ある日、泥酔したほたるにキスされたことで何かが切れてしまう。
「全部ほたるのせい」と自身に言い聞かせ、
勢いに任せてほたるを抱いてしまい…。


【収録作品】
さよなら、モラトリアム。1~5
描き下ろし

表題作さよなら、モラトリアム。

大学院生,27歳
会社員,27歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下:プロフィール

レビュー投稿数12

(ネタバレなし)モラトリアム特有の心理描写が素晴らしい…!

いきなり個人的な話ですが、私は学生時代に発達心理学を学んでいました。モラトリアム期の青年にはちょっとうるさい。そう、私はモラトリアムソムリエ(何言ってやがる)

結論、素晴らしい作品でした。
第一印象、攻めは一歩間違えばヒモとかニートになってしまいそうな、なかなかの危うさで。これが、漫画だからといって簡単には変わっていかない。変わろうとしない、変わりたくない攻めの心理描写がリアルで、読んでいて薄っぺらさを感じることがありませんでした。

あとは絵が息をのむような美しさで、表情もリアル。ページをめくる手を止めては「くっいい顔だ……」とじっと眺めてしまいました。濡れ場シーンなど、攻めや受けの熱やドキドキが伝わってくるみたいでした。

作者さまのデビューコミックスと伺い、完成度の高さにヒェ……となっています。これからも応援させていただきたいと思いました!

7

心理描写がよい

電子の試し以外、全て初読みの作者様です。商業誌は初コミックスでいらっしゃるようで、出版おめでとうございます。

横文字タイトルはちょっと苦手で、ひとまず調べた「モラトリアムとは?」→「大人になることへの猶予」で、読んだ作品です。

内容的にはタイトルがまさに!だったと思います。
きちんと(B)が(L)してますがヒューマン要素高めなお話でした。
「さよなら」に至る過程、子供から大人へというところに重きありで、お話はそこを中心に成長する姿が描かれています。
ちなみに成長は心理的な成長です。

心理(心の内)…って、一概に言えど上手く言葉には出来なかったり相手に伝えるとなると表現するには…と、悩みませんか(私だけかも…)?
本当に心理描写って手段は何であれ難しいと思うのですが、こちらの作品そこが凄いなーって思うほど上手く描かれていて驚きました。
表現はもとより細かい変化までしかも分かりやすくて素晴らしかったです。
人物の表情や行動で表現されている所もあるですが、セリフなどの言葉にもされていたので主要人物の考え・変化や「脱モラトリアム」ってこういう感じか!というのがスッと入ってきて良かったです。
分かりやすく細かい心理描写や変化が描かれていた分、成長していく主要人物の気持ちにも添いやすくストーリーに入り込めたように思います。

試し読みでは絵がキレイで気になりましたが、冒頭の内容だけではそこまでの購入意欲はなくて…(ごめんなさい)でも気になって…と購入。
百聞は一見に如かずですね。1冊丸々読んだら
「ほーっ、そうだったのかー」と納得&感服しちゃいました。

前半クズに思える(攻)も脱モラトリアムで成長に伴い脱クズになっていくのでキャラ的に嫌いじゃなかったです。
ラストは脱クズな(攻)と寛容な(受)もお似合いで相思相愛、2人が幸せになれて良かったです。
あわよくば、もうちょっとラブラブ見たかったなー。攻のチラついてたデレ増々で…。と、思ちゃいました。


読めて良かったなと思う作品でした。作者様の次の作品楽しみです。
百聞は一見に如かず。気になられている方いかがでしょうか?

2

すれ違いが痛い

夢来×はたる


最初からすれ違っている2人。
現実と理想のすれ違いだね。

大学生時代の2人の仲良い関係性が、
時間が経つにつれて、変わってしまった。
大学院留年して、理想の荒波に飲まれていく夢来。
社会人になって、現実で大人の階段を上っているほたる。
愛のないの体の関係から、
2人の友情が何かに変わり始めて、亀裂が入って、
夢来の好きから微妙な良い関係が保たれているけど、
ほたるは親友のままの気持ちで・・・なんとも言えず切ない。

2人の心理をリアルに描き出して、
両視点で進行するから、
愛情と執着の境界線に揺られる夢来の葛藤に心がギュッと絞られる感じで、
そんな夢来に対してどうしよもないほたるの複雑な心境に共感してしまう。

辛いけど、2人が向き合って順調に進む後半から、
光が差すラストがとても安心感を与えてくれる。


夢来、
大人になることを避けようとして、
彼にとってのほたるは、変わってほしくないかけがえのない存在。
だけどほたるが社会人として変わり続けている。
さらに2人の関係の変わりようについていけなくて、
ほたるのこと大好きで、
ある意味でほたるに依存してしまうというグロさも見え隠れしている。
自己欺瞞やほたるへの嫌悪・・・痛々しさが伝わってくる。

ほたる、
夢来のことが好きだから、
ほっとけないし、何でも許しを与える。
でも、鈍感で自分でもわからないこの恋心。
もどかしい感情が健気さの欠片だ。
独占欲や嫉妬がいつの間にか募っていて、
素直に夢来にぶつかっている様子がたまらない。

2人の筋肉の絡みが最高にイイ感じで、
愛のない八つ当たりみたいの行為、
ちょっぴり不安定での体の関係、
あまあまな愛の溢れるエッチ、
すべてが萌え心にズキューンと刺さる!

盲目的に昔だけに縋って、周りを見るさえ怖がる夢来。
そんな夢来を慎重に受け入れるほたるがいるこそ、
夢来が成長していくのだ。
2人がお互いに影響し合って、
ただならぬ感情にもがきながらも一歩ずつ前に進んでいく姿がキュン痛〜!
ずっと一緒にいたい気持ちから、
友情が恋に変化していく愛が、

愛おしさと尊さが感じられるのが最高でした。

4

心理描写が素晴らしい

初めての作家様でしたが、表紙もとても綺麗で目を惹きました。
中身の線やタッチも綺麗です。
これがデビューコミックスとは。。。すごすぎます!
内容もとても複雑な心理描写が絡み合って、ストーリーを重厚にしています。
読んでいて切なくなったり、かなり苦しく感じる描写もあり、これをデビューコミックスで描けるなんて、なんてすごい先生なんだ。。。

2人のすれ違いや執着、愛情と友情の狭間、相手を思えばこその切なさ、そして成長していく様も丁寧に描かれていて素敵な作品でした!!
ほたる、とても魅力的なキャラクターです。

2

迫り来る心理描写と親友の恋のリアル⁈

ぅわぁー…夢来(みらい)ヤなヤツだなぁ……(・д・)チッ
から第1話は始まりましたwww

ヤなヤツだけどお顔が大変宜しいのと、何より冒頭のカラー扉絵に完全にヤられた私はこの扉絵の2人に出会いたいが為に読み進みます‼(動機が不純…w)


読後の感想は・・・
「タイトルに偽りなし、ですね(*´ェ`*)フムフム」
でした~!

夢来がヤなヤツに思えたのも自分自身が既に遠い昔にさよならしてしまったモラトリアム期真っ最中の夢来への共感性羞恥を感じたから、いつもなら許せるクズテイストのメンズにヤなヤツ認定してしまったのかも知れません(>ω<)

さよならしていたと思えていた今の自分にも、周りを見た時や将来を考えた時に感じる焦燥感や疎外感ってやっぱりまだあったりするので、きっとそういう感情がリアルな描写だったからこその嫌悪感だったんじゃないかな、と思えました
それ位心理描写がお上手でした!!

なので夢来がモラトリアムからさよなら出来た後は大変甘やかで可愛らしい攻めさんへ変貌していくのをにんまり楽しむ事が出来ました♪偉いぞ、夢来⸜⸜٩( 'ω' )و //

ただ…これは私の主観なのですが、、、
ノンケ×ノンケ設定のBLって結構説得力が必要なハードル高めだと思っています…
実際ほたる(受け)も親友と恋人の境界線があやふやだったようですし。。。
とは言えキッチリ線引きが必要とも思っていないのですが、それでもこの相手だから「恋をした」という材料は欲しくってですね。。。
ヘテロの恋愛と変わらずノンケ同士でも葛藤などなく恋に落ちれるのか…?という点は今一つこの2人からは感じ取り切れなかった点はあります
ちゃんと、第三者の介入などで嫉妬からの気付きなども描写としてはあるのですが、、、どちらかと言うとセリフベースで「好き」を表現しているような気がしてしまい…
あれだけ夢来の渦巻く心理描写が見事だっただけにココの描写がアッサリだったなぁというのはやや引っかかってしまいました

恐らくほたるが世話焼きな包容力高めオカン男子に見えた事も、ほたるに男性性より女性性を感じてしまって、よりノンケ×ノンケの恋愛に見え難かった所かも知れません。。。
もし、ほたるに同性愛傾向があるような描写があればもっとすんなりこのキャラを受け入れられたかも知れないな……というのは感じました

この辺はきっと初読み作家さま故の私の読解力の不慣れはあったかも知れないです

でも、間違いなく2人共立派な男性で、、、
そんな2人の濡れ場は大変良き良きでした~
特に舌を絡めた描写が非常~にエロティックで好みど真ん中でございましたヨ♡
扉絵回収もバッチリでしたლ(´ڡ`ლ)

デビューコミックスとの事
これからが楽しみな作家さまです
デビュー、おめでとうございます!!!

修正|白抜き(シーモア)

2

デビューコミックス…すぎょい(←スゴすぎて噛んだ)

デビューコミックスおめでとうございます!!!
めっっちゃ待ってました!!!(よっ!←掛け声)
で、内容は、一浪して入学した大学で出会った受けと攻めが唯一無二の友達となり、数年後進路が分かれてしまったことで、同居しているにも関わらず立場が違うことですれ違ってしまい、、、というお話。

前半は攻め視点で物語が展開していくのが、まさにタイトル通りの「モラトリアム」だと思った。そして後半は、受け視点で話が進んでいくのだが、この交互視点によってそれぞれの想いや本音が露呈するのがとても良かった。

あと、バキバキな腹筋も最高だった(個人的に結構これポイント高かった! ニヤニヤ)
作品とは関係ないけど、「まげゆいし」っていう先生のお名前かわいいですよね(犬野先生、大変調子に乗って失礼いたしました。土下座)

ちなみに、「ふたり占め」も大好きだったので、次のお話も楽しみしかないです。

2

No Title

浪人しまくり攻めと先に"大人"になってしまった受けのお話。

攻めは学生時代のようにずっと2人でわいわい楽しく過ごせると思ってたんだけど、"大人"になったほたるは仕事に追われ、学生時代に2人でできていたこともできなくなっていく。そんなほたるの姿を見て、「こんな大人になるくらいなら今のままでいい」って思っちゃった夢来。すごくリアルだなぁっと。こういう考えの人ってものすごく多いと思う、みんなそうだよね… 共感できるところもあって、私もなんかつらかった…笑 他の方も仰っていますが、とにかく心理描写がリアルでした!
普段は、大企業のトップやら大富豪やら、受けを支えて包み込んでくれるような完璧な攻めが好きなんですけど、浪人しまくりで逆に受けに世話してもらってる全然完璧とは言えない夢来みたいな攻めもなんかいいなって思えた。抱きしめてあげたくなった^^

全然理解できないってほたるがはっきり言うところは笑っちゃった。ぶっちゃけ最後まで「浪人」し続ける理由が「社会に出て変わってしまったほたるのせい」のままなんじゃないかって思ってたから、ちゃんと気づけてよかった。

0

恐れずに向き合うこと

大学時代に知り合って意気投合、親友として数年過ごしてきた夢来とほたる。
そんなふたりのすれ違いや執着の中で、少しずつ変化していく気持ちと日常を描いたお話となっていました。

夢来のいる家にほたるが帰って来るシーンから始まるので一緒に暮らしているのかと思いきや、
社会人になったほたるの家に大学院を留年した夢来が転がり込むカタチで居候しているだけという、正式な同居ではないちょっぴり複雑な関係性。

ほたるが何を言っても聞く耳を持たない夢来はいつも諦めたような冷めたような表情をしているし、留年しまくりなのに大学に行かないと突っぱねるしで、この人は何がしたいの…?と思ってしまったところもあったけれど。
お話が進むにつれて彼の拗らせっぷりが顔を出し、めちゃくちゃ面倒くさい人だということが判明。
でも大真面目に面倒くさいことを考えてしまうくらいにほたるのことが大切で、そしてそんな気持ちになるのはなぜなのか?という部分をふたりでたくさんすれ違いながら見つけていく様子がとても人間くさくて素敵でした。

大人になることやずっと同じ場所には居られなことを誰もがすんなり受け入れられるわけではないんですよね。
日常を壊してしまいそうになったり遠回りしてみたり…そんな経験をした夢来は、誰よりも現実を見つめられる人になるのではないかなと思いました。

シリアスめなお話だったけれど、少しずつでもしっかり光が見えてくる感じがものすごく良かったです。
そして描き下ろしでサンダルを片足ずつわけっこしているシーン、ふたりの後ろ姿に幸せがにじみ出ているのが最高に好きでした…!
最後の最後にほっこりさせてもらえて嬉しかったです。

2

分かるけれども・・・!

自分自身と年齢が割と近い設定の2人のお話しなのですごく「分かる・・・!」と大きくうなずいてしまう所と、「分かるけれども・・・」と抗いたくなるような心理描写にリアリティさがありました

実際は夢来のように自由に(見える)振る舞える程自分には余裕も度胸もなかったなぁーと、夢来の焦燥感故のあの言動や行動も褒められたものではない筈ですが心のどこかでちょっと自分が出来なかった事をしてるなぁー…と羨ましくも思ってしまいました。。。

とても自分自身に重ねて読んでしまえるのが容易な位に抉った表現が響く所が多かったです
初めて読んだ先生の作品ですが凄かったです
そしてデビュー作と知り驚いています


ただBL的な所は少しほたるの気持ちが分かり難かったな、とは感じました
もし自分が夢来だったら自身の気持ちを自覚したとしたらほたるの存在はありがた過ぎて手放せないですし必死になると思います
でも、逆にほたるだったら夢来をどう思えるか?というのが。。。
あんなにほたるのように慈愛に満ちてもないですし忍耐力もないので受け入れられるのか、、、自信が持てませんでした

そんな所も結局夢来が羨ましいのかも知れません…w
みなさんのレビュー同様、心理描写は本当に上手いと思います
今回はその部分が上手過ぎて萌えにくかったのがあったので自分の評価は星3ですが作品のおすすめ度合いは星4でもいい位心理描写の読み応えはあるかと思います

あんまり自分自身を重ねて読んだりなどはしない方ですがうっかり自己投影して読んでしまう位リアルさを感じる描写に持って行かれました!
新感覚を味わいながら読めました

2

デビュー作でこのクオリティ

本当デビュー作ですか?と思うくらいに最近デビューの先生方多くないですか!こちらの先生の作品も本当に漫画が綺麗で読みやすかったです。しかも同い年の恋愛ではあるものの、圧倒的な社会での違い。初めこそ受けくんが悪いといったことを攻めくんが繰り返してましたが、最終的にはそうではなかったというのを後半で分かるように(分かったとかのくだりはあんまりはっきり描写はなかった)なり受けくんが好きだと言う気持ちにも気づけたことからハピエンに。ただ、気になったのが初めての合体の時にあまりにも挿入がスムーズだったので、そこだけ違和感ありました。普段から受けくんがそこを慣らしているようなタイプなら、違和感はなかったかもです。

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