衝撃作「イトウさん」の著者・冥花すゐによる至高のメリーバッドエンドラブストーリー 禁を犯す外科医×健気に恋い慕う余命僅かな青年――優しく残酷なモラトリアム  君が生きていてくれるなら、たとえ誰を犠牲にしても――

ソムニア

somunia

ソムニア
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神31
  • 萌×227
  • 萌15
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
20
得点
313
評価数
80
平均
4 / 5
神率
38.8%
著者
冥花すゐ 

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媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
&.Emo comics
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784796415880

あらすじ

いつまでも、この幸せな夢のなかで生き続ける

不治の病を抱え、余命幾ばくもない青年・寧は、主治医の霧崎に恋をしている。霧崎はいつだって冷たいけれど、一緒にいられるだけで幸せだった。しかしある夜、霧崎が寧を生かすために恐ろしい罪を犯している現場を目撃する。パニックになる寧に霧崎は「これはただの悪い夢だ」と告げ……?

禁を犯す外科医×健気に恋い慕う余命僅かな青年――優しく残酷なモラトリアム

表題作ソムニア

医師(元天才外科医)
20歳 ,病弱な青年

その他の収録作品

  • 描き下ろし:夢の終わり
  • カバー下:イラスト

レビュー投稿数20

純愛の果てに

霧崎× 寧


描き下ろしを読み終えるまで泣かなかったのに、
読んだ後はすぐに涙が止まらなかったです。
2人の愛は、
優しくも残酷で、
狂気的でありながらも切ない。
ただの純粋な一途な愛だ。


表紙の帯の下に隠されたのは、
恐ろしいものだけれども、
血は赤くなくピンク色だった。
やっぱりこれはグロだけではなく、
愛、優しさ、幸せ、温かさ、
そして希望がある物語でしょう?
最終話のピンクの空は、
最後のメリバッドエンドへの
美しい導き手だと思います。

不治の病を抱え、
余命わずかと宣告された寧は、
主治医である霧崎に恋をしている。
美少年で純粋で
死を恐れずに、
誰かを悲しませたくないという優しい思いを抱いている。
家族とは微妙な関係である。
健気すぎて不憫すぎる。

霧崎は、
長い黒髪にメガネをかけて、
一見無愛想な印象を与える。
その冷たさの中にも
寧に対して口に出さずに感じている
愛情が渦巻いている。
不思議なカッコよさを秘めている感じかな。

そんな他の人には理解できないような
2人の歪んだ愛の物語で、

寧にとっては、
霧崎先生と一緒にいることが唯一の幸せ。
たとえ片思いでも、霧崎先生が全て。
この「好き」という気持ちがあれば、満足できる。

霧崎は、
ただ寧が生きてくれるだけなら
肝抜かれる残忍すぎても覚悟している。
寧を愛しているからに他ならない。

本当に2人の愛の強さに圧倒されました!

孤独な死を迎える前に
恋をしたいと願っている寧。
寧を1秒でも長く生かすために
残酷な決断を下した霧崎。
2人はお互いにとって
存在価値が高まっているのです。

愛なのかーー?
それともただのエゴイズムなのかーー?
哲学的な問いかけはあるけど、
2人の心の中にある切実な想いは
やっぱりただの純愛だと信じています。

2人のセックスは、
どちらかと言えば
悲しいような幸せなような、
複雑な感情が入り混じっていて、
愛が溢れすぎて、
ビクビクしながらも
感激しまいました。

寧にとっては、霧崎と一緒にいることこそが
永遠の幸せなのです。
霧崎も、寧と共に過ごすことが
何よりも大切な意味を持っているのです。
2人が幸せな結末を迎えたことに。
彼らの絆はあまりにも美しいものです。

霧崎が寧にこれは夢だと言っているのは、
恐らく寧に残された少ない時間を
彼と共に過ごせるように、
夢と現実を混ぜ合わせることで
現実の辛さや苦しみを和らげようとしているでしょう。
そう考えると、
それが『ソムニア』というタイトルの意味ですよね。

寧が「もう一回生まれたら、何をするべきか」というセリフに、
今生きている今こそ、
自分がやりたいことを思い切りやらないと勿体無い という
メッセージが込められていると感じます。

愛に囚われている2人の空間に没頭して、
愛はやっぱりすごいね!心にグッとくる同時に、
冥花すゐ先生が描く緻密で美しい独特な世界観と、
寧の純粋な恋心、
霧崎のエゴイズムや執着、
対照的な心理が
2人の絆を愛しく狂おしくに脳内駆け巡らせて、
感動は鳥肌が立つほどの深い衝撃な物語でした。

9

読み手を選ぶ作品ではあるが。

作家買い。
あー、これは好みが分かれそうだな。というのが読後の感想。
でも、個人的にはめっちゃドツボに突き刺さる一冊でした。これぞ冥花作品って感じ。

もう表紙から最高すぎて悶絶しました。
寧はカラーなのに、霧崎先生はモノクロ。そして、二人の足元に描かれているのは…。


かつて天才と言わしめた外科医・霧崎。
そして、彼の患者の寧。
自分を診てくれる霧崎を一身に慕う寧に対し、辛口な言葉を寧に投げかける霧崎、という構図で、ワンコのような寧に対して霧崎先生が辛辣過ぎるんですよね。おいおいおい、霧崎くんよぉ、もう少し優しくしてくれてもいいんじゃないの?とか思いつつ読み進めましたが、こういうお話だとは思っていませんでした。終盤に行くにつれて萌えが滾り、もうどうしようかと思いましたです、はい。

表紙の描き方もそうなのですが、寧の話し方も非常に独特です。
霧崎を呼ぶときは「せんせえ」と呼び、普段も方言ぽい話し方をしますが、これって方言なのかな。病弱で、幼少期から外に行くことができず家に閉じこもりきりで、同年齢の子どもたちを関わることができずにいたために精神的に幼い青年、を表すために、こういう話し方をさせてるんじゃなかろうかと思いました。

そして、その話し方ゆえに、より一層寧という男の子の薄幸さが際立って見える。

今作品はメリバと言える作品だと思いますが、そういった細かい描写があるからこそより切なく表現されているように思います。描き方が非常にお上手だなあと。

タイトルの「ソムニア」。
夢の中にいるように、幸せな時だけを見ていられるように。
そんな、「彼」の深い愛情が怒涛のように流れ込んできて、そして、二人が選んだ道にも萌えが滾ってしまって、読後ちょっと放心しました。

お互いに、相手のために思ってすることが必ずしも相手のためになっていないというのも良い。霧崎先生がしたことは、本当に寧が望んだこと?少しずつ歯車がずれていっているのに、それに敢えて目をそらしている。ボタンを掛け違えていることに気づいていてなお、彼が守ろうとした、その理由は。

先述しましたように、今作品は人を選びます。
甘々で優しくほのぼのはお話が読みたい気分の時には、正直言ってお勧めしません。

けれど、何を犠牲にしても、何を壊しても。
守りたいものはただ一つだけという、深い愛情を描いた衝撃作。

めちゃめちゃ良かった。
文句なしの神作品です。



5

最高のメリバに泣きました

冥花すゐ先生の既刊作品は殆ど拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

不治の病を抱えた寧(やすし)は冷たい言動をする主治医の霧崎に恋をしている。
一緒にいられるだけで幸せ、そう思っていたある夜、霧崎が寧を生かす為に恐ろしい罪を犯している現場を目撃してしまう。
個人的、各項目5段階で
健気 4
切なさ 3
仄暗い 3
エロ 2
な感じだと思います。

まず初っ端から口調にあれ?と思ったら、受けの寧くんが方言キャラでした。どこの方言なのか自分には判別出来なかったので、ちょっと読み辛かったり、この台詞は肯定なのか否定なのかと少しだけ分かり辛かったです。でも、物凄く健気で儚げに見える寧くんが方言キャラというのは個人的には好きなギャップなので、キャラクター面では問題ありませんでした。寧くんめっちゃ可愛いです。

あらすじや言動から霧崎先生がヤバい人物なのかなと思いましたが、第1話を読んで、犯している罪からやっぱりヤバい人ではあるのだけど、どんどん読み進めていくと、何故霧崎先生が寧くんに対して冷たい言動をするのか、寧くんのことをどう想っているのかなど、印象が徐々に変わってきます。
そして寧くんに対しても、健気に霧崎先生を想い続ける子という印象は間違っていないのですが、霧崎先生の心情などが分かっていくと、もしかしたら霧崎先生より寧くんの言動の方が優しくて残酷なものなのかもしれないと、お互いの想いの擦れ違いに胸がキュッとして痛みました。

でも根本的には、寧くんは可愛いです。冷たくされても霧崎先生を健気に想い続ける姿や霧崎先生に好きだと言う時に照れちゃってたり霧崎先生とえっちなことがしたいと甘えてくる姿など、とにかく可愛いです。苦しんで泣いている可哀想な姿も多く描かれていますが、寧くんの可愛さには癒されます。

物語終盤になって、霧崎先生の一人称が3種類あることに気付きました。これは個人的見解なのですが、一人称毎に霧崎先生の心情や本心、精神面などが違う様に描かれていると思うので、読了してからもう一度読み直してみると、今の霧崎先生はこういう心理なんだなと、より一層霧崎先生というキャラクターへの想いと作品への深みが増していきます。個人的には霧崎先生の一人称が僕の時は、うわぁってなりました。

最後になりましたが、帯に「メリーバッドエンドラブストーリー」と書かれていますので、メリバだと思います。そして私は、本編もウルッとしましたが描き下ろしでボロボロに泣きました。

大きなネタバレはしたくないというのもありますが、作品の良さをキャラクターの魅力を上手く言葉に出来ていないので、優しくて残酷な物語を至高で最高なメリバを是非とも読んでほしいです。

1

メンタルがきついけどいい

帯にメリバって書いてあってたすかりました。めちゃくちゃよかったです。
読むときはハッピーな本を準備しておくといいです。

0

残酷な受けの恋心

受けの恋心は、攻めにとってこれ以上残酷なものはないほど純粋で、またそんな2人の愛は永遠に美しかったと感じました。
夢でしか自分の思いを伝えられない。その夢は夢としてしか受け入れてもらえない攻めに心が苦しくなりました、、、
謎エンドですが、描き下ろしで受けが窓辺で天国へ行くシーンがあり、攻めも受けを想いながら亡くなっていったので、2人にとっては幸せな最後であり、また永遠の愛の途中なんだとメリバの良さを詰め込んだこの作品は神です。

0

夢が終わるまで

ずっと気になってたので、でも「メンタルが安定しているときに」と聞いて―
結局、仕事後のボロボロな状態で読みましたw

想像してたほどダメージを喰らいませんでした。
しかし色々考えさせられた、非常に面白い作品でした。

病気が辛いからじゃなく、周りの人が悲しむから早く死にたい―
そんな歪んだ望みを拒絶し、手を汚してでも寧くんを生かそうとする先生…
どうしようもなく残酷でした。

最後でやっと解放された二人が、どうか幸せでありますように。

0

残酷なのに美しい

2人それぞれの思いの在り方が、とっても切なくて美しいです。

0

【俺を好きだと言うなら一度でいいから言ってくれないか。生きたいと(霧崎)】

エロス度★★★★★

帯にメリバとある超親切設計。
どんなメリバを2人が辿るのか読む前からドキドキさせられちゃいますね!
医者と患者の恋ですが、患者である寧が余命僅かという儚げな要素があり、病に蝕まれながらも霧崎を健気に慕い、気持ちを伝え続ける姿が切ない。

霧崎も寧に素っ気ない態度で接しますが、彼を生かすために禁忌に手を染めていたり、死を望む寧に生を望んでいる霧崎の中にある激情がたまらなく刺さりました。

幸せな夢や不穏さを掻き立てるダークな面など、2人が進む結末から目を逸せない魅力を発揮する素晴らしい作品でした!

0

エンドレス号泣

ぁあああ、そっかぁ。。。
冥花すゐ先生だものね、テーマ的にもね、そんな気はしてました。
だけど、うっかり帯を見逃していたんです。

メリバだったとは……!!!

BANANA FISH(吉田秋生)だって、櫻狩り(渡瀬悠宇)だって…
受けと攻めは命尽きるその瞬間まで一緒に居て欲しいんだってば!!
夢とか幻覚とかじゃなく、生身の肉体で隣で看取って欲しい派なんです(涙)

だからね、相手の見えない場所でそっと相手を想って…てのは
めちゃくちゃ苦手で、めちゃくちゃ泣いてしまうんです。

今作も然り。
受けの不治の病と受けのために悪事に手を染める攻めという設定からして
明るいハッピーエンドなんて思ってはいなかったけれど、
それでも短くても、最期の瞬間まで一緒にいられるって思ってたんです。
なのに…なのに…!!
寧を想って最期の瞬間に微笑む霧崎にも、
死に怯えながら霧崎の幻覚に安堵する寧も辛すぎる…。

もう読了時に散々号泣したのですが、
いまこのレビューを書きながら再び号泣しています。

1

ダーク好きです。

パラソムニア、セクソムニア、、睡眠時の障害か…
ソムニアってタイトルのホラー映画もありますね。

せんせぇも寧に救済されたのね過去に。

イトウさん、三角オペラ、キリエが名作すぎて今回もエモエモを期待して楽しみにしてました。
ちょっと駆け足な…2巻でじっくり掘り下げて欲しかった〜そうなった過程を。

病院捨ててせんせぇがブラックジャックみたいになるまでは2人は幸せだったんでしょう…

イトウさんのあの悪い組織と関係あったら面白いなと勝手に想像してました。

0

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