ブラーリーエッジ

blurry edge

ブラーリーエッジ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×28
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
98
評価数
22
平均
4.5 / 5
神率
54.5%
著者
雪国ウム 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784801981218

あらすじ

記憶の中に浮かぶ、細くて白い縛られた手――。

脳裏に焼き付いた光景は今も影響し、
大人になって初めて自分の性癖が
"手" だと自覚した大学生の中津。

何の記憶なのかも曖昧で思い出せずにいたが、
そんな時、バイト先で出会った
顔がタイプの仕入れ業者・白瀬の手に見覚えが
あることに気付き思い切って誘ってみることに。

どこを触っても敏感に反応する体、自分で後ろを拡げて
淫らにおねだりする姿に興奮を隠せない中津だったが、
虚ろな様子で何度も求めてくる白瀬にどこか異常さを感じ
なんとか落ち着かせて家まで送っていくと
白瀬の同僚・多賀谷が出てきて…?

この出会いをきっかけに、それぞれがまだ知らない
"三人"の間にある[過去の記憶]が動き出す――。

無自覚な手フェチ大学生×節操なしの性依存症
儚くて脆い、過去に縛られたままの想いを解く救済ストーリー

表題作ブラーリーエッジ

中津朋之、20歳、大学生
白瀬、24歳、仕入れ業者ルート配達

同時収録作品ブラーリーエッジ

中津朋之、20歳、大学生
市川、大学生、中津の先輩

同時収録作品ブラーリーエッジ

多賀谷、高校生→大学生→社会人
白瀬、高校生→大学生→社会人

同時収録作品ブラーリーエッジ

モブ、学生時代同級生、院時代知人
白瀬、高校生→院生

レビュー投稿数7

安心出来ない魅力的な「読ませる」1冊

前作の評判で凄く気になっていた作家さまです
前作は内容的に多分まだ私には早い内容かな?と思いまだ未読なのですが、その展開の斬新さに新人作家さまとしての期待を覚え、次作が出たら絶対チェックしよう!と思っていた雪国先生の2冊目です
今回は軽くあらすじを確認した感じだと「救済ストーリー」との事
ヨシ!今こそーーっ!と思い、いざ初読み…!

始まりからセオリーをぶっ飛ばす展開に惹き込まれます!
ん?誰が主役だ???え?そうなの???と物語自体の面白さにページをグイグイ進めたくなると同時にちょっとページを戻って頭を整理したりしながらも気持が急いて行きます
そして扉絵などでもで挟まれる意味深な回想シーンが醸す先が見えないドキドキ感…!

純ミステリーでもエロ軸でもないのに逸る気持ちとエロさのドキドキを味わえる、私的には非常に新感覚で衝撃的な1冊でした
多分冒頭で大きく予想を裏切るスタートを魅せて下さった演出が効果絶大で、久々に「安心出来ない」作品に巡り合えました♡

ダメだよ?って言われるとしたくなったり覗きたくなったりするあの感覚、分かっているケド止められないような、そんな中毒性のある魅力がある作品です

取扱いの内容が結構シリアスでトラウマ的要素もあります
またモブ姦の無理矢理も合意の上も含め攻め受け共に絡みあります
人に依っては地雷にあたりそうな表現もありますのでご注意下さい

なかなか胸クソなシーンもあったり心情的にツライな…って所もありますが、それでも確かに「救済」でした
そして最後まで終着地点の予想を簡単にはさせない物語の運び方にしっかり「読ませて」もらえる作品でした!
なかなかの描き込み量でもあるのでサラッと読むよりじっくり読んで欲しい作品です

ただ、内容が内容なので人によっては評価が分かれる作品だとも思います
私自身も誰に共感出来たか?と言われれば一言では答えられないです
でも、動きたくても動けなくなって凝り固まってしまった関係でもほんの少しの変化で歯車が回る事もあります
そのほんの少しの出来事や出会いに「救済」があってもいいんじゃないかな?って思えた、読後は決して悪くないお話しです

キャラへの想いとか叫んじゃうとネタバレになるので今回は控えます
きっとその方がこのお話しは楽しめると思いますので!

本編終了後の番外編、描き下ろしもアツいです♡
あと、あとがきですら漫画を描いてくれています!
応援したくなってしまう先生です(≧▽≦)
そんな所も全部ひっくるめて神評価間違いナシ!

修正|白抜き(シーモア)
なかなかのエロは多め&激しめだったのでちょっとライトセーバー気味な修正は残念でした…

3

過去の罪悪感に囚われているのを救うのは…

主な登場人物は手フェチの好青年攻め中津と過去に訳ありな不憫受け白瀬、そして白瀬の高校時代の同級生の多賀谷の3人。

とはいえ、この3人の関係性を「三角関係」という言葉で表すには少し違うような気がします。

薬局のバイトをしている中津はその仕入れとしてやってきた配達員の白瀬と多賀谷と仕事相手として出会います。
中津は白瀬のことがどタイプで気になっていたところ、ひょんなことから白瀬も自分と同じゲイであることを知り少しずつ距離を縮めようと図ります。

幸薄そうな雰囲気だけでなく、か弱そうな細い手までもタイプすぎてますます惹かれていく中津。
その一方で、白瀬の指にある特徴的なほくろを見て中学の記憶がふと蘇ります。

それは何者かによって手首を縛られ閉じ込められている男の後ろ姿。
まさにこれが中津にとって自分の性的指向(嗜好)を自覚するきっかけでもありました。
そしてこの記憶の男こそが白瀬なのではないかと確信に近い疑問を抱くようになります。

ところが、この記憶の出来事こそが物語の核心とも言える中津、白瀬、多賀谷の3人を巡るものだったのです。

白瀬と多賀谷の関係性は非常に複雑なんです。
少なくとも白瀬は多賀谷に対して恋情を抱いていましたが、多賀谷はゲイではありませんし白瀬に押されっぱなしだったので白瀬に対してどういう感情だったのかは明確ではありませんがそんなに悪いようには思っていなかったはずです。
ですが、例の“出来事“によって2人の抱く感情や関係性が発展することなく、お互いがお互いに対して罪の意識を持つようになります。

これに関してどちらの方が悪いということができないことにお互いがお互いに罪悪感と執着に囚われていってしまう原因なのです。

本当に複雑で深い問題で、完全に元の綺麗だった頃のようには戻れないということがとても切なくて苦しいです。
たぶん、白瀬と多賀谷自身もその関係について思うところはあったはずですがどちらも先に踏み出せずにいたんでしょうね。

その2人の関係性を精算するきっかけをくれたのが中津でした。
読者の私自身も何だかやるせない気持ちでいっぱいでしたが、3人が新たにそれぞれの道を歩き出していく兆しが見れて最終的に良かったです!

そしてやっぱり不憫な受けくんを受け止めてくれるヒーロー的な好青年攻めは最高の一言に尽きます(^_^)b

本編は大分重々しいストーリー展開でしたが、最後にはしっかり中津と白瀬の甘い一時も見られて良かったです。
これから先はもっともっと2人で幸せになってほしいと思いました!

エチもストーリーもどちらも欲張れるそんな一作だと思いました♡

3

3つの秘めた痛みと、救い

中津×白瀬
多賀谷×白瀬


少し切なくて、
センシティブなシリアスさ、
儚げな痛みのエピソードも交えつつ、
ミステリーな雰囲気と
深いトラウマが絡み合っている。
すごく引き込まれてしまいました。


手フェチの大学生・中津が、
自分の性癖と、
昔のトラウマに結びつけて物語が進行していくのが、

バイト先の仕入れ業者・白瀬の
痛ましい過去と現在が、
中津の心に焼きついた記憶と深く結びついていて、

白瀬の心の彷徨いが滲む様子や
空虚な体がしつこくせがむ姿に
気になって仕方ない。

白瀬の同僚・多賀谷が登場するところから、
過去の傷ついた出来事が、
3人の関係がどう進展するのかハラハラしまう。

エロの部分もただのエロではなくて、
切なさに染まった傷跡が見え隠れするのがたまらない。

それぞれの過去と、
その奥に秘めた苦い記憶に縛られていて、
それが一つの物語に繋がっていくのが本当に素敵。

3人の胸がざわめく心情や、
その背景が繊細に描かれていて、
彼らが救いを求める姿に、
ついつい一気読みしてしまいう
心に刺さる深刻なお話でした。

2

あらすじに惹かれて…

何やら含みのあるあらすじ、更に受けの白瀬は淫乱と来ました…!
気になる。。。‼

しかも一見分からぬタイトル(私には、ですよ?)
「ぶら~り」ではありません!Blurryでした……(知ってましたよね?w)
Blurry→物の輪郭、画像などがぼやけた、不明瞭な、との意味らしい、参考迄に

これは、お話しを読んで見ると恐らく中津視点であり白瀬視点でもある、2人の視点からのタイトルなのかな?と推測します

あの所々挟まれる彼の性的嗜好を導くに至った強烈な幼い頃の記憶
中津視点では強烈が故にその記憶自体がかすんでいき、現実との境い目(edge)がぼやけた事を意味してる
白瀬視点では多感なあの時代に負った深くそして絡まった想いと記憶を上書きする度に自身を失くしていくような感覚
それらを表現したようなタイトルなんでしょうかね~?
なんて、珍しく深読み考察をしたくなるような、とってもおもしろい仕掛けを感じる作品です!

簡単に手を出して良いか悩むタイプの社会派な激重スト重のBLではないんです
でも、決してライトなどこにでもあるBLでも全然ないです
あらすじ読んで「お?手フェチかぇ?」とか「ド淫乱さんの性依存かぇ?」などとちょっとゲスめな興味だけで読むとビックリサプライズな展開を目の当たりにします!←私です、ワタシ笑
尚、私はビックリサプライズの上歓喜いたしました(●´ω`●)♪

多分色々ネタバレはなしで読んだ方が確かに良さそうです
なので「あらすじ」はあくまでも「粗い筋」だという事をお忘れずに。。。とお伝えしておきます
でも、このあらすじに惹かれて読んで見た私は大満足だった事もお伝えしたい!

エロは流石期待したド淫乱さんでした!
でも、ちゃんと相手によってその淫乱さが淫靡にも痛々しくも見えるのでその辺はご注意あれ
淫靡さをまとった際の気持ち良さそうな濡れ場は白瀬が激しく「求め」相手が「応える」、、、すごく好きな濃厚さでした
エロは多く激しいですが、これはエロBLに非ず!なのでその辺もおすすめしたい作品の魅力のひとつでした

電子限定のオマケでは先輩のナイスアシストもあって楽しかったです♪
軽い先輩だけど悪い人じゃないので幸せにいつかなると思う、あのタイプは!

2

[2人+1人=3人]登場人物の妙

この作品、とても面白いです!
内容が面白い、というよりプロットそのものの斬新さというか個性が光っています
是非、ネタバレは最小限で読んだ方が良いと思います!
なので核心には触れない程度のレビューにしたいと思います

あらすじにも”三人”と書かれています
確かに主要なキャラは3人なんです
ですが3人集まった際のBL展開であるようなNTRとも三角関係ともこの3人は違うんです。。。
とは言えLOVE要素が皆無でも無いのでちゃんとBLなんです!

この設定で破綻なく最後迄どのキャラにも興味を持ちながら、何かを期待しながらも、同時に何かが起こらないよう祈りながらドキドキハラハラして読み耽られる
しっかりした骨格があってこそのお話し構成だと思います

[2人+1人=3人]の図式はその内訳は変われど最後迄[2人+1人=3人]で本編、番外共に終了
この関係性の変化も面白い
でもいつか[3人]が揃って語り合えるそんな瞬間を覗けたら嬉しいな~と願ってしまいます

まだ2冊目の先生なんですね!
存じ上げませんでしたが益々今後に期待したい、そして応援したい作家様と出会えた1冊です

1

絶妙な人間関係の罪と救済

雪国ムウ先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
不憫 4
シリアス 3
エロ 3
救済 3
血表現 1
な感じだと思います。

手フェチ大学生×過去に縛られた性依存症のカプです。
記憶なのか夢なのか。しかし脳裏に焼き付いている白い手。その所為で無自覚に手フェチとなっていた大学生の中津さん。ある日、バイト先で出会った仕入れ業者の白瀬さんの手に見覚えがあった。中津さんの誘いに乗った白瀬さんだが、どこか危うい言動がほっとけないが、白瀬さんの同僚の多賀谷さんまでもが絡んできて…。

メインカプは中津さんと白瀬さんですが、物語り初っ端から中津さんと脇役キャラの先輩の絡みが描かれてたり、白瀬さんが性依存症となった原因やその元凶の人物との絡み、そして白瀬さんと多賀谷さんの過去の出来事など、様々な絡みが少しずつ描かれています。

中津さんの記憶に残っている手、白瀬さんの自己評価の低さ、多賀谷さんの白瀬さんやその周りの人達への言動など、色々なことが疑問になりながらも読み進めていくと、それが徐々に紐解かれていくので、3人それぞれの存在や言動の意味が分かり、最初に抱いた印象が変わっていきます。

中津さんと白瀬さんの関係も勿論良いのですが、多賀谷さんと白瀬さんの関係も個人的に萌えます。昔は良好な関係、むしろとても良い雰囲気だったが、不運が重なりお互い罪悪感を抱いてしまう。何事も無く過ごしたいのに、過去のことに縛られ続ける。本当は許したいのに、救いたいのにそれが出来ない。2人共不憫で切ないです。

白瀬さんが脇役キャラに殴られたりするので少しだけ血表現があったりして、痛々しい描写もあります。あと個人的に中津さんのバイト先の店長の発言が物凄く嫌いでした。あんな店長が居る店は利用したくないな。

不安を抱える白瀬さんを優しく包み込むワンコ攻めな中津さん。危うげで、だけどそれすらも妖艶な色気がある白瀬さん。責めることも責められることも出来ず、それでも側を離れない多賀谷さん。三角関係とは少し違う、絶妙な人間関係に脱帽致します。是非とも読んでほしいです。

0

ぼやけた輪郭を取り戻す

前作のコミックスも大好きですが、こちらも凄いです。スリリングな情景描写が上手すぎる...。

1話のフックの強さ、読者の固定観念や思い込みを利用したストーリー展開、最後まで一気に読ませる面白さ...お見事です!

相互救済とは少し違うかもしれませんが...2人が出会うことで、それぞれが自分の人生の輪郭を取り戻していく様子に心が揺さぶられます。

年上敬語受けすごく珍しいなあと思いました。受け攻めだけでなく、周囲のキャラクター達もとても魅力的です。
問題が解決したら終わりじゃなくて、その後の関係性も見せてくれるのもまた良い。キャラクターが生きてる感じがするので...。

今作もとても面白くて、すっかり雪国先生のファンになってしまいました。次回作もお待ちしております!

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