褐色の年下フットマン(α)×冴えないおじさん伯爵(β?) 英国社交界身分差オメガバース

星屑のデビュタント

hoshikuzu no debutante

星屑のデビュタント
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×28
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
167
評価数
37
平均
4.5 / 5
神率
64.9%
著者
やん 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
メディアソフト
レーベル
Charles Comics
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784815502539

あらすじ

Ωが地位を高めていた19世紀英国。
社交シーズンになると、上流のαたちはΩの結婚相手を求めて奔走する。
セオドア・ドゥブルドクベールはβ。
伯爵という高い身分でありながら婚活には興味がなく、趣味の天文や読書をのんびり楽しんでいる。

セオドアは今期社交界にデビューする『デビュタント』・甥のエイディの付き添いとして儀式に参加することに。
そこでどういうわけかΩの発情期の症状を起こしてしまう。

名前も身分も知らない褐色の青年と、一夜を共にしてしまったセオドアは―。

表題作星屑のデビュタント

公爵家のフットマン
伯爵

同時収録作品運命の雄嫁さん

α,CEO
Ω,アルバイター

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下

レビュー投稿数7

なんてドラマチックで美しいオメガバース作品なんだ

社交界、貴族、オメガバース…何とも煌びやかな世界観にうっとりしちゃう作品でした。しかも、おっ!と思ったのがΩの地位。オメガバースといえば、Ωが虐げられる描写の作品が割と多いですが、これは逆。Ωの地位が高く持て囃されています。
なので、Ωは社交界でチヤホヤされるしモテモテでひくて数多なのです。

あーーこういうの待ってました!
バース差別でイヤな気持ちにならないっていうのが気持ちよく読める。それにとても絵が美しくて、ちょっとおとぎ話風な語りや背景効果もロマンチックでそそられます^ ^


この作品は「運命の番」がモチーフの作品。
とある社交界で出会った貴族伯爵と謎の男が一夜を共にすることからストーリーが大きく進んでいきます。
その一夜は、伯爵のセオドアがβからΩに転換した初めての発情期を伴ったもので、不可抗力な状況ではありますが、そのシチュエーションこそがまさに"運命"。
セオドアを抱いた謎のαは、金色の瞳の輝きと、胸に刻まれた星座のようなホクロの残像、そして薔薇の香りのフェロモンを残して姿を消すのです。

なんだかシンデレラが落としていったガラスの靴のようじゃないですか?(´∀`*)

はっきりとした顔も素性も分からないけど、あの日あの時出会った相手が運命の人なんだと。わずかな残像と香りは、その"運命"を導く究極のアイテムになっているのが、めっちゃロマンティックでした。


やんごとなき身分の貴族たちが集いし婚活パーティーも列を成す求婚アピールも、私のツボツボです!それまでβのおじさま伯爵のセオドアがΩに変異した途端に、ザワッ…ドヨッ…ソワソワ…と色めき立つαたちの反応が面白過ぎでした。
おとぎ話のような展開は"運命の番"だけによらず、他にもえぇ!?となる驚きの事実によってももたらされていきます。

2人が幸せになるステージしか用意されていない…!!最高…


描き下ろしも含め、多幸感に満ちた2人の世界にビッタビタに酔いしれました♪
熟成された大人のオメガバースかつ、芳醇でドラマチックなストーリーと高貴な世界が見事にマッチ。最後までドキドキ気分を楽しみました。
この作品は2話くらいまで単話追いしていましたが、一冊にまとまるまで続きは楽しみにとっておこうと思って我慢してたんですよー…やっと読めて嬉しいし、しかも内容もすんごい良かったです。
私の好みドンピシャ作品でした^ ^


でも1点だけ。
本編とは別に短編が1つ収録されていまして、同じオメガバース設定のお話ではありますがこちらは本編と比べるとそこそこ…って感じでした。それに本編と系統の違う短編は世界観崩れるっていうか…わたし的には違和感ありでした。

評価は、本編の「星屑のデビュタント」だけのもので付けたので「神」評価としました。

8

大好きやん先生

必ず作家買いしているやん先生の作品。今回は特にオメガバースものでストーリー重視でもあるのにえちしーんもしっかりとあり、とにかく今回もまた大人の恋愛を色濃く表してくれてて、本当に最高でした‍♀️
もちろんメインも大好きなんですが最後短編で入っている作品。実はこっちの方が個人的には受け攻め特に受けがタイプすぎて、こっちをまたメインにしたストーリーをまた計画した話が読みたいなと思いました
ただ受け攻めの名前の決め方からしてあれは短編のみで今後はないようなイメージがありましたので今後ああいう受けのやん先生の作品が見れるのを期待しております

1

社交界のルールと運命の番

表題作+同時収録の短編が1話。
9割は表題作なのでしっかり楽しめました。

オメガバースに社交界のルールが加わって面白いです。
例えば、
 ・結婚前のΩとαは二人きりになっちゃダメ
 ・Ω性の場合は家督を継げない
など貴族社会を保つために様々なルールが存在します。

Ω性は差別されずに蝶よ花よで愛でられてて、
ザックリ言えば社交場はα貴族とΩ貴族の婚活パーティー。
おじさんΩ伯爵がめっちゃモテまくるのが熱い…ッ!!!

その中で重要視されるのはやっぱり身分ですね。
ゆえに身分が違う『運命の番』に出会うのは逆に厄介。
身分の違いは絶対に結ばれない・結ばれちゃいけない。
ならば最初から出会わないほうが双方にとって幸せって考えなんですね。

しかしこの物語の2人は出会ってしまったのです。
身分が違う『運命の番』にーーーー。

という物語の始まりなんですが、
個人的にとっても面白かったです…!ヾ(*´∀`*)ノ

身分差オメガバースといっても悪役がいないので、
差別で心が折れるような展開はなくスルッと読了。
身分差の葛藤よりもすれ違いがもどかしいお話でした。


さてさて。

受け:セオドア
βからΩに変異したおじさん伯爵。
『遅咲きの薔薇』と比喩されるおじさま受け最&高。
穏やかな人柄で地位も品位もあるとても紳士ゆえに、
Ω覚醒後は一気に人気者となります。

攻め:ヒューゴ
公爵家のフットマン。
公爵の代理として社交界に顔を出すこともあります。
セオドアが運命の番だと確信するけれど、
自分の身分をわきまえてβだと嘘をついてーーーー。


身分の低いヒューゴにとって、
セオドアと結ばれるのは過ぎた望みであり諦めてて。
でもαの本能で運命の番をマーキングする欲もある。
相反する気持ちに揺れ動く様が切ないです。

ヒューゴの名には『ジプシーの星の子供』という意味も含まれててですね…。
名から逸脱しまいと自分に言い聞かせてるのがまるで呪いのようで(;ω;)

これどうなるの〜〜〜!?ヽ(;▽;)ノ
って感じなんですがカラクリが動くので、
その部分の心配は程々に終わる。体感速攻問題解消。

それよりもカラクリが発動する前に生じた誤解が
ま〜〜〜〜〜ぁずっと尾を引いててすれ違うのですよ!
速攻問題解消したはずなのになんの解決にもならない。

個人的にはすれ違うタイミングが謎すぎました。
芸人のコント並みにズッコケちゃった。ビックリした。

(セオドアの情熱的な行動力とか、)
(ヒューゴのアスターを乗り越える覚悟とか、)
(すれ違いを解消するタイミング沢山あったじゃろ!)

セオドアのちょい天然で鈍感な性格や
ヒューゴの生まれを鑑みれば仕方ないんですけどね…。
でもすれ違いで発生する萌えもなかなか良かったです。

作中にチラッと登場するもう一つの貴族×ジプシー。
こちらのCPの詳細もかなり気になります…!!!
もしスピンがあるのなら見たいなー。

表題作以外の短編もオメガバース作品で、
金持αさんと貧乏Ωさんのお話でした。
短編なので関係性とか深い心理描写はなかったです。
番って簡単になるもんじゃねーぞ?って感想だけ…。
雄嫁さんのルビが「およめさん」なのは笑いましたw

5

遅咲きの薔薇

表題作と短編一作品収録。

「星屑のデビュタント」
やん先生による熟れおじストーリー。しかもオメガバース。
舞台はパラレル19世紀的な貴族社会。
そんな中で繰り広げられる、身分の違いを乗り越えていくロマンティックラブ。

主人公はβの伯爵・セオドア。
社交界の中心はαとΩなので、自分は蚊帳の外と言わんばかりに趣味の天文学に没頭している。
そんな時、甥のエイディ(Ω)の付添人として王宮拝謁に向かうが、庭で一人の男性に出会った途端なぜか発情が起こり…
…と始まります。
βからΩに変異したセオドア伯爵。助けてくれたその男性が忘れられないが…

それが褐色のα男性・ヒューゴ。
身分違いのヒューゴとどう結ばれるのか、がテーマなわけですが、ヒューゴの出生の秘密や、彼の主人であるカーディナル公爵の秘めた恋、Ωとなったセオドアから漂う色気、ヒューゴの苦悩…などなど「恋愛もの」の王道的なロマンス!
庭の東屋でのヒューゴとセオドアの姿は、まるでバルコニーのロミオとジュリエットのよう。
絵柄は言うまでもなく。柔らかそうな筋肉が美しいし、褐色の肌に散るそばかすやホクロが魅力/引力になる事を再発見。また、貴族設定ということで衣装も素敵です。

「運命の雄嫁さん」
現代設定ですが、こちらもオメガバースで身分差ものです。
ガテン系バイトを掛け持ちしてる進藤(Ω)と、進藤が窓拭きをしていた会社の若きCEO・金持(α)の恋、または衝動?
その晩すぐ結ばれ、翌日引っ越し即入籍ですって。雄嫁さんというかガチムチシンデレラ。

4

キラキラと星屑が輝く、ノーブル・ロマンス

上流階級世界にオメガバースという特殊設定も加わって、ファンタジックできらびやかな作品に仕上がっています。1話目を単話で読みまして、単行本化を今か今かと待っておりましたので嬉しいです。

【ベータであるはずのセオドア伯爵。甥の社交界デビューに付き添って王宮での舞踏会に足を運んだとき、突然オメガとして発情してしまう。フェロモンを抑えるために抱かれた相手のアルファは誰か分からず、ただその金色の瞳の輝きと山羊座のような胸のほくろを覚えていたがーー】

貴族!社交界!伯爵に公爵!と、ハーレクインのような豪華な舞台設定です。服装や建物、内装も凝りに凝っていて素晴らしく、読む人の目を楽しませてくれます。やん先生は以前もエグゼクティブBLを描かれていましたが、豪華な描写が似合うというか、好きで描かれているのがよく分かります。とても丁寧な画面です。

お話はオメガバースであり、貴族にもいろいろと制約のある世界観のようです。オメガである貴族はアルファとつがわなければならないので、婚活の場として社交界があります。そこで出会った運命の2人…!しかしアルファと思われる彼には何やら秘密があるようで、その辺りがミステリーのように隠されて進んでいきます。ここは読んでのお楽しみ!大団円が待っていますので、ハピエン派は安心してくださいね。

さて、攻めであるヒューゴ。何せそばかすと目の下のクマ?が印象的です。ハッキリとかっこいい!素敵!となっていないところが、今回のお話のミソなのかな、とも思います。容姿で語るアルファ論ではないというか。その身に抱える秘密もあって、少し控えめな印象でした。体型は全っ然控えめじゃなかったですけどね!(笑)

受けである主人公のセオドアは、見た目からいい人、なのですが、オメガ覚醒してからは色っぽさもふんわりと漂い、年上受けの葛藤もあったりして、かわいらしい人でした。おじさん受けが好きな私としては、彼が受けで嬉しかったです!

ノーブルなオメガバースBL、楽しませていただきました。甥っ子くんのスピンオフがあればぜひ見たい!彼も幸せになってほしいなぁ~。

短編でもう一つ、オメガバースBLが入っています。こちらは現代設定。なんかちょっとときめく強そうな金持ちアルファと、貧乏オメガのコメディタッチなストーリー。気がつけば1日で恋に落ちるところからベッドイン、入籍の約束まで終わってました(笑)

それにしても、やっぱりおじさん受けはいいなぁ…。

2

遅れ咲きのロマンス

冴えないおじさん伯爵?いえいえ、とんでもない。
御伽話のようなロマンティックな雰囲気のとても素敵なお話でした。

時は19世紀の英国。誰も彼もが着飾っては、貴族階級の相手を求め煌びやかな社交界で時に奔走し、時に舞い踊る。
まずすごいなと思ったのが、ページの隅々に至るまで装飾が美しく、モノクロのはずだというのに画面がきらきらと輝いて見えるんですよ。なんて美しいんでしょう。
セオドアの愛犬視点のモノローグで語られる1ページ目から、なにか素敵な出逢いと恋物語が始まる予感がしてわくわくとしました。洋装はもちろん、装飾や小物他、作家さんのこだわりを感じて読んでいて目が楽しかったです。

ふと香った甘く濃厚な薔薇の香り。偶然出逢った2人。突然のバース性の変異…と、オメガバースと身分差ものの美味しいところが良い塩梅で描かれています。
オメガバースにありがちなバース性による不遇等もあまりなく、ストレスなく終始ロマンティックな空気に身を任せて2人の運命の行方を追うことが出来るのがうれしい。
作中に遅咲きの薔薇という表現がありましたが…ヒューゴという輝く星に出逢ってからというもの、まだ何色なのかも分からない蕾のようだったセオドアがどんどん大輪の花を咲かせていくようで、なんだかすごく魅力的でした。
気品も知性も穏やかさも。そしてちょっとしたかわいらしい部分も兼ね備えた「おじさん」のセオドアが主人公だからこそ良かった作品かなと思います。
遅咲きのロマンスがちょっぴり切なくも初心でかわいいのです。

もっと山あり谷ありな関係をお求めの方には少々物足りないかもしれませんが、大人の素敵な御伽話が読めますよ。
シンプルだけれど飽きのこない、ふわりと甘い口溶けが良い作品でした。
ひとつだけ欲を言うのなら、表題作のみでまとめられていた方が綺麗だった気がします。

1

これは長編で読みたかった!


身分差ものでも素敵な話に思われたんですけど、
ヒューゴの出自絡みの話が出てきた辺りから急に話が収束してしまった気がして少し残念に思えました。

もうちょっと拗れて欲しかったかな…

身体が受け入れたいとΩに変化してしまうほどの相手❤︎
でも、身分の差が2人の仲を、特に下位の方にとっては絶望的に、この想いを遂げることは叶わない…
ここまでは良かったのに、そのあとは出自が明らかになる前から、ちょいちょい手を出すのは何故⁇絶対バレるからマーキングなんてしないよね、身を引くなら。
そこの葛藤があんまり伝わらなかったのも残念かな…

どうせ叶わないと名前も明かさなかったけど、Ωの方が朦朧とした記憶のなかで覚えている幾つかの印、匂いはよくあるけど、星になぞらえた胸のホクロとかね、素敵だったんだけどなぁ

ロマンチックな、エピソードが散りばめられてるのに、あまり膨らまずに所謂『運命の番』ストーリーの展開でおしまいになった感が否めませんでした。もっと長尺にして拗れて欲しかったなぁ、何度も言っちゃいますけど。

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