穢れのない人 下

kegare no nai hito

穢れのない人 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神42
  • 萌×220
  • 萌6
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
22
得点
311
評価数
72
平均
4.4 / 5
神率
58.3%
著者
虫飼夏子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784865897487

あらすじ

“これは、彼らの罪と罰。”

闇を抱えた神父×人生に絶望した男

好き
あなたの心を楽にしたい
何があっても君の味方だ


▼あらすじ
「私はあなたに左の頬を差し出しましょう。」

15年前、冤罪で逮捕された秋鷹(あきたか)。
自分に罪を着せた真犯人が心を許していた木場(きば)だったとわかり、秋鷹は絶望する。
しかし、嘆き怒り追い詰められた秋鷹は木場と出会った意味を、自分がここに遣わされた意図を朝日の中で見出すのだった。
木場を赦し、受け入れることを決めた秋鷹。
彼の瞳に見えたのは、この悲しい人間を救わなければならないという使命。
それとも或いは共に堕ちる地獄かもしれない。
この感情は慈悲なのか、愛なのか、2人の新しい生活が始まるーー。

狂おしくて切ない愛の物語。

表題作他、セックスにトラウマを抱えた売れっ子役者を描く短編『仮面のなかみ』も収録。

表題作穢れのない人 下

神父
元神父,元受刑者

同時収録作品穢れのない人 下

恭介の実父

同時収録作品仮面のなかみ

劇場のアルバイト
舞台俳優,30歳

その他の収録作品

  • trust you(描き下ろし)

レビュー投稿数22

読み手を選ぶ作品ではあるが

『穢れのない人』の下巻。
上下巻の2冊ものなので上巻未読だと理解できません。

上巻のレビューでも書きましたが、今作品は読み手を選びます。
小児性愛に拒否感のある方、人を殺めるというシーンが耐えられない方、あるいは自分の意にそわない性行為に対してトラウマのある方はくれぐれもご注意ください。


さて。
上巻で一郎が服役することになった凄惨な事件の真犯人が分かりますが、これ、誰が犯人なのか下巻のあらすじに書いてあるんですよね。できれば知らずに上巻も読み始めた方がいいと思うので、ここでもなるべくぼかして書こうと思います。ただ、レビューの表現の都合上どうしてもわかってしまう表記はあります。

少し下げますので、ネタバレ厳禁な方は注意されてください。





自分を陥れた真犯人が誰だったのかを知った一郎。
そこで、彼はどうするのか、という部分は今作品のキモかと思われます。

私なら許せない。
糾弾する?
警察に言う?
詰って、責めて、怒りをぶつける?

けれど、一郎はそのすべてを赦すことにした。赦し、って難しいよね。そこで、彼の神父だった、という過去が生きてくるのは上手なストーリー展開だなと思いました。

そして、じゃあ赦された真犯人は?という部分につながっていく。

「彼」が、なぜそんなことをしたのか。
その事情を解き明かすために、「彼」の過去編へと突入しますが。

これがまたなんというか胸糞というのか。
諸悪の根源はあんたかー!という人物の登場です。どこまで読んでも希望は見えずしんどい展開が続きます。

自分の欲望のはけ口のために、子どもを飼い殺した男。
夫の罪を知っていてなお、子どもの苦しみを知っていてなお、それを己の平穏だけのために無視した母親。

そこから行きついたゴールはー。

なぜ、木場は一郎を愛したのか。
なぜ、求めたのか。

一郎の神父として、一人の人間としての懐の広さと温かさ。
それを必死で、木場は求めていたのではないだろうか。

そして、木場もまた、神父になった、その理由も。

描き下ろしは、真犯人が出所してきた後のお話。
何年経っても、信じて愛していた二人の想いは揺らぐことはなく。短いページ数しかないのですが、そこにギュッと詰まった彼らの感情が怒涛の様に流れ込んできて思わず落涙しました。

少しの描写で、過去で、仕草で表情で。
いろいろなものを読ませる手腕がとにかく素晴らしく、人によって感想は様々だろうなあと思いつつ読破しました。被害者の男の子に向ける贖罪の気持ちが生まれていて本当に良かった。彼はやっと自分を赦せるようになったんじゃないのかな。

終盤に単話が収録されています。
「仮面のなかみ」。
イケメンで人気上昇中の舞台俳優・夏希。
さぞかしモテるだろうという大方の予想を裏切り、実は彼はDT。
そんな彼に声をかけたのは、バイトとして雇っているモサモサ男子の今井くん。

なぜ未だにDTかを相談しているうちに、なぜか今井くんとイタすことになりー?

コミカル、なんですが、人の悪意とか、生まれたてのほのかな恋心、とか上手に描かれているなという感じ。今田くんがオスの顔になるシーンがヤバ!ってなりました。

なんていうんですかね。
人の悪意、裏の顔。そういう、人には見せない部分に焦点を当てている、というのか。そこをぼかさずに描いていることで、いわゆる一般的な「BL作品」とは一線を画す作品に仕上がっていると思いました。

人は一人では生きていけないのだと。
誰かが、心に寄り添ってくれる誰かが、人には必要なのだと。
間違えた時には叱咤し、けれど理解しようとしてくれる人がいることの幸せを、しみじみと感じました。

「赦し」とか「愛」は、人によって形を変える。
その難しさも、きちんと描いている作品だったように思います。

このご時世に、このバックボーンで描き切った虫飼先生に心からの拍手を送りたい。上巻でのレビューでも書きましたが、今作品はいわゆる万人受けする作品ではありません。けれどデビュー作でこのクオリティは素晴らしい。

ストーリー、キャラ、そして伏線の回収、などなど、非常に読み応えのある1冊でした。ちょっとすごい作家さまが出てきたなという感じ。次回作も楽しみに待っていようと思います。

12

評価の別れる作品

読めない人間は一定数存在する話。BLに少女漫画的な萌えを求めて読んでいるのなら、向かないかもしれません。更に、小さい子のレ○プものが無理な人は厳しいと思います。

BLというよりも"犯罪"、特に小児性愛や幼少期の虐待についての問題提起的な作品だと思います。理由があれば犯罪が肯定されるわけではありません。しかし理由について知ることは必要な事だと感じました。私は犯罪心理的なものも好きなので、とても楽しく読めました。
ただ殺されてしまった男の子のことを思うと、こういうのって身内に被害者がいないから言えることで被害者遺族からしたらこの作品を読める私も悪魔のように見えるのかもしれないなとか色々考える作品でした。しかしそれでも犯罪の減少の為には確実に考えなければいけないことではあります。

起承転結で言うと、上巻は起までしか描かれていませんので是非上下巻で一気に読んで欲しいお話です。下巻を読むと、上官の最後の木場の激昂は自分の罪悪感から逃げたいがために来る虚勢なのだろうなと思いました。

結局父親は逃げ切っているし、罪のない男の子が殺されながらもその子は物語の背景でしかない、などモヤモヤしたものが残る話ではあると思います。ただ、読んだ後に何か考えさせられるような作品が好きな方にはおすすめの作品です。

10

「罪」のはじまりを辿る

秋鷹が木場を受け入れたことでその関係は変わり、まるで恋人同士のような日々を過ごしているふたり。
でも木場の言動には愛や執着とはまた違う"何か"が隠れているような違和感があり、噛み合わない気持ちにハラハラしていると…
木場の過去がわかってきて、15年前の事件の真相にも繋がっていくわけです。

上巻でも途中から空気感が変わっていきましたが、下巻でも仄暗い雰囲気のままゾクゾクするような場面が何度もあって。
家族の在り方や信じる気持ち、愛とは何なのか?という部分を一緒に見つめ直しながら、ふたりともが救われていくような展開にすごく惹き込まれました。

木場が犯した罪は、本当に木場"だけ"の罪だったのでしょうかね…
彼の人格を歪めた父親と見ないふりをし続けた母親。
直接手にかけた木場自身と同じくらいの重さの罪が彼らにもあったのに、裁かれるのは木場だけ。
描き下ろしの先のふたりの日々が、どうか幸せなものでありますように…。

「なんだかなぁ…」というモヤモヤした気持ちは残ったけれど、そんな後味の悪い余韻ごとこの作品の魅力だったなと感じるようなとても深いお話でした。

9

穢れのない人間などいないからこその表題かな

上下巻読んでの感想です。
それぞれの気持ちを丁寧に描かれた作品だと思います。

結局のところショタコンは神父の木場ではなくその父親のみであったことに何となく安堵。
私はショタものが超苦手で理解出来ない範疇でしたが問題なく読めました。
まあ、最近低学年児童に接する仕事をし始め、興味どころか自他共に認める子供嫌いでしたが柔らかいすべすべの肌やいとけなさ、無垢無知に惹かれる大人の気持ちも分かり始めたからかもしれません。

犯人の精液が残っているだろうになんで秋鷹に罪を被せられたのか?
木場の父親はいったいどういう社会的地位の人間なのか?
つっこむところは有りますが概ね違和感なく物語は進みます。
ずっと幼い子供のまま、幼稚な木場と無罪なのに15年刑務所にいた秋鷹。
真犯人の木場を憎むこともできず赦す秋鷹は木場の中に神を見たからです。
木場が秋鷹にがむしゃらに愛を乞うのも秋鷹に無性の愛=神を感じたからだと思います。

木場の父親や母親についても一応ペイされている状態、つまり心身が平穏で豊かな老後を送っているなどという許し難い状態ではなかったので私の中の胸くそ悪さは薄まっていました。
とはいえ父親に関しては立派な小児性愛者、もっと支払うべき人間であることは確かです。

最後の描き下ろしで、殺された子供のお墓やお墓参りで終わっていたのは今後に続く希望の光なのだと思いたいです。

上下巻のそれぞれの別作品を除いて全1巻で出してもよい程の厚さでしたが、出版社の事情なんでしょうね。

6

これは……凄かった

先ず、言いたいです
地雷のある方や、ある程度作品嗜好に自分型がある方などは出来たらあらすじや作品傾向を把握してから読む事をお薦めしたいです
逆に属性も幅広く雑食な方はとにかく読んだ方がいい!!と言い切ります

この作品の凄さは読んだら分かります
でも一方「しゅみじゃない」人もいるだろうし、その赦しが許しがたく気分が良くなく思う人も居そう
想う感情は人それぞれだからそう思うのも仕方ない

だけど出来たら読了後にこの作品に対して負の感情以外の何かを得られたらいいな~って思う位私には衝撃的で凄い作品でした

所々やっぱり胸クソだなって思う人や理解に苦しむ流れがなかったとは言いません
でも、それがこのお話が唯一無二であり強烈なインパクトを残した事もまた事実
重みが増すというか感情をガシガシ半強制的に揺さ振られるような感覚です
それらを超えた読了後、、、
まだ私の感情はぐゎんぐゎんしています…

うまくレビューもまとめられない
でも言わなきゃ!凄い作家さんの作品が誕生した事
そして出来たらいたずらに読むのではなく(そんな人居ないと思うんですけど…枕詞みたいな意味のいたずらだと解釈頂きたい)読後にこの作品の余韻に浸かって欲しい。。。と。

絶対に上下巻一緒に読んで欲しいです
そして合間読書ではなく「よし、読むぞ!」で向かい合って読んだ方がきっといいと思います

読む人も読む時も選ぶかも知れない
でも私はこの本に選ばれた(呼ばれた)気がしてならない…
ここまで抉ったデビュー作を描いて下さった先生と導いた編集さん、ありがとうございました

5

出来れば表題作だけで読みたかった

すごい新人作家様が出て来ました。
上巻のレビューを書き終え、早く答え合わせがしたいと下巻を手に取り読み、読み終えた今はまさに放心状態というか…
想像していた以上に考えさせられるお話でした。
上巻とは全く異なる印象を抱きましたし、なんともいえない余韻が残っています。

夢中になって読んだ作品があれば、ついつい面白かった、良かったと言いたくなってしまいますが、こちらの作品には使えない言葉かもしれないなと私は思うのです。
萌えか否かと言われると、萌えたのかどうかわかりません。萌えという言葉は合わない作品だと感じます。
ちるちる上の評価も最上が神なのでこちらの評価になりましたが、正直に言えば、他レビュアー様も仰るように違和感があります。
好きか嫌いかの2段階であれば、間違いなく好きを押しているでしょう。

私はこの作品が好きです。ただ、理由がわからないのです。
上巻であれだけ知りたかった「なぜ?」の部分が、下巻では次々と明かされていくというのに、普段BL作品を読む時とは少々異なる感情と考えが次々とわいてきて、頭の中でぐるぐると渦を巻いたまま読了していました。
決して嫌な類のものではなくて、どうすれば良かったのか?どうしたら良いのか?なぜなのか?と、哲学的な考え方をしながら読んでいたのかもしれません。

作中のどのエピソードにも、最高だった。素敵だった。良い話だったとはとても言えませんでした。
それを言うには、私は事情を深く知りすぎてしまった。
けれど後味は悪くなく、好きか嫌いかで言うと好き。
なぜ好きなのかはわからないけれど好きというのは、作品に描かれていたものを見て、一体どの感情と考えを持つべきか?と、考えようとする自分がいたからかなと。
ただ見ているだけの傍観者ではいたくないと思ったからであってほしいですし、そう思わせてしまう力がありました。

読み手の分だけ読後に抱く感想や考えが異なるでしょう。
ここまで余韻が冷めず、深いところを突いた作品を読めたことをうれしく思います。次回作も読みたいです。

5

言いたい事が山ほどある…っ‼

先ず上下巻を通して言いたい…!
なぜ同時収録作品入れたのぉーー…⁈(´д`)⁈

上巻のレビューでも上巻の同時収録作品について結構書いたんですけど、、、それでもまだ表題作との作風の親和性もあるかな…?と2万歩位譲って納得出来ます
でも…!下巻の同時収録作品は「ナイ」なって思います。。。
誤解無きように言いたいのは上巻の「スケープゴート」も下巻の「仮面のなかみ」も単純に作品としての完成度は高いんです‼
2つの作風が違い過ぎるのでこの言葉が適切か?は迷いますが表現の便宜上使いますが【楽しめました】なんです!!

ただ単純にこの「穢れのない人」という作品になぜこの同時収録を選んでしまったのか。。。⁇という構成への不満が大きい。。。

デビュー作、という事が恐らく大きく影響しているのかな?とは推察はしますょ?
表題作だけでは作家さまのイメージが固まり過ぎてしまう位のインパクトがあるからの下巻の「仮面のなかみ」だったんだろうなって事は分かります
でも、、、余りにもこの「穢れのない人」の世界観を壊し過ぎちゃうでしょ・・・⁈「コレじゃなかった」んではなかろうか???
せめて表題作と同時収録の間にあとがきを入れるとかして欲しかった。。。

作家さまのお顔が余りにも見え難いこの上下巻を通した構成には理解が追い付かなかったなぁ…(。゚ω゚)
そこまで酷くはないとは思うけれど、私には”違った”なぁ…って印象が強かったデス。。。

そして表題作自体ですね!
こちらは何とも…まぁ…・・・「不幸」なお話しなんでしょうか。。。
誰も結局は「救われていない」気がします
だからこそ彼ら2人だけでも互いが互いを「赦す」しかなかったんだろうと思います

この作品は正直秋鷹が神父でなければ成り立たなかったんじゃないか?と思えてならない

恭介も養父も養母も『自己愛』が強過ぎる…
恭介は勿論そうならざるを得ない背景はあの鬼畜の存在と影響から分かるが、自己肯定感が低いのではなく自己愛が強かったからこその残忍な凶行に走った訳だと思うんですよね

だからこそ『自己愛』とは相容れない『博愛』精神を貫く事に理が通る秋鷹の「神父という存在」が必要だったんだと思うのです
そう考えると秋鷹が神父の道を歩んだ過去や背景の描写が少なかったのが勿体ない……知りたかった…

そして恭介も恐らく施設育ちですよね?
(ちるちるの作品詳細に「実父」と記載されてますがあの鬼畜は養父ですよね?多分間違ってる…と思う…)
だからこそ余計恭介は「愛に執着」したんだと思うんです
この辺の掘り下げもあって良かったのに…と思えてならない

他にも正直めっちゃある‼
そもそも冤罪になった経緯、省き過ぎじゃない?
あんな小さな少女にあの2人の話しは理解出来たの?とか、さ…
色々あるんすょ。。。言いたい事!
でも、あくまでもBLだからさ、、、その根幹に関わらない所は脳内で処理出来る!だからこそ根幹に関わる2人のバックボーンはもっと丁寧に描き切って欲しかった!!!

それ位「知りたい」2人のお話しだったんです…‼

そしてこれだけは感想として言いたい…私はあの母親が1番許せない…!
小さな子供を殺めた息子、そこに至る迄追い込んだ伴侶の愚行を、なかった事、見ぬ振り、気付かぬ振りをした事…
ここにも恭介が実子ではない、という背景が見え隠れしているように思う
と、いうより子供を持つ母親としての感情が感じられない
『無関心』という罪名なき罪があったと思えてならない

マジで同時収録不要論ですょ。。。
いや?作品として読めたのは良かったんです、ほんとに!
なので「上中下巻」が最適解だったんだと思うんだけどなぁ。。。
悔しいなぁーーー…
すっごい読み込みたい作品の感触は確かにあるんだけどなぁ~…
だからこそ…言いたい事が溢れて来ちゃいました

これだけチンタラ言いましたが、これだけ言ってもそれでも『読み応え』のある作品ではありました!

そして絶対に先生の次の作品が出たら買います!!!!!
この想いを評価に上乗せさせていただきました(´ 。•ω•。)

5

タイトルの意味

ちるちるさんの記事で知り、気になっていた作品です。
読んでいる途中で声が漏れてしまうほどいろんな感情が湧いてきます。
それが怒りなのか悲しみなのか悔しさなのかわかりません。
BLという括りなのでしょうが、読む人を選ぶ作品ですね。
私は読んで良かったと思います。

先がまったく読めないという感じではないのですが、それが当たってほしくない。
ああそうか・・・そうだよな・・・みたいな

本を閉じた後は放心状態です
色々と考えさせられる作品でした。

4

救済の物語

こちらは下巻のレビューです。
上巻レビューにも書きましたが、特に下巻は前知識少なめで読まれることをおすすめします(とは言えかなり読み手を選ぶ内容なので、人によっては地雷要素があります)。
なるべくネタバレ少なめでレビューします。


上巻ラストで、木場を赦し、愛を与える努力をすると伝えた秋鷹。木場は毎日秋鷹の体を求める。
こんなにクズなのに、秋鷹に甘える木場は可愛いです。年下ワンコになっています。

秋鷹に過剰な執着と独占欲を示す木場に、疑問を持つ秋鷹。 
そして明らかになる木場の過去が壮絶でした。上巻を読んだ時にはちょっと想像できなかった展開でした。木場自身も被害者でした…つらい…。

木場の親と対峙する二人。
秋鷹の父親への発言は、元神父の厳しさと木場への慈愛を感じられて、胸にグッときました。

木場の母親については、実際このような見て見ぬ振りをする親はいるのだろうな、と感じてつらいものがありました…。

最後、木場は秋鷹に二度救われたんだなと思いました。
本編のみですと、ラストに切なくてやるせない気持ちになりましたが、書き下ろしまで読んだら少し救われた気持ちになりました。

上下巻読んで、木場の性格に少し一貫性がない感じを受けました。またストーリーに荒削りな部分も感じました。しかし確実に胸を打つものがありました。読んでよかったです。

デビュー作としては、力強い作品と感じました。今後の作品にも期待しています。


短編『仮面のなかみ』も収録。
年下ヤリチンバイト×トラウマ持ちの童貞イケメン俳優。こちらはコミカルな作風。ギャップのあるイケメンが食べられてしまいます。もうちょっとその先を読んでみたくなるお話でした。


シーモア購入 白抜き修正

2

下巻まで読んで!文句無しの神作です

上巻では物語の起承までのところで終わってたので、え?!どういうこと?ってすんごくモヤモヤさせられた。しかも、同時収録のお話にもモヤモヤは加速させられた。
下巻は、転結まで描かれています。
ここまで読んでいくと話の全貌がわかるので共感や同情、敬服してしまった。
主人公は、元神父であっただけに[赦す]事が出来る人で、彼がどうして罪を犯してしまったのかを注意深く探っていくの。愛をもって。

心で接していく事で、現実を見つめ直して罪を償う気持ちにさせていくところが、素晴らしい聖職者だなと思いました。職業神父ではなく、本当に神父になるべき人物。
人の罪を被って15年服役した事も恨むのではなく過去の事として[赦す]
とにかく、あの両親は地獄に堕ちてしまえばいい。息子に手を出すペドフィリアの父親ときっと気付いていたのに知らないふりをしていた母親。
あの2人に関しては[許せない]です。

同時収録のお話は愉快で大好きな感じでした。
30歳のイケメン俳優10代からモテモテだったけど実は10代の性体験のトラウマでEDになって以来童貞。王子なんてあだ名つけられているけど、経験ないのがコンプレックスで…ってお話ならこの先どうなるかもうお分かりですよね。
恥ずかしながら流されて感じてしまう王子最高でした。

ちるちるのインタビューで漫画描くの初めてとおっしゃられてましたが、心理描写が巧みで今後も要チェックだなと思いました。
ストーリー重視の方は絶対読んで欲しい。

シーモアで購入
白抜き修正

2

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